イスラム過激派に国土の広い範囲を制圧されたイラク。
政府側が反撃に出ているが、決め手に欠き、一進一退となっている。
その現地に、JNNの記者が入った今ご覧いただいている道を30kmほど行けばそこはもうモスルです。
イスラム過激派の支配下にあって、イスラム国家という新しい国をつくったのだと宣言された街でもあります。
そしてこちらご覧ください。
戦闘を避けて多くの人たちが避難してきています。
テントが建ち並んでいます。
イラク北部クルド人自治区の入り口。
逃げてきたものの、身元引受人がいないため自治区に入れない人たちは45度の灼熱の中、テント暮らしをしている。
当初はイスラム過激派のイスラム国家の攻撃や支配から逃れてきた人がほとんどだったが、モスル近郊に住んでいたこの学生は政府軍の空爆から逃れてきたのだと言う。
マリキ首相が反転攻勢を宣言してから20日あまり。
中部の要衝ティクリート周辺や最大の石油精製施設のあるバイジなどでは攻防戦が続き、政府軍の進撃も伝えられるようになってきてはいる。
しかし決め手に欠き、アメリカのデンプシー統合参謀本部議長はイラク軍単独では制圧された地域の奪回は無理だろうとの見方を示している。
第二の都市モスル近郊でイスラム過激派との戦闘に敗れて逃げてきたイラク政府軍の兵士らの話からは、軍の態勢や士気が万全でなかったことがうかがえる。
この日の未明、クルド自治区アルビルの空港の建物では、たくさんの人が床に寝ていた。
イラク政府が逃げてきた人をただで南部の安全な地域に輸送することを決めたため、人々が押し寄せたのだそう。
イラクの混乱がおさまる気配はない。
将来の世代から2014年7月1日がそう見られないことを祈るばかりです。
集団的自衛権については、後ほどの「特集」でお伝えしますが、続いてはこちらのニュースです。
FIFA・W杯は準々決勝です。
開催国のブラジルは、コロンビアと対戦し試合には勝ちましたが、エース・ネイマールが負傷し、今後の出場は絶望となりました。
史上最多6度目の優勝を目指すブラジル。
前半7分、ネイマールのコーナーキックをキャプテン、チアゴ・シウバがゴールに押し込み先制する。
前半を1−0で折り返すと後半24分にはフリーキックのチャンスにダビド・ルイス。
勝利をたぐり寄せる貴重な追加点を奪う。
しかし後半33分、コロンビアに攻め込まれると…得点ランキングトップを走るハメス・ロドリゲスにPKを決められ、1点差に迫られる。
エース・ネイマールにゴールの期待が高まるが、厳しいマークに遭い、思うようなプレーをさせてもらえない。
そして後半40分、アクシデントが激しいチャージを受け、立ち上がることができないネイマールはそのままピッチを後に。
それでもなんとか逃げきったブラジルは2−1でコロンビアを下し、3大会ぶりのベスト4進出を決めた。
試合後、ネイマールはすぐに病院に運ばれ検査の結果、脊椎を骨折。
チームドクターは準決勝以降の出場が絶望と語った。
準々決勝網1試合はフランス×ドイツのヨーロッパ対決。
前半13分、ドイツがフリーキックから貴重な先制点を奪う。
最後まで1点のリードを守り切ったドイツが勝利。
準決勝ではドイツと開催国ブラジルが対戦する。
福岡県筑後市のリサイクルショップ経営の夫婦による殺人事件で、これまでに見つかっていた2人とは別の人物の骨が見つかっていたことが捜査関係者への取材で新たにわかった。
福岡県筑後市でリサイクルショップを経営する中尾伸也容疑者と妻の知佐容疑者は2004年、従業員だった日高崇さんを暴行の末に殺害したとして先月、逮捕された。
伸也容疑者の実家の庭からはこれまで日高さんのほか、別の従業員の骨の一部が見つかっていたが、さらに、近くの川から2人とは別の人物の骨が見つかっていたことが捜捜査関係者への取材で新たにわかった。
夫婦の周辺では複数の人が行方不明になっていて警察は、新たに見つかった骨は行方不明者のものと見て鑑定を急ぐとともに、夫婦が何らかの事情を知っていると見て調べを進めている。
今朝、岩手県で強い地震があり、宮古市で震度5弱を観測した。
3年前の巨大地震の余震と見られている。
