日本!食紀行 2014.07.20

漁業で知られるこの町の名物といえばほら…これ!う〜ん!ぴっちぴち!呼子といえば…そうイカ!このイカ料理をお目当てに町を訪れるお客さんたちがもう一つ楽しみにしている名物があります。
呼子湾の目の前に浮かぶ島呼子大橋で渡るその島に一軒のお店。
その名は甘夏かあちゃん。
いまや呼子では定番のドライブコースとなったこちらのお店。
イカを食べたあとデザートはこちら。
(男性)おいしいね。
太陽と玄界灘の潮風が育てた加部島の甘夏。
その果汁で作るゼリー。
天然っていうか自然に近いゼリーですね。
それはもう自信持って言います。
甘夏かあちゃんが作る甘夏のゼリーは島の恵みを詰め込んだどこか懐かしい味。
佐賀県唐津市の加部島で手を携えて島の恵み甘夏を進化させる夫婦に学びます。
玄界灘の荒波から呼子湾を守るように浮かぶ加部島。
全長およそ730メートルの呼子大橋で結ばれた加部島は周囲12キロ人口およそ500人の小さな島。
農業と漁業の島です。
この島にある甘夏かあちゃん。
店頭に商品は並んでいません。
いらっしゃいませ。
お一人様ですか?注文しなくてもいきなり出てくる甘夏のゼリー。
訪れた方はまず試食。
有無を言わさず試食です。
この店の人気商品4個入りLサイズで1320円。
(スタッフ)夢って入ってるじゃないですか。
ああ…。
甘夏…ミカン作りに夢を持ちでそれ…それにおいてゼリーを作るようにっていう形ですね。
島をどうにかせんといかんというのは最初…。
フフフ…。
かあちゃんが作る名物ゼリーの誕生にはこの呼子大橋が大きく関わっているのです。
人口500人の小さな島温暖な島の気候ですくすくと育った甘夏。
この果汁で作られたゼリーが島の名物に成長しました。
その名はゼリー作りはまずその実をくり抜くところから。
皮を容器に使うため全て手作業です。
(スタッフ)結構力のいる作業ですよね。
そうですね。
これが一番。
これだけがもう…深さと…あの幅で機械化が出来ないので。
くり抜いた実を搾ります。
機械を使うのはここだけです。
ゼリーには収穫時期の違う3種類の果汁をブレンドして使います。
甘夏はとれた季節またその天候によってその甘み酸味がだいぶ異なるからです。
(めぐみさん)秋と夏と…。
秋口のはもう酸っぱいので。
夏のはちょうど…酸味が少ないですね。
(スタッフ)そのブレンド加減っていうのは長年の勘ですか?
(めぐみさん)そうですね。
もうあの…毎年どれぐらいの時期にはどれぐらいっていうのがあるので。
果汁に加えるのは砂糖とゼラチン水。
そして香りづけのリキュールを少々。
これで全て。
あとは甘夏の皮に材料を流して冷やし固めるだけです。
丁寧に手作業。
余計なものは加えない。
これが甘夏かあちゃんのこだわり。
天然っていうか自然に近いゼリーですね。
それはもう自信持って言います。
フフフ…。
全然違います。
なんかねそのものの味がします。
本当にちょっと苦味があるのが逆においしいです。
変に甘くないんで食べやすいです。
うん。
おいしい。
おいしいですね。
それしか…。
(女性)言えない。
フフフ。
甘夏の収穫は4月ピークを迎えます。
私はもうほとんど収穫する事はないと…。
息子…息子とじいちゃんとで山のほうはやって私はもう選別出荷のほうになるんですけど今日は息子が消防でちょっと出とるもんですから。
ハハハハ…。
ゼリーの原料となる甘夏を手がけるめぐみさんのご主人初さんのこだわりはなるべく農薬を使わない事。
試行錯誤の連続です。
除草剤をやるな!っていって10年ほどですね親父とケンカした事がありました。
父親はどうしてあの…ねえ家にはほら手がなかったし父親一人でやりよった頃は省力化しないかんからっちゅう事で除草剤をかけよったとですよ。
(初さん)今はこんなに…草が生えてるんですよね。
この春の草はもう宝物なんですよ。
これが今度は夏になったら今度は敷草代わりになるんですね。
であの干ばつの時にも水をやらなくてもこれが敷草代わりになってるから直射日光にさらされなくてまた微生物が畑にわくわけですね。
微生物の力とか酵素とかねそういうような堆肥とかそんなので出来た甘夏はやっぱ…深みがあってそして酸味がなめらかというかやわらかというかねうまみが出てくるんですねミカンに。
もともと消防署員だった初さん。
定年を5年早めて父親の甘夏畑を継ぎました。
いくら売っても働いてもあの…全然利益が出ないっていう時代が何年も続いたですもんね。
それでその時にもうじいちゃんがミカンの木は切ってしまおうかと言いましたですよ。
でもやっぱりその甘夏には可能性があったから。
(初さん)この島で潮をずっと浴びてそのミネラルで島の甘夏はおいしいという評判は前からあって。
その恵まれた適地でもっとおいしくなるんじゃないかな?という…。
それがあったんですよね。
(枝を切る音)最初に甘夏作りを始めた初さんの父恵さん。
ん…?ちょっとややこしいんですが奥さんの甘夏かあちゃんはひらがなのめぐみさん。
おじいちゃんは漢字の恵さんです。
(スタッフ)今おいくつなんですか?82歳です。
(スタッフ)あらお元気ですねえ。
大丈夫ですか?こういう作業とか。
ああまずまずおかげさんで。
(恵さん)仕事をするからやっぱり自然と体を使うからですよね。
(スタッフ)どんなご苦労があったんですか?
(恵さん)加部島はやっぱり橋がないからですね。
船で重機がこんからですね。
それでやっぱり手掘りでしたからもう人に言えんぐらいの苦労ですよね。
全部手で掘ったから。
手作業で山林を切り開き一人始めた甘夏作り。
今は3ヘクタールの立派な畑になりました。
(スタッフ)結構大胆に枝を落とすんですね。
そうですね。
切ってたほうが来年大きい実がなるんで。
初さんとめぐみさんの息子恵市さん。
頼もしい甘夏畑の後継者です。
小さい頃からずっと見ているのでそこまでは出来るかなあっていう心配はあります。
でも…まあここまでミカンを作ってもらってたのでやっぱりつぶす事は出来ないなって自分の代ではですね。
まあそれは思ってます。
さらにさらに…。
(スタッフ)真叶くんすごい手が慣れてたね。
よくお手伝いするの?うーんたまにします。
(スタッフ)たまにするんだ。
どう?作業結構大変?いやそこまで大変じゃない。
やっぱり幸せですね。
こうやってひ孫が加勢してくれるですね。
まあやっぱり手伝いしてもらうとやっぱり嬉しいです。
フフ。
加部島の風に吹かれながら親子3代…いや4代で大切に育てた自慢の甘夏。
甘夏ってちょっとパサパサしている。
そんな印象ありませんか?山口さんちの甘夏はほら…ご覧のとおりのみずみずしさです。

