頼れる4番をたたえていました。
(くるみ)
世界中の誰も気付いてはいないけれどこの世の中を動かしているのはいくつかの数式だ。
料理だってそう。
例えば肉に焦げ目をつけるのはこんな数式で表せるしゼリー状にするにはこの数式になる。
どうして料理なんかしてるのかって?フフフッ。
男の心をつかむにはまずはおいしいごはん。
人類創造の瞬間からそう決まっているのだ
それではレッツクッキング。
牛肉の赤ワイン煮。
まずは下ごしらえ。
ジャガイモは90°に4等分しニンジンは60°に6つ割りにして面取りをする。
タマネギは2mm幅に薄切りをしマッシュルームは石突きを取っておく。
フライパンにオリーブオイルニンニクを入れて熱し香りが出てきたら牛肉を片面30秒ずつ熱して鍋に移す。
同じフライパンでタマネギをしんなりするまで炒め鍋に入れる。
ブーケガルニと水400ccそして最後に…。
赤ワインを600cc入れてじっくり煮込むのだ。
あとはおいしくなるのを待つだけ。
彼女は数学を料理に応用して今注目を浴びている料理研究家。
夫も有名な投資家でセレブリティー夫婦として皆が羨む存在だけど私に言わせれば詰めが甘い。
例えば今作っている牛肉の赤ワイン煮は応力テンソルの理論を使えばもっとおいしくなる事に気付かなければ
お待ち遠さまです。
牛肉の赤ワイン煮どうぞ召し上がれ。
(奈津子)頂きます!どうかしら?
もちろん完璧な味だという事は分かっているけど
微妙。
えっ?
(伴田)ご苦労さまです。
お疲れ。
事故の可能性が高いか?ですね。
状況的には階段を下りてる途中で転げ落ちたって感じですかね。
う〜んそうだな。
人気者もこうなっちゃおしまいだな。
ですね。
足の裏も撮っといてくれ。
足の裏っすか?うん。
汚れがあるかないかだけでいいや。
はい。
「ワインは人を狂わせる」。
了解です。
(シャッター音)後は衣服の乱れがないようだからそれも写真で押さえといてくれ。
はい。
奥様の夏目里花子さんですよね。
(里花子)はい。
少しお話を聞かせて頂けますか?私が打ち合わせから帰ってくると家にいるはずの主人の姿が見えなくて地下のワインセラーに行ってみると…。
倒れてました。
(舞)ありがとうございました。
ありがとうございます。
どうも。
ありがとうございます。
こんにちは。
こんにちは。
あの私別にサインが欲しくて来た訳じゃないんです。
え?もちろんくれると言うんなら頂きますが。
はあ…。
本題です。
あなたの言うとおりフーリエの法則に基づいて料理をしてみたんですがちっともおいしくなかったんです。
すごい。
細かく記録してある。
ねえ煮込むのにこのワインを使った?はい。
それよ。
シャトーマルコーはワインの風味が強すぎて料理の素材が負けてしまうわ。
けど大丈夫?マルコーの1982年ものなんて軽く20万はするわ。
そ…そうなんですか?
あのワインは森崎教授の部屋から勝手に持ち出したけどまさかそんな高級品だったとは…。
まずい
舞さん。
警察の人が話を聞きたいとか。
警察?伴田さん!夏目さんが?はい。
まだ詳しい事はこれからなんですが…。
最近いつお会いになりましたか?今日の午前中。
何時ごろですか?10時から1時間ぐらい打ち合わせを。
…というと?今度私がワインをプロデュースするのでその相談に乗ってもらっていました。
そうですか。
ありがとうございました。
立ち聞きするな。
座って聞いてました。
奇遇ですね〜。
事件ですか?ちょっと時間あるか?はい!
