(高近樹里)あっあっ…。
(黒木政也)服を脱げ。
ああ…ああ…ああ…。
(高近瑤子)それで樹里さんは?そんな…すぐ行きます!
(爆発音)
(三島恵子)ああっ!もしもし火事です。
倉庫が燃えてます。
(爆発音)
(大岩純一)
メトロポリス東京
人口約1300万人
年間犯罪件数約20万件
そのうち殺人強盗放火誘拐などの凶悪犯罪は実に1000件を超える
その全ての凶悪犯罪解決に挑む警視庁捜査一課
東京都内の各警察署から抜擢された410名の刑事が9つの殺人捜査係に分かれ24時間休む事なく捜査にあたっている
その捜査一課の全ての事件の捜査を指揮し刑事たちを束ねているのが現場から叩き上げた最強の刑事警視庁捜査一課長
今夜中に逮捕状を請求しろ。
現在都内に5か所の捜査本部があり絶え間なく指示を仰ぐ電話が入る
その一つ一つを即座に判断し的確な指示をするのが一課長の仕事だ
ここ現場資料班は通信指令室で受理した110番通報の中で重要事件の可能性ありと判断した場合各警察署捜査一課へ情報をもたらす部署である
平井主任。
はい。
小山田管理官。
多摩ニュータウンの火災現場で不審な遺体が発見されました。
捜査一課を縁の下で支える現場資料班を束ね事件現場へいち早く駆けつける庶務担当管理官小山田大介警視
そして平井真琴主任
彼らの素早い判断があってこそ迅速な初動捜査が行われる
(パトカーのサイレン)ご苦労さまです。
お疲れさまです。
なんか随分きれいですね。
うん。
ん…?
(パトカーのサイレン)お疲れさまです。
(小山田)火災の通報があったのは午後10時。
通報してきた女性によるとスーツにノーネクタイの中年男性が火災現場から逃げ出すのを目撃したそうです。
身元は?バッグに免許証が入っていました。
白石佳澄26歳。
ブルーダリアという六本木のクラブでホステスやってたみたいです。
死因は頸部圧迫による窒息死。
死亡推定時刻は午後10時前後だと思われます。
絞殺後に遺体の周囲に灯油か何かをまいて火をつけたという事か?でもそれにしてはあまりにも遺体がきれいすぎます。
肌にやけどの水疱もありませんし。
これってただの殺人放火じゃないですよね…。
どういう意味だ?いやわかりませんけど…まあカンで。
現場は物証だ。
カンだのビンだの訳わからん事言うな。
ビンは言ってないです。
ヤマさん。
大福のカンひらめきは特別だ。
許せ。
はあ。
ちなみに私あの…大福ではなくて平井真琴というちゃんとした…。
(小山田)天笠!お前一課長の運転手だろ。
車に戻って待機してろ。
(天笠一馬)小山田管理官自分は運転担当の刑事です。
事件解決へ役に立ちたいと思ってはいけませんか?与えられた職務を間違いなくやり遂げる。
それがお前の刑事としての仕事だ。
現場の邪魔するな!邪魔って…。
相変わらずきついな。
天笠車に戻ってろ。
はい。
ったくもう半人前のくせに生意気な口利きやがって。
天笠を怒鳴る時のヤマさんは嬉しそうだな。
そんな事ありませんが…。
鑑識!
(鑑識員)はい!この布を調べてくれ。
はい。
ヤマさん多摩東署に特別捜査本部を設置する。
(小山田)了解しました。
殺人事件などの凶悪犯罪が発生した際事件のあった地区を管轄する警察署に特別捜査本部が設置される
ご苦労さまです。
(電話)はい笹川だ。
大岩です。
多摩ニュータウンで殺人放火事件です。
多摩東署に捜査本部を設置します。
(笹川)「わかった」頼むぞ一課長。
特別捜査本部の設置を承認するのは警視庁刑事部長の権限だ
特別捜査本部の設置が決まると捜査一課在庁番の殺人犯捜査係が出動する
在庁番とは事件発生に備え出動命令を待っている捜査係の事である
(貝瀬)初動捜査に遅れたら犯人取り逃がす事になりかねんぞ。
急げ!
