神奈川県山北町中川のキャンプ場「ウェルキャンプ西丹沢」で1日夜、同県藤沢市の会社経営、大森慎也さん(43)一家4人が車ごと川に流され妻子3人が死亡した事故で、キャンプ場の運営会社は、一家がテントを張っていた中州に無許可で土砂を搬入し、造成工事を繰り返していたことが3日、分かった。県はこれまで少なくとも6回、運営会社に土砂を撤去するよう行政指導を行っていた。県警もキャンプ場の安全管理が適切だったかなどについて捜査する方針。
河川法では、河川区域内で川の流れを変える工事には県の許可が必要と定めている。しかし、運営会社は無許可で土砂を搬入して盛り土し、中州の形を変えていた。県は平成20年4月から23年8月にかけて6回、運営会社に対して土砂を撤去するよう指導していた。いずれも指導の直後には是正されたという。
県西土木事務所の担当者は「今回の事故と中州の違法行為との因果関係は分からないが、痛ましい事故が起きた現実をとらえ、今後どのような指導ができるのか検証する」としている。
運営会社は違法な土砂搬入以外にも、河川区域内にトイレや浄化槽などを無許可で設置したとして24年3月に県から撤去命令を受けた。運営会社は取り消しを求め同8月に横浜地裁に提訴、請求を棄却された。控訴審では東京高裁が今年7月30日、控訴を棄却した。
キャンプ場の担当者は「今日は何も話せない。後日対応する」としている。