今日午前7時42分頃、岩手県沖を震源とする地震があり宮古市で震度5弱を観測したほか、盛岡市など広い範囲で震度4を観測した。
この地震の影響で三陸鉄道北リアス線は線路点検のためおよそ7時間半にわたり全線で運転を見合わせた。
地震によるケガ人はいなかったが、宮古市内のスーパーでは、多くの商品が棚から落ち、ワインの瓶が割れるなどした。
気象台によると、この地震は3年前東日本大震災を引き起こした巨大地震の余震と見られ、今後2〜3日は震度4程度の地震が起こり得るため引き続き注意が必要。
メンバーらが男に切りつけられた事件の影響で中止となっていた人気アイドルグループ、AKB48の握手会がおよそ40日ぶりに再開された。
AKB48の握手会は今年5月、岩手県で行われたイベントで、2人のメンバーらが、のこぎりを持った男に切りつけられた事件の後、中止されていたが、41日ぶりの再開に、朝から多くのファンが会場へと向かった。
所属レコード会社などによると、会場では、入場の際に手荷物検査や金属探知機によるボディーチェックを行うほか、握手は手荷物を置いた状態で実施され、メンバーとファンの間に柵を設置するなどの対応策がとられているとのこと。
来年の世界遺産候補の一つとして注目される長崎市の端島、通称・軍艦島に元島民たちが里帰りしました。
かつて炭鉱の島として栄えた軍艦島。
閉山し、無人島になってから今年で40年。
これを記念して今日、元島民およそ40人が島に里帰りした。
高層アパートが建ち並ぶエリアは建物の傷みが激しく危険なため、通常は立入禁止となっている。
間取りも覚えてる、私。
来年の世界遺産登録を目指す軍艦島。
劣化が進む建物をいかに保存していくかが今後の課題となっている。
北朝鮮の国営通信社は、キム・ジョンウン第一書記が日本出身で100歳の誕生日を迎えた女性に対し、祝いの品を贈ったと報じた。
これは朝鮮中央通信が4日報じたもので、女性は東京出身で、日本の植民地時代に父親と一緒に朝鮮半島に渡り、地元の男性と結婚したとしている。
100歳のお祝いの品が贈られたとして、日本出身者が登場するのは異例。
過去にはキム・イルソン主席が日本出身の女性にスイス製の高級時計を贈った話や、日本出身の女性がキム・ジョンイル総書記にあてた手紙の内容が報道されたことがあったが、いずれも北朝鮮が日本との関係改善に熱心に動いていた時期だった。
今回の報道も関係改善に向けて融和ムードをつくり出す狙いがあると見られる。
中国・ウイグル騒乱から5年。
現地は厳戒態勢。
ちょうど5年前、新疆ウイグル自治区ウルムチでウイグル族と治安部隊が衝突し、192人が死亡したウイグル騒乱。
今日のウルムチ駅前にはテロへの警戒から装甲車や武装警官が配備されていた。
警察が荷物を持ったウイグル族の男性に身元証明書の提示を求めるなど厳重な警備が続いている。
新潟県佐渡市から、少し変わった七夕の映像が届いた。
ここは海の中。
地元のダイバーたちが毎年行っている水中七夕まつりの様子。
水深25mの海中に設けられた七夕飾りには願い事が書かれた短冊も。
「特集」です。
集団的自衛権の行使容認がついに閣議決定されました。
11年前、多くの反対があった中でアメリカが始めたイラク戦争への日本の関わりの経緯を検討してみますと、集団的自衛権との関わりで幾つもの問題点が浮かび上がってきます。
間もなく5時、閣議決定が行われる時間が近づいています。
総理官邸の前には集団的自衛権の行使に反対する人たちがこれだけたくさん集まっています。
今週火曜日、総理官邸前は1万人以上の人々で埋め尽くされた。
一角ではデモ隊と警察官が小競り合いになる場面も。
シュプレヒコールを上げ続ける菱山南帆子さん25歳。
デモの実行委員会のメンバーの一人。
官邸前でのデモは3月から既に10回以上も続けている。
集団的自衛権を認める閣議決定がされました。
今、率直などんな気持ちですか?現在、障害者を支援する施設で働きながら、集団的自衛権の容認反対を訴え続けている菱山さん。
幼い頃から世界の争いごとに矛盾を感じ、戦争に関する本もよく読んでいたと言う。
中学1年生の頃、母親に連れられイラク戦争の自衛隊派遣に反対するデモに参加したのがきっかけで、以来、積極的に活動するようになったと言う。
