英語教育のちぐはぐさ 子供たちに負担? 中学で「苦手」に…:イザ!

2014.8.4 08:05

英語教育のちぐはぐさ 子供たちに負担? 中学で「苦手」に…

 ◆子供たちに負担?

 「私立だけでなく、公立でもイマージョン教育をやってみてはどうか」

 今年2月に開かれた文部科学省の「英語教育の在り方に関する有識者会議」の初会合で、社内公用語を英語とする楽天の三木谷浩史会長兼社長(49)が、こう提案した。

 企業活動が急速にグローバル化する中、英語のできる人材の育成・確保を経済界は強く求めている。日本ではこれまで、中学から大学まで10年近くも英語を学ぶのに、まるで使えない人が少なくない。ならば、日常的に英語を使う習慣を、小学生のうちから増やしたらどうか-というわけだ。

 しかし、英語教育改革の先駆例として注目を集めるイマージョン教育は、子供たちにかかる負担が小さくない。英語が分からなければ、あらゆる教科で行き詰まる。母語に触れる時間が少なくなるため、漢字の書き取りや読書など家庭学習で補う努力も必要になる。

 ◆中学で「苦手」増加

 英語教育の充実を目指し、小学校で外国語活動(英語)が必修化されて今年で3年。文科省が昨年実施した英語学習に関する調査では、小学6年生の約76%が「英語が好き」と回答したのに対し、中学3年生では約53%にとどまった。

 ベネッセ教育総合研究所の加藤由美子主任研究員(49)は「小学校の英語活動は聞く、話すが中心で、英語の音声に慣れ親しむことを目標としているが、中学では読む、書くも加わり一気に学習の負担感が増す」と指摘する。