Crossroad <まつ乃家 二代目女将 栄太朗> 2014.07.05

日本最大級の男性ファッションイベント舞台の華はいずれ劣らぬイケメンたち。
ファンの熱狂は最高潮!とそこに登場したのは…。
なんとも場違いな芸者さん。
観客も戸惑いを隠せません。
男性が主役のはずのこのステージ。
いったいどういうことでしょう。
きれかった。
指先とかすごい…。
謎の芸者さんその正体は…。
こんばんは。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
芸者衆ついであげて。
実はこの方…。
日本で唯一の女形芸者。
そう男の芸者芸者衆にまじって何の違和感もありません。
いい女になったよね。
バカ野郎。
ついてるついてる。
見事な切り替えし。
客あしらいは達人の粋。
もちろん芸も達者なもの。
「さぁさうたうた〜」「や〜とやとやと〜」日本舞踊や太鼓三味線でお座敷を盛り上げます。
芸を見せていただくだけで若返って。
楽しくさせていただいてます。
なぜ栄太朗さんは女形芸者として生きる道を選んだのでしょうか。
化粧の下の素顔に迫ります。
人の行く道は一本道とはかぎらない。
突然岐路が現れ進路を選ぶことで旅路は続く。
この人はどんな道を歩むのだろう?めざましい発展が続く東京品川区。
戦前海辺には料亭が軒を連ね花街としても知られていました。
大森海岸は浅草や新橋神楽坂にも劣らない規模を誇った花街でした。
当時は400人近い芸者がいましたがその後衰退の一途をたどり現在は20人ほど。
栄太朗さんはその一人です。
品川区内にあるマンション。
おはようございます。
おはようございます。
よろしくお願いします。
今日はよろしくお願いします。
ここが栄太朗さんの住まい。
お座敷を離れるとどこにでもいそうな若者です。
ふだん着?ふだん着まあパジャマです完璧に。
家にいるときこんな感じです。
いや妹もいるんですけど基本的には一人。
自宅は芸者衆がお座敷に出るための支度や踊りの稽古などを行う置屋を兼ねています。
栄太朗さんは4人の芸者を抱える置屋まつ乃家の女将でもあるのです。
チン。
(トースターの音)イェーイパンイェイ。
私甘党なんですよすごい。
びっくりするくらい。
甘いの好きなんですか。
甘いの大好きです。
だってうちの人たち皆さんコーヒー砂糖入れないんですよ。
あっそうなんですかブラック。
うんみんな。
いました普通に。
ほんとに普通。
普通な人生歩めてないんじゃないですか?…みたいな言われるんですけど自分にとって自分はすごい普通です。
今いないです。
いたら今日の仕事断って…。
大森海岸の売れっ子芸者だったまりこさんの長男として生を受けた栄太朗さん。
母に連れられ10歳の頃から妹とともにお座敷に上がるようになりました。
自分の子供がいたので男の子ですけども白く塗って座らせとけばそれなりに芸者っぽくなるだろうということでお酌できるわけでもないですし今みたいに。
お話もできるわけではなくて。
楽しいか楽しくないかっていうと楽しくない。
なんのためらいもなく我が子を花柳界に引き入れたまりこさん。
栄太朗さんはそんな母に反発したこともありました。
よくよく休んでた思い出があります。
お客はそんなことはつゆ知らず珍しい母息子娘の芸者トリオは人気を呼びました。
お座敷をつとめる兄の姿を幼い頃から見てきた妹まい可さんは…。
お座敷の雰囲気の作り方って人それぞれだと思うんですけどすごく上手だなって尊敬します。
男性が考えてることを女性よりもわかってるからそのニーズに応えるお座敷が出来るんじゃないですかね。
栄太朗さんが肌身離さず持っているものがあります。
これです。
もう本当にボロボロなんですけど。
納得していなかった芸者の道。
やがて栄太朗さんに転機が訪れました。
まりこさんががんで倒れてしまったのです。
ちょっと入院するから出られないとかじゃその間栄太朗に任せるからよろしくみたいな…。
仮女将みたいなことを二十歳くらいからやらさせてもらって21とか22のときにもうまずいぞと…。
栄太朗しっかりとこのあと頼むというふうになってきていやこれはもうひとつ気持を入れてやらなきゃいけないなというふうに…。
2年間に及ぶ壮絶な闘病生活の末息を引き取ったまりこさん。
栄太朗さんに置屋まつ乃家の未来が委ねられました。
お兄ちゃんもいきなり母からまつ乃家お願いっていわば投げられたような感じじゃないですか。
それだから私にはそうしたくないっていうふうには言ってたんですね。
思いあぐねた栄太朗さんが下した決断は…。
まつ乃家やめますってそのときすごく簡単に言えたんですよ。
お母さんが亡くなったときに。
俺はもう関係ないからあとお前好きにやれよ…っていうふうなことは言えなかったですしお葬式のときとかもいろんなお客さんがたくさん来てくださってあこれはやめちゃいけないなというかどう続けてどういうふうにまつ乃家というのをこの場所に残していくか…。
自分しかできないことだから自分がやろうと思いました。
