今月記録的な巨大台風が日本列島を襲い
大きな爪痕を残した
こうした災害時の救助活動を困難にするのが
うずたかく積もるがれき
このがれきの下から命を救い出すには…
そんな難問に日本でただ一人
独自の研究で取り組む女性がいる
彼女の武器それは工学技術
建築土木の技術者
がれき下からの救助方法に
工学的にアプローチ
命を救う実践的な訓練ができる
専門の施設をつくろうとしていた
吉村の研究の原点となった忘れられない出来事
(リポーター)列車3両が折り重なる形で脱線しています
107人の命が奪われた大事故
自分にもやるべきことがある
使命感に駆られ全力で走り続ける女性技術者を追った
Wehaveadream!
去年10月16日未明
台風26号の接近により
伊豆大島は観測史上最大の豪雨に見舞われた
夜が明けると島の景観は一変
大規模な土砂崩れが発生し
集落は大量のがれきで埋め尽くされた
36人もの命が奪われる大惨事
吉村は島を訪れ災害現場の調査を行った
災害は本当にもう一個一個違うので応用力のあるような判断力がつくようなことをしないといけないというので
あの日消防団員ががれきの下で
身動きがとれずにいる女性を発見した
生きてる方を見つけた数の方が少ないので唯一何人かのうちの一人だったので
76歳の女性は首から下までがれきと土砂に埋もれていた
救出に当たったのは石崎さん率いる
警視庁特殊救助隊
女性は問いかけに反応していた
だからそれは絶対会おうね助け出すからということで励ましてやってたんですが
「頑張って」
石崎さんは懸命に励まし続けた
救助活動は27時間にも及んだ
しかし…
どうしても早く出したいという思いで全力を尽くしたんですが結果的に救出することができなくて非常に残念な思いでいっぱいです
長い時間がれきの下に埋もれていた女性は
ある症状によって命を落とした可能性があった
がれきなどの下敷きになり
体の一部が強く圧迫されたままでいると
やがて細胞が壊れる
急に圧迫から解放されると
壊れた細胞から発生した有害物質が全身へ広がり
時に心停止などを引き起こす
このクラッシュ症候群の患者を救い出すには
危険な現場に救助隊や医師が入り込み
点滴などの処置を一刻も早く行う必要がある
がれき下からの最善な救助方法を
かつてない工学の見地から研究しているのが吉村
これは去年吉村が設計した訓練施設だ
警察からの依頼を受けがれき下の状況や
現場の騒音までをできる限り再現した
木製の箱がトンネル状につながれている
その中をのぞいてみると…
倒れた木材が行く手を阻んでいたり
急に空間が狭くなるなど倒壊した家屋を模した構造だ
そこから人を救い出す
その訓練施設には吉村が独自に研究してきた
工学技術が集約されていた
まず救助隊員の動きががれきの下で
どれだけ制約されるのか検証
隊員にそのデータを把握してもらい
素早い救助活動につなげる狙いだ
すると不思議な結果が現れた
救助隊員が装備を全くつけない状態で背伸びをする
続いて靴底の厚みが3センチあるブーツなど
フル装備の状態で同じように背伸び
手の高さは3センチ高くなっているはずだが
逆に低くなった
そして救助隊員ががれきの中を進む際の姿勢にも焦点を当てた
動きが制限される状況で安全に速やかに救助を行う
その限界を工学的アプローチで探る
まずは高さ60センチの空間
手と足の両方を使って進むことができ
方向転換も可能
被災者をいち早く救出できる
次は高さ50センチ
10センチ低くなっただけでひざを立てることができず
ほふく前進になる
これらの検証で高さが58センチを切ると
救助が極端に難しくなることがわかった
吉村はこうした検証データを施設の設計に反映
その訓練の効果を最大限に引き出そうとしていた
現場の人の個人の勇気と根性で頑張ってくださいというわけにはいかないので効率的効果的にできるようにするようにはどうしたらいいのかっていうのをきちんと検証しながら科学的に組み立てていきたいっていう