(一同)はい!職業ホステスだって聞いてたがな…。
(井上刑事)ええ。
ファッションデザイナーを目指してたようですね。
事件直前の被害者の足取り捜査
口論?白石佳澄さんがですか?はい。
昨日の夜お店の前でサイオンデザインの高近専務さんと…。
(高近義英)待ちなさい。
(白石佳澄)放っといてください私の事は。
放っておけるわけがないだろ。
(貝瀬)サイオンデザインっていうとあちこちにあるあの洋服屋さんの?そうです。
あっ…。
お店で誕生日のお祝いをしたんですけど…。
あっ…この人です。
そして1回目の捜査会議が開かれる
起立!敬礼!多摩ニュータウンの廃工場でホステスの白石佳澄26歳が殺害され放火されました。
死亡推定時刻は昨夜の午後10時前後。
死因は頸部圧迫による窒息死。
凶器はまだ見つかっておりません。
鑑識課長…。
遺体が握っていた布の燃えカスを鑑定した結果ネクタイの一部と判明しました。
それも特殊な椿染め液を使用したものでこれが首を絞めた凶器と考えられます。
椿染め…。
被害者の白石佳澄の勤務先のクラブの同僚ホステスによれば一昨日の夜店の表で白石佳澄が大手アパレルメーカーサイオンデザインの専務高近義英と口論しているのを目撃したという証言があります。
高近義英…!?ご存じなんですか?うん。
(貝瀬)火災現場の目撃者にこの高近義英の写真を見せましたところ現場から逃げた男に似てるという証言を得ました。
高近本人に事情聴取は?いやぁそれが…昨日会社を退社してから連絡が取れません。
目下高近義英の足取りを捜査中であります。
(秋代)一課長お願いします。
まず一刻も早く高近義英の身柄の確保。
それから被害者白石佳澄の怨恨関係。
現場周辺の聞き込み。
君たちの先輩諸氏の言葉を借りれば水はバケツでくめザルでくむな。
一言も聞き漏らすなという事だ。
被害者の無念その悲しみを胸に刻み込め!そして必ずホシを挙げる!
捜査本部がまた一つ増えた
その全てを束ねる捜査一課長は平均睡眠時間3時間という過酷な仕事だ
そしてまた新たな事件が発生した
(電話)この傷が致命傷ですかね?
(小山田)あの橋から転落したかどこかで頭部を殴打されてここまで流されてきたか…。
お疲れさまです。
こちらです。
身元は?黒木政也ジャーナリスト。
現金は取られてないです。
頭部を損傷してるのであの橋から転落した可能性もありますが…。
死亡推定時刻は?昨夜の午後10時前後です。
午後10時?何か?多摩ニュータウンの殺人放火も午後10時だったな。
確かにそうですがそれが何か?
裏づけは何もない
捜査にとって聞き流していい事などないのだ
やがてそれが事件の核心に繋がる事もあるからだ
捜査本部を設置しますか?いや解剖の結果を見てから決める。
まず黒木のゆうべの足取りを追ってくれ。
わかりました。
一課長!お台場第三埠頭の巡査なんですけどゆうべ若い女性から男に襲われたっていう110番通報があってその女性の身柄を保護したそうです。
時間は?
(大塚巡査)午後10時15分に本庁の通信指令室から通報があり自分が巡回先から現場に到着し女性を保護したのは10時30分になります。
えっと…通信指令室に確認したところその女性はその男にナイフを突きつけられてそれで物陰に引きずり込まれたそうですけど…。
(樹里)助けてください。
思い切り男を突き飛ばして逃げてきたんです。
それで今ビルの駐輪場に隠れてるんですけど怖くて動けないんです。
それでそこに巡査が駆けつけてきてその女性を保護したと。
保護した現場はここから近いのか?はい。
徒歩で2〜3分の…あちらです。
で…その女性を襲った男の服装なんですけど…。
革のジャケットに黒いTシャツだそう…。
(小山田)ん?ホトケと同じじゃないか。
ええ…。
その女性を襲ったのはこの黒木政也ではないかと思われます。
その黒木が遺体で発見された。
ヤマさんその女性に会って詳しい事情を聞いてくれ。
わかりました。
名前と住所を。
はい。
それが…携帯と自宅にも連絡入れたんですけど行方がわかんないそうです。
何!?
