(岩月麗子)あっごめんなさい。
すみません。
(新見静香)いえ。
大丈夫です。
すみません。
(崎山)ちょっと失礼すみません。
遅かったじゃないの。
編集長こそこういう席は必ず来ますね。
そりゃあ来るよ。
うまいただ酒飲めるチャンスは絶対逃さないっていうのが俺のモットーだもん!あはは…。
(拍手)
(崎山)ほら主役のおでましだ。
あの人が舞エステの漆原社長?そうだよ。
お前会ったことねえのか?ええ。
写真で見るよりずっと若くてきれい。
確かに若いよな。
隣に立ってるのが秘書をやってる実の妹だけどこうやって比べてみるとどっちが年上だかわかんねえな。
あはは…。
その横に立ってる二枚目が営業担当で切れ者の噂の高い専務の嵯峨雅之だ。
その隣にいるのはありゃあ誰だ?嵯峨桂介。
美容研究所の責任者です。
嵯峨桂介!?兄弟なんですよあの2人も。
・舞子先生!
(漆原舞子)あらっご無沙汰しております。
(拍手)お陰さまを持ちまして舞エステティックサロンもこの5年で会員数2万人を超えまして支店も全国に25店舗を数えるまでに成長いたしました。
これもひとえに皆様のご支援の賜物と心より御礼申しあげる次第でございます。
いやあしかしたいしたもんだよな。
5年だもんな。
5年でこれだけのエステにのし上がったんだからさぁ。
ごゆっくりとご歓談くださいませ。
(拍手)よお!お前聞いてんのかよ?ああっはい。
あのちょっと写真のほうに行ってきます。
うん。
ねえどうしたの?
(嵯峨桂介)今夜時間ある?ええ…。
じゃあパーティーが終わったら2階のラウンジで。
ラウンジって…?
(游佐今日子)所長お願いします。
ここで皆様に1つご報告申しあげたいことがございます。
実はかねてよりの念願でございました海外進出の夢がこの度ようやく叶いまして香港に舞クリニックを開設する運びとなりました。
(拍手)その香港の舞クリニックにおきましてはアームチェンジングコース。
つまりお肌の若返り美容法を重点的に行う予定でございます。
そのための最新美容機器専門スタッフを揃えました。
お肌をより一層美しく保つための旅はいかがでございましょうか。
皆様のご利用を心からお待ち申しあげております。
どうぞよろしくお願い申しあげます。
(拍手)
そのとき私は自分の中に何か得体の知れない不吉な予感が走るのを感じていました
そして2日後その予感はあまりにも残酷な形で幕を開けたのです
あっごめんなさい。
いえ。
大丈夫です。
あの人だわ…。
・
(崎山)岩月!はい。
舞エステの記事できたのか?あっ今やってるところです。
エステのパーティーの記事にこんなコチコチの文章書いてどうすんだよ!博士論文じゃねえだろう!はい。
読者の興味を引くってことを少しは考えろ!岩月。
ちょっと来い。
はい。
あのパーティーのときにいた嵯峨桂介って舞エステの研究所長なお前さんのコレなんだって?ええっ!?所長どうして?ふふふ…俺の耳はね地獄耳なんだよ。
あはは…。
結婚すんのかよ?いや…そんなこと…まだ…。
(翠川純一)そうですか…わかりました。
(佐々木園枝)いらっしゃいませ。
あの私週刊LADYの岩月と申しますが専務さんお願いできますか?
(園枝)少々お待ちください。
あちらの奥のほうになります。
はい。
どうもありがとうございます。
待ちなさい!まだ話は終わってないのよ!
(嵯峨雅之)麗子さん。
ええっ!?兄貴が休暇を?知らなかった?いや…僕も香港に出張してたもんですから…。
それにしても何でこんな忙しい時期に休暇なんか?私もそれが気になって…。
実はねあのパーティーの後に話があるって言われたんだけど結局すっぽかされて…。
雅之さんなら何か知ってるかなと思ったんだけど…。
(漆原未央)あらっお客様でしたの?あっいいんです。
じゃあ雅之さん何かわかったら連絡お願いします。
はい。
失礼しました。
兄貴の彼女だよ。
うん?姉と何か揉めてたみたいだけど…。
未央さんどうやら君にも腹をくくってもらうときが来たようだ。
気持ちは変わらないね!?
(留守番電話)「ゼロです」こらっ桂介!どこ消えたのよ?
(パトカーのサイレン)・刑事さんここ!刑事さんここです!早く来てください!早く!おい引き上げるんだ。
はい。
ご確認願います。
兄貴…。
桂介さん。
嘘!?嘘よ桂介さん!目を覚まして!ねえ桂介さん。
ねえ…。
桂介さん。
ねえ…。
こちらも見ていただけますか?游佐くんです。
(游佐)所長お願いします。
それじゃ兄と游佐くんは心中だと言われるんですか?
