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【プロ野球】

大谷161キロ 公式戦の日本人最速タイ

2014年8月4日 紙面から

日本ハム−ソフトバンク 7回表に公式戦日本人最速タイの161キロを記録した日本ハム・大谷=札幌ドームで(大泉謙也撮影)

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◇ソフトバンク3−1日本ハム

 ソフトバンクが競り勝ち、貯金を今季最多タイの20とした。2回に金子、今宮の適時打で2点。2−1の8回に細川の適時打で1点を加えた。5イニング1失点の岩崎が1カ月ぶりの3勝目。日本ハムの大谷は7イニング2失点で4月以来の2敗目。

    ◇

 日本ハムの大谷翔平投手(20)が3日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で、由規(ヤクルト)が2010年にマークした公式戦の日本選手最速に並ぶ球速161キロを計測した。公式戦のプロ野球記録は08年のクルーン(巨人)が出した162キロ。1−2の7回2死二、三塁で李大浩に投じた2球目で記録し、結果はファウルだった。

 未知の投球数に達しても、自己最速を上回るスタミナが残っていた。7回2死二、三塁。大谷が李大浩へ投じた2球目。これまでの自己最多126球を超える128球目だ。相手打者をにらみ付け、こん身の力を振り絞り、腕を振った。超速球に、敵の大砲もファウルするのが精いっぱいだった。

 「161キロ」

 スコアボードに日本選手最速タイとなる数字が表示されると、スタンドからどよめきが起こった。だが、大谷はスピードを気にする間もなかった。161キロで追い込むと、最後はスライダーで空振り三振。ピンチを脱すると「ヨッシャー」と叫び、両手をたたいた。

 今夏の球宴で162キロをマークしている。これまでの公式戦最速は160キロ。球史に名を刻んだが、それでも「質も良くなかったし、もっと質の高いボールを投げられればよかった」と振り返った。

 敗戦の事実が、その表情を曇らせる。7回を9安打2失点と粘ったが、打線の援護がなく、4月27日以来の2敗目を喫した。「全体的によくなかった。いいボールが少なかった」。2回に無死満塁から金子、今宮の適時打で2失点。球速より敗戦につながった投球を悔しがった。母・加代子さんが観戦する前で勝利を挙げられず、自身初の10勝目はまたもお預けとなった。

 勝負には敗れたとはいえ、今後が楽しみな20歳だ。夏場になっても衰えぬ体力は、徹底した自己管理のたまもの。前回7月26日の楽天戦から中7日。これまでの中6日から登板間隔は開いたが、無理せず、ブルペンでの投球練習を通常の2回から1回に減らして、この日に備えた。トレーナー、投手コーチと相談しながらも最後は自分で調整法を決める。高いプロ意識がたどり着かせた161キロである。

 「きょうのような投球にならないように、投げないと」。二刀流は次回登板での奮起を誓った。どこまで球速を上げるのか。周囲の期待に応えつつ、何より勝利をつかみ取る。 (水足丈夫)

 

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