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近代日本の人種体験
眞嶋亜有 著
明治以降、「西洋化」を追求、日露戦争後に「一等国」の地位を獲得し、唯一の「非西洋」として列強に参入した近代日本。だが、待ち受けていたのは、昂揚する黄禍論、パリ講和会議における人種平等案挿入の失敗、アメリカの排日移民法制定など、西洋からの人種的排除であった。本書は、近代日本が人種的差異をいかに捉えられてきたのか、タブー視されてきたその心性の系譜を、洋行エリートたちの人種体験を通して考察する。