SWITCHインタビュー 達人達(たち)「竹内智香×安藤桃子」 2014.07.19

ソチオリンピックスノーボード女子パラレル大回転。
日本人は世界に通用しないといわれたこの種目で見事銀メダルを獲得した竹内智香30歳。
彼女を支えたのはオリンピックで勝つという強い意志。
そして人並み外れた行動力だった。
よりよいトレーニング環境を求めてスイスのナショナルチームに乗り込み一番人気のコーチと契約。
ドイツ語は3か月でマスターした。
マイナー競技ゆえの苦労も多かった。
自ら企画立案してスノーボードイベントを開催。
競技のイメージアップに努めた。
自力でスポンサー集めにも奔走してきた。
100社以上にじか談判。
まさに自分の手で競技人生を切り開いてきたアスリートなのだ。
対するは新進気鋭の映画監督安藤桃子32歳。
オリンピックでも拝見していて…。
世界のトップレベルにいくための努力っていうのはもう絶対に努力しないでいける人はいないじゃないですか。
すごい才能があって天才型だっていわれてもものすごい地道なトレーニングがないと肉体が関わる事だし。
安藤の父は俳優奥田瑛二。
母は安藤和津。
妹は女優の安藤サクラ。
安藤桃子は15歳で単身イギリスに渡り苦労した経験がある。
留学先では人種差別やいじめに直面。
きつ音やチックの症状が出た事もある。
ロンドン大学で美術を学び次席で卒業。
27歳にして映画「カケラ」で監督デビューを果たした。
主演の満島ひかりに監督安藤桃子について聞いてみると…。
ハンサムな女の人。
普通の映画監督の中に入るのは不思議な感じがしちゃう。
映画の中で。
エロティックの方じゃなくて…アスリートと映画監督によるアラサー女子トーク。
決勝でワ〜ッといってる時の…そっか分かるんだな。
今明かされる…思い込んだら突き進む突破力。
誰々かっこいいみたいな感じで。
…とかもうず〜っとこの役者の芝居がああだこうだとか…。
芸能一家で育つのも大変なんです。
何かド〜ン!ドキ〜ンっていう。
ほれた相手は映画だったのです。
ソチオリンピックから4か月余り。
銀メダリスト竹内智香は4年後に向けたトレーニングを既に始めていた。
ウインタースポーツのアスリートにとって夏場は体幹を鍛える大切な時期。
完璧。
うん完璧今。
脇腹や内ももなど日常生活であまり使わない筋肉を鍛えていく。
オフシーズンの地道なトレーニングが雪の上での安定感につながる。
これは肩甲骨を意識したトレーニング。
せ〜の。
はいゆっくり。
123。
はい423。
オーケー。
10回できるって言わなきゃよかった。
あ〜。
本当はここからこういうふうに…多分それがない。
スノーボードでも自分ができない滑りっていうのを……と言ってたのでそのイメージ力っていうのはものすごく強いものを感じてますね。
竹内のトレーニングの様子を見学するのは映画監督の安藤桃子。
朝8時からみっちり2時間竹内は27種類のメニューを次々にこなした。
(2人)よろしくお願いします。
さっきずっと陰からのぞいて…ストーカーのようにちゃんとご挨拶もせずに見させて頂いたんですけど。
こちらこそわざわざ見に来てくれてありがとうございました。
スポーツ見るの大好きで…結局ストイックになり過ぎちゃって腹筋が割れてきたとかフ〜ッて。
すごい。
言われて確かに何なんだろう?やめといた方がいいかもと思って追求し過ぎちゃうので…。
でもそのストイックさ羨ましいです。
そう思ってしまうので。
私は何を目指しているのもないから逆にストイックになれるのかもしれないですよね。
でも目指しているものがないのにそんなに追い込めるってすごいですよね。
(笑い声)私は勝ちたいから頑張るっていう目標があるけど。
(実況)さあ緊張の予選1本目。
竹内智香にとってソチは4回目のオリンピックだった。
予選を断トツ1位のタイムで通過。
(解説)非常にいい仕上がりですね。
(実況)すばらしい滑り竹内智香。
8人が滑ってトップです。
決勝トーナメントは1対1の対戦形式で行われる。
全長650mのコースに設けられた25本の旗を通過しながら速さを競う。
赤青2つのコースを1度ずつ滑り2本の合計タイムで勝敗を決める。
決勝戦はスイスのパトリツィア・クンマーとの対戦だった。
(実況)竹内智香30歳迎える決勝1本目。
この日は雪質が硬くタイムが出やすいコンディションだった。
竹内が1本目に滑ったのは赤コース。
(実況)レッドコースが竹内智香。
ここまでの戦いではこの終盤に差をつけるというレースを見せてきました。
(解説)両者お互いに実力が分かっていますから決して無理はしてこないと思います。
(実況)1本目ではなく恐らく2本勝負になるか。
(解説)いいですね竹内選手。
(実況)少しクンマーがバランスを崩したようにも見える。
その差はどうか!?先着竹内!1本目竹内先着!0秒30の差。
(解説)見事ですね〜。
(実況)世紀の瞬間。
ソチオリンピックスノーボードアルペン男女パラレル大回転決勝トーナメント。
金メダルを懸けた決勝2本目。
青コースの竹内は0秒3速くスタートする。
(実況)クンマーに先行してスタートをしていきます。
さあ運命の瞬間。
50秒ほどで決着がつきます。
竹内智香金メダルへ!
