おはようございます、ディズニーランドのマネジメント本に興味津々な ザキヤマです。


いよいよ8月になりましたね。この時期になるとよく出てくるのが、蚊と浮かれたヤツと4-6月決算ですね。ということで主要ネット広告代理店の4-6月決算を比較していきたいと思います。

いつも通り、アイレップ、オプト、サイバーエージェント、セプテーニの4社の比較です。”主要ネット広告代理店”といっても、ご存知の通り既にネット広告意外の事業も数多くありますので、そのあたりも合わせて比較しておりますので、その点考慮して見て頂ければと思います。


■各社の売上高/営業利益/営業利益率(2014年4-6月)
2014年4_6月大手ネット代理店決算まとめ
(単位:千円)

サイバーエージェントは事業も多岐に渡るので、売上高/営業利益は高い結果となっております。1-3月の反動もありますので、各社数字的には一部苦しい面もありました。そのあたり各社レビューにて振り返りたいと思います。


各社レビュー(QonQなど)

■アイレップ
主な事業の数字

2014年4_6月アイレップ決算
(単位:千円)
※3Q資料が累計のみだったため、(1Q+2Q)-3Qで算出
出展:

<4-6月>
売上高:12,599,000円(前四半期対比2,304,000円)
営業利益:▲42,000円(同-339,000円)
営業利益率:-

<1-3月>
売上高:14,903,000円
営業利益:297,000円
営業利益率:1.99%
(単位:千円)


運用型広告市場でシェア約25%と引き続きトップを堅持。
売上高は堅調に推移しているが、主に売上高成長率に応じ決定される広告仕入条件が想定を下回まわったこともあり売上総利益率が低下、その他、広告代理事業の採用強化などの投資により販売管理費が増加し減益となった。紺野社長就任後、6期目で初の減益。

とはいえ、プラットフォームのシステム開発やオペレーションセンターの設立、スマホ関連広告強化など積極的な投資を行っている。そういった積極投資は運用型広告市場のトップシェアをより強固なものとし、更なる成長が期待できそうな点。

また、グローバル展開も積極的。6月には北京アイレップを設立、7月にはベトナムMOORE(ムーア)社の子会社化(予定)を発表。紺野社長もFBで仰っていたが、北米への進出も視野に入れているとのこと。そのあたりも今後注視したい。


■オプト
主な事業の数字
2014年4_6月オプト決算
(単位:千円)
出展:http://www.opt.ne.jp/files/topics/2359.pdf

<4-6月>
売上高:15,158,000円(前四半期対比-4,444,000円)
営業利益:▲123,000円(同-4,511,000円)
営業利益率:-

<1-3月>
売上高:19,602,000円
営業利益:4,388,000円
営業利益率:22.39%
(単位:千円)

1Qはホットリンク株の売却の影響により高利益となったが、2Qに関しては、その反動もあり大きく減益となった。投資育成事業を除いた営業利益でも▲1億800万。前Q比から▲1400万と前Q対比で赤字幅が膨らんだ。

売上は海外事業で伸びたが、その他各プロダクトは前Q比でほぼ横ばい。メインの広告事業は、1QからのPB(プライベートブランド)商品構築への投資フェーズということもあり、前Q比から赤字幅は減少したものの営利ベースでマイナス。売上は前Qと横ばい。利益率の高かったデータベース事業に関しては、Xrost DSPの機能追加への投資もあり、こちらも前Qから減益となった。

今年は「投資の年」と位置付けているが、注力領域のオムニチャネル、動画、ビッグデータ、アドテク、ソーシャルのPB商品への進捗が気になるところ。直近のトピックスとしては、ソフトバンクテレコムとの合弁会社「ジェネレイト」設立が挙げられる。(リリース:http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=2346)データ×オムニチャネル×アドテクで、どういった営業活動をしてくるのか見ものである。


■サイバーエージェント
主な事業の数字

<4-6月>
売上高:51,290,000円(前四半期対比-1,157,000円)
営業利益:4,060,000円(同-2,489,000円)
営業利益率:7.92%

<1-3月>
売上高:52,447,000円
営業利益:6,549,000円
営業利益率:12.49%
(単位:千円)

広告事業は、PCが売上が2Qから26億円減少で、全体として前四半期対比で見ると減収。ただ、2Q(1-3月)は年度末要因があるため、減少もやむなしということで概ね順調か。絶賛強化中であろうアドテク事業は前四半期対比+4億円、スマホもしっかり伸ばしてきているので伸ばしたい領域を伸ばせている感あり。

ゲーム事業は、国内にてネイティブが好調。ネイティブゲームTOP50のタイトル数ランキングは、iOSが4位・Androidが7位と、国内有数のゲーム事業者となっている。

Ameba事業は、コイン消費額は3月の反動もあり4月は落ち込んだとのことですが、124億を記録(1-3月:131億)。ただ、前Qに13億円だった営利が4-6月は2億と減少した。そして、今回の決算発表で注目発表が「Ameba構造改革」。1600名の体制を800名に減らし再編する改革は今後大注目で、フルネイティブへの注力や音楽配信事業参入も噂されている。改革詳細は⇒「他プラットフォーマーも続々と新規投資!サイバーエージェントのAmeba事業構造改革を考える」http://www.zaregoto-gakuen.com/archives/10271774.html


■セプテーニ

主な事業の数字
2014年4_6月セプテーニ決算
(単位:千円)

<4-6月>
売上高:13,580,000円(前四半期対比-666,000円)
営業利益:410,000円(同-201,000円)
営業利益率:3.02%

<1-3月>
売上高:14,246,000円
営業利益:611,000円
営業利益率:4.29%
(単位:千円)

全体として売上高・営業利益ともに3Qとして過去最高を記録。
ネットマーケ事業は、各プロダクトで着実に伸ばしてきている。グノシー等のニュースアプリの取扱い急増もあってか、スマホ広告の売上構成比が50%を突破。セプテーニの得意とするソーシャル事業でも、引き続きFacebook、Twitter、LINE関連サービスが絶好調で前年同期比3.3倍。

また、海外売上も北米・アジア拠点が順調に成長。7月には、Facebook広告に強みを持つ韓国のネット広告企業 JNJ INTERACTIVE INC.を子会社化し、強力タッグを組む。国内で培ったFB広告ノウハウを他社と連結して活かせるか注目。

メディアコンテンツ事業は、アクセルマークにて1300万円(2Qは4000万円の営利)の営業損失を計上。開発中タイトルの先行開発投資が響いたのが要因。マンガコンテンツ事業「GANMA!」等の新規事業への投資は2Q同様続いており、4-6月は8500万円の営業損失となった。


以上、4-6月の決算まとめでございます。
1-3月の反動がある中、苦しい一面もありますが、各社着実に伸ばしてきている領域もチラホラ。投資、改革、新領域への進出…色々ありますが、すでに7-9月の夏の陣が始まっております。秋の香りがほんのりしてきそうな頃、また7-9月決算発表でお会いしましょう。

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