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最終更新:2014年8月3日(日) 0時26分

暴行被害のパレスチナ系米国人少年、米政府に訴え

 先月、エルサレムを訪問中にイスラエルの治安当局から殴る蹴るの暴行を受けたパレスチナ系アメリカ人の少年が会見し、パレスチナの民間人の犠牲を食い止めるようアメリカ政府に訴えました。

 「あばら骨も痛いし、胸も痛みます。頭痛もひどいです」

 パレスチナ系アメリカ人のタリーク・カディールさん(15)。先月、夏休みでエルサレムを訪問していた最中、イスラエルの治安当局に殴る蹴るの暴行を受けたうえ、拘束されました。カディールさんのいとこがユダヤ人の男6人により生きたまま火をつけられ殺されるというショッキングな事件が起きた直後だったことに加え、カディールさんへの暴行の様子を捉えたビデオがインターネット上で公開され、アメリカでも大きく報道されるなど、注目を集めました。カディールさんはアメリカ国籍だったため、アメリカ政府の働きかけにより3日後に釈放されましたが、パレスチナ人の3人のいとこはいまだ拘束されたままです。

 「自分が体験したことは、パレスチナの人に起こりえることのごく一部でしかないのです。パレスチナの人には、当たり前の権利が認められていません。与えられていないのです」(タリーク・カディールさん)

 暴行からおよそ1か月たって顔の内出血はほぼ引いたものの、手首には暴行の際に縛られた結束バンドの跡が鮮明に残っていました。

 イスラエルとパレスチナの停戦合意が崩壊し、戦闘の拡大が懸念される中、カディールさんらは「一番の被害はパレスチナの民間人だ」として、イスラエルを支援するアメリカ政府に見直しを迫っています。(02日16:06)

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