大好評放送中のテレビアニメ「アオハライド」のスタッフへインタビュー第3回目は脚本・金春智子をお届けします。
「アオハライド」はいろんなタイプの青春群像劇
───「アオハライド」アニメ化のお話を聞いたのはいつ頃ですか?
金春 打診だけ先にいただいていて、正式には1年くらい前でしょうか。お話がきたときに、純粋な少女漫画だったんですごく嬉しかったです。小さな心の揺れなどを丁寧に描けるところが、好きなんです。たとえば同じ別冊マーガレットの作品で、「君に届け」も書いていてすごく楽しかったです。
───少女漫画がお好きでいらっしゃるとか?
金春 昔は、本当にいっぱい読んでいました。最近は残念ながらあまり読めていませんが、全体的に漫画は好きです。
───原作はご存知でしたか?
金春 タイトルは知っていて読んでみたいなとは思っていたんですけど、実際には読んでいなかったですね。
───お仕事をすることになって読んでみての感想はいかがですか?
金春 すごく人気があるのがわかるなっていう感じで。キュンキュンする洸と双葉の話以外にも、友情とか兄弟とかいろんなタイプの青春群像劇があっていいなあって思いました。
───原作者の咲坂先生とはどんなことを話されましたか?
金春 アニメのスタッフの打ち合わせが始まった後で、お食事会というか顔合わせ会があったんです。そこで先生とは「お肉、おいしいですね!」ってお肉のお話で盛り上がって(笑)。それまでにもう、シリーズ構成案やプロット、脚本などで、編集の方を通してだいぶやりとりをしていたので、顔合わせの時には脚本面での共通認識はある程度できていた感じだと思います。
───金春さんから先生に聞かれたことはありますか?
金春 顔合わせの時には楽しく雑談ばかりしていた気がしますが、脚本を進めていく間にいろんな質問をしました。例えば、田中先生の料理の腕はどうなのかとか、洸の両親の離婚の理由はなんだったのかとか。
───吉村監督がおっしゃっていましたが(吉村監督インタビュー参照)原作に忠実につくるというスタンスだったそうですね。
金春 はい。とはいっても、漫画と映像との媒体の違いっていうのがあるので、漫画に本当に忠実に作ると、逆に見た人が忠実だという印象をうけないと思うんです。時間が流れていく映像と、文字と絵が一体になって紙の上に描かれている漫画とでは違いますから。
1話に1胸キュンを入れていく
───吉村監督とはどんなことを話されましたか?
金春 打ち合わせの場でお会いして、プロデューサーのみなさんもと一緒にどうアニメ化していくかという、雑談的な話から入ったんですけど、わりと最初のうちに目指しているところは同じだな、と感じました。…