また、良い企業に就職できるまで大学を卒業しない方がいいと言われるので、どんどん留年して大学に残る。大学院へ進学するのも就職のためのステップだったりする。
三放世代はマイホームも人間関係も放棄、五放世代に
その間に公務員試験や教師資格試験などを受けたりもするが、それも競争が激しいのだ。年功序列、終身雇用はとっくになくなってしまったので、福祉の行き届かない韓国では終身雇用の保証される公務員または公社が就職先として好まれている。
これまで、3つの国家公務員試験(司法試験、外務試験、行政試験)は、身分を上昇させる1つのツールだった。これらの試験は学歴も関係なくパスするだけでエリート公務員になれるという、何人にも平等な道であった。
しかし、3つの国家公務員試験のうち、外交官になれる外務試験は去年で打ち切られ、「外交アカデミー」が設立された。これから外交官になるためには、大学を卒業してから外交アカデミーに進学しなければならない。
裁判官や検事、弁護士になる司法試験はまだ残っているが、合格者の数をぐっと減らし、現在はロースクール出身の人たちが弁護士になっている。とにかくエリート公務員になれる道もお金がなくては始まらない。
そのせいか、現在韓国の大学では、どの大学であれ「経営学部」を最高の学部と考える。以前なら大学によって学風も違い、好まれる科や学部は異なっていたが、現在では軒並み「経営学部」の競争率が高いというのだ。
何でも経営の合理化に基づいて考える、経営学部が優勢になっているせいで、これまでの「成長第一」論が頭をもたげ、結局、現在のような安全に無頓着な国になってしまったという意見もある。
三放世代は、最近「五放世代(オポセデ)」とも言われ、ますます韓国の未来を暗くしている。この五放世代とは、恋愛、結婚、出産以外に「人間関係」と「マイホーム購入」を付け加えたものである。
まだ、韓国政府は彼らに対して画期的な政策は打ち出せないでいる。