(大塚)あの…よろしいでしょうか。
名前は?高近樹里。
住所は…。
高近樹里?多摩ニュータウンの火災現場から逃げた男も確か高近…。
その高近専務の娘さんも確か高近樹里さんといったな…。
えっ!?
多摩ニュータウンの殺人放火現場から逃走した高近義英
お台場の事件で男に襲われた高近の娘の樹里
父と娘が同じ日の午後10時に別々の事件の関係者になっている
しかも父も娘も行方がつかめない
一課長は高近義英と娘の樹里さんとどういうお知り合いなんですか?8年前私が青山署の刑事課長だった頃だ…。
当時サイオンデザインは西園寺和則社長と創業当時からのパートナーだった高近専務との実質的な共同経営だった。
だがある日突然西園寺社長が1億あまりの個人資産とともに姿を消した。
(西園寺幸恵)この週刊誌の記事本当なの?当時一部マスコミが西園寺社長は殺害されたのではないか?そしてその犯人は次期社長の座を狙う高近専務ではないかと噂した。
その時高近専務が犯人扱いされた事で心労を重ねた高近の妻が病で倒れ亡くなり娘の樹里の名門高校合格も世間体を気にした学校側に取り消されてしまった。
(小山田)ひどい話だな…。
その2年後に高近専務は秘書の女性と再婚した。
(小山田)秘書とですか?高近専務が再婚した年のクリスマスの夜高近家の近くを通りがかった事があるんだが…。
樹里チキン焼けたわよ!うわぁお母さん美味しそう!樹里何言ってるの?美味しいに決まってるじゃない。
(大岩の声)奥さんはきっと3人でクリスマスを楽しもうとしていたんだろうが…。
樹里さんは亡くなったお母さんを思い出してしまったと。
うん…。
ヤマさん。
(小山田)はい。
高近と樹里の行方を追ってくれ。
わかりました。
中根です。
今お台場で遺体で発見された黒木政也の家を家宅捜索してるんですが高近樹里を盗み撮りしたと思われる写真が何枚もあります。
盗み撮りですか…。
(小山田)黒木は以前から樹里を狙っていたという事ですか…。
突然申し訳ありません。
警視庁捜査一課の…。
大岩さん…。
ご主人と樹里さんご心痛でしょうが今無事に保護するために全力を挙げて捜しております。
ありがとうございます。
しかし2人と連絡が取れなくなるとは何か心当たりはありませんか?ええただ途方に暮れてるだけで…。
奥さん白石佳澄さんはご存じですか?火災現場でお亡くなりになった方ですよね?刑事さんに伺いました。
私は存じ上げなくて…。
樹里さんですが最近トラブルに巻き込まれたり誰かに付きまとわれて困ったと聞いていませんか?すいません。
樹里さんの事は…。
もう家を出て一人暮らしをしていますしほとんど家にも帰ってきませんので。
あっ…お構いなく。
ご主人は確か伊豆大島のご出身でしたね?
(瑤子)ええそうですけど…。
この写真は伊豆大島の波浮の港ですよね?ええ。
もう随分前の写真なんですけど。
確か8年前にお会いした時サイオンデザインの工場を大島に作るとおっしゃっていましたが…。
大島の椿染めの洋服を広めたいって言ってたんですけど西園寺社長があんな事になってしまって建設計画が止まってしまったんです。
椿染めの洋服という事はネクタイにも椿染めのものがあるという事でしょうか?ええ。
まだ試作品なんですけど主人も使っていましたけど…。
ご主人も?ええ…。
一課長!?どうしてこちらへ?高近専務は?いや…申し訳ありません。
まだ行方つかんでません。
一刻も早く身柄を確保しろ。
(貝瀬・井上)はい。
それと何か新しい情報はあるか?はい。
白石佳澄の携帯に高近の娘樹里の名前が登録されてます。
それで佳澄の友人に聞き込みしましたら樹里とはデザイン学校で一緒だったそうなんですよ。
多摩ニュータウンで殺害された白石佳澄と同じ日の同じ時間にお台場で男に襲われた高近樹里
2人はデザイン学校の同窓生
しかも白石佳澄は樹里の父親高近と知り合いだ
別々に発生した2つの事件が繋がりを見せ始めている
社長にお会いしたいのですが取り次いで頂けますか。
はい。
(廣田瑞季)どちら様でしょうか?警視庁の大岩と申します。
警視庁?捜査一課長の大岩です。
捜査一課長…?