ウフフ驚いてる。
私が料理なんてする訳ないって思ってるからギャップにやられてる。
ラブレターはちっともなびかなかったけど今回は成功。
男なんて単純
汚い。
え?ちょっとは片づけろ。
君の意見が聞きたい。
ワイン評論家の夏目慎一郎が死亡したんだ。
ワインを持って階段を下りている途中に足を滑らせた。
鑑識は事故死の可能性が高いと判断したが何か気になるんだ。
刑事の勘なんて言ったら時代錯誤だが…。
破片が不自然ですね。
え?普通階段からワイン瓶が落ちて割れたのなら瓶の破片はべき分布に従います。
べき分布?簡単に言えば大きな破片は少なく中くらいの破片はそこそこに小さな破片は無数に出来るという事です。
だけど写真から判断する限り小さな破片が少なすぎます。
そうなのか。
つまりこの現場は不自然です。
何者かが手を加えた可能性が高いという事です。
夏目はただの事故死ではない。
はい。
ん?あれ?この方程式ってもしかして…。
(小林)今日は何日だ?17日っすね。
もしかしてこれっすか?バカたれ。
ヘヘッハハハハ…。
管理官。
またお前か。
いつも勝手な動きばかりしやがって。
こっちは忙しいんだ。
行きましょう管理官。
どうかしたのか?ちょっといいですか?供述調書によると「室内に荒らされた跡はなく第1発見者である妻里花子の死亡推定時刻のアリバイは確認されている」か。
事故死の可能性が高い。
わざわざ捜査一課が出張る事じゃない。
所轄で処理しろよ。
いや気になる事があるんです。
何だ?死亡した夏目の書斎にある方程式が書かれていました。
方程式?はい。
アッシェンフェルターのワイン方程式です。
あ〜アッシェンフェルター。
知ってんのか?知りません。
バカたれ。
アッシェンフェルターのワイン方程式とは…。
1980年代半ばにオーリー・アッシェンフェルターという経済学者がワインの品質を予想する方程式を開発しました。
そういうのがあるのか。
これで出てきた数字が大きいほど品質の高いワインとされます。
つまりこの方程式はこれまで一部の専門家しかできなかったワインの品質予想を誰にでも可能にしたんです。
なるほど。
もちろん伝統的な評論家は彼をペテン師扱いしました。
ちなみにアッシェンフェルターは1989年のワインを今世紀最高の出来になると予想しました。
もちろん自分のワイン方程式を使って。
実際はどうだった?見事その予想は的中しました。
それが夏目の書斎に書かれていたのか。
はい。
いくつか変数が加えられていますが間違いありません。
多分これは日本の気候に合わせて改良したものだと思います。
もちろん検証が必要ですが。
夏目の出身は理工学部。
彼なら日本版ワイン方程式を生み出す事ができるはずです。
(高垣)それが事件とどう関係あるんだ?もし夏目が殺される前に方程式を発表していればワインの市場価格に大きな影響を与えていたはず。
当然それを望まない人間も大勢いたかと。
つまり方程式を生み出したから彼は殺された。
その可能性はあります。
一理あるな。
里中さんの会社ではワインファンドを扱ってらっしゃるんですよね?
(里中)アジアのワイン市場は爆発的な成長を遂げていましてねきざな言い方ですがドリーム…我々は夢を売っています。
夏目氏とはいつから?立ち上げ当初からアドバイザーをお願いしていました。
本当に残念です。
彼とは家族ぐるみで親しくしていましたから。
ワイフ…あ家内の舞もワインのアドバイスをもらっていて。
そうですか。
事件のあった16日の午後ですが夏目氏の奥様里花子さんと一緒にいらしたんですよね?今度会員向けの雑誌で夫婦対談を行ってもらおうと思っていたんです。
その打ち合わせに。
最後に夏目氏と会ったのは?先週末に仕事の打ち合わせで。
分かりました。
お忙しい中どうもありがとうございました。
ええ。
あそうだ。
何でしょう?アッシェンフェルターのワイン方程式ご存じですか?ええ。
夏目氏がその日本版を完成させたという情報があるんですが本人から何か聞いていましたか?いいえ。
そういった事は。
そうですか。
失礼しました。
0.0503…。
確かにこれは日本版ワイン方程式だ。
だけどどこかおかしい。
日本の気候に合わせてこの変数を加えると品質予想にブレが出る。
方程式は完成していなかった?いやそれも違うな
東都大の法の番人権堂篤法教授だ
(権堂)ああ森崎教授はおられるかな?予定が詰まっていて帰国が遅れるそうです。
何だ。
まだアメリカにおられるのか。
あっあ〜これは私が森崎教授に贈った「帰国したら一緒に飲もうね」と言っていた1982年もののマルコーじゃないか!う〜ん誰かな?20万のワインを飲み干したのは…。
それ私が買ったんですよ。
父へのプレゼントに。
ふ〜ん。
万が一うそならば承知せんぞ。
はい。
どうしよう。
権堂教授の前で法律違反をして退学になった学生は数知れない。
楽しみにしているワインを私が開けたとバレたら…
管理官一つ気になる事が。
(小林)何だ?料理研究家の里中舞ですが出版社に印税の前借りをしてたんです。
前借り?ええ。
来月発売する料理本の。
100万単位で。
別の出版社でも同様です。
売れっ子ですよね?金に困ってるとはとても…。
何かあるな。
詳しく調べろ。
分かりました。
はい。
あの2人は有能だな。
あれ?里中夫妻に聞き込みに行ったんだろ?ちゃんと調べたんですか?伴田さん。
おいおいしっかりしてくれよ!よし。
うわ〜!あっ!ああ〜!