(前田)でしょうな。
根拠は何でしょう?まず発見当時の遺体の状態ですが2人の遺体には外傷らしいものがほとんどなく検視官の意見でも水死にほぼ間違いないということでした。
それに2人は腰の辺りをロープでしっかり結び合っていましてねこれが心中説の大きな決め手になりました。
さらに現場近くから2人の物と思われる靴が発見されました。
もっとも女物の片方は海にでも落ちたのか発見できませんでしたがね。
見覚えありませんか?わかりませんか?しかしこの靴と足のサイズはあっていますのでまず2人の靴とみて間違いないでしょう。
ところで亡くなった2人の関係ですが心中するにはかなり思いつめた事情があったと思われますがその点について何か心当たりありませんか?そんな…桂介さんが心中するなんて信じられません。
ないとは言えません。
まさか心中するほど思いつめてるとは知りませんでしたが兄が游佐くんのことで悩んでいたことは事実です。
どう?いいでしょう!?そうかな…。
うう〜んまったく美的感覚ってものがないんだから!顕微鏡ばかり覗いてないでたまにはこういう美しいものにも興味を持ちなさい!美しいものだったら十分興味を持ってますよ!ああ!もう…!あはは…!どうやら遺書らしいものは遺してないようですね。
雅之さん。
本当なんですか?桂介さんと游佐さんって人のこと。
事実だよ。
今さら兄貴の言い訳しても仕方ないけど最初積極的に近づいたのは游佐くんのほうらしい。
兄貴はあのとおり学者タイプの堅物だったがこっちへ来て君ともなかなか会えなくなった寂しさからフッと目の前の女に引かれてしまったのかも…。
嘘よ!思いたくない気持ちはわかるよ。
しかし兄貴としては游佐くんとのことは一時的な気の迷いでいずれは君のところに戻って来るに違いないって…。
もういいわ!聞きたくない。
麗子。
うん?誰か見てるかもよ。
岩月麗子さんね!?はい。
私は舞エステティックサロンの…。
存じてます。
あなたのことは嵯峨先生から伺ってますわ。
嵯峨先生に一度結婚をお薦めしたことがあるんです。
そしたら僕にはもう心に決めた人がいるってあなたの写真見せられたことがあるんです。
そうですか…。
その先生がまさか游佐さんと…。
何か遺書のようなもの届きませんでしたか?いいえ。
そうですか…。
今度香港に新しくクリニックができるんですけど嵯峨先生にはそこの責任者になってもらおうと思ってたんです。
もちろんあなたも一緒にね。
今度のことがあなたにとってどんなにショックだったか私にもよくわかるわ。
でもね私ができることだったらどんなことでもするから一刻も早く立ち直ってね。
ありがとうございます。
(桂介)大学辞めることにしたよ。
じゃあどこかよその研究施設へ?うん。
弟のところへ行く。
ええっ!?ねえちょっと待ってよ。
雅之さんの会社ってエステのチェーン店でしょう?そうだよ。
舞エステティックサロンの美容研究所に入る。
医学博士のあなたがどうして化粧品の研究を?別に化粧品を作る気はないよ。
ええっ!?麗子いいか…俺の専門は細胞学だよ。
もっと詳しくいえば老化のメカニズムの研究だ。
その研究を舞エステティックサロンで?そう。
人間誰しも年と共に肌が衰えてくるのは避けようがないが俺は前々から薬や化粧品以外の手段で老化を防止する方法はないかって考えていたんだ。
他の方法?細胞の再活性化を促す医療機器の開発だよ!機械?ああ。
だが大学の限られた予算では思うような研究ができない。
ところが舞エステの社長がこの研究の意義を理解してくれて必要な資金はいくらでも出すって言ってきたんだ。
自信あるの?もちろん。
俺はこの新活性療法に賭けてるんだ。
新活性療法?うん。
この研究が実を結べば単に女性の美容のためだけじゃなく人類全体に大きな福音になるんだ。
桂介さん。
麗子。
俺はやるよ。
必ず世間をアッと言わせる成果を出してみせる。
この研究が軌道に乗ったら結婚しよう。
《心中なんかじゃない。
桂介さんが私を裏切って心中なんかするはずないわ》失礼ですが週刊LADYの岩月麗子さんですね?あなたは?翠川純一といいます。
先日このビルの屋上から飛び降りた新見静香の婚約者です。
実は静香のことで何度か舞エステに行くたびにあなたのことお見かけしてたんです。
それに嵯峨所長の葬儀のときも遺族の席に座ってらっしゃいましたよね。
ええ。
で大変失礼だと思ったんですがあなたのこと少し調べさせてもらってあなたと所長さんの関係を知ったんです。
なぜ私のことをそんなに?協力者がほしいんです。
協力者?はっきり言います。
あなた恋人の嵯峨所長が本当に心中したと思ってますか?じゃああなた新見静香さんが自殺したことに疑問を?ただ警察は屋上に彼女の靴がきちんと置かれてましたし争った形跡もないんで自殺と断定せざるをおえないって言うんです。
遺書は?いえ。
じゃあ発作的に?はい…。
でも何か原因が?そのことは警察にもずいぶんしつこく訊かれました。
でも僕たち2人の間はもちろんのこと両方の家族にも何の問題もなかったんです。
彼女の会社にも行きましたけどみんなそんな自殺につながるような深刻なトラブルは一切なかったって言うんです。
じゃあ彼女はなぜ?僕は彼女があのエステの入ってるビルを自殺の場所に選んだことがどうしても引っかかるんです。
彼女3か月ほど前から舞エステティックサロンの特別会員になっているんです。
特別会員?ええ。
何でも社長の漆原舞子さんって人はもともと優秀なエステテ…。
エステティシャン。
あっそれです。
で今でも新しい技術の研究をするために何人かを自分で担当してるらしいんですよ。
そんな制度があったんですか?静香は社長直々のエステを受けられるってとても喜んでました。
ところがだんだん元気がなくなってきたんです。
いつごろから?ひと月ほど前からです。
どっか具合でも悪いのかって訊いても何でもないって言うだけで…。
そしてあの朝…。
どうして…?どうして?遺体を見るまでとても信じられませんでした。
いえそのときもまだ悪い夢を見てるとしか思えなかったんです。
でもようやくそれが現実であるって悟ったとき…。
しみ!?ビルから落ちてできた傷じゃありません。
あんな高いところから落っこったのに顔だけはあまり痛んでなかったんです。
彼女の両親もそんなものは子供のころからなかったって言ってますし僕も一度も気がついたことがありません。
じゃあそのしみはエステで?そうとしか考えられないんです。
それで彼女が舞エステでどんな美容法を受けてたのか知りたくて何度か社長に面会を求めたんですがその度に玄関払いなんですよ。
それはちょっとおかしいわ。
僕には会うのを避けてるとしか思えないんです。
あの実は私一度静香さん見てるんです。
ええっ!?舞エステのパーティーのあったホテルで…。
あっごめんなさい。
いえ…。
あいつ何でホテルなんか行ったんだろう?もしかしたら顔のしみのことで舞子社長に会いに行ったのかも…。
舞エステを調べたい?はい。
彼氏の死因に疑問でもあるのか?やめとけやめとけ!そういうことはな警察にまかしときゃいいんだよ。
いえあのそれだけじゃないんです。
この間Sタワーから飛び降り自殺した新見静香さんというOLも実は舞エステの会員だったんです。
何だと!?