過酷な現場でも多くの命を救おうと救助に当たる隊員を
工学の専門家として支えたい
吉村は今さらに進化させた訓練施設を考えていた
災害時最も救助が困難な現場の一つが
2階建て家屋が倒壊し1階部分が押しつぶされた状態
救助隊は2階から建物に入り
がれきに埋もれた1階に下りて
救出するほかない
吉村はそんな極限の災害現場に対応した
救助訓練ユニットの設計を始めた
災害救助の訓練施設を設計する一方で
吉村は建築家や技術者を夢見る学生に
街のデザインや設計などを教えている
吉村の一日はとにかく忙しい
まずは担当する授業へ急ぐ
自分たちがつくった空間が入って街がよくなってもう楽しいで
3時間の授業を終えるとまた走り出した
一息つく暇もなく次の授業が始まる
さらに授業の合間を見つけては研究仲間との打ち合わせ
どこからあのパワーが出てくるのか不思議な人ですね集中力っていうのは半端じゃないんでしょうけど
夜8時を過ぎて部屋に戻ると
ようやくここからが自分の研究の時間
警察と進めている新たな訓練施設の設計だ
大学の仕事とは関係のない独自の研究なので
そのほとんどは無償で行っているものだ
吉村をそこまで駆り立てるのは
(リポーター)列車3両が折り重なる形で脱線しています
がれきの下からの人命救助を工学技術で支える吉村
研究の原点となったのは107人の命が奪われた
あの大事故だった
その壮絶な現場を知るドクターがいる
(中山)私も狭いところに下りて点滴何とかしましたけれども一人で全部しないといけないし様々な病院環境とは違うところあって実際それでできなかったら何しに来たかわからないなというプレッシャーはありましたけど
使命感に駆られがれきの中へ入った医師や救助隊
それでも助けられなかった多くの命
当時救助活動とは無縁だった吉村は思った
まず救助隊員らが記した事故の報告書をむさぼり読んだ
さらに救助隊員一人一人に
現場で体験したことを聞いて回った
やがて吉村の運命を決定づける場面に出くわす
その当時本当に手づくりで皆さん施設をつくって施設とは言わないまでも持ってる材料を組み合わせて訓練できる空間を設定してやっておられるんですよあまりに個人の努力とか個人の勇気に頼ってる部分が多すぎてそれはできるものなら我々がつくらないといけないというのは当然思いました
命を救うための十分な訓練施設がない
ならば私がつくろう
吉村はたった一人歩き始めた
救助活動が最も困難な現場
それは2階建て家屋が倒壊し
押しつぶされた1階に被災者がいるケース
吉村はそんな現場を再現した訓練ユニットを考えた
これを使えばただ床を載せるためだけなんだけれど…
箱型ユニットを積み上げることでつぶれた家屋を再現
フロアをまたいだ救助訓練ができるという狙いだ
大学の仕事の合間を縫い
自分ができることを信じ突き進んできた吉村
災害現場では時に救えない命もある
それでも諦めず全力で救助に当たる隊員たちの思いに
突き動かされてきた
本当に現場の一人一人の人たちは二次災害もあるかもしれない危険な現場にもかかわらずとにかく人を救いたいと思って入って行かれる方に対してやっぱり十分な備えをしていただける備えはしていただきたいと思うのはもちろん当然のことですし…
東日本大震災をきっかけに発足した警視庁の特殊救助隊
通称SRTをご存じですか?
およそ3000人の機動隊員の中から選抜された35人の精鋭部隊
24時間体制で待機し有事の際は現場へ急行します
シンボルマークは…
素早さしなやかさの象徴だそうです
SRTの救助活動では様々な機材が駆使されています
隊員に装着された小型カメラの映像は…
被災者の発見から救出までを迅速に行うことができます
14時55分進入!
SRTもがれき下を想定した救助訓練を行っています
その施設の中は…
意外と障害物が少ないと思いませんか?