(スタッフ)今年の出来はどうですか?いやフフフ…まずまずですねえ。
フフフ。
ゼリー人気に支えられ甘夏への注文も順調です。
自分が宅配を始めてみてですね日本全国にはこんなに甘夏ファンがいるんだっちゅう事がわかったとですよ。
ですからもう年々ねそういうふうにしてネットで注文される方が増えてきましてね。
だからそれに対してもやっぱりこうこんなきれいなミカンを作らないかんなあと思って今一生懸命やっとるところです。
失敗ばっかりしよってもいかん。
フフフ…。
ゴールデンウイーク。
加部島は橋を渡って訪れる観光客でひとときにぎわいます。
甘夏かあちゃんもご覧のとおり。
イカ食べてここ寄っていこうかみたいな。
(スタッフ)どうですか?こちらのゼリーは。
おいしいですね。
食べやすいもんね。
こちらはなんといか道楽に行ってそれで載っててで近いしちょっとこれおいしそうだからと…。
おいしそうなのかな?と思って…。
お土産たくさん!安全運転でお帰りくださいね。
平成元年島民の悲願だった呼子大橋が開通。
加部島は地続きとなりました。
橋には農業用水のパイプラインが走り雨水が頼りだった島の農業は変わりました。
農作物の出荷もぐっと楽になりました。
観光客もいっぱいやって来ました。
島が沈むと言われるほどの初めてのにぎわい。
しかし観光客からはこんな声も聞こえてきました。
めぐみさんの心に火がつきました。
心に浮かんだのはもちろんとうちゃんが作る甘夏。
めぐみさんは島の女性たちと…。
商品開発を始めました。
自分もミカン作りはしてましたけどお菓子作りっていうのは自分の中ではあんまりなかったので。
でも…自分がしてみないと先には進まないというのがあって。
徐々に一年一年…やってみようと。
まずこだわったのは食感です。
固まりすぎたり固まらなかったり…。
普通のゼラチンでは固まり…一回固まってても流れるんですよ。
一度こんにゃくゼリーみたいに硬くなりすぎてあっこれはいかんなあ…。
やっぱりこうそして味。
甘みと酸味。
甘夏ならではの味のバランス。
同じ畑でも日が当たるところと陰のところとやっぱり違うんですよ。
だから最初の時に糖と酸と一本一本調べて酸っぱいやつはもう本当に…これは酸っぱいっていう日が当たらないところのミカンは切ってしまったんですよ。
また甘夏の皮を容器にするのも難しい事がありました。
皮から出る苦みで味がどんどん変わってしまう。
それでも特別なゼリー…容器にはこだわりたかった。
試行錯誤は2年にわたり…。
ついに加部島名物呼子夢甘夏ゼリーが完成しました!その当時から朝は4時に起きて夜はもう10時より前に家の中に入ってきた事はなかったですよね。
それが二十何年間ずーっと続きようとです。
今でも。
とにかく…すごいと思います。
フフ…。
(スタッフ)すごいですね。
(めぐみさん)ん?フフフ…。
呼子夢甘夏ゼリーは口コミでそのおいしさが広がり今めぐみさんはゼリー作りや配達に忙しい毎日を送っています。
ちょうど太陽が…一番よかった。
完全に晴れた時よりも少〜しくもった時がよかだけど今日あんまりだね。
(スタッフ)ご主人もあんな…手伝うんですか?ああ手伝います。
魚料理はね。
魚さばく…こう大きな魚をさばく時は。
ハハ…。
普段どおりです。
ハハハハハ!
(スタッフ)全部加部島の海でとれたものですか?
(初さん)そうそうそうそう!フフ…。
出来る事はみんなで手分けして。
山口家4世代。
(恵さん)健康で明るくね育ってほしいですよね。
もう何も言う事はない。
健康で明るく。
もうそれ…それ2つです。
アハハハ…。
(スタッフ)真叶くん夢はなんですか?何やりたい?将来。
(恵さん)フフ…じいちゃんの…嬉しい事言うなあ。
(スタッフ)本当に?
(恵市さん)そうこれまで別にさ言わせ…農業継ぎたいって言わんでよかとぞって言ってて。
本人に聞くとですけどいや継ぎたいって言うてくれるけんまあ別にいいかなって。
もう自分がやりたい事をやってくれたらいいと思ってます。
自分が強制みたいな形で言われて嫌だったんでもう…なるべく言わないようにしてる。
(スタッフ)なんか強制されたんですか?
(恵市さん)もう跡継ぎが…男がもう自分一人しかいなかったんでもう継ぐしかないっていう感じでずっと農業にこう…してきたんで。
(初さん)本人はスポーツ選手になりたかったらしか。
ハハハハ。
そうか…。
恵市さんの夢は家族のため甘夏のために胸にしまい込まれていたんですね。
(子どもたちのはしゃぎ声)1個ずつミカンをちぎりまーす。
甘夏かあちゃんには地元の子どもたちがよく体験学習に訪れます。
よいしょ!よいしょ!
(めぐみさん)ここ手反対。
こうこう…そうそうそうはい。
(めぐみさん)搾りたてを飲んでみたい人!
(子どもたち)はーい!子どもたちの口には少し大人っぽいかな?甘夏の味。
(めぐみさん)さあどうですか?おいしい。
(めぐみさん)おいしい?よかった〜!この加部島のふるさとの味覚えていてね。
甘夏の収穫が一段落すると大切な土作りが待っています。
(初さん)経験上はですね今まで肥料で作るっていう考えは捨てて植物自体の自然力ですね。
要するに自然力にいい形でお手伝いするというような栽培の仕方が一番ベストじゃないかなと思います。
肥料でああ作ってやろうこう作ってやろうって人間がそうさせるんじゃなくてですね。
初夏。
甘夏の畑ではまた小さな新しい実がつき始めました。
もう木が自由に自分の力で…働いてくれるんですからこっちは何も…。
こうしてやろうああしてやろうという事はなくて。
もうあとは木任せですよ。
うん。
とうちゃんが丹精込めた甘夏をかあちゃんが心を込めてゼリーにします。
もっと!もっと…大きく育て!夫婦の夢。
加部島の甘夏。
次回の『日本!食紀行』は静岡県の山里極上蕎麦と在来野菜に学びます。
2014/07/20(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本!食紀行[字]