イラク戦争反対のときには、私、アメリカ大使館前に2カ月間、毎日座り込みをしたんですよ。
学校行って、アメリカ大使館前に行って座り込んで夜帰ってくるみたいな。
絶対やらなきゃいけないみたいな使命感にかられてガンガン毎日頑張ってやったんですけど。
当時14歳だった彼女は、マイクを握り、こう叫んでいた。
今回、閣議決定直後の会見でイラク戦争について安倍総理は、こう語った。
だが、そのイラク戦争の実態に目を向けたとき、集団的自衛権が突きつける様々な問題点が浮かび上がってきた。
日本の自衛隊が派遣されたイラクは、今なお混乱の渦にある。
尊い命が日々、失われていた。
イラク中部の町、ファルージャ。
イスラム過激派武装集団ISISが制圧したことで奪還を目指すイラク軍が町を包囲し、砲撃や空爆を続けている。
病院には負傷者が次々と運ばれていた。
ほとんどが一般の市民。
子どもや女性も多い。
この子は家の近くに落ちた爆弾の破片が目に入ってしまい手術で取り出しました。
イラクの取材を続けるフリージャーナリストの安田純平さん。
安田さんは集団的自衛権の問題を考える上でイラク戦争を検証することが重要だと語る。
フセイン大統領の独裁支配を倒し、イラクに平和をもたらすとして戦争を始めたアメリカ。
しかし、最大の根拠となった大量破壊兵器が見つからないまま、アメリカ軍は2011年に完全撤退した。
大義なき戦争はその後、宗派間対立などに進展しイラクは今も泥沼の内戦状態に陥っている。
2004年4月、当時、イラクで取材をしていた安田さんはファルージャ近郊で武装集団に一時拘束された。
そのとき安田さんは、自衛隊の存在について彼らにこう説明したと言う。
安田さんは、今回、日本の自衛隊のことを最もよく知る町も訪ねた。
南部にあるサマワ。
2003年、日本は陸上自衛隊をサマワに派遣した。
自衛隊は、給水、医療支援、学校や道路の補修など3年にわたって復興支援活動を行った。
サマワの住民たちは、今も自衛隊のことをよく覚えていた。
集団的自衛権行使によって、今後、自衛隊が銃を人に向ける可能性があると住民に伝えると…半ば冗談ぽく言ってるんですけども。
今まで築き上げてきた日本の平和的イメージは、自衛隊が武器を構えた瞬間から覆ると安田さんは言う。
今まで非常に強い印象を彼らの中に残していて。
非常によい印象ですね。
イラク戦争から学ぶべき教訓はこれだけではない。
2006年7月に、陸上自衛隊がサマワから撤退した後も航空自衛隊による輸送活動は続けられた。
その実態からも様々な問題が浮かび上がる。
2008年4月、市民団体などが自衛隊イラク派遣の差し止めなどを求めた訴訟で名古屋高裁が下した判決に注目が集まった。
高裁は、差し止めや損害賠償請求は退けたものの、航空自衛隊の輸送活動は憲法9条に違反するという初めての判断を示した。
自衛隊は非戦闘地域で人道支援などを行うとして派遣されていたのだが、実際は、戦闘地域で武装したアメリカ兵らを輸送していたと認めた。
銃を携行した陸軍で米兵をたくさん送り込むことのどこが人道支援なのかと。
原告弁護団の事務局長を務めた川口弁護士は、問題となった航空自衛隊の活動について、国が輸送記録などの情報公開を拒み続けたことも忘れてはいけないと話す。
国民に本当のことは伝えず、嘘をつきながら戦争というのは行われていくといういい例だと思いますね。
判決は、アメリカ軍がクラスター爆弾や化学兵器を使って大規模な掃討作戦を実施し、その結果、イラクの多くの民間人が犠牲になったと言及した。
イラクに自由をというアメリカが掲げた大義とは全く異なるこうした実態を踏まえた上で、判決は、日本もその戦争の一角を担ったと認めた。
輸送行為というと、何となく、まだちょっと人ごとのように思われるかもしれないですけど。
イラク戦争のときに何があったのか、国民に対して何を伝えようとしなかったのかというところから、きちっともう一度私たち国民が検証してそこを理解した上で集団的自衛権の問題について考えないと、本当に大事なところをすべて落としてしまっているという気がします。
イラク戦争から日本は何を学んだのか。
2011年から外務省は日本政府の対応について検証を行った。
