ふるさと再生 日本の昔ばなし 2014.07.20

昔むかしある湖のほとりに重蔵という貧しい若者が住んでいました。
よいしょっ!よいしょっ!うわぁ〜!うぅ…。
隠れろ!おお人か!驚いたのう。
驚いたのはこっちじゃ!鉄砲の弾が顔をかすめていったのじゃからな。
それはすまんことをした。
ときにキツネは見なかったかのう?え?いや…気がつかなかった。
そうか罠にかかっていたので油断した。
みごとな白ギツネじゃったが…。
狩りなら人のいないところでやってくれんか!うん!すまなかった。
罠から逃れてきたんだな。
足首がちぎれんでよかったな。
もう人里に来るでねえぞ!重蔵はカヤを狩る他に小さな畑から採れる作物で細々と暮らしていました。
食うや食わずの生活では嫁の来てなどありません。
ふぅ〜!それはあるおぼろ月夜のことでした。
もし…。
うわっ!驚かせてごめんなさい。
私はお紺と申します。
お紺さん…。
女は旅の途中道に迷ったのでひと晩泊めてほしいというのでした。
おら重蔵っていうだ。
重蔵は粗末な家を恥ずかしいと思いながらお紺の困った様子をみかねて泊めてやることにしました。
《もう行っちゃったか…》あっ!ここなんていい景色でしょう。
ああおらんとこは貧乏だけどこの景色だけは自慢でなぁ。
重蔵さんにお願いがあります。
おらに?私を重蔵さんのお嫁にしてもらえませんか?えっ!?お紺は無理を言って重蔵の嫁にしてもらいました。
もっとも天にも昇るほど嬉しかったのは重蔵のほうでした。
ああ…エヘヘ…。
お紺は重蔵を手伝って慣れない畑仕事に精を出しました。
2人で働くと小さな畑にも豊かに作物が実りました。
重蔵は毎日町に出てこれらを売り歩きました。
(赤ん坊の泣き声)しばらくすると2人の間に男の子が生まれ清作と名づけられました。
清作は働き者の両親にかわいがられすくすく育っていきました。
(風の音)おいおい!竜巻だそこにいては危ない!竜巻?坊!危ない戻れ!あっいつぞやの…。
人に本当の姿を見られたからにはもうあの人とは暮らせない。
撃ちたければ撃ちなさい。
(清作の泣き声)清作!お紺!坊!おとうだ。
お紺は?猟師は竜巻の中で見たことを重蔵に話しました。
そののち重蔵は清作を連れ湖のまわりを捜しましたがとうとうお紺は見つかりませんでした。
それから春のおぼろ月夜には畑に狐火が舞い我が子をいとおしむお紺ギツネの鳴き声が聞こえたということです。
昔上州榛名のあたりに赤城の山に腰をおろし利根川の水で足を洗うという大男がいた。
ある日のこと一羽の渡り鳥が男の鼻先にとまると…。
いやぁアンタはたまげるほどの大男だけど駿河のほうにもアンタに負けないくらいの大男がいたよ。
なに?わしにも負けない大男だと?ああ昨日も駿河の海の沖に座りこんでねザンブザンブと体を洗ってたよ。
そうかそんな大男なら一度会ってみたいものだな。
いいともさ伝えてあげるよ。
なに?俺と同じくらいの大男だと?そうだよ。
アンタに会いたいって言ってたよ。
そいつはおもしろい。
会おうじゃないか。
ということで2人の大男はお互いの間を取って武蔵の国で会うことになった。
ほほうなるほどでかいな。
お前もな。
ならばどっちが強いか力くらべするか。
おうそいつはのぞむところだ。
ちょちょっと待って!そんなの迷惑。
お二人さん力くらべなら他のやり方があるでしょ。
どんな?例えば日本一高い山を作る競争ってのはどう?ほほう。
それはおもしろそうだな。
いっちょやってみるか。
おう。
でいつまでだ?それじゃ明日の日の出のときに高かったほうが勝ちだよ。
よし朝日が昇ったときが決着だな。
フン負けるものか。
こうして大男同士の高い山を作る競争が始まった。
駿河の大男は海の底の泥を土台にした。
榛名の大男は野山をズズッと寄せ集めて山を作っていった。
う〜ん!負けるものか。
これだけ高ければ大丈夫。
ふぅ…。
こりゃすごいや!どうだわしの勝ちだろう。
それはどうかな?あっちの大男も頑張ってるみたいだよ。
そうかならばもう少し積み上げてやるか。
頑張れ!負けるな!夜通し山を作り続けて疲れた榛名の男はモッコにひと山入れたまま眠りこんでしまった。
(いびき)あっ朝だ…ん?ああれは!なんて高い山なんだ。
うぅ…うう〜っ!あらら眠っちゃったんだ。
うぇ〜ん!もうひとモッコのっけてたら勝てたのに悔しい!いやぁ勝てなかったと思うよ!こうして駿河の大男が作った日本一高い山は富士山となった。
負けた男の山は榛名山となり男が流した悔し涙は榛名湖となった。
そしてその脇に残されたのは最後に積み上げるつもりだったひとモッコ山だという。
昔むかしある山の中の粗末な庵にお坊様が1人住んでいました。
このお坊様は村の人たちからわずかな食べ物を托鉢で得て暮らしていました。
托鉢とは信者の家をまわってわずかな食べ物を乞い信者に功徳を積ませる修行のことです。