(解説)よし行け!
(解説)さあここは落ち着いていきたいですね。
ここを焦ってはいけませんよ。
(実況)安全に行く。
クンマーも無理はしていない。
急斜面から…。
(解説)この辺りから勝負ですね。
(実況)安定感のある滑りも見せている。
予選1位の竹内智香。
おっ並んできた。
並んできた!2本目前に行ったのはクンマー!ただここから速いのが竹内。
あ〜っ転倒!竹内智香敗れる!クンマーが金メダル!逆転を許してまたクンマーには勝てませんでした。
ただ…ただ誇らしい。
見事にスノーボード女子初のメダル獲得は銀メダル!
(解説)いや〜メダル獲得でもお見事です。
おめでとう。
(実況)健闘をたたえ合うクンマーと竹内智香。
宿命のライバルが抱き合って今健闘をたたえ合いました。
悔しい!何度見てもこれは今やってるものではないというのが分かるんですけどウワ〜ッて力が入ります。
実際にこのオリンピックやった…そこばっかりに気持ちがいってたんですけどこうやって改めて映像を見させてもらえばもらうほど…悪い癖ってどんなところ?転んだ時の原因は完全に慌ててしまって普通上半身と下半身一緒に板とくっついていかなきゃいけないんですけど焦って上半身だけ次に行ってしまって板が押さえられなくてああいう転倒につながったんですけどもそれ以外に…簡単にっていうのはおかしいですけど予選タイムもすごいよかった分相手に与えてたプレッシャーというのも大きくて結構相手は「やばい智香だ。
タイム予選も速かったし」というので…そんなに頑張らなくても勝ち上がれてたんですけど…。
(実況)先着した方が勝ち。
分かりやすいルールです。
(解説)しかし竹内選手安定してますね。
(実況)かなり攻めてきている。
イナ・メシク失敗!
(解説)転倒です。
(実況)転倒があった瞬間に銀メダル以上確定!
(解説)すばらしい!
