さわやか自然百景「沖縄 池間島」 2014.07.06

(テーマ音楽)沖縄県の池間島。
ここには多様な命が集う湿原があります。
夏湿原から一斉に海へと向かうオカガニの群れ。
潮が満ちる夜新たな命を波に託します。
沖合では一年でほんの数日美しい光景が現れます。
大潮の時だけ日の光を受けて輝くサンゴ。
潮の満ち干がもたらす自然の営みを見つめます。
沖縄の本島から南西へおよそ300km。
宮古列島の池間島です。
周囲はおよそ10km。
島はサンゴ礁が隆起して出来たため石灰岩に覆われています。
山も川もない池間島ですが島の中央には生き物の宝庫となっている場所があります。
広さは35ヘクタール。
沖縄県で最大の湿原です。
ここは淡水をよりどころとする水鳥の貴重な住みかになっています。
春鳥たちは求愛のシーズンを迎えます。
琉球諸島南部に生息するサギで池間島が繁殖の北限です。
実は池間湿原は50年ほど前まで海水が流れ込む内海でした。
けれどもやがてせき止められ雨水によって徐々に淡水化。
そこに鳥たちに運ばれた植物の種が育ち現在の姿になったと言われています。
沖縄県ではここから600km以上離れた南大東島でしか見られなかった水草です。
水の中には次第に昆虫や魚が住み着きそれを食べる水鳥も集うようになったのです。
湿原のそばに直径10cmほどの穴がありました。
こうした穴が何百個もあります。
一体何がいるのでしょうか。
夜あちこちの穴からその主が出てきました。
陸上に暮らすカニとしては国内最大級の…足を広げると大きさ20cmになるものもいます。
主な食べ物は植物です。
湿った地面を好むオカガニ。
巣穴から数mの範囲で生活をしています。
警戒心が強く穴に隠れて食事をしたり繁殖行動を行ったりすると考えられています。
巣穴の入り口をハサミで塞いでいるオスがいました。
中にメスがいるのでしょうか。
繁殖の時期を迎えているようです。
一年で最も日中の干満差が大きくなる春の大潮。
池間島から5kmの沖合に干潮の2〜3時間だけ幻の島が出現します。
大小100余りのサンゴ礁から成る…大きさは南北10km東西7km。
陸から離れた場所にあるサンゴ礁群の中で日本最大です。
ふだんは海の中にあって色鮮やかな魚が集まる八重干瀬。
引き潮とともにサンゴが日の光を受けて緑や紫黄色といった色彩で輝きます。
八重干瀬には200種類近いサンゴが生息しています。
起伏に富んだサンゴ礁にはさまざまな生き物が暮らしています。
これは…サンゴ礁に生えた海藻などを食べます。
一方サンゴ礁の中心付近には鮮やかな彩りが見られません。
干上がりやすい部分ではサンゴが生きる事ができず岩のようになっているのです。
しかしサンゴは死んだあともさまざまな生き物の住みかとなっています。
タカラガイの仲間です。
八重干瀬で数多く見られる光沢のある美しい貝です。
琉球王国の時代には中国の王朝への貢ぎ物として珍重されていました。
干潮から1時間ほど。
潮が再び満ちてくるにつれサンゴに変化が現れました。
表面から粘りけのあるものが出ています。
いつもより強い日の光を受けたため自らを保護するために出した粘液です。
この粘液にプランクトンなどが付着して魚やカニの貴重な栄養源になるのです。
鮮やかなサンゴとそこで育まれる海の命。
春のひととき大潮がもたらす池間島ならではの光景です。
池間島に夏が訪れました。
夜行性で警戒心の強いオカガニが明るいうちから巣穴の外に出ています。
移動を始めるカニ。
よく見るとおなかに卵があります。
新しい命を宿したメスたちです。
オカガニは小さいうちは海で暮らします。
メスは卵を放つために海岸へ向かっているのです。
しかし海に行くためには必ず通らなければならない難所があります。
島の海岸線を走る道路です。
夕方何百匹ものメスが一斉に道路を渡り始めました。
オカガニが危険な道路を歩くのはこの時期だけ。
渡りきった先には縁石やコンクリートの壁が待ち受けています。
それでも僅かな足掛かりを見つけてひたすら海を目指します。
この日は大潮。
満潮を迎え波は海岸深くまで押し寄せます。
オカガニは湿原から300mほど離れた海岸まで何時間もかけてたどりつきました。
満潮から1時間。
卵を放ちます。
卵の数は一匹で30万粒ほど。
稚ガニとして1か月後に陸に戻ってこられるのはごく僅かです。
切り立った岩場にたどりついたメスもいます。
岩を足でつかみ懸命に卵を放っていきます。
沖縄県池間島。
月と潮のリズムで営まれる命のドラマがありました。
2014/07/06(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「沖縄 池間島」[字]

沖縄県宮古諸島の池間島。春の大潮の日、沖合には国内最大級のサンゴ礁群が現れる。夏の満月の夜には、数百匹のオカガニが海で一斉に放卵。月と潮が導く自然の営みを描く。

詳細情報
番組内容
沖縄本島から南西へ300キロ。宮古諸島の北端にある池間島では、春から夏にかけて二つの神秘的な光景が見られる。春の大潮の日、池間島から5キロの沖合に現れる“幻の島”。干潮の間だけ姿を見せる国内最大級のサンゴ礁群、八重干潮(やびじ)だ。200種類ものサンゴが大海原を色鮮やかに染めていく。夏の大潮の夜には、数百匹のオカガニが海岸に集まり、満月の光のもとで一斉に卵を放つ。月と潮が導く自然の営みを見つめる。
出演者
【語り】中村慶子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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