災害現場をリアルに再現するのは簡単ではありません
だからこそ吉村先生の研究が必要なんですね
吉村が設計した新たな訓練ユニット
それは地震で倒壊し…
より実践的な訓練ができる工学技術で導き出した設計だ
それを形にしたのは日本大学宮里准教授のチーム
この日訓練を行うのは警視庁の精鋭SRT
あの伊豆大島の災害現場で活動した
石崎さんが率いるチームだ
早速2階から中へ
そこは高さ60センチほど2畳分の小さな空間
隊員は畳をはがして1階へ下りていくことを試みる
1階に横たわっている…
さらにその奥にも
・もう一人います
脊椎の損傷を疑い担架へ
1階から2階へ運ぶという厳しい訓練ができるのは
このユニットならでは
一人目を救出するのに要した時間は30分
続いて奥にいた二人目の救助へ
ところが大きな障害が立ちはだかった
救出ルートをふさぐ冷蔵庫
計算された配置の障害物により担架が通れなくなっていた
がれき下の狭い空間を障害物にふさがれ
担架が通れない
救助隊員らはどんな判断をするのか
効果的な訓練のために吉村が取り入れた設計だ
なんと被災者を乗せたまま担架を縦に
瞬時の判断を問う吉村の設計
こうした訓練が命を守る技術につながっていく
90分で二人を無事に救出できた
(拍手)簡単に2段組んであるだけかなと思ったらこれの組み合わせで2段3段とかもっと奥深くっていう複雑な形もできるんじゃないかなといい訓練になったと思います
命と向き合う人たちに自分のできることで力になりたい
吉村の思いが形になった
よりリアルに現場の状況に再現できるような形で自分たちも訓練できるとより現場で力が発揮できますのでそういった現場のことを考えて設計していただけるようにそれだけですこれはとても小さなユニットですけどその中にも重要な訓練項目の幾つかをちゃんと入れられたかなと思っています訓練拝見しててもすごかったですよね皆さん現場の方々そういう方々なんでその方々が力を発揮できるような環境を整えるのに我々も協力できるところはしていきたいですし一緒に頑張っていきたいと思います
吉村は今地震津波台風など
あらゆる災害の救助訓練ができる施設を設計中だ
命を救う現場のためにこれからも全力で走り続ける
次回は細い注射針から出てきた物体
届きにくい患部に細胞のシートを貼りつけられる…
不可能を可能にするその名は…
舞台は1000分の1ミリの世界
ナレーターは彼にバトンタッチ
何やねんこのタイトルは2014/07/20(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【迫る大災害…がれき下の命守る技術】
警察庁も注目!最も困難な災害現場に挑む女性工学博士 がれきの下の命を救う“究極の救助方法”を探れ! ナレーター/向井理
詳細情報
お知らせ
建築・土木の技術者の使命の一つ。それは、災害に負けない建物やインフラを整備すること。しかし、吉村准教授は少し違う!“災害で崩壊した建物”の中から人命をいかに救助できるか、そのベストの方法を工学的観点から導きだそうとしている。その吉村が“災害救助”に携わるのには理由がある。2005年に起きたJR福知山線脱線事故。がれきが折り重なる列車の中からの救助活動は困難を極めた。
番組内容
こうした状況を目の当たりにした吉村は、『救助隊員の技術を高める訓練施設を造ることで、きっと力になれる』と思いを強くする。そこで、“がれきの下からの救助方法”を工学的に解き明かし、その方法を取り入れた“救助訓練施設の設計”にのりだした。今、彼女は警察庁と協力し、がれき災害専用の訓練施設や水害専用訓練施設など、あらゆる災害に備える“日本初の総合訓練施設”を造ろうと奮闘している。
出演者
【ドリーム・メーカー】
千葉工業大学 建築都市環境学科 准教授 吉村晶子(46歳)
【ナレーター】
向井理
音楽
【テーマソング】
「やさしい雨」
唄 小田和正(アリオラジャパン)
制作
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/yumetobi−plus/
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サンプリングレート : 48kHz
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