ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

暴風吹き荒れる四国最西端までドライブしてきた

 「最◯端」という響きが好きです。

 

 もうこれ以上は進めない、限界地点。

 旅の終わり。最果ての地。

 うむ、ロマンでござる。

 

 「日本」の括りで言えば、小学校の社会科で習ったように東西南北に島があり、他にも、「北海道」「本州」「四国」「九州」と、“端”はたくさんある。詳しくは、Wikipedia先生にご教授願いませう(日本の端の一覧 - Wikipedia)。

 

 学校の教室では四隅の角席、電車の座席はドア近くの端っこ、会社の席も窓際(意味深)などなど、そんな、“端”が大好きな僕。ゆえに、「地図の端っこに行きたい!」という思いは、幼少の頃より抱いておりました。すみっこ……落ち着くよね……デュフフ。

 

 本記事は、そのような数多ある日本の“端”の中から、昨年冬、四国の最西端を目指した記録でございます。

 

 

松山駅から、レンタカーで

 猫とダンボーと尾道で(ぶらり四国旅 その1)

 ダンボーとの旅路(ぶらり四国旅 その2)

 

 昨年12月、ぶらっと四国旅行に行ってきた道中でのお話です。

 

 広島・尾道 → しまなみ海道(レンタサイクル) → 道後温泉・松山城 と来て、お昼前に松山駅を出発しました。レンタカーで。

 

 目指すは、四国最西端、佐田岬*1

 

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 約3時間の道のり。

 夜には車を返却する予定で借りてしまったので、結構なハードスケジュールでござる。

 

 案の定、あまり景色を楽しむ暇もなく、びゅーん!と行って、ぎゅーん!と帰ってくるような流れでした。細いクネクネ道の運転がキツかったのと、車を降りてからが意外と長かった……。

 

海を眺めながら、夕やけこやけラインをひた走る

 松山市街を出て、伊予市に入り、しばらく走ると、海が見えてきてテンションアップ。海無し県である埼玉県民として過ごした期間が長かったので、「海」からもたらされる非日常感は尋常じゃないのです。ひゃっはー!

 

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あいにくの天気。そこそこ波高し。

 

 スピードを出してかっ飛ばしているドライバーさんも結構いるので、都度都度、路肩にそれて譲りつつ。ちょろっと停めて、海を眺めているような人もちらほらおりました。

 

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ウェミダー!

 

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相棒こと、ダンボー氏。

 

 しばらくは、この国道378号線、「夕やけこやけライン*2を数十km、ひた走ります。

 ツーリングやサイクリングにも人気のスポットらしく、いろいろな地方のナンバープレートを見かけたような記憶が。まさかの群馬ナンバー。

 

 検索してみたら、ライダーさんの素敵な車載動画があったので、引用させていただきますね。

 

 

 途中、「日本一海から近い駅」として有名な下灘駅*3もありますが、「そんな寄っている時間はねえ!」とスルー。

 

 過去の青春18きっぷのポスターで有名なので、いつか電車で訪れてみたいなあ。

 

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ぼっち旅してると、なんとなく撮りたくなるよね!なるよ……ね?(小声)

 

 夕やけこやけラインを抜けると、国道197号線へ。

 

 かつては、“行くな酷道”などと呼ばれ、酷い悪路だったそうですが、現在は“佐田岬メロディーライン”として整備され、ちゃんと舗装された道路になっているとのことです。

 

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途中、道の駅で瀬戸内海を一望。いいねえ。

 

 左に海が見えたと思ったら、今度は右に海が見えるという、走っていてとても気持ちがいい道。いいねいいねー。

 

 ただ、問題は、この後。

 

 もうちょっとで着くかなー、というところで、細くクネクネした道が続くようになり、酔いそうになる。というか、酔った。自分の運転なのに。

 

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この辺。小さな集落と漁港をいくつか通り過ぎる。

 

 あそこまで集中して運転したのは、霧に満ちた深夜の山道をレンタカーで走ったとき以来でした。よく吐かなかったと、自分を褒めてあげたいくらい。やるじゃん。

 

 青い顔で、あー、とか、うー、とか唸りつつ車を走らせ、14:00頃には佐田岬灯台前の駐車場に到着。休憩も含めて、3時間ちょいくらいかしら。一安心。

 

風邪の吹き荒れる中、山道をひとり歩く

 到着したはいいけど、案内図を見て「うぇっ」ってなった。

 

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灯台まで 1800m です。がんばりましょう!