(電話)はい週刊LADY編集部。
ええっ!?ちょっとお待ちください。
お前さんだ。
もしもし岩月です。
翠川さん。
ええ。
すぐ行きます。
仁科病院ですね。
はいじゃあ。
編集長私ちょっと出かけてきますのですみません。
おいっ!おいっちょっと待て!
(仁科)実は新見さんは皮膚がんでした。
皮膚がん!?
(仁科)基底細胞がん。
こう書きます。
基底細胞がん。
ええ初診の初見では新見さんの右頬に1センチ×1センチの顕著な色素沈着がありました。
これです。
もっともその段階ではがんであるかどうか私も確信が持てませんでした。
だから念のために組織検査をしたところ皮膚がんだっていうことがわかったんです。
皮膚がんを起こす大きな原因は紫外線です。
強い紫外線を浴びると遺伝子つまりDNAに傷がつきます。
普通はメラニンという物質が出てきて有害性を防止するんですが傷が治らないままDNAが残る場合がありそれが突然変異を起こしてがんに移行するということでしょうか。
がしかしそこに至るまでには何十年という歳月がかかります。
だからしたがってその高齢者に多い疾患なんですが新見さんのように若い人が発症するというのは極めてめずらしい例と言えますなぁ。
でも静香は実際に皮膚がんになったわけですよね。
どうしてなんですか?ううーん新見さんは抜けるような白い肌をしてらっしゃいました。
そういうタイプの人はメラノサイトの働きが弱いんです。
で何かのきっかけでがんが異常に増殖したということでしょうか。
彼女に皮膚がんであることは知らせたんですか?知らせました。
彼女もともと日焼けには弱い体質でだから今年の夏は特に気をつけて海やプールへは行かないようにしてたんです。
そんなに強い紫外線を浴びるなんてことはなかったはずなんですよ。
僕はエステのことはまったくわからないんですけど紫外線を使って行う美容法なんていうのはないでしょうね?私もあんまり詳しくはよくわからないんですけどでも今はUVケアといって紫外線を避ける美容法が流行ってますからそういうことはないと思います。
ああそうですか…。
俺前々から薬や化粧品以外の手段で老化を防止する方法はないかって考えていたんだ。
(桂介)細胞の再活性化を促す医療機器の開発だよ。
不自然な点?ええ。
警察の調べでは2人の死因はやはり溺死で死後約30時間と推定されたそうですね。
30時間…。
つまり休暇届を出されたその日のうちに死んでいたということになりますね。
で不自然な点って?ええ兄の体内に睡眠薬を服用した形跡が残っているんです。
睡眠薬!?これから海に飛び込もうって人間が睡眠薬を飲むなんて少々おかしいと思いませんか?そんなことないと思うわ。
人間いくら覚悟してたって水へ入ればもがき苦しむでしょう。
睡眠薬を飲んで意識を朦朧とさせたうえで自殺を図るってことも考えられると思うの。
なるほどねぇ。
しかし相手の游佐今日子には睡眠薬を飲んだ形跡がなかった。
これは一体どういうことなんでしょうね?どういうことって?わかりませんか?2人は心中に見せかけて実は殺された可能性もあるってことですよ。
誰が何のために殺したっていうのよ?最近兄貴といろいろトラブッたそうじゃないですか?ちょっと待ちなさいよ!あなたまさか私を疑っているんじゃないでしょうね?ばかばかしい。
わざわざ大金払って大学から引き抜いてきた人間をどうして殺さなきゃいけないのよ。
それにねあの日私は札幌にいたのよ。
札幌!?道内の支店回りよ。
知らなかったの?ふふ…だめねぇいくら自分が香港出張中だったからって社長のスケジュールも知らないようじゃ専務失格ね。
雅之さん!機械?桂介さんが研究してた老化防止の美容機械よ。
ああ…その機械ならたしか失敗したんじゃないかな。
失敗!?うん。
いろいろやったみたいだけど兄貴は所詮医者であって技術者じゃないから…。
そうか…。
何!?あっいや何でもない。
じゃあ急ぐから…。
社長の妹さん…!?
