さあみなさんお待ちかね!登場するのは日本生まれのイッピン。
優れた技が生み出す珠玉の宝。
きょうはどんな技が飛び出すのか。
今回の舞台は港町神戸。
ここに世界から注目を集める靴職人がいます。
この日やってきたのはニューヨークと香港のバイヤーたち。
鈴木さんはオーダーメイドの紳士靴を作っています。
頑丈な作りで好みのデザインの靴が何年にもわたって履けます。
挨拶もそこそこに早速鈴木さんの靴を履き始めました。
ニューヨークと香港で鈴木さんの靴の受注会を行うことが決まりました。
(鈴木)じゃ5月にしようか?神戸に息づいている靴作り。
その職人技とは?兵庫県神戸市。
靴の町として知られています。
やってきた西洋人がもたらしました。
西洋人は下駄や草履の職人に靴の修理を依頼。
やがて紳士靴を作る人たちが現れるようになりました。
今では多くのメーカーや工場が集まる日本有数の靴の産地です。
こちらですね。
かわいらしい。
こちらで作られている靴ですか?ええ。
ここで全部できてます。
すご〜い。
格好いいですね。
ありがとうございます。
じゃ一足一足オーダーで。
(鈴木)はい。
手で作ってますんで。
そうですか。
鈴木幸次さんが作っているオーダーメイドの紳士靴。
履く人に合わせて一足ずつ仕上げます。
男性の方は究極のオシャレですね。
見て頂いたらあれなんですけど…好きな革で作って頂けますので。
これはちなみに何の革ですか?クロコダイルの革なんですけど表面を削って…。
なるほど。
わざと艶を消してる。
もとはこれですね。
こういう…。
随分印象が違いますね。
わざわざこういうふうに削って。
一足一足が芸術作品ですね。
工房には素材となるさまざまな革が。
触ってもいいかしら?クロコですよ。
どうぞ。
触っても大丈夫ですよ。
シッボ!分かりやすいですね。
そのまま足と…。
そのまま。
リアルな感じなんですよ。
かなりリアルですね。
ウロコの模様が特徴的なクロコダイルの革。
他にもザラザラとした質感のサメの革や重厚なトカゲの革など好みで選べます。
デザインは客の要望を聞きながら鈴木さんが自分で描きます。
デザインが決まったら靴の原型となる木型作りに取りかかります。
この木型作りは靴の製作で最も重要な工程です。
3ミリ長くするとか。
調整してならしてこう。
ならして。
デザイン画を形にしていく難しい作業。
あれ?ガラスの破片ですか。
切る。
(ガラスを折る音)こうアールができるように。
アールができるように!少しアールがこう…。
わ〜すごい削れる!いらない所というかね微調整を。
木型の微妙な違いで靴のデザインや履き心地が全く変わってくるのです。
鈴木さんは婦人靴を作っていた父親の影響でこの道に入りました。
22歳の時技術を学ぶためにイタリアへ。
3年間の修業の後神戸で自分の工房を開きました。
(中村)こんにちは。
靴を注文した人が工房にやってきました。
実はまだ製作の途中なのですが足に合っているか調整しに来たのです。
違和感があるところは修正します。
(鈴木)ちょっと動かして頂いて。
これからどうやって直していくんですか?これはもうこのままこれで終了なんですねこの革は。
本当の革はまた別の革でやっていくのではい。
丸ごと作り直し?そうです。
もう一度1からですね。
丹念に作られた靴は長く履くことができます。
(中村)最初に作って頂いたのが…。
(鈴木)あこれ一足目ですね。
(中村)記念すべき一足目です。
(鈴木)13年くらい前ですかね。
(中村)うん。
(鈴木)この辺りでいきますか?靴作りはそれぞれの工程に高度な技が要求されます。
これから行うのは革の裁断。
色とか合わせるのも…。
そうですね。
色とサイズ合わせて…。
このクロコを合わせて取っていく。
こういうふうに使ってるんですね。
置いて一番よさそうな…。
革のどの部分を使うかによってデザインが大きく変わります。
どの模様をどこに配置するのかイメージしながら裁断するのです。
でさっき向こうで縫ってたようなアッパーが出来上がって…あさっきあったやつとかもありましたね。
平面の革を立体的な靴の形にしていく「つりこみ」。
木型に革をかぶせピンと張って釘を打ち形を整えます。
あ〜すごいですね。
