工藤隆治
2014年8月5日10時06分
全日本空輸のボーイング787型機が昨年1月、山口宇部から羽田への途上でバッテリーから発煙し、高松空港に緊急着陸したトラブルは、バッテリーが冬の低温で劣化したのが要因とみられることがわかった。バッテリーの発煙・発火があった別の2件も、1月に発生していた。国の運輸安全委員会が報告書案に盛り込み、9月以降に最終報告書を公表する見通し。
787型機はGSユアサ(京都市)製のリチウムイオンバッテリーを2台積載し、全日空機は四国上空で1台が発煙した。本格的にリチウムイオンバッテリーを採用した旅客機は787型機が初めてで、従来は素材や構造が違うニッカドバッテリーが主流だった。
関係者によると、787型機のバッテリー内の電池では、内部を満たす電解液が低温になると劣化し、電気を伝えにくくなる特性が新たに判明した。冷え込みの厳しい冬季では、電解液に溶けていた金属リチウムがとげ状に電極に付着する「析出」という現象も発生。電池の中の電極同士がつながり、ショートした可能性が高いという。
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朝日新聞社会部
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