(実況)竹内智香30歳。
ソチオリンピック日本の女子初めてのメダル!決勝になった時にやっぱり力が互角の選手になって…一回も攻めて滑ってないんで。
コーチも私の攻めた滑りを見てないからそういうフィードバックができなくてコースが入れ代わった時に結構…その時に「あれ?」って思って赤コースタイムこんなに伸びたんだっていうのを…。
で今思うのはコースにもう一人二人スタッフがいてくれてコースの情報とかも上げてくれてたらまた違ったのかなって全て「たられば」の世界なんですけどもでも詰めれる所ってまだあったような気もしますし。
スノーボードアルペンで日本人選手がオリンピックの表彰台に上がったのは男女を通じて初の快挙だった。
しかし表彰台の竹内に笑顔はなかった。
直前のワールドカップの総合ポイントは1位タイ。
金メダルは十分射程に入っていたはずだった。
うわ〜しかもさっきお尻…うわっ重っ!お尻の下に置いてましたフフフ。
やばいぞ〜。
そしてよくある感じでかけてみていいですか?どうぞ。
本当に?すごいよ〜やばい。
これもらった時は?まあでももらった時もその日はほぼ悔しさの方が大きくて……という事ばっかり自問自答していて。
本当は今回のオリンピックが最後って自分の中で決めていて…金メダルを取ったら本当に自分の集大成と目標をクリアーしたっていう本当に全てにおいて満足に完全燃焼できたと思うんですけど…。
こんなにやって取れなかったんだから自分の実力のなさなんだなと…達成感どっちかだなって思ったら全く想像もしていなかった銀メダルだったので…。
すごい中間みたいな。
ですごい中途半端なところにいるなと思って…でもだんだんと応援に来てくれた人たちがすごい喜んでくれてるのを表彰式から見えたりとかあとはすごいたくさんの応援メッセージとかメールとかもくれてすごい喜んでくれたんだなというどっちかと言うと…そうですね本人としてはね…。
金がよかったです。
すごい飛びますけどこの本読ませて頂いたんですけどちっちゃい時に…学校の先生がご両親に電話をして…言ったっていうのがありましたけど。
降りてこないならそのままでいいですからっていう感じで。
でもやっぱり木登りはすごい好きで休み時間に上がったらそこは自分のエリアっていう気持ちがあって大好きでしたね。
それって何か勝手な勘ぐりですけどてっぺんじゃないですか。
山の頂上とかそういうのってあるんですかね?う〜んでもやっぱり子ども心にも…という記憶が残っていて上がれば上がるほど枝も細くなっていって安定感もなくなっていく中で…好奇心で上がってたのかなっていうそういう気持ちが今も何となく覚えてます。
もしかして…いや〜どうなんだろう?私ちっちゃい時に…。
確かにね。
SとMは両方混在してるんでしょうね。
強烈なものが。
自分を痛めつけながら「まだだまだだ」みたいな。
よくあるじゃないですか。
「トイレの花子さんがいる」とか。
そういう時に私は…夜怖い音がしたらそのまんま我慢できずに誰よりも怖いんですけど見ないといられないみたいな。
その恐怖と見たあとの安ど感みたいな。
意外と。
お化けの場合は友達を送り込みます。
竹内は1983年北海道旭川生まれ。
2〜3歳からスキーに親しんだ。
父は馬術でオリンピックを目指した事もあるスポーツマン。
3人の子どもには1人でいいからオリンピック選手になってほしいと常々言っていた。
父の願いどおり竹内は高校3年でソルトレークシティオリンピックに出場を果たす。
この時は予選落ちだった。
4年後22歳で迎えたのがトリノオリンピック。
(解説)さあ竹内のスタート。
あっいいですね!もうエッジの切り返しも十分うまいですね。
ソルトレークの滑りとは大きく変わってますね。
(実況)あ〜ブルーコース転倒です。
(解説)智香の1人旅です。
(実況)リーグラー転倒!さあタイムはどうか!?竹内21秒台で来ました!この時点でトップ!今度は予選を通過し決勝トーナメントに進出。
結果は9位だった。
本当に訳分からずレースをどんどんどんどんこなしていった先にオリンピックというものがあって出場権が取れて…もちろんすごい緊張もして頭の中も真っ白になって場違いなとこに来てしまったなと思ったのが最初のオリンピックで。
でもその時に4歳先輩の上の選手が日本人として初めて決勝に残ってくれてそれを見た時に…今までは「日本人は決勝に残れない。
厳しい」って言われ続けてきてたから私も決勝に残る事を目標には挙げなかったんですね。
それができないものだと思って。