(瑞季)社長警視庁の方が。
今帰ったばかりじゃないの。
高近専務は連絡も取れないし忙しいんだからまたにしてもらって。
(瑞季)あの…今度は捜査一課長さん自らだそうで。
捜査一課長…?失礼します。
お忙しいところ申し訳ありません。
あなた確か…。
8年前は青山署の刑事課長でした。
お父様の事お力になれず申し訳ありません。
(ため息)あれからお父様の失踪の理由について何か思いつく事はありませんか?
(ため息)あの日は父の指示で長野へ新店舗の候補地の視察に行っていたのに帰ってきたら失踪していて…。
私には何がなんだかわからないままです。
幸恵社長は白石佳澄さんをご存じですか?亡くなった方ですよね?その人ホステスなんでしょ。
だったら知るわけありませんよ。
あなたもご存じありませんか?あの…実は白石佳澄さんなんですけどうちのデザイナー部に出入りしてまして…。
新作デザインをいくつか持ち込んでいらしたんですけど…。
ここに出入りを?はい。
高近専務のお嬢さんの樹里さんの紹介で。
そうだったの。
樹里さんもこちらでデザインの仕事をなさってるんですか?あの…デザイナー部では若手を育てているんです。
その中に…。
失礼ですがあなたは?あっすいません…。
あのわたくし企画室の廣田瑞季と申します。
新製品を開発してらっしゃる…?はい。
大島の椿染めのネクタイを試作中だと伺いましたが。
はい。
試作品が出来て年内には販売をと…。
それは今簡単に手に入るものですか?いえ。
今はまだ開発に携わってる社員だけです。
例えば高近専務は?専務には試作品をお渡ししています。
そうですか。
それが何か?いえ…。
廣田。
はい。
あなたもう仕事に戻りなさい。
はい。
失礼致します。
念のために伺いますが昨夜の午後10時頃社長はどちらにいらっしゃいましたか?昨夜午後10時でしたら伊豆大島行きのフェリーに乗ってました。
伊豆大島ですか?ええ。
工場建設予定地の視察です。
(幸恵)朝大島に着いて視察して帰りは飛行機で先ほどこちらに。
お台場の黒木政也の解剖の結果死因は頭蓋骨骨折と判明したんですが…。
しかし遺体の肺に水は入っていませんでした。
つまり殺害後にあの橋から落とされたのではないかという事か。
ええ。
殺人事件の可能性大です。
ヤマさん。
台場署に特別捜査本部を設置する。
わかりました。
あの…。
ずっと気になってたんですけど…。
なんだ?あのしゃもじ。
あれは何か縁起のいいものなんですか?お前警察に何年勤めてるんだ?ん?知らんのかあのしゃもじを。
えっ?しゃもじで「めしとる」んだろう。
なんだ…あっそういう意味だったんですか!アハハ…。
フフ…。
よろしく犯人を召し捕らせてくださいませ!ん?このにおいは…。
(大岩小春)今日はカレーの日ですからね。
はいプリン。
あら。
忙しくて忘れてるかと思った。
カレーとプリンは娘の大好物だ
月命日には必ずその2品を供える
ビビは?うん?ビビ…おお〜ビビ〜。
はいおいでおいで。
は〜いたいた。
よいしょ。
よいしょ〜。
なんだよお前〜。
俺が帰って来た時ぐらい嬉しそうな顔しろよ。
はいばんざ〜い。
ビビちゃんよかったわねえ抱っこしてもらって。
う〜ん。
私はこの小春の笑顔にどれだけ助けられたかわからない
捜査一課長の激務に耐えていけるのは小春の笑顔があるからだ
(中根)お疲れさまです。
ご苦労さん。
黒木の部屋にあったという盗撮写真は?これです。
うん?この写真妙だな…。
妙といいますと?実は俺が秋葉原署の副署長をしていた時アイドルの一日署長を手伝った事があるんだが…。
(男性たち)こんにちはー!
(愛海)「はーい」「交通事故ゼロを目指して秋葉原交通安全パレードを…」
(男性)愛海〜!お前は俺だけのもんだ〜!ああっ…愛海〜!愛海〜!
(男性)お前は俺だけのもんだ〜!大丈夫ですか?ケガはありませんね?