しかし、その後公表されたのはA4用紙4枚分の概要版だけ。
その内容も…当時、イラクに大量破壊兵器が存在しないことを証明する情報を外務省が得ていたとは確認できなかった。
検証結果の全文は、今も、各国との信頼関係を損なうおそれがあるとして公表されていない。
一方、アメリカとともに参戦したイギリスは2009年、イラク戦争調査委員会を立ち上げ参戦に至った根拠から復興政策まで徹底した検証作業を続けている。
この委員会は、機密文書の閲覧を含む強い権限が付与され、ブレア元首相に対しても2度、厳しい聴取が行われた。
検証結果はまだ出ていないが、これまでに集められた証言や文書のほとんどがウェブ上で国民に向けて公開されている。
与党・労働党の中からイラク参戦に反対したコービン議員。
アジア太平洋地域において日本は今後、アメリカに追随する形で紛争に巻き込まれるおそれがあると警告する。
軍事同盟は、我々を紛争に巻き込むおそれがあるので十分に注意する必要があります。
検証を通じてイギリスが得た最大の教訓とは何だったのか。
アメリカを信じちゃいけない、それに尽きるね。
一方で、日米同盟強化のために集団的自衛権の行使を容認すべきとの立場に立つ元自衛隊幹部がいる。
イラク戦争当時、陸上自衛隊の師団長として現地に隊員を派遣した廣瀬清一氏。
楽観的に考えてはいけない、要するにきちっと想定し、やっていく必要があると。
イラク戦争は戦場に最も近い地域への自衛隊派遣だった。
部隊は、最悪の事態を想定し、現地に遺体を収容する袋を持ち込んでいた。
廣瀬氏は、自衛隊には今後、これまで以上の覚悟が求められると語る。
多少の事故・事件等で決心が揺らぐような派遣であれば、イラクにいるアキバ記者に聞きます。
アキバさんは中東支局長としてこれまで多くの戦地取材をしてきたわけですけれども、今回の日本の集団的自衛権行使容認の閣議決定をめぐる政治家たちの言葉を聞いてどういうことを考えていますか、今?いろいろありますけれども、今私が立っているここから話せることを話してみたいと思います。
今いるのはイラクの北部、クルド人自治区の境界線のところです。
番組冒頭でもお伝えしましたようにこの道をずーっと行くと第2の都市、モスルがあります。
そこには、新しい国を宣言したイスラム過激派、それから中央政府への不満を持つがゆえにその過激派と連動するスンニ派の部族、さらにはサダム・フセイン元大統領を支持していた人たちが支配しています。
一方、こちらがクルド人自治区側ですけれども、治安上の理由でカメラを振れませんけれども、ここでは今週、イラクからの完全独立を問うための住民投票の準備を始めろと自治区トップが指示を出しました。
イラクはまさに国が分解するかどうかの瀬戸際にいるわけです。
フセイン独裁政権がイラク戦争の結果、排除されたことについての是非はイラクの人たちの間でも賛否が分かれますけれども、その間接的な結果で現在の混乱があることは間違いありません。
武力行使というのは紛争解決の手段としては劇薬です、副作用があります。
その副作用はしばしば何年かかっても収拾がつかない規模のものに発展します。
経済的にも政治的にも、人々の感情といったことも含んでです。
それはそれが自衛だと説明できるかどうかということを越えていきます。
日本が武力行使をする許容範囲が広がるということであれば、そういった直接・間接の副作用にも向き合う覚悟のようなものが政治家やそれから国民にも必要になってくるのではないかと感じています。
その覚悟について十分問われたのだろうかという疑問は持っています。
私は5月の安保法制懇の報告書を受けての安倍総理の会見のときにも官邸前に行ったんですけれども、今回はそのときにも圧倒的に人数が増えていたと思うんですよね。
そして今回は、ツイッターなどSNSで知って初めてデモに来たという学生など、若い人が増えていたように思います。
そういった人たちからは、集団的自衛権の行使容認そのものというよりも、これだけ大きなことが閣議決定で決まっていくことへの危機感みたいなものを感じて来たんだという人が多かったんですね。
