ガザ:イスラエル7時間停戦 直後に空爆、市民は避難生活
毎日新聞 2014年08月04日 20時43分(最終更新 08月04日 22時27分)
【エルサレム大治朋子】イスラエルは4日午前10時(日本時間同日午後4時)からパレスチナ自治区ガザ南部ラファの東側を除き7時間の一時停戦を開始したが、地元保健当局によると、軍は停戦開始前後にガザ北部の避難所付近を空爆、8歳の女児が死亡し、30人が負傷したという。一時停戦はガザに拠点を置くイスラム原理主義組織ハマスとの合意に基づかない独自の判断で、攻撃があれば反撃する方針。イスラエルは3日に地上部隊の大半を撤収し、地元メディアの世論調査によると約6割が支持した。ただ戦闘が完全に停止する見通しは立たず、ガザ市民の4人に1人が長い避難生活を強いられたままだ。
イスラエル政府による一方的な停戦発表について、ハマスのアブズッリ報道官は「イスラエルによる(市民)虐殺への注意をそらすためだ」と批判し、停戦には応じない構えを見せている。
イスラエルのテレビ「チャンネル10」が3日に実施した世論調査によると、ハマスとの停戦を経ないままの独自の撤退を支持したのは63%で、28%は支持しなかった。8日から本格化した戦闘に伴うガザの死者は1800人以上となり、国連によると7割が民間人。避難民は48万5000人と人口(180万人)の4分の1以上に達した。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は学校など90施設を開放、27万人を収容しているが1教室に50人が寝泊まりするような状況。残る約20万人は教会や親戚宅などに身を寄せている。
ガザ市内に住む銀行員、ムハンマド・アリさん(38)は家族6人暮らしだが、北部に住む親戚らを受け入れ現在24人で暮らす。7月29日にガザ中部の発電所が爆撃を受けたため、冷蔵庫や上下水道などが使用できない。「毎日70ドル(約7200円)を出して使い捨ての太陽電池やペットボトルの飲料水を購入しているが、もうお金がもたない」と話している。