(雷鳴)
(雷鳴)ああ…。
ねえ具合どうなの?だいぶ落ち着いたみたい。
あんまり根詰めて仕事するからよ。
仕方ないじゃないの!舞エステも私も今が正念場なんだから…。
もう大丈夫よ。
(雷鳴)
(雷鳴)ああー!あら!?変ねぇまだ起きてないのかしら?未央!?未央!未央!!
(パトカーのサイレン)
(大津)胃痙攣ですか?ええ。
昨夜仕事の途中で急に胃が痛くなってかかりつけの病院に駆け込んだんです。
それでそのまま入院していたわけですか?はい。
先生が一晩様子をみたほうがいいっておっしゃったもんですから…。
未央は私に付き添ってくれるって言ったんです。
でもこの犬に餌をやらなきゃいけないんで…。
こんなことになるなんて…。
こちらには他にご家族は?いえおりません。
失礼ですがお2人とも…?独身です。
もっとも未央には好きな人がいたんです。
でも私が仕事上どうしても手放せなくて…。
(読経)
(安井)主任!被害者漆原未央が惚れてたって男は無関係ですな。
居場所はわかったのか?ええ。
すでに結婚して大阪に住んでました。
事件当時のアリバイもはっきりしてます。
ということはホシはエステに関係している人物か…。
この度は何と申しあげたらいいのか…。
嵯峨先生に続いて今度は妹まで…。
私もうどうしたらいいのか…。
そんな気の弱いことおっしゃらないでください。
亡くなった2人のためにも舞エステティックサロンをさらに発展させることが社長さんに与えられた使命じゃないでしょうか…。
そうね。
このまま辞めてしまったら2人に申し訳が立たないわね。
あなたのお陰で少し勇気が出てきたみたい。
社長!お席のほうへ。
岩月さんありがとう。
今度は会社のほうにも遊びにいらしてね。
はい。
舞子先生もとんだご難続きで大変だわねぇ。
ほんとねぇ。
この間は専務のお兄様で今度はご自分の妹さんでしょう。
まあ舞子先生お気の毒だわ。
これで舞子先生と専務さんの仲がいっそう険悪になるんじゃない。
ちょっとそれってどういうことなの?あらっご存知なかったの?舞エステじゃ今社長派と専務派の勢力争いが大変らしいのよ。
本当なの?まあ…。
ええっ!?OKがでたんですか?ああ。
舞エステも今度の一連の事件でかなりイメージがダウンしてるからな。
そこで体験取材でおたくがどんなすばらしい美容技術持ってるか宣伝しましょうかって持ち掛けたんだよ。
そしたら見事にのってきた。
編集長!ただしお前さんあくまでも週刊LADYの記者として体験取材にいくんだからな。
いいか!これは取材だぞ!はい。
あなたに取材していただけるなんてうれしいわ。
うちの優秀な技術をしっかりと体験していってくださいね。
はい。
でも私も記者ですから不満や疑問があればしっかり書かせていただきますよ。
あーら怖い!お手柔らかにお願いしますね。
(ノック)どうぞ。
(光森千明)失礼いたします。
ご紹介しますわ。
今回あなたの担当をさせていただく光森千明です。
うちのトップクラスのエステティシャンよ。
よろしくお願いいたします。
こちらこそ。
今回岩月様にはフェイシャルケアボディ−マッサージ部分トリートメントの3つのコースを体験していただきます。
はい。
まずフェイシャルケアを行いますがその前にお肌のチェックをさせていただきます。
うふっまあ…そんなに固くならないでもっとリラックスなさってください。
はい。
岩月様はノーマルスキンですからとくに問題はないようですね。
でも肌の奥に色素沈着の部分があります。
これは放っておくとしみになりますよ。
しみ!?ご心配なく。
今のうちにしっかりとケアしておけば3か月もすればピッカピカのお肌になりますよ。
それではケアをやらせていただきます。
はい。
《新見静香さんも同じフェイシャルケアを受けている間に皮膚がんになってしまった》《一体どの工程でがんを誘発する作業があったのかしら》犯人のものと思われる靴跡が取れたって?ええ。
(大津)これですか?はい。
C.CいやG.Gかな?拡大してくれ。
はい。
G.Gのようだな。
そんなブランド名のメーカーあるのかね?さあ聞いたことありませんがとにかく調べてみましょう。
ああ!千明さん結構いけるじゃない!だってさぁ一日中気取った奥様やお嬢様の相手してるともう肩凝っちゃってさぁ。
そういうときはこういう大衆的なところでパアーッとやるのが一番よね。
わかるわかる!ねえところでさぁエステっていえばお客はもちろん働いている人もほとんど女の人ばっかりじゃない。
そういうところってさいろいろあるんじゃない?あるわよー!みんなすました顔してるけど裏じゃ少しでもいいお客をつかもうと足の引っ張り合いよ。
へえ…。
誰だってさいずれは独立して自分のお店を持ちたいって考えてるもの。
そうなんだ…。
ねえところでさぁ社長さんも自分のお客を持ってるんですって?そうよ!だってさ社長は今でも一流のエステティシャンだもの。
でどんなお客さん?お銚子1本!さあメンバーまでわかんないけどね。
名簿なんか手に入らないかな?名簿!?あるんでしょう!?そういうリストって?そんなもの見てどうするのよ?だって今をときめく舞エステの社長から直々にエステを受けるお客なんてもうどんな人か興味あるじゃない。
いいわ。
何とかしてみる。
翠川さん!翠川さん。
どうも。
これ。
これが社長が担当してた客のリストですか?あのこれ静香の名前がありませんけど?ええ。
ええって!?それじゃこのリストは偽物なんですか?本物です。
このうちの何人かに直接会って裏づけを取ってありますから。
