先日、日本でも販売が始まったChromebook(クロームブック)。Googleが開発したChrome OSを搭載し、アプリはすべてWebブラウザ上で動く、という少し風変わりなPCだ。
国内での販売は、法人や教育機関向けだが、価格が200〜300ドル(約2〜3万円、海外販売価格)と安価でもあり、注目を集めている。そのため、2014年4月にサポートを終了したWindows XPマシンのリプレイスが済んでいない企業にとっては、「もしこれで代替できるなら……」という期待もあるだろう。
このChromebookが誠 Biz.ID編集部にやってきた。7月中旬に発売したばかりの、日本エイサーの「Chromebook C720」だ。
大きさはA4用紙より少し小さく、普段使いのPCバッグやビジネスバッグに問題なく入る。ただその見た目に反して、重さが1.2キロ――500ミリリットルの飲料入りペットボトル2本分以上――もあるため、持ち運びに不満を感じるかもしれない。
とはいえ、いつも持ち歩いている11インチのMacBook Airとは卵2個分しか変わらない重さなので、持ち出してみることにした。
Chromebookの天板を開くと、即座にスリープ状態から復帰する。体感値となるが1秒未満ではないだろうか。電源オフの状態からでも10秒以内にログイン画面が表示される。これなら、待ち合わせの時間などちょっとしたスキマ時間でも、開いて仕事をしてみようかな、という気にさせられる。
スキマ時間にやっておきたい作業の筆頭はメールのチェックだろうか。Chromebookは、WebブラウザのChromeを標準搭載している。Gmail以外にもYahoo!メールやOutlook.com(旧Hotmail)などのWebメールの使用にも問題はない。また、PCと同じようなキーボードがあるので、長めの文章になってしまいそうな返信も後回しにすることなくラクラク作成できる。
メールに添付されたWordドキュメントやExcelファイルは、Webメール上でプレビューできるほか、Googleのアプリ(Google Apps)で開いて編集も可能。体裁や互換性が気になるのであれば、Microsoft製の「Word Online」や「Excel Online」「PowerPoint Online」といったアプリを「Chrome ウェブストア」から追加できる。
Chrome ウェブストアではDropbox、Evernote、OneDriveなどビジネスで使っているストレージサービスのアプリや写真編集アプリ、テキストエディタなども豊富にそろっている。これだけあれば、今まで使っていたPCと同じように作業できそうだ。
ハードにも注目してみたい。本体には16Gバイトのストレージしかないが、SDカードスロットと2つのUSBポートがあるので、外付けHDDやUSBメモリなどで保存容量を増やせる。
キーボードの下に付いているトラックパッドは大きくて使いやすいが、普段使いのマウスもUSBポートに差し込んで使える。
ちょっとした息抜きのため動画を見たくなってもヘッドセット対応イヤフォンジャックがあるので人目を気にせず視聴できる。再生もスムーズだ。
アプリを追加したり、記事を書いたり、動画を見たりしていたら、あっという間に4時間ほどが過ぎていた。ふとバッテリー残量を見たところ、まだ65%も残っていた。メーカー公称の「バッテリー駆動8.5時間」もあながち誇大表現ではなさそうだ。
起動が早いだけではなく、豊富なアプリで日常業務の大半をこなせ、Webブラウザで同時に10以上のタブを開いていても動作はスムーズ。拡張性もあり、AC電源なしでも一日中持ち歩けるタフなChromebook。もはや業務+αにはこれだけでいいのでは? とすら思えてきた。
なぜこんなにいいことづくめのChromebookを会社で導入しないのだろう? せめて選択肢に入れてみては? と疑問に思い、アイティメディアにただ1人だけ存在する情シス、イシノ氏にChromebookを企業に導入するさいネックになると感じている部分を聞き出してみた。
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