でもそれを見せてくれたからもう4年頑張ろうって思えて…その時は決勝を目指して…その時に初めて出場する事が目標だったソルトレーク決勝に行く事が目標だったトリノオリンピックってクリアーはできてるんですけどどこか一つ…今思うと?はい。
そう。
トリノからバンクーバーの4年間スイスに行くんですけども。
このまま日本で練習を続けていてもオリンピックでは勝てない。
そう考えた竹内は世界の強豪国に練習に参加させてほしいと何度もじか談判。
スイスのナショナルチームから参加を許される。
チームに残るにはドイツ語をマスターするように言われた竹内は独学で猛勉強を開始。
一日も早く日常会話を身につけようとトレーニングのかたわら住み込みでベビーシッターもした。
何だろう…メジャー種目だったらそんなに自分からどんどん行かなくてもある程度環境が準備されて…門をたたきまくったんですねしつこくしつこく。
そうですね。
それはもちろんすごく理解もできたし納得はできるんですけど…コーチが折れて「じゃあ夏の2か月だけおいでよ」というのが1シーズンになり2シーズンって…。
最終的に5シーズンいさせてもらいました。
だって向こうにとっては何の利益にもならないっちゃならないですもんね。
日本人選手をスイスのチームで…。
でも「2か月間だけおいで」って言われた時点で…どうやったらなれるんだろうって考えて…チームの子が例えば合宿が多いので共同生活もするので嫌な仕事だったり片づけだったり部屋割りどこの部屋入るかとかそういうのも…そういうのも考えたりあとは一番はトレーニングパートナー。
そこでいいタイムを出したら…そういうふうに必要とされようって思ってやってました。
そうですよね。
そこはでも結構日本人のいいところかもしれないですよね。
調和を…入ったからにはいいバランスを。
でも最初はよかったんですけどだんだん…例えば自分がいい部屋が欲しいんなら欲しい。
自分が掃除したくないんならしたくない。
…で交代制にしようとかちゃんと言うといいよって。
それをイエスマンでやり続けるのは逆にチームにとってはよくないからというふうに言われて。
そっちに集中すればいいって言われてから考え方が変わりました。
竹内はスイスで急成長を遂げる。
2008年から2009年のワールドカップで総合3位に入りバンクーバーオリンピックでのメダル獲得が大いに期待された。
(実況)リゲラーが0秒79のマージン。
リゲラースタート!0秒79の差を追って竹内スタート!さあ追いかけたいですね。
おっとちょっとバランス崩したか?
(解説)まだ大丈夫ですよ。
さあ行け!スピード乗ってますよ。
(実況)赤コース徐々に差が縮まってきた!縮まってきた!並んだ並んだ!竹内並んだ!
(解説)もう少しだ!
(実況)おっと〜!ちょっとバランスを崩した!あ〜!竹内コースアウト〜!まさかのコースアウトで13位に終わった。
バンクーバーの時は…すごい精神状態がよくない反骨精神の状態でスタートに立ってて…オリンピアンとして…純粋に勝ちたいって集まっている選手たちが来てほかの国をちゃんとたたえ合っている人たちが表彰台に立てるんだなって思った時に日本人としての在り方であったり何で自分が日本人として生まれてきたのかとかそういう事をしっかりと考えるようになって…。
どうしよう…。
もう私完全に怒りの柄があってそこに刀が差さってるんですね。
ニュース見たりいろんな世の中の動きを見てて…シャキ〜ン…。
でもやっぱり日本に帰ってきたら「何で日本はこうなんだろう?何で日本のスポーツの環境はこうなんだろう?」ってイライラしてくるとふとした時に「あっ自分性格悪くなってる」って思ってそこで怒る体力性格悪くなってしまうその負の要素を自分で持っちゃうんなら…できるだけ転換するように…。
バンクーバーオリンピックで13位に終わった竹内。
4年後のソチを目指すためにはスポンサーを探し競技環境を自分の手で整えていく必要があった。
ある日竹内は一つの新聞記事に目を留めた。
広島県が冬期観光事業に2,000万円の予算をつけるという。
すぐさま竹内はスノーボードイベントの企画書を書き上げ広島県庁に持ち込んだ。
県内のスキー場で世界のトップ選手とも交流できるイベントを行う。
竹内のアイデアは採用され広島県観光大使に任命された。
ワールド・スノーボード・フェスティバルは大成功。
世界各国のメダリストたちが集まった。
スイス時代の人脈が生きた。
こうした活動がきっかけとなりスポンサー獲得にもつながった。
自ら動き働きかけた成果だった。
スノーボードの開発にも乗り出した。
滑りを追求すればするほど既存のメーカー品では飽き足らなくなった。
たどりついたのは層を重ねて通常より重くしたボード。