私は名古屋の違憲判決について取材したんですけれども、集団的自衛権というものを考える上で、実際の戦地の状況や、そこで何が起きたかということを知って検証することが非常に重要なんだなということを裁判資料なんかを見ながら感じたんですけれどもね。
イラク戦争ではVTRにあったように、当時の政府は航空自衛隊の輸送はあくまでも人道支援だと言い続けたわけです。
しかし、実際には武装したアメリカ兵を毎日のように前線に送っていたと。
さらに自衛隊の活動地域については、非戦闘地域に限られるんだとこれずっと国内に向けて言っていたんですけれども、実際には、アメリカの要請で縛りも解いてしまった。
こういうことについて全く検証がないまま、今、限定容認と言っているんですけれども、果たして実際の戦地で歯どめがきくかどうかというのは非常に疑問ですけどね。
私は実は、7月1日はドイツで取材していたんですけれども、この集団的自衛権のニュースが向こうにも伝わっていたということがあるので向こうでも急きょ取材を始めたんですね。
残念ながら一部しか今回のVTRではご紹介できなかったんですけれども、そこでドイツの人から言われたことを一つ紹介したいと思います。
実はドイツの議会では1933年3月24日に政府が国会を通さずに法律を制定することができ、その法律は憲法に違反してもいいっていう、全権委任法というんですが、これが当時のナチスによって提出されて、成立しちゃうんですねこれはドイツの現代史の本当に分かれ目、分岐点と言われていて、これ以降は、当時の世界で最も民主的と言われていたワイマール憲法というのが死文化するんです。
このことについてドイツの憲法学者に話を聞きましたのでちょっとお聞きください。
日本のことをよく知っているドイツの人たちが心配して、今の日本の動きというのはこの動きと似ているんじゃないかという声が聞かれたんですね。
憲法改正をバイパスして民主的なプロセスを蹂躙しているのではないかというような、そういう問いかけを聞いて、ずしりと重いものを感じましたね。
次です。
刑務所を出ても再び罪を犯してしまう再犯者が後を絶ちません。
なぜ犯罪を繰り返してしまうのか、どうすれば再犯の連鎖を断ち切ることができるのか。
広島で出所者の社会復帰を支援するNPOを3年にわたって取材しました。
2007年、自殺を図って自宅に放火し、自身も大ヤケドを負ったAさんは放火の疑いで逮捕された。
下されたのは、懲役4年の実刑判決だった。
50歳のAさんは刑期を終え、出所後に出会った女性と広島市内のアパートで暮らしていた。
ただ本当に、もう親に会いたいですどっかで生きてると思うんですね。
それを考えると、ずっと涙が出るんです。
調理師の専門学校を出た後、営業職や飲食業など職を転々としてきたAさん。
どこの職場でも人間関係につまずき、うつ病になったと言う。
そこから生活が荒れ、事件を起こした。
両親と連絡が取れなくなって10年あまりがたつ。
精神科の薬もあるんですけど…。
うつ病に加えて、統合失調症の診断も受けていて生活保護と障害者年金で暮らしている。
定職に就いていないAさんだが、毎日のように訪れる場所がある。
出所者の社会復帰を支援しているNPO法人、風の家が運営する作業所。
風の家は出所者を一時的に受け入れるシェルターも運営している。
刑務所を出ても行き場がなかったAさんは、2週間ここで生活した。
その間、風の家が生活保護の申請やアパート探しを手助けした。
代表の嘉戸篤さんはこれまで児童養護施設や更生保護施設などで20年以上、非行少年や出所者と向き合ってきた。
嘉戸さんには一つの確信がある。
行き先をきちんと定めないと、出してもまた同じことになるから。
刑務所を出ても再び罪を繰り返す再犯者の割合はここ15年連続で上昇し続けていて、2012年、45%を超えた。
行き場のない出所者が犯罪を繰り返す傾向が明らかになっており、居場所づくりが再犯を防ぐ有効な手段であると指摘されている。
風の家が開いたシンポジウムでは、支援の難しさが報告された。
こうした中、国は3年前から自立準備ホームという制度を始めた。
風の家は西日本で初めて指定を受けた。
保護観察所から委託を受けると日数に応じて補助金が支給されるが、人件費など出費も多く、運営は楽ではない。
周囲から理解を得るのも難しい。