当時まつ乃家には7人の芸者がいました。
のれんを守るだけでなく彼女たちを路頭に迷わせるわけにはいかなかったのです。
母の遺志を継いでまつ乃家の二代目女将となった栄太朗さん。
女将として芸者としてその1日は多忙を極めます。
ふだん着のまま自転車で向かったのは?鳴り物のお稽古に今から行きますここです。
失礼いたします。
おはようございます。
おはようございます。
はい大きくして。
芸でもてなすからこそ芸者。
太鼓と笛は合わせて鳴り物と呼ばれます。
はい軽く打って。
およそ2時間いっときも休むことを許されない鳴り物の稽古。
二十歳の頃からすでに8年。
もはや名取の栄太朗さんですが前夜のお座敷がどんなに遅くなっても稽古を欠かすことはありません。
人さし指がちょっと外れてしまうんですよ。
ちょっとそれで打ってみてください。
人さし指も当たるようなイメージで。
失礼いたします。
この日は続けて踊りの稽古。
母に連れられわけもわからずつとめたお座敷で見よう見まねで始めた日本舞踊。
いつしか芸者という伝統文化を守ることに使命を感じるようになりました。
とはいえ芸の道は厳しく修練に終わりはありません。
そりゃあもう小僧っ子もいいとこです。
一生懸命やってる姿ってのはなかなか立派だと思いますよ。
稽古を終えたら自宅に戻りお座敷の支度。
日によりけりですけどね15分くらいじゃないですかね。
なんやかんや。
化粧は手慣れたもの。
あっという間に女形芸者へと変身を遂げます。
ここ今戦場ですよ。
今もう忙しい。
いつもだったらあと15分だよって栄太朗さんが怒ってるところです。
ふだんは角生えてる。
生えっぱなし。
血を分けた妹であると同時に抱える芸者の1人でもあるまい可さん。
置屋の女将としてお座敷へ送り出すのも栄太朗さんの仕事です。
最後につける粋なかんざしは芸者の誇り。
栄太朗さんは身も心も芸者になりきっていざ夜のお座敷へ。
目立ちますいつも。
マンションから出てくるじゃないですか。
前お料理屋さんじゃないですか。
なのでそのお料理屋さんでご飯食べてる人とかもな何!?みたいな感じになってますね。
この日呼ばれたのは下北沢の居酒屋。
ではまいります。
声がかかればどこへでも。
それが栄太朗さんのモットー。
お座敷でのおもてなしはまず会話から。
京都の花柳界では芸者がお座敷でプライベートなことを話すのはタブーですが栄太朗さんはあえて逆をいきお客との距離を縮めます。
もちろん自慢の芸も披露。
お客をもてなすために欠かせないのは芸者が一緒になって楽しむこと。
亡き母まりこさんの背中を見て学びました。
(拍手)せえの…お強いいい男!いい遊びだと思いますよ。
だから俺は若い人に伝えたいしいい日本の芸だなと思いますね。
行きましょう。
異色の女形芸者は伝統文化の継承者です。
しかし時代の波に押し流され衰退をたどる花柳界。
4人の芸者を抱える置屋を切り盛りしていくのは大変なこと。
特に新橋・浅草ほどネームバリューのない大森海岸では仕事は豊富にあるわけではありません。
この日は珍しく昼間からお座敷へ。
品川区が主催する屋形船のイベントです。
「行きますよさて」「ぞろりやぞろりやぞんぞろり」「あれかいなあれかいな」「むかしむかしそのむかし」声がかかればどこへでも。
お年寄りの慰問にも積極的に足を運びます。
〜そして地域のカラオケイベントにも。
伝統の芸者文化を守っていくためにはその存在と魅力を伝えていかなければならないのです。
この日栄太朗さんが向かったのはある特別な場所。
今は亡き母まりこさんのお墓です。
芸者の仕事に誇りを持っていたまりこさんはかつて隆盛を極めた花街・大森海岸の復活を夢見ていました。
そのために欠かせないのは残り少なくなった芸者たちが力を合わせること。
母も独立したのが大森海岸この場所なので。
大森海岸全員でみんなで力を合わせて頑張るのも夢です。
自分のやり方を貫くために長年世話になっていた置屋を飛び出したまりこさん。
病床にあっても窓の外を見て咲き誇る桜の下で大森海岸の芸者衆が一緒に踊る姿を思い浮かべていたといいます。
そのことを少しでもやっぱり自分の力でかたちにできる…。
母が果たせなかった夢を実現したい。
そのためにはかつて母が弓を引いた置屋の女将と和解しなければ。
それは勇気のいる決断でした。
この日栄太朗さんはある特別な人との話し合いに臨みました。
仲介者を頼んでまで会うその相手とは…。
母まりこさんが飛び出した置屋皆から一目置かれる花街大森海岸の重鎮です。
去年までは栄太朗さんたちまつ乃家だけで踊っていた亡き母の夢の実現に一歩でも近づくべく由の家の芸者衆にも一緒に踊ってもらいたい。
もしよろしかったらですけれどもお母さんにいろいろ式進行等やっていただきたいと。
ぜひお母さまにやっていただけると場が締まる。
大森海岸の花柳界を盛り立てたい。
思いは同じ。
過去は脇に置いて承諾してくれたのぼるさん。
もちろん今回のことだけで長年のわだかまりが洗い流されたわけではありません。