 

 普段の僕なら、勇んで「うひょおおお!」なんて奇声を上げつつ走り始めるところだけど、車酔い状態で2km近くは、きつい。せめて、酔いをさまさねば……。

 

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四国最西端の自動販売機。観光地価格ではありません。

 

 外に出た途端、強風でふらつくほどに弱っている状態。

 自販機でコーヒーを買って車に戻り、しばらく椅子を倒してぼーっとしておりました。携帯の電波状況はものっそい不安定。圏外になったり、アンテナが立ったり。

 

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はーい!

 

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駐車場から撮影。荒々しい。

 

 とは言え、レンタカー返却のタイムリミットもあるので、休憩もほどほどに散策開始。目指せ、佐田岬灯台。

 

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一応は舗装のされている、山道。ただし、脇はそこそこ急斜面。

 

 こんな感じの山道を、とっとこ歩く。

 

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しばらく歩くと開けた場所に。なんじゃろ、あれ。

 

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崖上。落ちたら死ぬ(確信)

 

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波打ち際に降りていける道も。恋人とキャッキャウフフできるね!

 

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歩く歩く。

 

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海が青いぜよ。

 

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こういう、風雨に削られたらしい岩肌、大好きです。

 

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で、しばらく先を登って行くと……。

 

 

 

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 着いたー!……って、あれぇ?

 

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 展望台でした。惜しい。

 

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展望台にて。何を思って撮ったのか分からない。疲れてたんでしょう。

 

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展望台を下って、灯台の下へ。もうちょい。

 

 

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 とうちゃくー!!長かった……。

 

 

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こうやって文字で見ると、実感がわくよね。

 

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現在地。

 

 尖った佐田岬半島の頂点。

 目を凝らせば、対岸の大分県が見え……る……?

 

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旧陸軍砲台跡、らしい。

 

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そびえ立つ灯台。ぶれているのは、風のせい。

 

 道中でも「ちょっと風が強いな―」くらいには感じていたのですが、開けた先の高い位置にある灯台まで来てみれば、尋常じゃない強風が吹き荒れておりました。

 

 内陸民としては、台風でも来ない限りはお目にかかれないレベルの。眼下には海。周りには人っ子一人おらず、「やべえ!何かあったら死ぬ!」なんて考えてしまうくらい。しぜん、こわい。

 

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でもやっぱり、海と空を眺めていると落ち着くのよね……。

 

帰り道

 平日ということもあってか、灯台から駐車場に戻る途中、おじいちゃんおばあちゃんのグループと一度、すれ違ったきりで、他には全く人と会いませんでした。

 

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来た道を、戻るのみ。

 

 帰りもまた、夕やけこやけラインを走って戻る格好。

 車の返却時間もあるので、往路よりは急ぎつつ。

 

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雲も多かったけれど、夕暮れの海はいいものだ。

 

 晴れていれば、名前の通りのきれいな夕焼けが見れたんでしょう。

 またどこかで機会があれば、友達と来てみたいな。

 

 

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あまりの強風に一人で爆笑しながら自撮り。

 

 先にも書いたように、結構な細い曲がり道が続くので、運転に慣れている方と来ることをおすすめします。

 今回は冬でしたが、おそらく夏、今の時期に向かえば、間違いなく気持ちいいドライブになるんじゃないかと。

 

 さて、次はどこの“端”に行こうかな?

 

 

佐田岬

佐田岬