(栓が抜ける音)ああ〜!だ…大丈夫!?大丈夫?私は大丈夫です。
え?ちょっと警察…救急車呼ばないと…。
結構です結構です。
それよりマルコーの1982年ものが〜!ワインなんてどうでもいいでしょ!マルコーの1982年ものが大変な事に〜…。
頭打ってんじゃないの?なっちゃったな〜。
マルコーの1982年ものが〜。
(里花子)本当にごめんなさい。
いえこちらこそ。
あの服まで貸して頂いて。
当然よワインで汚しちゃったんだから。
中身はただのぶどうジュースですが
それと…マルコーの1982年もの。
これで弁償って事でいいかしら?ありがとうございます。
ちゃんとお返ししますから。
権堂教授にこれを見せて時間稼ぎができれば…。
ブツを手に入れたから早くトンズラしよう
あの服生乾きでいいんで返して頂けますか?そういう訳にはいかないわよ。
今コーヒー入れるから座ってて。
はい。
私の主人ワイン評論家の夏目慎一郎なの。
それはご愁傷さまです。
あれ?この人料理研究家の…?
(里花子)舞?…と舞の旦那さん。
家族ぐるみでつきあいがあるの。
そうだったんですか。
へえ〜。
この写真って…?ああ主人が舞に方程式教えてるところ。
この数式を応用すればお肉が軟らかくなるって。
へえ〜すごいですね。
2人とも理系出身だからよくこうやってアドバイスしてたわ。
そうなんですか。
何か楽しそうな写真だったんで気になって。
ありがとうございました。
(舞)お疲れさまです。
舞さん。
ああどうしたの?ちょっと聞きたい事がありまして。
舞さんのプロデュースするワインって産地は小樽地方なんですよね?そうよ。
小樽地方のワインが一番私のイメージに合うの。
やっぱり。
え?いえちょっと確かめたかったので。
発売楽しみにしてます。
あなた未成年でしょ。
フフッ忘れてました。
じゃあたくさん買って二十歳までに寝かせておきますね。
ほどほどにね。
ワインは人を狂わせるから。
そうなんですか?ごめんなさい。
用事はそれだけ?はい。
どうもありがとうございました。
どうして黙っていたんですか?夏目氏と最後に会ったのは先週末だとそうおっしゃっていましたよね?しかし彼が死亡する前日に2人でいたところを喫茶店の店員が目撃しているんです。
信じてくれ。
俺は夏目を殺してなどいない!俺はゆすられていたんだ。
ゆすられて…?ああ。
夏目からワイン方程式をだしにして…。
回想
(夏目)日本版のワイン方程式を生み出す事に成功したよ。
ここ10年のワイン価格でシミュレーションしたら90%以上の確率で品質を当てる事ができた。
ハッハッハッハッハ…おめでとう!ますます注目を浴びるな。
それが…困った事が起きたんだ。
ん?何だ?完成した方程式で君の会社が売り出してるファンドのワイン品質を占ったら出てきた数値が2.6344。
これは実に低品質と言わざるをえない。
そんな…。
つまり君の会社はくずワインを値上がりするからお得ですよと言って売り出してるようなものだ。
(里中)夏目は5,000万用意しろと要求してきた。
結局支払ったんですか?どうすべきか悩んでる時にやつが死んだってニュースが飛び込んできたよ。
信じてくれ。
俺は夏目を殺していない!里中は夏目にゆすられていました。
(小林)ゆすりか…。
夏目がそんな男だったとはな。
里中の会社SNファンドは積極的なメディア露出を行っていますが経営状態はかなり厳しいようです。
(小林)口止め料を払う余裕はなかった。
はい。
そのために殺したとしてもおかしくありません。
管理官。
こんな情報が…。
(小林)「故夏目慎一郎『追悼ワインパーティー』のお知らせ」。
里中の会社が夏目を追悼するという名目でワインパーティー開くんだそうです。
ハハッゆすられてたのに追悼か。
笑えるな。
