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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

若手との付き合い方に悩むヒマがあったら、勉強して仕事しろ!「イマドキの若者論」に振り回される、企業人の実態

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第117回】 2014年8月5日
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 「若手社員とどう付き合うか?」は、ビジネスパーソンの永遠テーマのようだ。

多くの企業人が感じている
若者への不安と不満

 缶コーヒーでお馴染みのダイドードリンコ株式会社が運営する「ダイドー働く大人力向上委員会」は、この4月と5月に20~50代の働く男女1000名を対象に「職場コミュニケーションに関する意識調査」を行なったという。

 その結果、46.7%が「新入社員に対して不安」を感じており、その理由として、1位「何を考えているか分からなさそう」40.0%、2位「上手くコミュニケーションがとれなさそう」38.8%であることがわかった。

 世代・性別に見ると、最も不安を感じているのは30代女性で、「とても不安を感じる」「どちらかというと不安を感じる」と回答した人が合計で約64%。40代女性も、約53%が不安を感じると回答している。また、新入社員とほぼ同世代の20代社員では、男性社員の約36%、女性社員の約48%が不安に感じている。中高年オヤジは、40代男性の約43%、50代男性の約44%が不安に感じている。

 比較的女性社員のほうが数値は高いが、どの世代も共通して5割前後の人間が新入社員に対して不安感を持っているという結果だ。

 また、全体の約6割の社員が「若手社員に対する不満」を持っているという。その理由の1位は「指示するまで動かない」「他人の話を聞かない・理解しない」26.9%、2位は「何を考えているかわからない」24.7%、3位は「反応が薄い」24.6%である。

 この「新入社員に対する不安」「若手社員に対する不満」の数字は、実はけっこう深刻な数字である。たとえば、社員の半数が自社の来期の売り上げや、新商品の売れ行きを不安視している会社があったとすれば、その会社はかなりの危機的状況だ。社員の6割が不満を持っているような会社で成長できている企業はない。

 もちろん、酒を飲めば会社に対する愚痴をこぼす人間は多いが、愚痴と不満は似て非なるものだ。というか、ネガティブ度が全然違う。会社に対する不満が理由で辞めていく人間はいるが、親しい人間に対して愚痴をこぼす程度では人間は会社を辞めたりはしない。それくらいの深刻度の差がある。僕も、若いスタッフが思うように働いてくれないときには愚痴を言ったりするが、クビを切るのは不満度がかなり深刻になったときだけだ。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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