新潟県の工場に依頼し念願の国産化を実現。
ヨーロッパの選手にも愛用者は増えているという。
コーチも最高の人材を数年掛かりで口説き落とした。
強豪国オーストリアのコーチとして数多くのメダリストを育て上げメダルメーカーと呼ばれていたフェリックス・スタドラーと個人契約を結ぶ。
コーチは竹内に言った。
滑走技術だけで言えば既に世界トップレベルにある。
あとは体力強化。
そして最も大切なのは国を代表する覚悟だ。
竹内の著書にはコーチから繰り返し言われた言葉が記されている。
この言葉を胸に竹内はソチのスタート台に立ったのだ。
(実況)竹内智香30歳。
迎える決勝1本目!オリンピックの時もいろいろ夜中まであの時はほとんど徹夜状態で家族で見てたんですけどピ〜ッて音が鳴るじゃないですか。
一緒に何かトレーニングをしてる気持ちで…でもその緊張感はプレッシャーとかではなくて…あそこに立った時のドキドキ感とか4年間やってきたんだというその思いが好きでだからいつもオリンピックって楽しいんだなっていう。
だからそんなに…それなんだよな。
いい意味で課題というか今後あそこまでいったらこういう事もあるんだなみたいな新しい発見もあったという事…。
やっぱり4年間どういうふうに過ごしたらそのメダルまで照準合わせられるかっていうのを知れたからそういう意味ではこの4年間の経験はすごく大きかったんですけどでもやっぱり4年ってすごい長いので…。
長いですね。
4年間また同じようにトレーニングしてまたいろんな多分マテリアルであったり…それにちゃんとやっていけるのかなとか…。
そっか。
競技自体も進化していくって事ですね。
ボードのあれとかね。
進化しますし結局このオリンピック終わってからの4か月間こういうふうにテレビのお仕事であったり講演とかイベントとか行事いろんなものに出させてもらって感じたのが…へえ。
できる事ならもう二度と練習したくないという思いでソチのシーズンを過ごしてやってきたので…諦めない気持ちってすごい大事なんだなって思いましたね。
後半は舞台をスイッチ。
2010年に公開された安藤桃子監督27歳のデビュー作「カケラ」。
「よくあるんですか?知らない人に声かけるの」。
「気になっちゃって。
あなたがかわいいから」。
恋人はいるがどこか満たされない女子大生と事故や病気で失った体のパーツを作るメディカルアーティスト。
女同士の恋とも友情ともつかない微妙な関係が描かれる。
海外の映画祭でも高い評価を得た。
扇風機やら何かいろんなものがたくさんありますけど。
ここは何やるとこですか?この映画撮影所は助監督として修業した場所。
そうそう。
一軒家とかあの中に建てたりして。
すごい。
何かもっと近代的なのかなって思ったら結構時代感じる。
ありそう。
確かに。
八百屋さんあったとしても…。
魚とか売ってそう。
撮影所内には音の仕上げ作業を行うスタジオもある。
それをとっといて本当の音に足したりするんですけど。
よいしょ。
どうぞ。
お邪魔しま〜す。
わ〜すご〜い!あっ映画館だ。
ここは近代的。
へえ〜すごい。
ここで映画見れるんですね。
ここで映像を…これとってもぜいたくな仕上げのしかた。
こういうとこで映画見たい一人で。
そうなんです。
でも私日活に…何でですか?よ〜いスタート。
(カチンコ)安藤が初めて映画の現場に触れたのは父奥田瑛二の監督作品だった。
カット!カット!OK。
最初は美術スタッフ見習いとして参加。
以来6年間助監督として撮影現場を走り回った。
一つの映像を作り上げるのに…。
もちろんスポーツもたくさんの人たちの協力があって。
大会運営とかいろんな人たちの力があって大会があるけど映画もすごいなって。
こういう機材とか見ても音一つ作るのも本当すごいんだなって。
最終的に一つの作品にするためにこういうスタジオにも入ってもう細かい音までここで聞きながらもう全ての要素が…。
だって最大の嘘ついてる訳じゃない?もちろん現場でやった事が全てだと信じてやるんだけどもそこから更によくするために…映画の最後の。
そういう細かい全ての作業があってやっと劇場でかけられる。
もう映画の事言いだしたら私ね止まらないんですけど。
「皆さ〜んこんばんは!こちらにお住まいになられる…」。
安藤桃子監督の最新作「0.5ミリ」。
祖母の介護体験を基に書き上げた小説を自ら映画化した。
介護ヘルパーサワを演じるのは妹安藤サクラ。
「サワちゃん。
寝てやってくれない?」。
「は?」。
「おじいちゃんと寝てあげてほしいの。
だから寝てあげてほしいのよ。
お布団敷いて一緒に」。
