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クーリングオフ、SIMロック解除義務化の波紋、そして浮かび上がる疑問

2014/08/05
堀越 功=日経コミュニケーション (筆者執筆記事一覧
写真1●クーリングオフ、SIMロック解除義務化の方針を示したICT安心・安全研究会の中間取りまとめ
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 総務省のICTサービス安心・安全研究会が中間取りまとめで打ち出した、クーリングオフ、SIMロック解除の義務化方針(写真1)が、各所で波紋を呼んでいる(関連記事:クーリングオフもSIMロック解除も義務化へ、総務省の消費者保護WG)。

 筆者は、同研究会で議論開始した当初から、これらの動きに注目してきた。昨年ITpro特集(関連記事:曲がり角を迎える携帯ショップ)でまとめたように、昨今、携帯ショップで起きている目に余るような“情弱ユーザー”をカモにしたビジネスは、何らかの形で是正していくべき、と考えていたからだ。ICTサービス安心・安全研究会の議論は、まさにこの問題に切り込む動きとなっていた。

写真2●同研究会WGが6月30日に開催した会合の様子。ここでクーリングオフ、SIMロック解除義務化の方針が打ち出された
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 そんな筆者でも、同研究会のWGが6 月末の中間取りまとめで打ち出した内容には少なからず驚かされた(写真2)。懸案となっていた、電気通信分野におけるクーリングオフの導入について、「店舗販売において複雑な販売がなされている場合も多い」「契約締結時点で利用者の契約内容の理解が必ずしも十分とはいえない場合がある」とし、「販売形態によらず、クーリングオフを導入することは適当」と、通信事業者に極めて厳しい判断を下したからだ。

 特定商取引法など、他分野のクーリングオフ制度は、訪問販売など不意打ち性が高い販売形態を対象としている。今回の中間取りまとめのように、店舗販売を含めて、“販売形態によらず”クーリングオフの対象とすることは、前代未聞だ。

 携帯ショップ周りでこれだけ問題が噴出している以上、筆者としてもなんらかの形でユーザーの保護策は必要と考えていた。できれば販売現場の自発的な健全化を促すような、緩やかな対処療法が求められると思っていた。

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