(愛海)はい。
(大岩の声)そのストーカーが撮った写真は好きなアイドルの笑顔が実によく撮れていたんだが…。
でも別に笑顔を狙ってるわけでもなさそうだし…。
なんか確かに変な写真ですよね。
黒木は樹里さんにストーカー行為を行っていたのではなくて何か別の目的があったのかもしれないな。
失礼します。
なぜ呼ばれたかわかってるな。
サイオンデザインの件でしょうか。
年商1000億円以上の大企業だ。
社長の西園寺幸恵もさまざまな繋がりを持っている。
政治家への献金も多いようだ。
捜査は自粛せよと。
まあどうぞ。
失礼します。
叩き上げの現場の連中がそんな圧力に屈するとは思えんが下手をすれば我々が腹を切るだけではなく…。
総監にまで累が及ぶ。
だが大岩一課長。
存分にやって構わん。
万一の時は私が全責任を取る。
部長…。
(井上)警部!高近義英さんですね?はい。
(貝瀬)あなたの携帯に事件当夜午後8時白石佳澄さんからメールの受信があります。
「お話ししたい事があるので今夜10時多摩ニュータウン角下金属の倉庫に来てください」あんたが白石佳澄を殺したんだな?違います。
約束の時間に倉庫へ行ったら…。
(高近の声)燃えていたので慌てて逃げたんです。
白石佳澄さんの遺体がそこにある事は?はい。
見えました。
(貝瀬)白石佳澄さんの手に握られていた繊維です。
これは椿染めを使ったネクタイ。
まだ市場に出回っていない試作品だそうですがあなたこのネクタイをしていたそうですね。
はい。
(貝瀬)今着けてませんがどうなさいました?あの日の夕方会社で新商品の試着をする時にいったん外したんですが見当たらなくなってしまいました。
事件の前の晩六本木のブルーダリアという店の表で白石さんと口論していたようですが何があったんですか?黙秘ですか!
(貝瀬)お嬢さんの樹里さんが何者かに襲われ連絡が取れなくなっているのをご存じですか?樹里さんを襲ったと思われる黒木政也というジャーナリストが殺害された事は?あっ一課長!貝瀬。
取り調べは打ち切れ。
えっいや…。
高近さん。
もうお帰りくださって結構です。
どうぞ。
一課長…。
取り調べを中断された部下たちの気持ちは痛いほどよくわかる
だが単に取り調べを続けるだけで被疑者が口を割るというものではない
(ノック)パパだ。
(貝瀬)お嬢さんの居場所ご存じだったんですね。
申し訳ありません。
娘の事が心配だったものですから…。
高近樹里さん無事だったんですね心配しましたよ。
お久しぶりです。
どうぞ。
どうして家に戻らず身を隠していたんですか?あの人が死んだなんて知らなかったからまた襲われるんじゃないかと思って怖くて家に帰れなかったんです。
あなたを襲った黒木政也はあなたをずっと追いかけていたようなんです。
あなたに一方的に好意を抱いていた単なるストーカーなのかもしくは別の何かを狙っていたのか心当たりありませんか?いいえ。
その黒木が殺害されたんですがあなたが…。
違います!私は襲われて逃げただけで殺してなんかいません。
白石佳澄さんをご存じですね?えっ?ええ。
デザイン学校の時の知り合いです。
あなたがサイオンデザインのデザイナー部に佳澄さんを紹介してあげたそうですね。
ええ。
でもあの時はかえって申し訳ない事になってしまって…。
若手のデザイナーたちが何人かで勉強を兼ねて新作のデザインをしていたんですが社長に怒鳴られちゃって…。
幸恵社長にですか?ええ。
(幸恵)これ描いたの誰!?私ですけど…。
こんな素人同然のお絵描きしてうちに出入りする資格があると思ってるの?才能のかけらもないわ。
さっさと出てって。
それはまた随分な事を言われてしまったんですね。
佳澄さんショックを受けていたでしょう。
ひどすぎるって怒ってました。
そうですか。
そのブローチですが…。
はい。
デザイナー部を辞めていく時に佳澄さんが私にくれたんです。
せっかく紹介してもらったのにこんな事になってしまって…。
そのお詫び。
はい。
これが何か?いえ。
話を聞き終わったら高近専務のお宅に送ってあげてくれ。
はい。
お母さんが随分心配していた。
元気な姿を見せてあげたらどうですか?いえ実家には帰りません。
自分の家へ…。
天笠。
はい!今日はもう帰っていいぞ。
えっ…どうしてでしょうか?今日は嫁さんの誕生日だろ。
早く帰ってやれ。
あっ…そんな!いけません…。
ケーキぐらいは買って帰れよ。
申し訳ありません!
