朝鮮通信使行列、台風に泣く 対馬市、国書交換式のみ実施 [長崎県]
対馬市で3日、開催予定の「対馬厳原港まつり」のメーンイベント、朝鮮通信使行列は台風の影響で中止され、行列後に執り行われる日韓の国書交換式のみが行われた。昨年は同市の寺から盗まれた仏像が韓国で見つかり、韓国側が返還を拒む問題が起き行列は中止されていた。2年ぶりの再開に期待が掛かっていただけに、市民や関係者からは「残念」の声が上がった。
市交流センターであった国書交換式は、正使役に釜山・行政文化委員会の權五成(クォンオソン)委員長が、宗対馬守役に対馬市議会の堀江政武議長が務めた。堀江議長が「仏像問題を早期に解決し、良き関係を構築して友好を加速させたい」と述べると、權委員長は「朝鮮通信使をユネスコ世界記憶遺産に登録するため、両国の推進委員会が発足した。行列が再開できるようになってうれしく思います」と応じた。
行列を主催する朝鮮通信使行列振興会の稲田充会長は「行列ができなくて残念。来年は子ども行列なども取り入れて実施したい」と話した。
=2014/08/04付 西日本新聞朝刊=