甘くてすっぱい絶品・甘夏ゼリー!!イカで有名な佐賀県唐津市呼子町…すぐ目の前の風光明媚な加部島で、手作りゼリーを作る名物母ちゃんに密着します。

詳細情報
◇番組内容
通称「甘夏かあちゃん」が作るゼリーは今や加部島を、いや佐賀を代表する名物です。この甘夏を手がけるのが通称「甘夏とうちゃん」。なるべく農薬を使わず育てるとうちゃんの甘夏は、瑞々しく味が濃厚。現在、一家3世代、畑で栽培しています。平成元年、加部島に呼子大橋がかかって地続きになったことをきっかけに、島の名物を作ろうと女性グループで開発されたのが、甘夏ゼリーでした。
◇番組内容2
開発に2年をかけたゼリーは美味しさがクチコミで広がり、今や人気商品に成長しています。風光明媚な加部島の風景とともに、おおらかな甘夏とうちゃん、甘夏かあちゃんの甘夏にかける思いをつづります。
◇番組内容3
日本全国各地の「食」を通して、地域の歴史や文化、人々の英知や営みを学び、温かいコミュニティーなどを四季折々の美しい風景とともに描き出す教育ドキュメンタリー番組です。
◇ナレーション
あべやすみ(ラジオパーソナリティー)
◇音楽
エンディングテーマ曲
Bom Dia ! / 柏木広樹
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:RKB毎日放送
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.minkyo.or.jp/

この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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