刑事にとって息抜きも大切である
過酷な捜査現場を乗り切るには充実した知力そして体力が何よりも重要なのだ
(汽笛)
(天笠)おはようございます!ご苦労さまです。
奥さんの誕生祝いはしたのか?はい!一課長のおかげでささやかですがお祝い出来ました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
よかったですね。
はい!どうぞ。
うん。
(携帯電話)大岩だ。
大福か。
どうした?申し訳ありません。
今貝瀬警部から連絡があって高近専務が自宅から姿を消しちゃったそうなんです。
(小山田)多摩東署捜査本部の捜査員が全員で高近捜してます。
でもなんで姿消すんでしょう…。
なんか他に理由でも…。
ご主人は確か伊豆大島のご出身でしたね?ええ。
もしもし大岩だ。
猪巻か。
久しぶりだな。
急な話だが早急にそちらに邪魔させてもらいたい。
うん。
よろしく頼む。
どちらへ?伊豆大島だ。
(小山田)大島へ?えっな…なんで?
(中根)どうして多摩東署と一緒なんだ!一課長の考えはわかりません。
(井上)俺たちだけで十分じゃないっすか!
(貝瀬)台場署の連中なんかに負けるなよ!お前たち!腕の違いを見せてやれ!
(刑事たち)はい!連中カリカリしてますね。
目的は一つだ。
(汽笛)一課長!今竹芝桟橋から連絡が入りまして昨夜高近専務がフェリーに乗船する姿が防犯カメラに映ってる事が確認されました。
そうか。
はい。
じゃあ。
一課長。
どうして高近専務が大島に向かったとわかったんですか?うん…。
決してカンではない
長い経験に基づき考え抜いた末にたどり着く一つの答え
事件の捜査にとって経験というものが何よりもものを言う時がある
ヤマさん一つ頼みたい事があるんだ。
東京都大島町
この伊豆大島も警視庁の管轄である
(汽笛)ここがサイオンデザイン工場建設予定地です。
ではヤマさん。
はい。
よしみんな!そこのスコップと検土杖を取れ!そして掘って掘って堀りまくれ!何…?高近専務を捜すんじゃないんですか?
(小山田)聞こえなかったのか?さっさと全員かかれ!
(刑事たち)はい!何捜すんだ?わからん。
グダグダ言ってないでさっさとやれ!はい!はい!
(貝瀬)お前たち奴らに負けんじゃねえぞ!
(刑事たち)はい!多摩東署に負けるな!
(刑事たち)はい!
(雷鳴)
(雷鳴)
(雷鳴)管理官!
(小山田)一時待機!
(一同)はい!
(雷鳴)一課長。
えっ?係長。
俺たち一体何捜してるんですか!大体なんで俺たちが多摩東署の尻拭いしないといけないんですか。
(貝瀬)ああ?なんか言ったか?お前。
もういっぺん言ってみろよ…!貝瀬やめろ!一課長!?やろう。
よし俺たちもやるぞ!
(刑事たち)はい!一課長…。
何してんだおい!立てほら!小山田管理官!一課長まさか高近の遺体が…。
丁寧にやれ。
(刑事)はい!ほら。
はい!たった1日で高近の遺体が白骨になるわけありませんよね。
じゃあ高近は…。
捜索範囲を広げる。
全員で島全体を捜索しろ!
(一同)はい!よしかかれ!
(一同)はい!すいません。
はい。
いたぞ!高近!?
(小山田)生きてる。
救急車!
(刑事たち)はい!
伊豆大島で発見された白骨遺体の復顔作業が行われ同時にDNA鑑定が行われた結果遺体は8年前に行方不明になった西園寺和則社長と断定された
死因は?頭蓋骨に鈍器で強打されたような陥没があり他殺の可能性が強いそうです。
高近専務の容体は?回復して事情聴取は可能だって連絡入ってます。
野口管理官にすぐに病院に行くように伝えてくれ。
はい。
それから大福一つ頼みがある。
樹里さんがつけているブローチだが…。
ブローチ?大島へは何をしに行かれたんですか?8年前私は西園寺社長を殺したのではないかと疑われました。
今回の事件で刑事さんから佳澄さんが椿染めのネクタイを握って亡くなったと聞いて西園寺社長の失踪の謎が大島にあるような気がしたんです。
(秋代)襲われた時に犯人の顔は見ませんでしたか?