会社としての体裁がありますからね。
里中は夏目抜きでもやっていける事をアピールしたいんでしょう。
里中夫妻をはじめワイン業界の関係者が多く集まるな。
(舞)まあチカコさん来てくれたの?お忙しいところありがとうございます。
ありがとうございますお忙しい中。
青山さん。
(青山)ご招待頂き光栄です。
とんでもないです。
主人も喜んでるかと。
里花子さん。
ちょっと失礼します。
ごゆっくり。
ワイン業界にちょっとしたコネがあってね。
助かりました。
怪しい動きをするやつがいないかよく見張ってろ。
はい。
はい。
大学生なの?はい。
数学科です。
あら。
ワインは最も古い酒の一つで現在のグルジア周辺では紀元前8000年ごろから飲まれていました。
それとアルメニアでは約6,000年前にはワイナリーが造られていました。
昔の人々にとってどれだけワインが大切なものだったのか感慨深いものがありますよね。
お嬢ちゃん物知りね。
かわいいだけじゃないのね。
エヘヘッそれほどでも。
何をしている?里花子さんに招待されたんです。
君は未成年だろ!ぶどうジュースです。
伴田さんはどうして?捜査中だ。
これがワインなら今勤務中にお酒を飲んだって事になりますよね。
い〜けないんだ〜!
(青山)フランスの詩人ボードレールは「ワインは人そのものである」と言ってる。
つまりそこには嫉妬憎悪あらゆる負の感情が渦巻いているという事だ。
さすがお詳しい。
この中に犯人がいると思うか?ええ恐らく。
君はどう思う?自分も同じです。
その根拠は?日本ではまだまだですが世界ではワインは投資対象として確立されています。
金がもうかれば必然的に人間の欲望も生じる。
またオーストラリアでは値崩れを防ぐために大量のワインをわざと破棄してまで価格をコントロールするなどワイン市場にはばく大な金が流れ込んでいます。
その分その裏に潜む闇も深いかと。
なるほど。
ハハハハハ…。
おい!ワイン市場が巨大ビジネスなのは捜査官なら誰でも知ってる…。
声がデカイんだよ。
バカたれ。
それでは我らが永遠の友人である夏目慎一郎に献杯をささげたいと思います。
献杯。
本日はお忙しい中夫夏目慎一郎のために集まって頂きありがとうございます。
実は夫が残したワインカクテルのレシピがあるんです。
今日は感謝の気持ちを込めて皆さんに飲んで頂きたいと思ってます。
(拍手)ですがそのカクテルにはまだ名前がありません。
まずは夫の盟友である里中さんに飲んで頂き名前を付けてもらえればと思ってるんですが。
光栄です。
ありがとうございます。
(拍手)じゃあお願いします。
(里花子)ちょっと味見させてくれる?冷え加減が重要なの。
はい。
ちょっとシェークが足りないみたい。
かしこまりました。
レシピどおりに作らなかったら主人に怒られますから。
ハハハッ確かにワインには誰よりもうるさい人だった。
ありがとう。
では。
なかなかイケてる。
さすが夏目君のレシピだ。
名前を付けるのならそうだな…。
パラダイス・ロスト。
(拍手)
(悲鳴)何だこれは…?あっ…ああっ…。
(悲鳴)
(舞)あなた!
(小林)皆さん落ち着いて下さい!警察です警察です!里中さん!
(青山)すぐに会場を封鎖。
封鎖!皆さんそのまま動かないで!
(くるみの泣き声)ありがとうございます。
はい。
伴田さんがやるんですか?何も出なかった場合私の純潔を汚した責任は…。
女性の場合は私が。
え?別に伴田さんでも…。
はい両手上げて下さい。
あっ!
(青山)どうした?クロークで預かったバッグからこれが…。
液体次亜塩素酸ナトリウム。
毒物か…。
誰のだ?里中舞。
そんな瓶知らないわ。
こちらに来てもらえますか?署までご同行願います。
私は何もやってない!お願いします。
本当に舞さんが犯人なんだろうか?