どういう目で見られているのかというのは、とても心配なんですが実際、犯罪をする方側の我々支援をしているわけで、一般社会は犯罪を、被害者に対して同情的に考えるわけですから、我々とすればものすごく、言ってみれば批判の目を浴びながら活動していると。
出所から半年、Aさんは人生の転機を迎えようとしていた。
プロポーズ、どっちでしたっけ。
多分、僕です。
もう一緒になろうやって。
出所後、同棲していた女性と婚約したのだ。
しかし、相手の親に理解してもらうのに苦労したと言う。
やっぱり自分が刑務所を出た人間ですからね。
真っ当に生きている人間ならね。
2人の結婚が決まり、風の家主催の結婚式が開かれることになっていた。
不安でもあり、喜びでもあり、また責任も重大ですよね。
もう1人じゃないですから。
この子を守っていかないといけないですから。
バカなことは、本当できませんね。
式当日、新婦の父は亡くなっているため代役を嘉戸さんが務めた。
会場には、風の家のスタッフや利用者が集まった。
明るい家庭をつくっていきますので、どうか今後とも皆さん私たちを見守ってください。
本日はどうもありがとうございました!特にこういう人たちっていうのは、周りの人から祝福されて結婚することはあまりないですから、こういう形で出発できるというのは、すごく彼らにとっては、いい出発になるんじゃないですかね。
この日の夜、風の家でささやかな結婚パーティーが開かれた。
皆様本当に私みたいな者らのためにですね、力を入れてくださいまして、本当にありがとうございます。
風の家を巣立った出所者で結婚したのはAさんが初めて。
予測以上に喜んでて、よかったと思いますよ。
長い間うちを出てからも付き合ってて外にいてもこういうことしてあげられるっていうのは、とっても、ここの役割とすれば、今日、風の家の役割を果たせたかなという気がします。
結婚式から半年。
Aさんから、少し広い家に引っ越すという連絡が入った。
生活費を切り詰め、少しずつ貯金して引っ越し費用を貯めたのだと言う。
布団も干せるようになりますし、日当たりも結構いいんで。
また新たな気持ちで再スタートみたいな感じでやっていきたいと思います。
2012年、風の家は場所を移し、施設を拡大した。
慢性的に不足する出所者の受け入れをカバーするため。
新たに設けられた個室に刑務所を出て5日目という男性が入っていた。
2009年、33歳の時、Bさんは生後間もない息子の頭を殴ったなどとして逮捕された。
当時、虐待事件として大きく報じられた。
裁判では、Bさんが前妻との間の子どもにも同じような虐待をしていたことなどが明らかにされ懲役3年の実刑判決が下された。
事件後、妻とは離婚。
両親からは縁を切られて帰る場所はない。
そんなBさんの心の支えは、唯一、刑務所に手紙を送ってくれていた祖母の存在。
いつも初めはそうですね、お便りありがとうとか、たいてい、感謝の言葉で入りますねばあちゃんは。
生きてることが申し訳ないって、ばあちゃんは。
俺の方が申し訳ない。
暴力を振るう母親に代わって祖母は、幼い頃からかわいがってくれたと言う。
しかし、体調が悪いという内容を最後に手紙は届いていない。
出所から7カ月、資格を持っていたことが幸いし、Bさんはガソリンスタンドでアルバイトを始めていた。
ある程度の収入も見込め、自信を取り戻したBさんはこの日、風の家を出ることにした。
なんとかちゃんとして出ますね。
うちでは珍しく。
仕事に就き、自立できるBさんのようなケースは風の家ではまれ。
Bさんが借りたのは、風の家の近くのアパート。
敷金などの費用は、ガソリンスタンドのアルバイトでためたと言う。
うまい。
Bさんは、ようやく自立に向けて一歩踏み出した。
しかし、前科が周囲に知られる不安や普通に生活することへの罪悪感が募る。
2013年9月。
あと少しで結婚から2年目を迎えようとしていたAさん夫婦から離婚するとの電話が嘉戸さんに入っていた。
離婚届は持ってきた?いや、持ってきませんでした。
何でだよ、離婚届にサインするんじゃないんか、俺が。
するはずだったんですけど、展開が変わってしまって。