「セックスしてほしいって事ですか?」。
「違うわよ!」。

(うなり声)「おかあちゃんのおっぱいが恋しいんだって」。
職を失い無一文になった介護ヘルパーのサワ。
(サワ)「私がセーラー服着てあげようか?私が着てあげるからその本出そっか」。
生活のため町で出会った老人たちの弱みにつけ込み押しかけヘルパーとして生きようとする。
最初は困惑し警戒する老人たちだがサワの人柄に触れるうち心を開いていく。
「サワちゃんありがとうね」。
32歳の安藤がなぜ介護をテーマにしたのだろうか。
「0.5ミリ」の映画見させて頂きました。
恐縮でございます。
長尺ありがとうございます。
最初の15分くらいが結構衝撃的で。
「え?」と最初思って。
今まで介護とかもした事ないしおじいちゃんも病気で亡くなってるのでそんなに介護ってほどでもなくてこういう世界もあるんだって思うと…。
意外とね多分介護っていつか誰かに訪れるっていうものだなと感じて。
8年…。
祖母の介護をして家族みんなでみとったんだけど最終的に。
どっかしらで経験する事。
例えば結婚した相手の両親とか意外と身近で。
何だろう…それこそいきなりオリンピックの…。
「スタート!」みたいなスタート地点に立たされるようなぐらい…人の最大の矛盾というか…映画に出てたサワさん妹さんのサクラさんなんですね。
そう。
フフフフッ。
でも桃子にサクラって名前がすごいですよね。
2人ともピンクピンクみたいな。
桃子とサクラでしょ。
小学校の時はちょうど…みんなすごい「さくらももこさくらももこ」って言われてて…。
お父さんそれを狙って…。
狙ってない。
全然「ちびまる子ちゃん」以前に付けた。
先輩です。
先輩です。
オリジナル。
何で妹さんを起用したんですか?やりにくくなかったですか?それがね…本当に私妹がミューズというか本当に宇宙一大切な存在で小さい頃から。
4歳離れてるんですけどサクラが多分8歳か10歳ぐらいの時かな?スケートボードに乗ってる男の子が私はかっこいいと思ってて妹よりも弟が欲しいと思い始めてとにかくサクラの髪の毛をショートにしてスケートボードに乗ってそうな腰パンの格好男の子の格好をさせまずは理想の弟を作り上げた。
「誕生日プレゼントはスケートボードが欲しいって言え」って言ってスケートボードを買い与え「それを乗れるまでやれ」って言って毎日駐車場で練習させ…だから今考えたら…。
この関係性ができてたかもしれないと思って。
そしたら2作目でできたっていうのはものすごく私としてはうれしい事で。
やりにくいっていうよりも…言わなくても?うん。
言わなくても。
安藤桃子は1982年俳優奥田瑛二と安藤和津の長女として生まれた。
小さい頃から絵を描く事が大好き。
男の子も真っ青の野生児だったという。
売れっ子俳優として活躍する父。
その存在は強烈だった。
何でですか?例えばトレンディドラマを楽しみたいじゃない?笑いながら誰々かっこいいみたいな感じで。
なのに見てると「おい!引けカメラ!何でそこ…ああっ!ここで編集タイミング早すぎんだよ」とかず〜っと「この役者の芝居がああだこうだ」とか何か専門的な評論をずっとするんです。
野球中継みたいにビール飲みながら「ああっ!」。
そういう事を別に聞きたくないでしょ。
こっちも静かに見てるのに…「こっちのドラマの方が役者の質が高い」とかそうじゃなくて私はこの人がかっこいいから見たいんだ。
芝居は関係ないみたいな年頃なのに言ってきて…。
10歳の時父は言ったという。
「どうやって食べていくか決めろ」。
安藤は「絵を描いて生きていきます」と答えた。
中学卒業と同時に親元を離れてイギリスに留学。
ロンドン大学に進学し美術を学んだ。
9年間のイギリス生活で得たのはもの作りのエネルギーだった。
イギリスの国立の大学だったんですけどそうすると本当階級社会でどん底を見てきた人。
それも例えば…そこで国立大学に入って芸術を学んでいるとか。
すごくつらい…逆に超ド級の…そんな中でそれこそ…この力は私には出せないと思ったらすごい敗北感というか負けたと思っちゃったんですね。
その時に同級生の親友が彼すごくつらい人生経験を送ってきていてその彼と話した時に…桃は愛を知ってるから…やっぱり衝撃だとかつらいものを見せられたりすると記憶に刻まれるじゃない?でもそうじゃなくてもっと…何か学べたって。
あとは多分生まれてきた時に選べない事がいくつかあってその中の一つって国籍だったり親もそうだしっていうのはいつもいつも思ってる事なんですがあと性別とか。
そのうちの一番大きな…イギリス人に近づいていこうという意識よりもどんどん日本人として燃え上がっていったというか。