あの時死んだ里中さんが飲んだカクテルに毒が入っていた
だけど直前同じカクテルを里花子さんも飲んだ
里中さんだけに毒を飲ませる方法がある?どうやって?それは…それは…それは…
何なんだろう?大丈夫?さっきからボ〜ッとしてるけど。
その方法は…。
ひぃ!管理官。
里中のグラスから次亜塩素酸ナトリウムが検出されました。
舞が所有していた液体も同様です。
何か話したか?まだです。
昨晩から取り調べを続けていますが自分はやってないの一点張りで…。
バカたれ。
毒物を所有していたんだ。
逃げようがない。
夏目殺しにも関わってる可能性がある。
里中舞が犯人だという視点からもう一度事件を洗い直してくれ。
(一同)はい!よし洗え洗え!はい!
(奈津子)頂きます。
うん。
やっぱり微妙。
考え事しながら料理したから手順を間違えたんじゃない?あれ〜?「あれ」じゃないわよ。
ソースが混ざってないのよね。
小麦粉が固まって溶けてないの。
もう一回検証してみます。
牛乳の分量がおかしかったのかな?ソースが混ざってない…。
小麦粉が固まって…。
どうかした?解けました。
もしもし伴田さん。
どうした?悪いが今は忙しいんだ。
分かったんです。
何がだ?本当の犯人が誰か。
どうやって里中さんだけに毒を飲ませたのか。
(ノック)
(ドアが開く音)こんにちは。
わざわざありがとうございます。
どうしたの?何かあった?これお返ししようと思いまして。
実はお借りしていただけだったんです。
権堂教授に見せて時間稼ぎはできたので。
こっちの話なんですけど。
よく分からないけどおかしな子。
里花子さんだけじゃなくてもう一人。
舞…。
私も急に連れてこられて。
舞さんは不倫していたんですよね?殺された夏目さんと。
(伴田のせきばらい)いきなりすぎるぞ。
あの…。
気付いたきっかけは夏目さんのワイン方程式でした。
日本版独自のこの変数がどうしても理解できなかったんです。
なぜこの数字を加えているのか意味を見いだせませんでした。
でもあの時謎は解けました。
これは夏目氏が舞さんに方程式を贈った写真です。
料理に応用できればと。
本当なら理系出身2人ならではのほほ笑ましいエピソードだと思います。
しかし…。
この方程式を解いてグラフ化してみたんです。
そしたら…。
料理には何の関係もありませんでした。
つまりこういう事だと思いました。
舞さんは夏目さんと不倫をしていた。
そして数学の素人である里花子さんの前でメッセージを交わして楽しんでいたんです。
2人にしか分からない愛のメッセージを。
それに気付いてピンと来ました。
舞さんがプロデュースするワインあれは…。
回想産地は小樽地方なんですよね?夏目さんは日本風にアレンジした方程式と見せかけて舞さんのワインの評価が高くなるように変数を操作したんです。
言うなれば不正な株式操作みたいなものです。
人気のある彼が方程式を発表すればその地方のワインの価値は上がりますから。
そうやって不倫相手の舞さんにもうけさせようとしたんだ。
その事に気付いた時夏目さんの追悼会がありました。
そこで2つ目の殺人が起きた。
あの時里中さんを殺す事ができたのはただ一人。
里花子さんあなたです。
ちょっと待って。
私が犯人っていうなら一体どうやって?私も彼と同じカクテル飲んだのに。
それはあなたに疑いがかからないようにするためですよね。
普通に考えたら犯人が毒入りのカクテルを飲む訳がありませんから。
どういう事?つまりあなたは普通じゃない方法で毒を入れたんです。
それは氷です。
あなたは氷の中に毒を仕込んだんです。
あの状態ではまだ氷の中の毒は解けていなかったんです。
だから飲んでも大丈夫だった。
だけどバーテンダーが更にシェークして氷が解けると里中さんのカクテルにだけ毒が入った。
お店の人から聞きました。
カクテルを作る道具をそろえたのはあなただと。
里中にまずカクテルをすすめたのもあなただ。
そして夏目を事故に見せかけて殺したのもあなたなんですよね?このワインあなたにあげるわ。
返してもらってももう飲めないから。
そうよ。
私がやった。
夏目も里中も。
あの日夏目を許せなくなって…。
突き落としたの。
回想
(里中)あの…。
