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国際
【話の肖像画】評論家・呉善花(57)(1)日韓理解は価値観の違い認識から
日本語学校の活動を通じて日本人との人間関係に悩む韓国人ホステスたちの話を聞いて、また日本人ビジネスマンとの勉強会で韓国とのビジネスの上で悩む話を聞いて、日韓の文化や習慣の違いを深く探ろうという気持ちが強くなりました。テレビ番組の依頼で新宿・歌舞伎町の韓国人ホステスを取材したことがきっかけで、出版の話が来ました。出版するまで大変時間がかかりましたが、いろいろな方々の協力があって本を出すことができました。
出版してすぐに、読者からたくさんの手紙が来ました。いずれも目からウロコが落ちた、深く感動したという内容で、うれし涙がとまりませんでした。自分の考えを書いたものが、日本社会で共感され、受け入れられるという感動がありました。その一方で、韓国の留学生や韓国のマスコミからはものすごい批判を浴びました。批判は本の内容ではなく、「売国的言辞を弄した」ということで、私を個人攻撃するものがほとんどでした。残念でしたが、韓国はこんなにもレベルが低いのかと思いました。
日韓関係がうまくいかないのは、文化・習慣・価値観などの違いが互いによく認識されていないことが出発点にあると私は指摘したかったのです。それを指摘しない限り、日韓はうまくいかないと考えました。本では文化・習慣・価値観の違いをたくさん書いています。日韓の相互理解を深めるとともに、日本社会が韓国に対して虚心坦懐(たんかい)に意見を言えるきっかけを作ったのではないか、と自負しています。(聞き手 是永桂一)
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【プロフィル】呉善花
オ・ソンファ 1956年、韓国・済州島生まれ。看護学校などを経て4年間、志願で女子軍隊生活を送る。83年に来日し、大東文化大を卒業後、東京外語大大学院の修士課程修了。90年から執筆活動を開始し、著書は『スカートの風』をはじめ、第5回山本七平賞を受賞した『攘夷の韓国、開国の日本』や『なぜ「反日韓国に未来はない」のか』など多数。拓殖大国際学部教授。
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