ちょっと待ってください。
どっどういうことなんですか?静香嘘をついていたんでしょうか?静香さんがこんなことであなたに嘘をついてもしょうがないでしょう。
まさか…。
それじゃこのリストから静香の名前を消したんですか?その可能性も少ないと思います。
このリストに載っている人たちは全員お金持ちの奥様や芸能人モデルなどの有名人ばっかりです。
静香さんのような普通のOLは1人もいません。
それじゃ静香は…!?別のリストがあるんだと思います。
別のリスト!?表には出せない秘密のリストです。
そのリストを見つけ出せば静香さんがどんな美容法を受けていたかわかるし舞エステが必死になって隠そうとしている理由もわかるはずです。
でもそのリストも消されてるんじゃないですか?賭けてみるしかありません。
組合の理事会に行ってくるから。
はい。
いってらっしゃいませ。
こんにちは。
いらっしゃいませ。
あらっ岩月様今日エステの日ですか?担当の光森お休みなんですけど…。
いいえ。
今日は写真取材で伺ったんです。
写真取材!?あっどうぞ。
・
(園枝)何してるんです?あああの社長室も取材して…。
それは困ります。
社長はただいま外出中ですので許可をいただきませんと…。
じゃああの…専務さんにお願いして。
本日は専務も地方へまいっております。
困ったなどうしよう。
締め切りまであまり時間がないんだけどなぁ。
じゃああのちょっとだけでもだめですか?社長さんには私があとからお断りしておきますから。
でも…。
お願いします!ああ…仕方ありませんね。
取材には協力するように言われてますから。
ありがとうございます。
物には一切手を触れないでくださいね。
わかってます。
あのカメラマンの方どっかでお目にかかったような気がするんですけど…。
ああそうですか…。
どこ…。
この感じなんかもいいですよね。
(電話)あの電話。
ちょっと失礼。
(電話)お待たせいたしました。
舞エステティックサロンでございます。
もしもし。
舞エステティックサロン…。
またあなたですか?今日こそは社長さんに会わせてもらいますよ。
申し訳ございませんが社長はただいま外出中でございますので。
嘘!?ああ嘘だ。
居留守を使ってるに決まってる。
だから何度もそう言ってるでしょう。
パスワード!?そっちがそうやっていつまでも引き伸ばす気ならこっちにも覚悟があるぞ。
(園枝)覚悟!?覚悟って一体なんですの?告訴!?そうだ。
新見静香はおたくのエステのミスが原因で自殺したって訴えてやる。
冗談じゃありません。
変な言い掛かりつけたらこっちが逆に告訴しますからね。
もしもしもし…。
切った!エラー。
急いでください!またエラー。
あった!終わりましたか?
(麗子・翠川)はい。
見てこの5人。
60代から20代まで1人ずつきれいに並んでいるわ。
…っていうことは年代別に何か統計でも取ろうとしてたのかな?それにしてもこの新活性療法っていうのはこれは一体何なんですか?どうかしましたか?あっ…。
とにかく手分けして静香さん以外のほかの4人に当たってみましょう。
はい。
無断で人を入れたらいけないってあれほど言っておいたでしょう。
申し訳ございません。
あの原稿の締め切りまで時間がないって言うもんですからつい…。
過ぎたことは仕方ないけどもう二度とこんなことしたらダメよ。
はい。
申し訳ありませんでした。
あの三好ですが…。
あっ岩月です。
はい。
あのあちらでお話を伺えないでしょうか?あのすみません!ちょっといいですか突然で申し訳ないですけども佐野さんでいらっしゃいますか?はい。
メラノウマという一種の皮膚がんでした。
皮膚がん?ええ。
お待たせしました。
それじゃそっちにも皮膚がんになった人がいたんですか?ええ。
お気の毒に60代の鈴木さんは発見が遅れて亡くなってたわ。
そうですか…。
僕が会ったバーのママはすぐに手術をして事なきを得たって言ってましたけど…。
でもそれにしても4人のうち2人も静香入れると5人のうち3人も皮膚がんになったってことになるわけですよね?これはやっぱり単なる偶然なんかじゃないですよ。
あの新活性療法っていうのに何か問題があったんですよ。
もちろん俺はこの新活性療法に賭けてるんだ。
ああその機械はたしか失敗したんじゃないかなぁ。
ごめんなさい。
ええっ!?新活性療法の責任者は嵯峨桂介です。
何ですって!?彼の作った美容機器に欠陥があって皮膚がんを誘発したんだと思います。
桂介さんも多分このことに気がついていたんだわ。
だから自責の念に耐えられなくなって…。
岩月さん…。
ごめんなさい。
許してください。
待ってください!岩月さん!岩月さんの気持ちはわかります。
でも今ここで止めてしまったら死んだ静香はどうなるんですか?事実を明らかにしなきゃかわいそう過ぎますよ。
岩月さんの恋人が作った美容機器が皮膚がんを引き起こしたのは事実かもしれません。
でももしそれが原因で自殺したんだとしたらあまりにも無責任です。
無責任!?だってそうでしょう。
自分の作った機械で被害者が出てるのに一言も言わずにさっさと自分だけ死んでしまうなんて…。
あなたの恋人っていうのはそんなにいい加減な男だったんですか?僕は嵯峨桂介さんていう人には会ったこともありません。
でもあなたの愛した人がそんな心無い人間だとは思いたくないんです。
翠川さん。
何かあるはずです。
これにはもっと何か隠された重大な秘密があるはずです。
はっ!はあ…。
ああー!