どういうふうに変わった?ささいなケンカが原因で離婚話に発展したようだが、2人で話し合って解決したと言う。
今回のような話は一度や二度ではないそうだ。
そのたびに、嘉戸さんは真剣に向き合ってきた。
自分がつまらない、情けなさすぎてだからそれが逃げだと言ってんじゃん。
逃げたら、また同じことじゃん。
刑務所入る覚悟、昨日はしてました何でそういう、だからお前おかしなこと言うね?お前、最後怒るよ、いい加減にせんと。
何でそれが刑務所になるわけ?今日のこと予想どおりです。
ああやって、関係が深くなるんじゃないですかね、ああいうことを繰り返しながら。
おいしいね。
Aさん夫婦は、無事に結婚記念日を迎えた。
ケンカがすごく多かったです。
平穏な、平凡なお正月にしたいですね。
年が明けて、突然その連絡は入ってきた。
Aさんが放火未遂事件を起こしたと言う。
現場となった自宅にAさんの姿はなかった。
夫婦ゲンカが原因で、Aさんは自暴自棄になり、自殺を図って部屋に火をつけようとしたと言う。
病気の影響でたびたび精神的に不安定になるAさん。
今回も、そんなときに起きてしまった。
警察が駆けつけ、事件後、Aさんは精神病院へ強制入院になった。
連絡は、嘉戸さんのもとにも入っていた。
我々が幾ら偉そうに再犯防止でNPOをやってるんだと言ってもね、抑えられないものは抑えられないですからね。
そんな力ないですし。
風の家を設立した当初からAさんと深く関わってきた嘉戸さん。
結婚後落ち着いてきたと思っていただけにショックは大きい。
週末、一時退院したAさんが風の家にやってきた。
しかし、不安定な精神状態は続いていた。
この日から10日後、退院と同時にAさんは放火未遂容疑で逮捕された。
Aさんが逮捕されて4カ月。
嘉戸さんは広島拘置所に収容されているAさんの面会に向かった。
精神的に少し弱ってるのかなと思いますから、ちょっと励ましに。
嘉戸さんのもとには、Aさんから手紙が送られてきていた。
私の人生、悔やんでばかりです。
今度は、悔いのない人生を生きたいものです。
あまり変わらなかったですね、普段とね。
いつも会ってた当時の感じと変わらんかったですね。
だから、風の家として関わりを厚くしたり、思い入れも入れたりいろんなことで関わってきたんですけどね、でもこんな結果になってるんでね。
これをモデルケースとして、どうしたらもっと彼らの支援ができるのかを考えていきたいなというふうに思います。
裁判は、8月中旬に開かれることが決まっている。
たとえAさんに実刑判決が出ても3年にわたって取材に当たったRCC中国放送の吉住記者に聞きます。
Aさんは顔を出して取材に応じてくれましたけれども、それぞれ顔や名前を隠さざるを得ない事情というのがあるんですよね?出所者という変なイメージとか先入観を持たれないためにも、Aさんに相談して顔を出すことを了承してもらいました。
ただ、VTRの中でもBさんを含めて非常にぼかしの映像が目についたと思いますけれどもそれぐらい出所者というのは社会の中で事実をひた隠しにして生きているというのが現実なんですね。
3年間にわたって、VTRの中に出てきたAさん、Bさん以外も複数の出所者を取材してきましたけれども、幼少期の虐待であったりとか、過酷な家庭環境、それから精神的な障害とか、貧困などの問題を抱えて社会的に非常に弱い立場にある人が犯罪を犯しているということに、驚きましたね。
それにしてもAさん、なぜ再び罪を繰り返してしまったのか、本当に見ていて切ない感じがしましたけれども。
Aさんの再犯の連絡があったときは私も非常に驚いたんですけれども、我々にきちんと失敗例を、風の家の嘉戸さんが連絡してきてくれたことに嘉戸さんの覚悟みたいなものを感じたんですけれども、風の家を出た出所者が、現在までに再犯で新たに逮捕されてしまったというのは全体のおよそ2割なんですけれども、どうすれば減らせるかというのを、何度も裏切られながら正面から向き合っていると。
こうした再犯を防ぐには、表面的な犯罪の事実を見るだけではなくてやっぱりその犯罪に至るまでに何があったのか、その背景にまできちんと目を向ける必要があるのかなと思います。
続いては林キャスターのスポーツです。
先ほどもお伝えしたとおりW杯準決勝へはブラジルとドイツが進出を決めました。
