七月最後の週は辛かった。
生れてはじめて右の耳が聞こえなくなった。
耳に水が入った。
それだけではないようだが、どうも耳鼻科に行くのが嫌だった。
最後に耳鼻科に行ったときには、メニエールでこれ以上は脳外に行ってくださいと言われた。
これで信頼関係が崩れた、わたしと耳鼻科は50年以上の付き合いである。
子供のころには手術もした。
だが脳神経外科の手術だけはいやで、成功率50パーセントではたまらない。
それっきり大学病院の耳鼻科は行く気がしない。
それで一週間も考えてしまう。
御医者さんの卵の生徒さんが良い先生が近くにいると紹介してくれた。
アンナと雪の女王の素晴らしい音楽もゲーセンで鳴り響いているのに、体の周りを渦になっているのである。
両耳は、音のする方向はもちろん、音の音色からその人の感情まで伝わる大事な器官だと改めて悟る。
耳の形も飾りではない、危険が迫ってもいち早く我々は音で感じる。
茶道も初めてお点前する人でも、その茶筅の振る音は離れていても聞けるから不思議だ。
聴こうとすれば、観音のように感じられるもの。
ベテランの方と、茶箱が初めての方がお稽古している。
この日はやはり皆さんの声が右耳でしか聴こえない。
参った!
もう、音に頼るのはやめた。
今のところ両眼はよく見える。
声は大きく出る。
眼はだが、左が近視で近代的な片目である。
本の読み過ぎ、映画の見過ぎである。
現代は皆さん両眼があるのに片方の目でしか見てないという。
一番怖いのはバイクで距離感がつかめずに高速でカーブを曲がれない。
耳も眼も大事なもの。
私は寝る前に、左の耳と左の眼を冷やして寝ている。
人間炎症を起こしたら冷やすのが良い。
今は紹介された耳鼻科の治療が良く、治った。
お湯で耳を洗い、薬を塗り、炎症止めを三日で完全に治る。
もうそうならないように、自分でも自衛手段をとる。
病はなんといっても予防の一言に尽きる。
このところ、毎日すごい暑さが続く。
寝るときは内緒で首のうしろに冷やしたタオルを包んで寝ると熟睡である。
この頃は耳鳴りもしない。