(植木鉢の割れる音)
(階段を下りる足音)まさかあの人が…!?痛い!誰か誰か助けて!・何してるんだ!待てー!大丈夫ですか!?大丈夫ですか?舞子社長が?「危ないとこだったんですよ」「もう少し遅かったら殺されてたとこです」もう一度最初から考え直してみようと思って静香が死んだ場所に行こうとしたんです。
そしたら駐車場で悲鳴が聞こえて…。
いえ彼女も僕も顔は見てません。
「で警察には届けたの?」いやそれがどうも彼女あんまり表沙汰にはしたくないみたいな様子で…。
帰った!?自分の車で?「ええ。
お陰で僕が静香の婚約者だって言う暇もありませんでした」そう。
わかりました。
ええそれじゃ…。
《舞子社長が警察に届けなかったのはこれ以上舞エステのイメージを傷つけたくなかったのか…》《それとも警察に係わりたくない何か都合の悪いことがあったのか…》《いずれにしても私を襲ったのは舞子社長じゃない》《だとすれば一体誰が?》そこで何してるの?千明さんあなただったの!?待ちなさい!何すんの。
離して!何すんのって…。
あなたでしょ私を襲ったのは!?知らないわ何も…。
じゃあ警察に行って何もかも話しましょう。
私を殺そうとしたこともね。
やっぱり舞子社長の差し金だったのね。
あなたがエステの体験取材に来るって決まったとき社長に呼ばれて取材の本当の目的を探るようにって…。
今日だってそうよ!あなたが社長のパソコンからデータを盗んだことがわかったんで余計なことをするなって警告するようにって…。
警告にしてはちょっとやりすぎなんじゃない!?一歩間違えればあなた殺人犯人になるところだったのよ。
ごめんなさい!本当にごめんなさい!わかったわ。
ねえ千明さん教えてほしいことがあるの。
新活性療法って何?新活性?ほら社長が裏のリストに載ってた人たちに試してた新しい美容法よ。
知らないわ。
本当よ。
本当に知らないわ。
それじゃあ嵯峨桂介さんと一緒に死んだ遊佐今日子って人のことは?あの人は専務のスパイよ。
雅之さんの!?えっじゃあ雅之さん自分が舞エステに引っ張ってきた自分の実のお兄さんのことをその今日子さん?って人にスパイさせてたの?社長が言ってた。
専務は自分の肉親でさえ信用しない男だって。
いってきます。
はい。
取材うまくいってんのか?えっええ。
ところでな岩月警察がG.Gブランドの靴を履いた男を捜してるって知ってるか?G.G?ABCDEFGのG.Gだよ。
舞エステの社長の妹を殺した犯人が履いてたらしい。
G.G…。
編集長この情報どこで?俺もな今は女性誌の編集長やってるけど元をただしゃサツ回りの事件記者だ。
それぐらいのコネはまだまだあるんだよ。
何?すごい!
(電話)
(雅之)はい嵯峨です。
あっはい。
(崎山)警察がG.Gブランドの靴を履いた男を捜してるって知ってるか?じゃまた電話します。
はいどうも。
(崎山)舞エステの社長の妹を殺した犯人が履いてたらしい。
《あのG.Gブランドの靴はまだそんなに古くはなかったわ》《その靴を焼いたということはやっぱり雅之さんが未央さんを殺して証拠を隠滅するために…》でもなぜ未央さんを…?
(チャイム)翠川さん!もう遅かったじゃない!やあちょっといいかな?何ですか?こんな時間に。
うんちょっと…。
やっぱり気がついてたのか?あなたが漆原未央さんを殺したのね。
ほう…何で俺が。
彼女は俺にとって大切な味方だったんだよ。
あなたはいつも社長の陰に隠れて目立たない未央さんの不満につけ込んで味方に引き入れ舞エステの乗っ取りを狙ってたんでしょ!?そのとおりだ。
舞エステをここまで大きくしたのはこの俺だ。
それをたかがエステティシャン上がりの舞子は自分の力だとうぬぼれ俺をないがしろにし始めた。
俺にはそれが我慢できなかったんだ!だから今度は未央さんを表に立てて舞エステを自分の物にしようとした。
そうだ。
だから俺には未央を殺す理由がない。
いいえあなたよ!だからなぜ!?姉の舞子さんと間違えたのよ!駐車場で舞子さんが襲われたって聞いたとき思ったの。
犯人の狙いは最初から舞子さんだったんじゃないかって。
そうでしょ?あなたの狙いは最初から舞子さんだった。
でもあの晩舞子さんは胃痙攣で緊急入院してしまった。
それを知らないあなたは雨の中舞子さんの帰りを待ち続け車で帰宅した未央さんを舞子さんと思い込み襲い殺した。
違う?ハッ…。
はあ…さすが記者さんだ。
見事な推理だ。
人殺しをしてまでエステの社長になりたかったの?ハッまさか…本当の理由は別のところにあったんだよ。
本当の理由?新見静香という若い女さ。
静香…さん?あれは香港出張を翌日に控えた夜だった…。
申し訳ありません。
本日の営業はもう終了してるんですけども。
私新見静香って言います。
新見さん?こちらへどうぞ。
(雅之)女の思いつめた様子が気になった俺はとにかく話を聞いてやることにした。
お嬢さんまさかうちで受けた美容療法が原因で皮膚がんになったと言うんじゃないでしょうね?バカなこと言わないでください。
うちは女性の肌や体を美しくするためのエステティックサロンですよ?でも他に考えられないんです。
肌を痛める原因…。
皮膚がんになったのはここで受けたエステのせいなんです!いい加減にしてください!!さあっ!さっさと帰れ!でないと警察呼ぶぞ!!ほら!!早く!!キャッ!!おいっ!何する気だ!本当に信じてくれないんならここから飛び降りて死にます!こけ脅しはよせ!本当に死ぬわ…本当に死ぬわ!おいっおいっ!やめろ!いやっ!!やめるんだ!やめるんだよ!離して!やめろーっ!離して…!やめろっ!やめっ…!?キャーッ!!はっ…あっ…。
ああ…あっ!?バカなことしたわね。
舞子さんが!?新見静香は本当は社長の舞子と話し合うために来たんだ。
舞子さんが!?新見静香は本当は社長の舞子と話し合うために来たんだ。
それじゃあ…あの子の話は本当だったのか?たぶんね…。
だから表沙汰にしないために今夜あの子をここへ呼んで皮膚がんの手術の代金もそれからその後の美容整形も面倒見るからって何とか説得するつもりだったのよ。
それをあなたが殺してしまった。
俺が殺したんじゃない!あの子が勝手に飛び降りたんだ!!そんな言い訳警察が信じると思ってるの!?大丈夫よ突き出したりしないから。
そんなことをしたらこの舞エステティックサロンの看板に傷をつけるだけじゃない。
でもこれだけは言っておくわ。
これから先もう二度と私に逆らうような真似はしないことね。
わかったらこの靴を屋上に置いてきなさい。
それで何とかごまかせるでしょう。
何ぐずぐずしてるのよ!早く!