最終的には強い思いとして持てた。
イギリスに行ったのは一番大きかったかな。
大学の夏休みに帰国していた安藤はたまたま映画の撮影現場を手伝う事になった。
父奥田瑛二が初めてメガホンを取った「少女」。
その経験が画家を目指していた安藤の人生を大きく変える事になった。
本当くさい言い方ですけど…出会ったらド〜ンと雷に打たれたようにこんな大人が大の大人が命懸けで本当に死に物狂いで一つのものを作っているっていうこの環境で絵は自分一人で描けるけどもう総合芸術。
みんながいて監督がいてある意味でのピラミッド制度というか…何か古いしきたりの上でいまだに作っている現場があるっていうのを知ってこの仕事をしたいというよりかは…この恐怖どうしたら成仏するというか成就できるかこの思いが両思いになれるだろうっていうところから入ってだからもう逃げられなかったんですよねきっと。
そんな思いから。
好きで好きでしょうがなかったみたいな。
ほれた!ド〜ンドキッていう…。
でも好きになったからといって監督になれる訳じゃ…。
そうなれる訳じゃないからそこからがどうしたら映画の世界に一歩でも近づけるかと思って現場を知る事が大事だと私にはそれが合っていると思って助監督を始めて…。
それはそれは何とも…女を捨ててじゃないですけど男社会だったんですね入ってみたら。
「女のくせに映画撮れる訳ねえだろ」っていまだに言う輩がいるんですね。
「体力がないからできる訳がない」とか「邪魔!」みたいな。
でも今結構女の人の方が注目されてますよね。
今女の方が強くなり過ぎちゃってどこでも男の人がビビッてる。
それこそスポーツとかも結構男社会っていうところも…縦社会か。
縦社会ですね。
どちらかと言うと。
「うっす!」みたいな。
私はそれで納得できないとどうしても聞いちゃうタイプ。
「何でこうなんですか?」とかすごい聞くとやっぱりコーチとか先輩は嫌がりますよね。
「黙ってやってれ」って…いうのがあって何回かコーチとも衝突する事もありましたね。
私も言っちゃうタイプなんですね。
デビュー作「カケラ」の原作は桜沢エリカの少女漫画。
新人の女性監督に撮ってほしいと安藤に白羽の矢が立った。
監督の安藤はスタッフの中で最年少。
同世代の女優たちと繊細な世界を作り上げた。
女同士なのですごいんですよケンカが。
わ〜って言って「こんなんじゃ私芝居できない!」とか言ったら「じゃあもう映画終わってやる!」みたいな。
もう…「私も撮らない!」とか言って。
「監督が放棄してどうするんですか!」みたいな。
「でもあんたもやらないんでしょ!?」「やらない!」みたいな…「もういい!」みたいなのが2人であって…いうのとかもあったし。
無視。
結構無視されてました。
現場で。
相手役だった中村映里子ちゃんって女の子に対してはもう手取り足取り…顔の向きとか丁寧な。
私は無視。
それによって…でも顔つきとかはぼんやりしてくるんですよ。
監督業をやってるとそういう監督のお父さんがいた事によってよかった事の方が多いですか?うん。
結局父親という存在と映画監督という師匠というか先輩としての存在が私の中で2つ全く交わらずに存在していて父親ってとこに持ってったらもうストレスになるんですよね。
でもこう監督として見たら大尊敬。
意外とスイッチがあって。
常に監督としてっていう方で見てるとちっちゃい事でイライラしないで済むっていうか。
私は父親としてしか見れなくてもうスノーボードの事まず話はほとんどしないし競技についてアドバイスしてくる事はまずないんですけど…ムカ〜ッてね。
「何が分かるんだ」って。
そうなるもん!父親って考えてそれを受け取るともうそこら中のものを投げたくなるぐらい自分の中で何か傷つきますよね。
2作目の映画「0.5ミリ」。
全編高知県を舞台に撮影された。
通りがかりの住民もどんどん巻き込む。
何て言いますかね?えっ?先生が通りかかったら?近所の人…。
近所の人やったら「あら先生」って言いますかね。
OK!じゃあそれで。
「あら先生」で。
こんな事になっちゃって…。
よ〜いはい!高知に魅了された安藤は撮影後東京から高知市に移住してしまった。
安藤は現在高知市の依頼で土地の魅力を伝えるプロモーションビデオの制作に取り組んでいる。
今だったらいけるんじゃない?この日撮影にやって来たのは市街地から車で1時間ほどの渓谷。
あ〜お疲れさまです!ありがとうございます!安藤の呼びかけに応えて漁業や農業などそれぞれの立場で町おこしに取り組んでいる若者たちが集まった。
いくぜ!乾杯!
