文部科学省が3年ごとに実施している学校教員統計調査で、2013年度に全国の小中高校に勤める教員の平均年齢が前回調査(10年度)と比べ、いずれも低下したことが4日、分かった。小中高ともに平均年齢が低下したのは、1977年度に現行の調査を開始して以降初めて。
70年代前半の第2次ベビーブームへの対応で大量採用された教員の定年退職を迎え、若手の採用が増えていることが影響した。文科省は「今後は教員の若返りが進む」とみている。
調査は国公私立の全ての小中高の教員が対象。平均年齢は小学校が44.0歳で、前回より0.3歳低かった。中学校は43.9歳、高校は45.3歳で、いずれも過去最高だった前回より0.1歳低下した。
一方、公立学校の退職者数は12年度と09年度の比較になり、12年度の退職者数は小学校1万8007人、中学校8684人、高校6302人で、09年度より計2648人多かった。
ただ、教育現場では若い教員が増える一方、30~40歳代の割合が少なく、ベテラン教員の経験をどう継承していくのかが課題となっている。
奈良県の公立中の男性教諭(46)は「若い教員を学校全体で育てるのが難しくなっている」と話す。約20年前に1校に1人程度だった新卒採用の教員が半数以上を占める学校もあるという。
学年主任を30代で担ったり、採用数年で運動会の責任者を任されたりして力をつける教員もいる。一方で、若手だけで問題を解決しようとし、先輩に経験を聞くことができずに失敗したりする教員も多い。
東京都の公立小に勤める30代の女性教諭は3年前から、ほかの教諭を指導していることに「十分な経験がないまま、今の立場になってしまった」と不安を隠せない。奈良県の男性教諭は「若い教員の方が新しいノウハウを持っていることもあり、お互いに知識や経験を伝えられるようにしたい」と話した。
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