札幌市は2015年春に予定していた路面電車(市電)の延伸部分の開業を同年10月以降に延期する。軌道延伸の着工が入札不調のため遅れた影響で、当初の予定に間に合わせるには冬季の軌道敷設作業が必要となり、品質低下の恐れがあることなどを理由としている。2014年7月25日付で発表した。
市は上田文雄市長のマニフェスト(政権公約)に基づき、14年度内の完成を目指して市電のループ化事業を進めてきた。ループ化のための軌道延伸工事を、軌道敷の整備や軌道敷設など一式で14月4月末に着工し、15年3月末に完了するのが当初の計画だった。このスケジュールでは軌道の敷設を14年12月中旬に終えて、以後は軌道周辺の舗装などを行うことになっていた。
ところが延伸工事の入札で不調が続いたために、市は軌道敷などを整備する工事と軌道敷設などの工事に分割したうえで入札をやり直した。軌道敷などの整備は、14年6月末から12月下旬までの工期で舗道工業(札幌市)に発注した。その後、14年9月から15年3月末までの工期で軌道の敷設などを発注して、当初の予定通りに開業する考えだった。その場合、軌道敷などの整備が完了する前に、敷設を始めることになる。
■工事の分割で生じた問題も
ところが、この工程だと二つの問題が生じることが分かった。
(1)冬季に軌道を敷設するリスク
軌道の敷設などを9月に始めると、冬の寒さが厳しい時期に路盤を掘削して敷設することになる。市都市交通課の吉江一弘調整担当課長は、「冬の札幌では、掘削した箇所に水がたまると凍結して解けにくく、敷設の邪魔になる。敷設工事の品質を落とす恐れがある」と指摘する。
(2)品質確保の責任の所在が曖昧に
軌道敷設の施工者は、他社が施工してまだ完成検査を受けていない軌道敷で工事をすることになる。「例えば万一、軌道敷に不具合があってそのままでは敷設できない場合、軽微であれば軌道敷設の施工者が現場の判断で直すこともあり得る。そうなると軌道敷の工事の品質に対する責任の所在が曖昧になってしまう」(吉江課長)。軌道敷の整備と軌道の敷設を分割して発注したことが、結果的に両工事を並行して進める障害となった。
市は15年春の雪解けを待って軌道の敷設に着手する。市電の延伸部分の開業は15年10月以降で、遅くとも同年内とする予定だ。約25億円のループ化事業費に増減が生じるかは、「現時点では未定」(吉江課長)としている。
(日経コンストラクション 安藤剛)
[ケンプラッツ 2014年7月31日掲載]
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札幌市、路面電車、軌道敷設、市電
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