笹井副センター長
5日午前8時40分ごろ、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市、CDB)の笹井芳樹副センター長(52)が同センターに隣接する先端医療センター内で首をつっているのを関係者が見つけ、110番した。兵庫県警によると、笹井氏は病院に搬送されたが、午前11時すぎに死亡が確認された。自殺とみられる。
笹井氏は傷ついた臓器や組織を治療する再生医療の第一人者。STAP細胞を巡る問題では、同センターの小保方晴子研究ユニットリーダーの指導役を務めていた。論文の不正ではいまだに解明されていない部分も多く、笹井氏の自殺によって究明はいっそう難しくなるとみられる。
県警によると、笹井氏は先端医療センターの研究棟の4~5階の階段踊り場の手すりにひも状のものをかけて首をつっていた。理研によると、笹井氏の秘書の机の上に遺書のようなものが置かれていたという。
笹井氏は万能細胞の一つであるES細胞(胚性幹細胞)の立体培養を手がけるなど国内外で高い評価を得ていた。京大医学部では最年少の36歳で教授に就任するなど若い頃から再生医療分野でエースといわれていた。
STAP細胞を巡っては、実験の一部にかかわったほか、論文の執筆や構成を手がけた。論文の研究不正を認定した理研の報告書では、笹井氏の責任は重大であるとして処分を求めた。
笹井芳樹、副センター長