(歓声)人食酒そして豊かな自然。
それらをドキュメンタリー風に切り取っていく。
ついこの間高知県に滞在4時間してきたんです。
4時間!足りないよ!あそこはね夜も楽しまないと。
高知は日ざしが…4時間の間に分かったかどうか分かんないけどものすごい日ざしが刺すように強い県でシャキ〜ンみたいな。
「チリチリ痛いぜ」ぐらい光が強くて…って事は影も濃く出る。
それで人と出会ってくうちに人も…何て言うんだろうな人も平均所得が…今年どうだったかな。
この間47都道府県中47位に沖縄を抜いて…。
えっ悪いって事ですか?そうです。
それをね自慢してくるんですよ。
中途半端なら最下位がいいって…。
最下位がいいって。
そういう場所っていう事は…振り幅が大きい人間性が高知県民なんだなと思ってこの場所だったらすごくいい映画が撮れると。
…でそこで撮影する事に決めて。
決めてしばらくして気付いたら何か好きになってたみたいな感じじゃないですけど本音しか言わないんですよねあそこ。
だから多分合ってると思う。
今度長く滞在してほしいなと思うけど…。
本音しか言い合わないし…日本と外国のスイッチってありません?あります。
超ありますよね。
そんな2人に聞いてみた。
女子力についてどう思いますか?女子力…。
女子力ありますか?女子力って何なんだろうって。
ただきれいにお化粧してきれいに着こなしてごはん作れてとかそれが女子力なのかなって。
それが女子力ならないと思うし…。
でも何だろう?私は日本人の女の人のよさってやっぱり人を立てる事ができたりとか何だろう?きめこまやかさとかそういう事ができるのが日本の女性のよさだなって思うから…でもやっぱり着飾ったりとか…何だろう?そう!多分必要か必要じゃないかしかないと思うんですよね。
あれですよね。
女子力は自信ないけど…次はまた違う形で成功して。
はい。
お互いに。
外国で会いましょうか。
外国で。
スイスとイギリスで。
映画監督安藤桃子32歳。
雨が降ろうとやりが降ろうと大好きな映画の現場に立ち続ける。
自分にしか撮れない瞬間を探して。
スノーボードアルペン選手竹内智香30歳。
このあと雪を求めてスイスでのトレーニングに向かう。
4年後の韓国ピョンチャンオリンピック。
竹内の目は金メダルだけを見据えている。
2014/07/19(土) 22:00〜23:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「竹内智香×安藤桃子」[字]

ソチ五輪銀メダリスト竹内智香と新進気鋭の映画監督、パワフルなアラサー女子トーク!4度のオリンピック、金メダルを賭けた決勝の舞台裏から、海外で生き抜くコツまで。

詳細情報
番組内容
「日本人には無理」と言われたスノーボードアルペンで初の銀メダル。竹内智香は、スイスチームに直談判して練習に参加し、住み込みベビーシッターでドイツ語を習得、自らスポンサーを集めボードも自作するなど、競技人生を切り拓いてきた。一方、奥田瑛二・安藤和津を両親に持つ安藤桃子も、留学先のロンドンで人種差別やいじめに直面しつつ、「映画」という「恋の相手」に出会う。周囲を巻き込んでいく真の「女子力」とは?
出演者
【出演】スノーボードアルペン選手…竹内智香,映画監督…安藤桃子,満島ひかり,【語り】吉田羊,六角精児

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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