先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)・選「竹中半兵衛のナンバー2力」 2014.07.23

さあ今日も「知恵泉」開店のお時間となりました。
(増田)先生ねここだけの話なんですけど実はうちの相方の岡田のギャグあのスベるギャグ最初考えとったの僕なんですよ。
(本郷)そうなんですか?
(増田)そうなんですよ。
最近のスベってるほんまにスベってるギャグはあいつがちゃんと考えてますけどね。
僕どっちか言うたら目立つの嫌いなんで相方前にやって後ろでコソコソ好きな事やってるのがちょっと性に合ってるとこあるんですよ。
じゃもう名参謀だ。
ねえ?どうなんですかね。
でもそうやってね人を輝かせる名参謀についてちょっと話をしていきたいなと思うんですよね。
今月お薦めとして実はこれ「ナンバー2力」というものを用意してみたんですよ。
歴史の中でも自分は黒子に徹してトップを引き上げるという人っていっぱいいたんです。
いらっしゃいませ。
御無沙汰じゃないですか。
(北尾)北尾です。
(本郷)よろしくお願いいたします。
古くからの常連です。
あ〜そうですか。
昔は非常に敏腕のナンバー2として活躍されてた方なんですよね。
ほ〜ナンバー2ですか?オーラがナンバー1なんですけど。
実はナンバー2やったんですか?以前はね。
今日取り上げるのはこの方です。
時は戦国時代。
「敵を制する事神の如し」とたたえられた男がいます。
軍師…若き日の豊臣秀吉を支えナンバー2として活躍。
意表をついた戦術で幾度も軍勢を勝利に導きました。
更に農民出身だった秀吉に武士としての教養を身につけさせひとかどの武将に育てあげたのも半兵衛です。
まさに秀吉のスーパー家庭教師竹中半兵衛。
その導きにより秀吉は戦国の世で人生を飛躍させたのです。
今回半兵衛の知恵を読み解くのは…かつて孫正義さんがトップを務める大手通信会社でナンバー2として活躍しました。
もともと証券会社に勤めていた北尾さん。
孫さんにヘッドハンティングされると幅広い人脈を生かして大口の資金調達に腕を振るいます。
孫さんに金融の知識を伝授しながら新規ビジネスを次々と開拓。
会社を大きく発展させました。
ナンバー2として孫さんの事業を切り開いた北尾吉孝さん。
秀吉の人生を切り開いた竹中半兵衛の知恵をどう読む?孫さんというとどういう人なんですか?確かに天才でありそして片方で事業欲が強いという事はこういう事なのかというのは私は実感として初めて感じましたね。
「足るを知る止まるを知る」という事がない人です。
(本郷)どんどん行っちゃう…。
どんどん行っちゃいますからね。
従ってそこから後私がソフトバンクの自分の常務としての役割を終えるまでの間というのは孫さんの言う事にどちらかと言うと反対する事。
ストップをかけるような。
そう。
例えば「毎年2,000億ずつの買収するんだ」と言って次々2,000億円ぐらいの会社を買収をしていった。
孫さんと「資本市場から金を集める場合でも投資家がついてこれるかこれないかそういう一つの限界があるんです」と。
1つを買収してその成果がまだ見えないうちに次の買収をするなんて事はね。
そこでピシャッとやる。
ピシャッとやると。
そういうやり方ですけどね私。
竹中半兵衛という人間について取り上げていきたいんですがなかなか実像が見えないという印象なんですけどね。
だから確実な資料だけでは分からないんですよこの人。
さまざまな逸話とかそれから江戸時代に作られたお話とかそういうものを複合的に見ていかないとなかなか出てこない。
今回は史実と思われるような史料から半兵衛の知恵を読み解いていきたいと思います。
竹中半兵衛は…色白で女性的な容姿だったという半兵衛。
しかし外見とは裏腹に豪胆な性格の持ち主でした。
当時斎藤家の家臣たちが案じている事がありました。
主君龍興が政務をないがしろにし放蕩三昧の生活を送っていたのです。
このままでは美濃の将来が危ういと感じた半兵衛は思い切った行動に出ます。
斎藤家の居城稲葉山城は濃尾平野にそびえ立つ金華山の山頂に築かれていました。
隣国尾張の織田信長が何度攻めても落とせなかった城です。