場所によって力のかけ具合を変えながらしわにならないようにしっかりと固定。
どれくらい置いておくと?大体1週間くらい置いておくと。
なじんで?結構形がつきますね。
次は爪先の芯を作ります。
強度の必要な爪先の部分を芯で補強。
打ち込んだ釘を横に倒しさらに皮を引っ張ります。
抜きながらベルトを縫い付けていくんですよ。
形が出来上がったらいよいよ糸で縫製です。
研いでいるのは糸の穴をあける道具です。
釘を抜きそれぞれのパーツをひとつに縫合。
穴に両方から糸を通してきつく結びながら縫っていきます。
既製品なら機械で行う作業。
この作業を繰り返すことで美しい形を保つ頑丈な靴になるのです。
結びながら縫っていってるんで強いですねやっぱり。
はぁすごいですね。
理想の一足を作るため細部に至るまで手間を惜しみません。
いろんなとこ世界に出たりとかいろんな方に靴作っていきたいので…毎日。
世界が認める神戸生まれのイッピンです。
世界に羽ばたく神戸の靴は他にもあります。
今香港で話題の店がこちら!店内に並んでいるのは神戸のメーカーの婦人靴です。
手頃な価格で人気。
これまで香港には高価な欧米ブランドの靴と安価な中国製しかなかったといいます。
そこで中間の価格帯で売り出したところ大ヒット。
「履きやすさ」。
それが支持される大きな理由です。
快適な靴はどのように開発されているのでしょうか?訪ねたのはメーカーのデザイン部。
こんにちは。
お邪魔します。
すいません。
今このように実際に削ったりして作業をしていきます。
デザイン画を基に作られた木型を削ったり厚みを足したりして微調整。
どんな人が履くのか分かりません。
何を目安に調整しているのでしょうか?勘ですか?何を基準に…。
人それぞれ足全然…。
違いますよね。
一応平均値みたいなのがあって下面だけはこう合わせておいて。
実際は1個作って実際の足入れてもらうまでは何とも言えないんですけどね。
そうですか。
試作品ができると「足入れ」という作業を行います。
実際に履いてみて靴の具合をチェックするのです。
検証するのは足が最も平均的な形をした女性社員。
20代後半から30代向けの製品は全て彼女の足に合わせて作ります。
うん。
効きすぎやな。
窮屈な部分や痛いところがあれば木型から作り直します。
大幅に修正がありましたらもう一度パターンを修正してもう一度靴にしてもう一度彼女に履いてもらって…手直しを何度も重ねることで多くの人にフィットする靴が生まれるのです。
靴の町神戸。
こちらにお邪魔したいと思いま〜す。
西田さんこんな店を見つけました!お邪魔しま〜す!これなんか生地とか置いてありますけれども。
この店では42種類の素材と7種類ある型を基に自分好みの一足を作ることができます。
好きなのはこの迷彩柄です。
この迷彩柄すごいエレガントで格好良くって。
このシリーズもなんか気になりますね。
すごく人気があります。
このオレンジとかはすごい夏っぽくってワンポイントカラーで季節感が。
これもジーンズの時とかデニム履いた時に結構合うかなぁ。
一足作るとしたら…。
こっちかなぁ。
デザインだけじゃありません。
履き心地もオーダーできるんです。
(店長)大丈夫でしょうか?そうですね。
私は左足のほうが少し大きいのでいつも左足がちょっとフィット感がキュツと全体的にはなった感じがあるんですけれどね。
人それぞれ足の形が変わりますのでちょっと横幅が欲しいっておっしゃるお客様だったりとかちょっと外反母趾気味で少しここが当たるっていったお客様に関しては少し膨らみを持たせたりとか少しゆとりを持ってお作りさせて頂く提案もはいさせては頂いております。
この店で靴を作って足の悩みを解消した人に出会いました。
それまでは…。
(客)私が痛くなるのはここ全部ですね。
もう傷になります。
絆創膏を貼ったりとかあらゆる工夫はするんですけども長時間になりますともうやはり歩けなくなるぐらい痛くなります。
こうした人たちの要望を聞きそれぞれの足に合うように補正します。
幅を広げて欲しい人には靴と型の間に革を入れて成形。
履き心地をアップさせるのです。
神戸の靴作りは長田区を中心に発展してきました。
主に作ってきたのは婦人もののケミカルシューズ。
昭和40年代には生産量が増え国産の多くがここで作られていました。
