国立の女子大学で優秀な大学と言えば、東のお茶ノ水女子大学と西の奈良女子大学だと言われている。もっとも、東日本の人間には奈良女子大学はあまり馴染みがないが、関西では未だにネームバリューがある女子大だ。はてなでも奈良女子大学は高学歴として扱われている。
だが、実際に今の入試難易度を調べてみると、それほどレベルが高くないということがわかる。女子大にしては難易度が高いが、所詮は女子大、他の難関国立大学に比べるとかなりレベルが低いのではないだろうか。(文中で用いるレベルとは、あくまで入試難易度、そして学生の平均的な学力のことである。けして個人や大学そのものを指してはいない。念のため)女子大にしてはレベルが高いから、高学歴だというイメージを持つのは、女子大、ひいては女性の知能に対する偏見であり、差別だと言える。女子大だからと言って贔屓せずに、公平な評価を下すべきだ。そうしないと、男女平等とは言い難い。
具体的なデータを示しつつ、
☆生活環境学部 センター5教科7科目 二次 英語+国数理から1科目
センターは全学部が一般的な国立型、二次試験は文が私大型、理が国立理系型、生活は変則型と言えるだろう。
ちなみにお茶の水女子大も学部構成はほぼ同じで、センターも同じ、二次試験は学科によりところどころ異なるので、同じ入試科目の学科で比較する。
まず、センター試験の合格ラインで比較する。数字は代ゼミのものである。
お茶女 文(80%) 理数物(80%) 理化(83%) 生活(82%)
奈良女 文(73%) 理数物(71%) 理化(73%) 生活(74%)
かなり差があることがわかる。お茶女は東北大や名古屋大など栄光の旧帝国大学と同等であり、奈良女はその下の金沢大や岡山大よりやや下、静岡大や熊本大と同等である。
次に二次試験の難易度を比較する。偏差値は難関大偏差値に定評のある駿台のものである。
このように、やはり大きな差が出る。二次試験に関しても、お茶女は科目数も考えると北大や神戸大など旧帝大下位レベル、奈良女は文系が金沢大や岡山大レベル、理系がやはり静岡大や熊本大レベルである。
以上の結果をふまえて考えてみよう。お茶の水女子大は旧帝大レベルなので、誰もが高学歴と認めるところだろう。だが、奈良女子大学は実質静岡大や熊本大と同レベルである。なので、静岡大や熊本大を高学歴、優秀な大学とするなら奈良女子大も高学歴だー優秀だーと叫んでも良い。だが静岡大や熊本大をまあまあの大学、国立では中ぐらいの大学、とするならば奈良女子大学もそうなのである。静岡大や熊本大の学生は名古屋大学や九州大学のレベルを知っているので、身の程をわきまえているが、奈良女子大学はどうだろうか。"女"という井の中の蛙になってないだろうか。はっきり言って女子大最高峰のお茶の水女子大と国立中堅レベルの奈良女子大学ではレベルに大きな差がある。それを知っていながら、奈良女子大学を"女子大の中で優秀"というだけで誉めそやすのは、女子大は馬鹿だ!女は馬鹿だ!という女性蔑視があるからだ。