半兵衛はこの城を奪おうと考えたのです。
もちろん正面から戦っても成功しません。
そこで半兵衛仲間に長持ちを持たせ城に向かいました。
門番に中身を問われると「皆に振る舞う酒だ」と答えまんまと通過。
しかし本当は武器でした。
こうして半兵衛たちは簡単に城に潜入し乗っ取りを成功させます。
更には主君龍興を追い出してしまいました。
この時半兵衛21歳。
難攻不落の稲葉山城を僅かな手勢で落としてしまったのです。
しかしこの行動はもともと主君龍興に反省を促すためのものでしかありませんでした。
半兵衛は城を龍興に返すと自らは騒動の責任を取るかのように隠居してしまいます。
この事を聞きつけたのが織田信長でした。
半兵衛の忠義心そしてその知略に感心し自らの家臣にしようと画策します。
スカウト役を担ったのが織田家の足軽頭まだ木下藤吉郎と名乗っていた頃の秀吉でした。
秀吉の熱心な勧誘に折れた半兵衛はついに織田家の家臣になる事を決断します。
こうして半兵衛は秀吉の軍師としての人生を歩み始めるのです。
こうやって秀吉と出会った半兵衛ですけれども本郷先生非常に秀吉熱心に誘ったようですね。
何回も断られたけど諦めなかったみたいな話は伝わってますよね。
何でそれまでに秀吉は熱心に誘ったんでしょうか?自分に一番足らない人だと思ったんじゃないですか。
そういうその才能を持った人。
具体的に言うとどんな事を半兵衛にやってもらいたいと…。
秀吉っていう人はもともと農民出身ですからやっぱりいっぱしの武士だったらある程度教育ってものをちゃんと受けてるわけですよ。
だから手紙を書く文書を作るそういう事だって必要になるわけだし。
それから今度は領地を治めるとなればどうやって領民を治めればいいのかとか。
やっぱり当時の武将というのは軍事だけじゃなくて政治もできなきゃいけない。
それから経済もやっぱり考えなくちゃいけない。
実務からマナーに至るまで。
家庭教師みたいな…。
そうかもしれないですね。
何が決め手になったんですかね?だからそれこそほんとにさっきのエネルギーのでかさそれをやっぱり秀吉は持ってたんでしょうね。
それでこの男に懸けてみようって気にもなったのかもしれない。
だからそれこそ北尾さんがどうして孫さんに「おう」って言ったのかというそこですよね。
なぜ引き受けようと思われたんですか?一つの志。
孫さんの志というのはデジタル情報社会をつくり上げあらゆる国民が情報的に見て豊かなそういう世界にもたらすんだと。
僕の場合は金融業の中にインターネットを取り入れて手数料や何かをガーンと下げて。
そういう一つの金融分野における革新をインターネットを使ってやろうと。
そういうインターネットというものを武器にしていろんな事をやっていこうというのがそういう意味では思念の共有というかそういう同志としての結合だったと思いますね。
ちなみに北尾さんも孫さんから三顧の礼のような形で迎え入れられたという事ですか?まあ「うちに来てくれ」と。
彼の殺し文句がね「北尾さんがうちに入ったらソフトバンクは変わるんです」と。
恐らくそういう殺し文句を秀吉は半兵衛に言い恐らく…これをなんとか日本の国にもたらしたい。
それのためには信長を推して天下を統一しそして戦争のなきようにしたいという部分が大欲としてあったのかもしれない。
面白いのは半兵衛のはんこサイン花押が残ってるんですよ。
それは無理やり読むと「千年鳳」と読めるんです。
「千年鳳」という事は要するに「鳳凰」という事ですね。
まさに天下が平定されてそれで平和な世の中になると現れるそういう鳥。
だから半兵衛は自分のはんこに天下泰平の夢を託してたんだろうと言われてるんですよ。
これは学問的にね。
その大義に向けてこの男となら組めると思ったのかもしれないですね。
それが秀吉だった。
岡田さんとの結び付きというのも増田さんも実は三顧の礼のような形だったというふうに聞いてたんですが。
そうなんですよ。
僕がこの世界漫才師に相方誘ってOK出るまで三年かかってるんですよ。
えっそんなに!もう「三年の礼」ですよ。
相方は「三個のギャグ」ですけどね。
三年もお願いし続けられるものなんですか?誰かが止めてくれたらよかったんですけどね。