(雅之)このとき俺はこの女に初めて殺意を抱いたんだ。
だが舞子にも自分の失敗で皮膚がんを誘発させたという弱味がある以上まだ立場を逆転できるチャンスがあるとは思っていた。
ところが今度は兄貴と遊佐今日子の心中事件が持ち上がった…。
知らせを聞いたときとっさに俺は2人は舞子に殺されたんじゃないかと考えた。
舞子の使っていた新しい美容機械は兄貴が作った物だ。
だから兄貴と助手の今日子と心中したとみせかけて殺してしまえば舞子の致命的な失敗は闇から闇へと葬り去ることができる。
だが舞子にはアリバイがあった…。
アリバイ?2人が死んだ日舞子は北海道の支店を回るために札幌へ行ってたんだよ。
これで俺の立場はますます不利になった。
今となっては舞子のミスで新見静香が皮膚がんにかかったことを証明するのも難しくなってしまった。
だが舞子の証言1つで俺が新見静香殺しの犯人にされる危険性は依然として残ってる!漆原舞子を殺さない限り俺は一生あの女の前にひれ伏すしかないんだ。
専務…。
(雅之)間違いだと気がついたときはもう遅かった…。
顔を見られた以上殺すしかなかったんだ。
ここまで話してしまった以上君にも死んでもらう。
(チャイム)助けて…。
どうしたんですか?あんたは…!コノヤロー!待て!大丈夫ですか?岩月さんしっかりしてください。
これ…。
これは…!いらっしゃいませ。
ちょっとお尋ねしたいんですけれども…。
はい何でしょうか?こんなところまで呼び出して一体どういうお話かしら?ここがどんな場所だかご存知ですか?そうだったわね…。
嵯峨桂介さんと遊佐今日子さんの心中死体が発見された場所だったわね…。
2人は心中したんじゃありません。
あなたに殺されたんです。
殺された!?ああ…麗子さんあなた…。
これが何だかわかりますか?あなたが探していたものです。
このレポートには新活性療法のための美容機器の研究開発の過程が詳しく書かれています。
桂介さんの研究していた美容機器は紫外線を利用するものだったんです。
専門家のあなたにお話するまでもないことですけど一般的に紫外線は肌にはよくないものだと言われています。
下手をすると皮膚がんを引き起こす恐れさえあると…。
でも桂介さんの考えは違っていた。
それだけ肌に強い影響を及ぼす紫外線だからこそ使い方によっては最も効果的な美容法ができるんじゃないかと…。
そうですね?お待たせいたしました。
そしてあなたはその機械の効果を試すために20代から60代までの各年齢層の会員を選んで試験的に使い始めた。
でもその機械は失敗でした。
使用した5人の会員のうち3人までが皮膚がんにかかってしまったんです。
狼狽したあなたは事が公になって舞エステティックサロンのイメージに傷がつくことを恐れそれまでの研究資料を機械もろとも一切処分するように命じた。
でも桂介さんは失敗は失敗だと認め皮膚がんにかかった人たちのアフターケアが先だと主張しあなたと対立した。
だから私が殺したって言うの!?言いがかりも甚だしいわよ。
第一嵯峨先生と遊佐さんが死んだあの日私は札幌のホテルにいたのよ。
たしかにあの日あなたは札幌へ行きました。
そのことは札幌のホテルのフロント係も確認しています。
だったら…。
でもあなたはチェックインしたあとすぐホテルを抜け出して東京へ戻った。
そして羽田に止めておいた車でこの西伊豆へ向かったんです。
それで何?私が2人を殺したあとまた同じルートを通って札幌に戻ったっていうわけ?そのとおりです。
だったら証明していただこうかしら?私がそんな大冒険をしたっていう証拠があるんだったらちゃんと見せてちょうだい!社長。
いえ舞子さん。
あなたはホテルにチェックインするとき今夜は疲れていてすぐ寝るので電話は一切取り次がないでくれって頼んだそうですね。
それがどうかしたの?あなたはとてもうまく立ち回ったわ。
朝一番の飛行機で札幌に戻ったあとホテルにひと晩中いたと思わせるためベッドやバスルームに使った痕跡を残すところにまで気を配った。
でもあなたはたった1つだけミスをしました。
ミス!?ホテルの室内清掃係がこう言っていたそうです。
ベッドの枕やシーツにもシワが寄ってたしバスタオルも濡れてましたよ。
はあそうですか。
あっでもね。
トイレットペーパーだけは全然使った様子がなかったんです。
ホテルの部屋に夕方から次の日の朝までずっと閉じこもっていた人が一度もトイレを使用しないなんてそんなことがあるんでしょうか。
ばかばかしい!そんなことで私が人を殺したって証明ができるわけないでしょ!・
(前田)できるな。
ここで死んだ2人の遺体を詳しく調べた結果女が飲んだ水は海水じゃないことがわかった。
