日本政策投資銀行が5日発表した大企業の設備投資計画調査によると、2014年度の全産業の国内設備投資は17兆7102億円と13年度の実績に比べて15.1%増と3年連続で増える見通しだ。計画段階としては1990年度(17.0%増)以来、24年ぶりの伸び率となった。企業業績の改善期待を背景に、設備投資が活発化している。
調査は資本金10億円以上の大企業3224社を対象に実施した。回答基準日は6月26日で、有効回答社数は2246社(69.7%)だった。
非製造業では13.2%増と、計画ベースでは80年度以来の高い伸び率。消費の拡大や多様化に伴う商業施設や物流施設への投資が続くほか、東京五輪を見据えたインバウンド観光や対日投資など投資に広がりがみられる。製造業は18.5%増だった。紙・パルプを除くすべての業種で前年を上回る計画で、自動車や航空機関連など高機能製品関連の投資で増加する見込み。
海外設備投資は全産業で2.0%増と5年連続で増加する見通しだが、伸び率は13年度実績の19.8%増から大幅に鈍化する。自動車の投資が一服したほか化学や非鉄金属で大型案件がはく落するため。製造業の中長期的な国内外の供給能力については、7割を超える企業が海外を強化する方針を示す一方、国内の供給能力を増加させる比率は28.8%と13年度の22.1%から上昇しており「一部に国内生産を再評価する動きが出始めている」(政策投資銀)とみている。
また、資本金1億円以上の大企業、中堅企業を対象にした地域別の調査では、全産業でみると07年度以来7年ぶりにすべての地域で前年に比べて増加した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