いや〜なるほど。
ではいよいよ半兵衛と秀吉がコンビを組んで戦国の世に躍りだしていこうというところ。
半兵衛の知恵がどういうふうに駆使されるのかを見ていきたいと思います。
半兵衛は軍師として秀吉に多くの勝利をもたらしながら自らは決しておごった態度を見せませんでした。
その名声は織田家の中にすぐに広まりました。
しかし中には半兵衛の活躍に疑問を持つ武将もいました。
古株の重臣たちです。
半兵衛の能力を試してやろうと屋敷に呼びつけるとこんな問いを投げかけました。
当時毛利攻略は秀吉と半兵衛が担っていました。
すると半兵衛…控えめに答えます。
しかし勝家たちは諦めません。
何度も回答を迫る勝家に半兵衛はようやく口を開きます。
毛利の戦力をつぶさに分析したうえに織田側がとるべき戦略までよどみなく披露しました。
勝家たちはその非の打ちどころのない説明に驚嘆します。
しかも半兵衛は「自分はまだ秀吉様から承った用を済ませておりませんので」と言って退出してしまいました。
高い能力を持ちながら謙虚に秀吉を立てた半兵衛。
その人柄でどんな相手からも一目を置かれるナンバー2でした。
これ半兵衛が謙虚でみんなから好かれるっていう事が分かるVTRでしたけどそれはナンバー2である事にとって大事な事なんですかね?出しゃばらない。
あくまで自分は秀吉の下で働いてる。
だから秀吉の考えてる以上の事は私はやりませんよっていう控えめな態度。
これはやっぱり好感持たれるんでしょうね。
だから当然そうなると…半兵衛って自分が無欲だから無欲恬淡とした中で相手の事をよく分かるんじゃないですかね。
だからそういう意味では無欲恬淡としてるが故に人の心中を洞察する力が並外れて恐らく半兵衛はあった。
従って秀吉の心も自分が出過ぎたらこれはどう反応するか。
あるいは信長はどう出るかとかみんなもう見抜いてたんだろうと思いますね。
…とは言えやっぱり聖人君子のようになれない。
「これは自分がやった手柄だ」と言いたい人も多いと思うんです。
どっちかと言うとそういう人の方が多いんでしょう。
しかし世の中の事っていうのはこれ天の配剤なんですよ。
自分が偉くなろうとか自分が金持ちになろうとか思ってもなれないですよ。
それでいつまで生きたいと思ったってこれまた天の配材なんです。
明日死ぬかもしれないし。
従ってそういう事でいろいろ悩んだり考えたりするだけ煩わしいと。
今日やるべき事これをきちっとやり続ける。
これで丁と出るか半と出るかと。
まあ一種の…。
耳がいてぇ〜。
小金持ちになりたいとか偉くなりたいとか。
煩悩が立ち上ってますよ。
はいすみません。
次の知恵見ていきましょう。
半兵衛は秀吉軍の組織作りにもさまざまな知恵を使って貢献していったんですね。
どのようなものだったんでしょうか?半兵衛は日頃から秀吉だけではなく同僚や部下にも武士としての生き方を諭していました。
例えばこんな言葉が伝わっています。
日頃から武将たちを教え導いていた半兵衛。
そんな彼が最も気にかけていた男がいました。
あの黒田官兵衛です。
半兵衛は官兵衛の情報収集力や冷静な判断力に軍師としての力量を見いだしていました。
そして秀吉を支えるナンバー2に育てるべく厳しく導いていく事を決めます。
ある日官兵衛が半兵衛のもとを訪ねてきました。
官兵衛は「秀吉が以前に約束してくれたほうびをまだくれない」と不平を口にしました。
そしてほうびの内容が書かれた証文を取り出しました。
すると半兵衛その紙を引き裂きあろう事か火にくべてしまいました。
驚く官兵衛に半兵衛はこう語ります。
この言葉に官兵衛は大いに恥じ入ったといいます。
その後官兵衛は期待どおり優れた軍師に成長。
半兵衛が36歳の若さで死去したのち秀吉の天下取りに大きく貢献しました。
それは組織が強くあり続けるための半兵衛の長期的な戦略だったのです。
黒田官兵衛って大河ドラマの主人公ですよね。
彼を育てたのも半兵衛なんですか?そうみたいですね。
ずっと友達としてそれから同僚としてそれから後進として育てたんでしょうね。
具体的には官兵衛のどんなところを気に入ったんですか?やっぱり官兵衛っていう人はほんとに初対面の信長も「こいつすごいな」って分かったっていうからキラキラした才能を周りにまき散らす人だったんでしょうね。