海水じゃない…!?舞エステの研究所の水道水だよ。
分析の結果遊佐今日子は化粧品と思われる成分がわずかに混じった水を飲んでいた。
たしか研究所には実験に使った用具を洗浄するための水槽がいくつもあったな。
それともう1つ。
事件のあった深夜東名高速の速度違反カメラが偶然こんなものを記録していた。
150キロもスピードを出していたんですね。
前田さん!たった今連絡がありました。
専務の嵯峨雅之が福岡国際空港で逮捕されたそうです。
そうか。
その男の取り調べで何もかも明らかになるだろう。
あなたまだ言い逃れをするつもりですか?新活性療法…。
あれが…あれがすべての始まりだったんです。
(桂介)薬や化粧品以外の手段で老化を防止する方法はないかと考えていたんです。
紫外線を使った美容機器を作るっていう嵯峨桂介さんの発想は常識をはるかに超えたユニークなものだったんです。
話を聞いているうちに私はこの機械の開発に賭けてみようって決心しました。
いいわねそれ。
その機械を使った美容法新活性療法って名前にしましょう。
試作品ができると私はすぐ自分で選んだ会員に試験的に使い始めました。
(前田)試作品?完成品じゃなかったの?嵯峨先生は…。
嵯峨先生はまだ実験を続ける必要があるって言ったんです。
だけど…だけど私…。
香港の舞クリニックの開設に合わせてどうしてもあの機械を使った新活性療法を間に合わせたかったんです。
でも…。
ひそかに恐れていたことが起こってしまった…。
あの機械に致命的な欠陥を見つけたとき私は何もかも破棄するように言ったわ。
だけど…だけど嵯峨先生が…。
お断りします。
断る!?あの美容機器を作った責任者はこの私です。
私は医師としての良心を懸けてもこの事実を公表し被害者を救済する義務があります。
そんなことしたらあなたの医師としての生命はこれで終わりになってしまうのよ。
もちろん覚悟しております。
嵯峨先生…!嵯峨先生!そのあと何度も話し合ったんですけど結局だめだったんです。
残された道は彼の口を封じるしかなかったんです。
あの夜西伊豆に着いた私は彼がまだ自宅に戻っていないことを知って研究所へ向かいました。
脅かしてごめんなさい。
こんな時間にどうしたんですか?もう一度だけあなたと話し合えたらなと思って。
何度も言いますがあの件に関しては考えを変えるつもりはありません。
そう…。
どうしてもだめなのね。
ええ。
あなたにはご迷惑をおかけして申し訳ないと思いますがこれは医師としての私の義務です。
社長あなたは…!コーヒーに混ぜた睡眠薬が効いてきたんです。
あなたが…あなたがいけないのよ。
社長…。
彼女も残業してたなんて予想外でした。
私が…私がここに来たことを知られた以上彼女も殺すしかないと思ったんです。
ああするしかなかった…。
殺すしかなかったの…。
舞エステティックサロンを守るにはああするしかなかった…。
愚かだわ…。
あなたにとって舞エステティックサロンが大切だということはよくわかります。
でもそのために何人もの人の命が…。
その中にあなたの妹さんだっているしあなた自身だって危ない目に遭ったんじゃないんですか?しかもあなたは犯人が嵯峨雅之だと気がついていながら舞エステのイメージに傷がつくことを恐れ黙りとおした。
なぜそこまでするんです?あなたに一体何がわかるっていうんです!?私にとって舞エステティックサロンは私の命なんです。
あれを失うってことは…。
私に死ねって言ってるのと同じことなんです…。
舞子さん。
血で汚された舞エステに何の価値があるんですか?きれいな心があってこそ美しい体じゃないんですか?それが本当の美しさだと思います。
会社辞めるんですか?ええ。
故郷に帰って実家の酪農を継ぐことにしました。
じゃあ翠川さんのご実家って…?北海道です。
な〜んだ。
だから札幌のことは任せろなんて言ったのね。
ヘッヘッヘ…。
岩月さん北海道は行ったことがありますか?ええ。
学生のころ夏休みに一度。
冬の北海道もいいですよ。
あたり一面真っ白に染まって…。
行ってみたいな。
本当に?ええ…。
連絡ください。
待ってます。
うん…。
それじゃあ…。
2014/07/10(木) 13:05〜14:56
ABCテレビ1
エステサロン白い肌殺人事件[再][字]
「婚約者二重心中の謎…!哀しみの女記者がのぞく美容犯罪の潜入取材」
詳細情報
◇出演者
水野真紀、船越英一郎、佳那晃子、岡野進一郎 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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