お坊様はありがたい仏様の話をします。
村人たちは喜んで米や麦味噌などを持ってきます。
しかしお坊様はいつも自分が食べる分だけいただいて帰ります。
けれどもこの年は日照り続きで米も麦もほとんど収穫できないありさまでした。
はぁ…。
それでも村人はわずかな稗粟をお坊様に届けました。
わざわざありがたいことです。
しかし村の人たちが今たいへん苦しんでることはよく承知しております。
それはどうぞ持ち帰ってください。
とんでもねえ。
なにわしらのことなら助け合ってなんとかやっていきますだ。
そうそう村の長者様から文を預かっておりますだ。
屋敷に来てわしのために祈ってくれるならお布施として米一俵を出す。
いい話じゃろ?長者は威張り散らすのが大好き。
お坊様に頭を下げさせ自分が誰よりも偉いことを見せたかったのです。
フフフイッヒッヒッヒ!米俵でお坊様を呼びつけるなんておそれ多いこと。
しかし長者はまったく言うことを聞きません。
わかったでは参るとしよう。
えっ?ところが長者の屋敷を訪れたのはお坊様ではなかったのです。
なんと屋敷に向かったのは托鉢の鉢だったのです。
中にはありがたいお経を書き写した写経が入っています。
あっあれは!う〜ん…あの坊主め怪しい法術を使いおって。
鉢だけよこすとはわしをバカにしおって!フンッこんなお経の紙切れ1枚で米俵などやれるか!そして鉢に入れたのはひと握りの米。
おい坊主に言っとけ!また鉢が来てもこれ以上の米は出さんぞ!そしてたびたび長者の屋敷に鉢が飛んでくるようになりました。
そんなある日…。
この倉もかなり傷んできましたな。
建て替えなんぞせんぞ!あっまた鉢が飛んできました。
ひと握りの米が不足でずうずうしく倉の米俵をねだりに来たか。
え〜い邪魔だ!とうとう倉の中に閉じ込められてしまいました。
(いびき)
(物音)な何だ?
(物音)どうしたんだ?あっ!旦那様あの鉢のせいでは…。
ババカな…早く鍵を持ってこい!ははい!動くな!動くな倉よ!わしの言うことを聞け!旦那様…あっ!ああ〜っ!助けてくれ!旦那様!うわぁ〜倉よ戻ってくれ!ああ〜っ!長者と倉はお坊様のいる山へ向かって飛んでいきました。
う〜ん…。
気がつかれましたかな。
あっ倉が…。
わしの倉が!だいぶ壊れてしまいましたな。
あぁ…。
無事に戻ってきたな。
こいつのせいだな。
この鉢が壊した倉はくれてやる。
だが中のものはすべて返してもらうぞ!鉢がしたことはわしがしたも同然。
謝ります。
どうぞ中のものはお持ちくだされ。
そうは言われても百俵を超す米や麦を屋敷まで運ぶのは簡単ではありません。
お前のくだらん法術のせいだぞ。
どうしてくれる!ではまたこの鉢に頼みましょう。
ん?使用人たちを呼びお坊様の指示で米俵を1つ鉢の上に置くと…。
おぉ〜!おぉ〜わしの屋敷は向こうじゃ!そっちじゃない!お?あぁ〜わしの米俵が!うわぁ〜!旦那様旦那様!先頭の米俵のあとを雁の群れのように残りの米俵が続きます。
そして山をひと回りして無事屋敷に着いたそうです。
ヒェーッ助けてくれ!お坊様の力に心から感服した長者さん。
再び山へやってきました。
おそれ入りました。
どうか今までの失礼の数々お許しください。
おわびの印に米3俵どうかお受け取りください。
そんなにたくさんの米は必要ありません。
え?ではせめて1俵だけでも…。
私1人の暮らしそんなにいりません。
いつものひと握りの米で十分。
ハハハッ!お坊様の修行はまだまだ続きます。
2014/07/20(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字][デ]

「おぼろ月夜の嫁さん」
「一モッコ山」
「とびくら」
の3本です。お楽しみに!!

詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
 柄本明
 松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
 作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
 編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
 歌:中川翔子
 コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】湯浅康生
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ

http://ani.tv/mukashibanashi

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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