その半兵衛なんですがさまざまな事を実践して同僚を導いていたという話があるんですよね。
こんな事やるんですよこんな事。
これね貧乏揺すりじゃないんですよ。
体を常に小刻みに動かす事によって血行を良くする。
当時の武士ですからかしこまってなきゃいけないじゃないですか。
しびれちゃったりするじゃないですか。
そうすると敵に攻められた時に動けないでしょ。
だからそういう時にすぐに対応できるように体を動かしてそれで敵と戦えるようにしなさい。
そういうふうに半兵衛は仲間を諭してたらしいですね。
芸人の世界でいうたらひな壇におってすぐいつでも行けるように背もたれにもたれるなみたいな。
そういう言葉があるんですか?「お〜い!」とこう行けるように。
椅子は浅く座れみたいな。
「おい!」とすぐ立てるように。
そういう事なんですか?そうかもしれない。
現代の組織に当てはめてみるとどうですか?組織を第一に考えるナンバー2がいた。
組織も常に変化していきますから常に進化し続ける組織というものを考えていかないとここで凝り固まっちゃって進化していくという事ができなかったらその人もまた無用の長物になるかもしれない。
だから非常に難しい。
北尾さんが辞められる時に孫さんから「辞めんといてくれや」という話も当然あったわけじゃないですか。
僕が辞める時いろんな事もちろんありました。
だけど今日別れてからでも孫さんと話してるとものすごい楽しいですよ。
なぜかと言うと結構ですね未来を読むと似てるんですよ読み方が。
話が結構いつも面白くて時間がもう…秘書から電話がかかってきても「次何がありますよ」と言うとこもいつもオーバーするような形になる。
僕にとっては同志であり友人だというふうに思ってますね。
今日あるのはほんとに孫さんのおかげだと心からまた感謝してますね。
恐らく半兵衛も早く死んだけど人生というのは長く生きるという事じゃなくていかに生きるか。
そしていかに死すべきか。
それを貫いて生きたという意味では信長にも感謝してるだろうしとりわけ秀吉には半兵衛は感謝したんではないですかね。
そういった意味から言うと北尾さんがお考えになるナンバー2軍師的な役割の極意どんなところにありますでしょうか?やっぱり志ですよね。
さっきも話出た天下泰平の志。
やっぱり理念とか思想とか志とかっていうものがない人はナンバー1にもなれないしナンバー2にもなれないです。
さあ今日は竹中半兵衛の知恵たっぷりと見てまいりましたが増田さんどういうふうにご覧になりましたか?謙虚さがすばらしいなと。
北尾さんの謙虚さもね。
本番中にきんぴらごぼうを食べてないんです。
でも先生はしっかり食べてたんです。
私も見ました。
だっておなかすいちゃったもん。
信長タイプですか?いえいえ…。
2014/07/23(水) 01:25〜01:50
NHKEテレ1大阪
先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)・選「竹中半兵衛のナンバー2力」[解][字]

トップを育てるナンバー2とは?若き日の豊臣秀吉を軍師として支え、さまざまなことを教えた竹中半兵衛。孫正義氏のナンバー2として腕をふるった北尾吉孝さんと読み解く。

詳細情報
番組内容
「敵を征すること神のごとし」と称えられた男、竹中半兵衛。若き日の豊臣秀吉をナンバー2として支えた。農民からはい上がった秀吉に、軍事・政治のほか、マナーにいたるまで教え込んだという。半兵衛はまた、黒田官兵衛を秀吉のナンバー2として育てた。半兵衛はなぜ熱心に指導したのか? 官兵衛との感動秘話とは? 今回は、孫正義氏のナンバー2として腕をふるった北尾吉孝さんと、半兵衛の足跡をたどる。ナンバー2の競演。
出演者
【出演】SBIホールディングス(株)社長…北尾吉孝,東京大学史料編纂所教授…本郷和人,増田英彦,【司会】井上二郎

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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