そのドイツの世界ナンバー1キーパーがとにかくすごいんです。
W杯では1986年、メキシコ大会以来の対戦となったフランスとドイツ。
前半13分、この試合、最初のセットプレー。
ドイツのディフェンダー、フンメルスが頭で合わせ、貴重な先制点を奪う。
フランスの猛攻にはゴールキーパー・ノイアーがスーパーセーブ。
先制点を決めたフンメルスとともにゴールを死守する。
さらに試合終了間際…ラストワンプレーも右手一本で止める。
キーパー、ノイアーの活躍で1点のリードを守り切ったドイツが勝利。
史上初の4大会連続ベスト4進出を決め、メジャーリーグ、レンジャーズのダルビッシュは前日、悪天候で先発を回避し、万全を期してのスライド登板。
しかし、立ち上がりに苦しみ、1回から3失点を許す。
自分のミスは自分で取り返す。
4回、ダルビッシュの打席。
メジャー初となるツーベースヒットを放つ。
それでも得点に結びつけることはできず、この日は5回を投げて4失点で勝敗つかず。
チームは痛恨の6連敗。
続いてゴルフのセガサミーカップ3日目。
梅雨知らずの快晴のもと、石川遼選手がトップと2打差と迫るラウンドを見せた。
大会名誉会長の長嶋茂雄さんも姿を見せたセガサミーカップ3日目。
今シーズン国内ツアー初参戦の松山英樹はバーディーチャンスを生かすことができず、イーブンパー。
我慢のゴルフで23位タイ。
また、11位タイでスタートした石川遼はアプローチ、パットともに好調。
バンカーショットをピンそば30cmにつけパーセーブ。
さらに7番ではロングパットを決め、バーディー。
前半、2つスコアを伸ばす。
後半に入っても17番の第2打。
ピンそば1mにつけ、楽々バーディー。
さらに18番でもバーディーを決め、3位に浮上。
トップと2打差で最終日に挑む。
アジア大会の正式競技である中国武術をもとにした武術太極拳。
2日目の今日、前回の広州大会銀メダリスト、市来崎大祐が登場。
華麗な演舞で高得点を上げ、見事1位を獲得。
代表入りをアピールした。
続いて大学野球。
71回目となる東京大学と京都大学の定期戦。
京大の先発は今年のドラフト候補、田中英祐。
プロ注目の右腕は、制球力抜群のストレートとスプリットで公式戦76連敗中の東大から三振を奪う。
7回途中まで投げ、9奪三振1失点の好投。
京大から初のプロ誕生へ今年のドラフトに注目。
兵庫県議会の野々村議員が会見で号泣したことが大きく報じられていますけれども、今週ドイツにいた金平さんは?向こうでBBCワールドというのを見ていたらこの会見が何度も何度も放送されて、僕は見てて情けなくなってきて、あまりコメントもしたくないような感じなんですけれども。
今、世界で一番有名な日本人じゃないですか。
結局、泣いたりわめいたりしても疑惑には何も答えてないですよね、この人。
2014/07/05(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【集団的自衛権・出所者支援の家】
集団的自衛権容認を閣議決定。しかし日本は10年前のイラク戦争を未総括▽刑務所の出所者を支援する家の3年間。厳しい現実を描く。
詳細情報
お知らせ
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番組内容
【集団的自衛権 閣議決定への疑問】
集団的自衛権の行使容認が閣議決定され、国際社会での自衛隊の役割が大きく変わろうとしている。しかし10年前のイラク戦争を日本は十分検証してきたのか?疑問の声を拾った。【出所者支援の家 3年の記録】
刑務所を出所した人の社会復帰を助ける広島のNPO法人「風の家」。出所者が直面する厳しい現実を、「風の家」に集う出所者や支援者を通して描く3年間の記録。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
岡村仁美(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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