古い置屋さんのお母さんとか私の母なんかは昔からの芸者でしたし。
ちょっと首をかしげる人も何人かいたんですよ。
あの子のお母さんが生きてる頃に。
やっぱり生き残るためにはしかたがないんだろうなと…。
彼もやっぱりそれじゃいけないと思う気持もあったのかもしれないし…。
1週間後由の家とまつ乃家の合同稽古が始まりました。
しかし…。
まだ早い。
「ちょいちょい」…。
2番目のおじぎは「ちょいちょい」って言ってよ。
由の家とまつ乃家同じ演目でも流派が違います。
異なる置屋の芸者どうしが同じ舞台に立つのは大変なことなのです。
5時間一緒に稽古を重ねてようやく形になってきました。
さくらフェスティバル当日。
いつにも増して念入りに化粧をする栄太朗さん。
今日は母の夢に近づく日です。
会場はビルの谷間に広がる桜咲き誇る公園。
あでやかなのは桜だけではありません。
今年は大森海岸の2つの置屋の初共演が話題を呼んでいたのです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
おはようございます。
あっ待ってました。
会場のスタッフ一人ひとりに声をかける栄太朗さん。
どうしても今日の舞台を成功させたい。
控え室は近くの飲食店。
由の家の芸者衆と息を合わせるために直前まで確認に余念がありません。
突然の雨。
大切な和解の舞台に水をさすことになりかねません。
幸い雨は上がりました。
さぁいよいよ2つの置屋の初共演です。
皆様お待たせいたしました。
由の家さんまつ乃家さんと芸者衆の皆さんによる舞を披露していただきます。
花柳界を残したいという思いで皆さん日々努力を重ねられていらっしゃいます。
ずっとお稽古で明け暮れておりましたので。
みんな今日緊張してると思いますけどね一生懸命やってくれると思いますのでよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
〜まずはまつ乃家だけで踊ります。
〜続いてまつ乃家と由の家の記念すべき初共演。
〜大森海岸の芸者文化を守っていくためには置屋どうし芸者どうしが力を合わせなければならない。
栄太朗さんのそして亡き母まりこさんの夢への第一歩です。
お昼が用意してあるので。
あそうですか。
行きましょう。
お願いします。
これからも上手にね。
でやっぱり大きいお姉さんの言うこともよく聞いて。
それを取り入れていけばきっといい女将になると思います。
応援してます。
栄太朗さんの存在は海外メディアからも注目を浴びました。
大井海岸また新しくこう花柳界というものが根付くようにそれを作り上げてく使命が私にはあると思うので。
それを達成したいなと。
6年後に控える東京オリンピック。
増え続ける外国人観光客を日本の伝統文化お座敷遊びで楽しませたい。
更には芸者文化を世界に伝えたい。
栄太朗さんの夢は膨らむばかりです。
この日のお座敷はロシアからの団体客。
言葉は違っても遊び心は同じ。
芸者のおもてなしは世界に通用します。
栄太朗がいなきゃって言う人がいるかぎり私はまつ乃家栄太朗であり続けますし芸者やめるってことはないです。
男でありながらお座敷をつとめあえて異色の道を行く栄太朗さんを応援します。
いよ〜!2014/07/05(土) 22:30〜23:00
テレビ大阪1
Crossroad <まつ乃家 二代目女将 栄太朗>[字]

東京・大森海岸の芸者置屋「まつ乃家」を営んでいる、日本で唯一の女形(おやま)芸者(男の芸者)、栄太朗に密着。

詳細情報
出演者
【ナビゲーター】
原田泰造
番組内容
日本で唯一の女形(おやま)芸者(男の芸者)、栄太朗は、東京・大森海岸の芸者置屋「まつ乃家」を営んでいる。かつて大森海岸には、最盛期で400人を超える芸者がいた。しかし現在、この地で活動する芸者は20人ほどに…。なぜ、栄太朗はこの地にこだわり、男でありながら芸者をを続けるのか?まつ乃家栄太朗のクロスロードに迫る。
番組概要
様々な分野で活躍する、毎回一人(一組)の“挑戦し続ける人”を紹介。彼らが新たなる挑戦に取り組む今の姿を追う。挑戦のきっかけになったもの、大切な人との出会い、成功、挫折、それを乗り越える発想のヒントは何からつかんだのか?そして、彼らのゴールとは?新たにどこへ向かおうとしているのか…。そんなCrossroad(人生の重大な岐路)に着目し、チャレンジし続ける人を応援する“応援ドキュメンタリー”。
ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/official/crossroad/

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
劇場/公演 – 歌舞伎・古典

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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