2014年8月6日00時34分
東京電力福島第一原発事故の復旧作業員の甲状腺被曝(ひばく)について、厚生労働省の研究班は5日、等価線量100ミリシーベルト超の作業員は、ほかの原発の作業員らに比べ、甲状腺に小さいしこりや袋がある人の割合が多かったと中間報告した。精密検査がすぐに必要ではないが、まれに将来甲状腺がんになる可能性もあるとしている。
研究班は甲状腺等価線量が100ミリシーベルト超の福島第一の作業員627人と、100ミリシーベルト以下のほかの原発での作業員ら1437人に超音波検査をして状態をみた。
その結果、5ミリ以下のしこりや20ミリ以下の袋がある人の割合は福島第一で38・1%で、ほかの原発の作業員たち(27・3%)より10ポイント程度多かった。被曝線量が高いほど、その割合は多くなった。
ただ、甲状腺がんリスクが高くなるとして精密検査が推奨される5・1ミリ以上のしこりや20・1ミリ以上の袋がある人らの割合はともに10%程度で差がなかった。
研究班の祖父江友孝・大阪大教授(環境医学)は「福島第一原発の協力会社の被曝者は受診率が低く、結果に偏りが出た可能性もある。さらに詳しいデータ解析が必要だ」という。
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