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 STAP細胞論文をめぐる問題の渦中にいた理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長が5日、首をつっているのが見つかり、その後、死亡が確認された。論文問題で揺れ続けた理研に、改めて大きな衝撃が走った。

 兵庫県警によると、「男性が首をつっている」と110番通報があったのは、午前9時2分。午前9時46分に神戸市立医療センター中央市民病院に搬送されたが、午前11時3分に死亡が確認された。

 笹井氏が自殺を図ったとみられる神戸市中央区の先端医療センターには、5日午前11時すぎ、20~30人ほどの報道陣が集まり、理研側に対応を求めた。1階ホールでエレベーターに乗ろうとすると、職員が「中で検証しており、入ることはできない」と制止。中の様子をうかがうことはできない状態が続いた。

 搬送先の中央市民病院では3人の病院職員が正面玄関にたち、報道陣の立ち入り禁止を呼びかけていた。

 笹井氏の研究室に以前、2年半在籍した研究者の1人は「実験から論文の執筆まで、研究室のメンバーに対してものすごく目が行き届いたこまやかな人だった」と振り返った。

 神戸市の久元喜造市長は「本日、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長の笹井芳樹様の訃報(ふほう)に接し、あまりに突然のことで驚きを禁じえません。これまで神戸医療産業都市の発展に多大な貢献を頂くとともに、著しい研究業績を上げられていただけに残念でなりません。今はただ笹井様に心より哀悼の意を表します」とのコメントを出した。