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リチウム電池寿命6倍超に 京大教授ら新材料開発

京都新聞 8月3日(日)9時9分配信

 家庭用の蓄電池システムなどに用いられる大型リチウムイオン電池の寿命を6倍以上に延ばす材料の開発に、京都大工学研究科の田中功教授や田中勝久教授、藤田晃司准教授とシャープの共同研究グループが成功した。英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」で1日発表した。
 大型リチウムイオン電池では、正極にリン酸鉄リチウムが使われる。ただ、充電時に大きく収縮するためひび割れなどで劣化しやすく、電池寿命の短縮化の原因になっている。
 グループは、量子力学の理論だけを基にした計算手法で、最適な正極の元素の組み合わせを探した。その結果、リン酸鉄リチウムのうち、鉄の一部をジルコニウムに、リンの一部をケイ素にそれぞれ置き換えると体積変化が大幅に減ることが分かった。
 実際に合成すると、計算結果と同等の機能があることを確認。実験によって、毎日1回の充放電の場合、寿命がこれまでの10年余りから約70年に延びる予測結果を得たという。田中功教授は「今回の計算で新材料を探す手法は、リチウムイオン電池以外にも広く適用できる」と話している。

最終更新:8月3日(日)9時9分

京都新聞

 

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