反イスラエルに染まる中南米諸国、痛みが生んだガザとの連帯

2014年08月03日 17:27 発信地:モンテビデオ/ウルグアイ

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×アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)のイスラエル大使館前で、パレスチナの旗を掲げ、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃中止を求めるデモの参加者ら(2014年7月25日撮影)。(c)AFP/Juan Mabromata

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【8月3日 AFP】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃が続く中、中南米諸国の指導者がイスラエルを「テロリスト」と呼んだり、駐イスラエル大使を召還したり、パレスチナ人を断固支持する姿勢を表明したりするなど、イスラエルへの批判を強めている。

 こうした動きの中で最も象徴的なのが域内の急進的左派政権の指導者の1人、ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)大統領だ。イスラエルを「テロ国家」に指定し、イスラエル国民に対する査証(ビザ)免除措置を打ち切った。

 ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は先週、イスラエル軍の作戦は「虐殺」だと発言。イスラエルとの関係はその1週間前の時点でブラジルが駐イスラエル大使を召還し、イスラエル外務省報道官がブラジルを「外交の小人」と侮辱する発言をするなど冷え込んでいた。

 中南米にはイスラエルに対する厳しさという点でルセフ大統領の上を行く指導者もいる。ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は、「(イスラエルがパレスチナ人を相手に)半世紀近く続けている皆殺しの戦争」を非難。マドゥロ大統領が率いる与党のある議員は、ブラジルのルセフ大統領も使わなかった「大量虐殺(ジェノサイド)」という言葉でイスラエルを批判した。

 ペルー、エクアドル、チリ、エルサルバドルも協議のためとして駐イスラエル大使を召還。中南米で最大規模のユダヤ人社会を抱えるコスタリカとアルゼンチンは、自国駐在のイスラエル大使をそれぞれの外務省に呼びつけた。

 中南米各国はイスラエル軍の苛烈な軍事作戦を強く批判し、ガザ地区での停戦と中東和平交渉の再開を求めている。

 7月31日にはウルグアイのホセ・ムヒカ(Jose Mujica)大統領が、イスラエル軍にガザ地区からの「即時撤退」を要求する考えを示すとともに、中南米の他の国と同様に駐イスラエル大使を召喚する可能性を示唆した。

 ブラジルのサンパウロ(Sao Paulo)にある教皇大学(Pontifical University)のレジナルド・ナセル(Reginaldo Nasser)教授(政治学)は、「今回のように中南米諸国が事実上、1つのブロックとして反応した事例は、記憶している限り一度もない」とコメントした。

 同教授はその理由として、今日ではある国が明確に反イスラエル姿勢を示しても国際的な規範からの逸脱とみなされなくなっていることや、イスラエルと密接な関係を持つ米国への反感を挙げた。

 しかしメキシコ国立自治大学(Autonomous University of Mexico)の政治学者イタイ・ブラス(Ithai Bras)氏は、各国政府の動きはそれぞれの国民の怒りを反映したものだと言う。

 この数週間、メキシコからチリ南部に至る中南米各地でパレスチナ人を支持するデモが行われ、大勢の人たちが参加している。ブラス氏は、中南米は被抑圧感が充満しており、自分たちが痛めつけられたのと同じことがガザ地区で起きていると感じ、ガザの人たちへの連帯感が生まれていることの表れだと述べた。(c)AFP

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