ところが平成7年。
阪神・淡路大震災が町を襲います。
長田区は壊滅的な被害を受け靴の関連会社の8割が全半壊しました。
しかし人々は瓦礫の中から機械を運び出し仕事を再開したのです。
逆境を乗り越えたメーカーの一つ創業45年の会社を訪ねました。
あかわいい!すごいいいですね。
新しいアイデアを取り入れ他にはない靴を作ろうと試行錯誤してきました。
こちらではどんな靴を作られているんですか?神戸で代表的な開発された新しい材料を使ってですねもともとランドセルとか車のシートに使われてるような材料を靴に10年くらい前から使われ始めまして。
軽くて柔らかく水にも強い素材。
これを靴に応用しました。
紳士靴のイメージを覆すこんな製品も。
ビジネスシューズとなるととてもカチコチに…。
カチコチですね。
なんですけど実は特殊な製法なんですけどもこういうふうにねじれる。
え〜!上も下も柔らかく。
あ〜!本当だ。
すご〜い!片足270グラムの紳士靴。
歩くことの多い営業マンに好評です。
こちらは妊娠中の女性やお年寄りに人気の靴。
一体どんな工夫が?上げると…。
あっ!パッと蹴り出して。
あ!フィット感と…。
かがまずに履けるんです。
秘密はストラップについているマグネット。
震災後父親の跡を継いだ高山さんはこうした製品をヒットさせ会社を立て直しました。
やはり震災でこの辺も皆さん影響を受けられたと伺ってます。
そうですね。
一度つまずくことがあったのでその時に何とかしないといけない工夫する力が出たのかなと。
アイデアを形にしてきたのは30人あまりの職人たち。
それぞれの工程にエキスパートがいます。
靴は洋服と違い立体的。
ミシンで縫うには高い技術が必要です。
ミシンチームのリーダー…どのパーツも曲線ばかり。
向きを変えながら素早く縫い上げます。
指先で素材を操り正確に針を進めます。
どのくらいやられてるんですか?50年!すごい。
すごい!次はこちらの職人。
「つりこみ」を行う…生地に型をかぶせ形を作っていきます。
どんな種類の素材もシワにならないよう力を加減しながら張っていくのが熟練の技。
これはどこが難しいですか?え〜!西田さん無謀にもつりこみに挑戦!引っ張ってそえて寝かしながら次のをつかまえてそわして…。
(職人)そういう感じです。
あ〜でもなんか違う気がする。
フフフ…。
あ〜ごめんなさい。
1日に150足を手がけます。
靴底の糊を塗る作業にも専門の職人がいます。
高田久子さんはこのメーカーで創業以来働いている大ベテラン。
ただ糊を塗っているだけに見えますが…。
決してこのラインから糊がはみ出すことはありません。
靴の形は複雑なので機械任せにはできません。
職人の技が頼りです。
何人もの職人の手を経てようやく完成。
あったか〜い。
本当に想像以上に一つ一つ工程がすごく多いのとやはり立体のものを平面のものから作る大変さいろんな工夫がされててすごいなぁって思いました。
作ってる方の姿が絶対思い浮かびますね靴を買う時に。
丁寧な手仕事で履く人に寄り添う神戸の靴。
一つ一つの2014/07/20(日) 04:30〜05:00
NHK総合1・神戸
イッピン「手仕事が生む自分だけの一足〜兵庫 神戸の靴〜」[字]
今回は、兵庫県神戸市の「靴」。靴は複雑な形をしているため、ほとんどの工程に専門の技術を持つ職人がいる。世界が注目するその驚きのワザを、西田ひかるが徹底リサーチ。
詳細情報
番組内容
今回は兵庫県神戸市の「靴」。シューズメーカーがひしめくこの町で作られる靴は、ひとりひとりの足にぴったりフィット!靴はそもそも複雑な形をしているため、ほとんどの工程に専門の技術を持つ職人がいる。世界のバイヤーが注目するオーダーメイド紳士靴の職人は、顧客の足に合わせたきめ細やかな型作りから、仕上げに至るまで、心血を注ぐ。既製品にも、抜群の履き心地を生むさまざまな工夫が!西田ひかるが職人技を徹底リサーチ
出演者
【リポーター】西田ひかる,【語り】平野義和
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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