チャイムを押しても誰も出てこなくて。
(里花子)里中に全て見られてた。
あいつはワイン方程式を発表しないでくれって夏目に頼みに来たの。
里中は言ったわ。
大丈夫。
事故に見せかければいい。
(里花子)私のアリバイも証明してやるって。
空き瓶を抱えて階段を下りていてバランスを崩した事にしよう。
おい!落として割れば破片が背中に載る。
状況が不自然になる。
(里花子)だからほかの場所で瓶を割って…。
(里花子)夏目の死体の周りにまいた。
そうか。
階段の上からワインを落とさなかったから破片の割合がおかしかったんですね。
里中の目的は金よ。
「黙ってるから5,000万出せ」って。
(舞)だから殺したの!?そうやって私に罪をなすりつけようとして…。
どうして夏目氏を?彼女とそういう関係に気付いたからか?2人が浮気してる事はずっと前から知ってたわ。
その方程式の意味も調べればすぐに分かる。
それでも必死に耐えた。
夏目は表面上は私との生活大事にしてくれてたから。
気付かないふりしてればいいかなって。
ならどうして?あの日は2人が初めて出会った記念日だった。
回想今日のための取って置きのワイン。
ありがとう。
(里花子)夏目は私のためにワインを選んでくれた。
君が生まれた年の。
そうなの?ああ。
(里花子)私は1981年生まれ。
舞は1984年生まれ。
それは舞が生まれた年のワインだった。
あの時プチンって何かが切れちゃったのよ。
私の中で。
結局ワイン業界の闇とかそういうのは何も関係なかったんですね。
ただ男と女の感情のもつれ。
怖いですよね女って。
そうだよね。
私は怖くないんで安心して下さい。
そっか。
(小林)後は頼んだ。
随分早いんですね何かあるんですか?声がデカイんだよ!今日は妻の誕生日なんだ。
それはそれは。
せん越ながら日付の間違いなどは?バカたれ。
そんな事あったら殺される。
失礼しました。
もしや管理官は奥様に頭が上がらずで…?バカたれ!失礼しました!ほらやっぱり女は怖い。
あ私は怖くないんで安心して下さい。
うん。
しかし女性は怖いと同時に魅力的でもあります。
今夜お暇ですか?おいしいワインを出す店が…。
ワイン…。
遠慮しときます。
手伝いましょうか?チキンのグリルゴルゴンゾーラとくるみのソース。
そして野菜グラステリーヌくるみのソースを添えてです。
召し上がれ。
頂きます。
はい。
まずい!えっ?うっ…。
これは理論うんぬんというよりセンスの問題だぞ。
ちょっと見てろ。
え?手際がいい…。
ずっと一人だったからなガキの頃から。
おいしい。
よかった。
うんさすがマルコー1982年ものだ。
味わい深い。
この年は暑くて雨が少なかったからな。
ポーカーといいワインといい何でそんな事知ってるんですか?何でって言われても…。
まあいいじゃないか。
伴田さんって何者なんですか?ただの刑事だ。
決まってるだろ。
2014/07/22(火) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
ドラマ10 ハードナッツ!(5)「ワインと殺意の方程式」[解][字]
ワインの品質を予想する方程式を作り上げた男が不審な死を遂げる。事故死なのか、殺人なのか。最も疑わしい男が、皆の目前で毒殺され、くるみ(橋本愛)の推理が始まる。
詳細情報
番組内容
ワイン評論家の夏目が死んでいるのを妻の里花子(原沙知絵)が発見する。ワインの品質を予想する方程式を夏目が日本向けにアレンジしていたことから、日本ワインを投資対象にしているファンド会社の里中社長(岡田浩暉)が事故に見せかけ殺したのではとの疑いが浮上するが、夏目を送る会の席上、里中自身が毒殺される。犯人は誰なのか。どうやって毒入りワインを飲ませることが出来たのか。くるみ(橋本愛)の推理が始まる…。
出演者
【出演】橋本愛,高良健吾,勝村政信,矢島健一,波岡一喜,原沙知絵
原作・脚本
【作】山浦雅大
音楽
【音楽】和田貴史,橘麻美
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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