(高近の声)後ろから突然殴られたもので…。
(瑤子)もうよろしいですか?あまり長い時間は…。
ああ…申し訳ありません。
ではまた改めて…。
樹里さんどうぞ。
あっかわいいブローチですね。
ええ。
上司から聞いたんですけどそれ白石佳澄さんから頂いたブローチですか?ええそうです。
あの申し訳ないんですけど白石さんの遺品という事もありますので少しだけお預りさせて頂いてもよろしいですか?はい。
「YUKIE」?お忙しいところ申し訳ありません。
なんだ?言ってみろ。
実は黒木政也の友人に会いジャーナリストとしての仕事ぶりを調べてみました。
ん…?よくそんな時間があったな。
一課長を公舎へお送りしたあとに。
そうか。
で何かわかったのか?はい!8年前黒木はサイオンデザインの社長西園寺和則の失踪に関する週刊誌の記事を書いていました。
この記事は黒木が書いたものだったのか…。
読んでみますと高近専務が社長の座を奪うために殺害したのではないかとにおわせているんです。
ここからは自分の推測なんですが高近専務と次期社長を争った人物…つまり現社長の西園寺幸恵が黒木と繋がって…。
高近専務にとって不利な情報を流したのではないかと。
天笠。
はい!よくやった。
ありがとうございます!この間の女房の誕生日に一課長のご厚意で早く家に帰ったら女房が感激して。
とにかくなんでもいいから一課長の役に立ってこいって言われて…。
天笠の奴勝手に捜査なんかしやがって…。
しかし幸恵社長が樹里さんを襲った黒木と8年前から繋がっていたとすると…。
一課長!どうした?これ樹里さんがしていたブローチの裏に刻印されていた文字を拡大したものなんですけど見てくださいこれ。
「TOYUKIE」って…。
これ幸恵社長に贈られたブローチだと思われます。
幸恵社長に?それにこの数字。
「2005526」これは2005年の5月26日…。
西園寺社長が失踪した日じゃないか。
そうです。
しかもこの5月26日って幸恵社長のお誕生日でもあるんです。
幸恵社長の誕生日…?ていう事はつまり8年前に幸恵社長の誕生日に贈られたブローチがなぜか白石佳澄に渡ってそして樹里に渡ったっていう事か。
事件に偶然はない
幸恵社長の誕生日と西園寺元社長の失踪した日が同じなのは必ず何かの理由があるはずだ
この手作りのブローチなんですけど…。
ちょっといいですか?それ白石佳澄さんが持ってたんですけど元々は幸恵社長のものじゃないかと思うんですよね。
はぁ…。
どうしました?あっいえ…。
あの1週間くらい前だったか社長がバッグをなくしたって大騒ぎした事があって。
バッグ?ええ。
トイレにあったのを私が見つけたんです。
その時…。
バッグありました!佳澄さんとすれ違った?でもあの時の社長ちょっと変でした。
(瑞季)バッグありました。
どこにあった?2階のトイレです。
誰か盗んだのね。
あれ…?ちょっと…。
ない…ない!
(瑞季)何かなくなりましたか?まさか…白石佳澄さんが…。
それがこのブローチ…。
わかりませんけど。
ありがとう。
ブローチがなくなって幸恵社長はなぜそんなに大騒ぎをしたのか…。
よっぽど大事なものだったんでしょうか?そのブローチが幸恵社長にとってそれほど大事なものだとしたら…。
白石佳澄から奪い取ろうとして殺害した可能性も…。
しかし幸恵社長は白石佳澄が多摩ニュータウンで殺害され放火された時間大島行きのフェリーに乗ってた。
裏は取れているのか?はい。
フェリーの防犯カメラに幸恵が乗船する姿が映ってました。
そうか。
でも…完璧なアリバイほど怪しいものはないっていうし…。
ちょっと失礼します!あいつまた何かひらめいたかな?しかしあのブローチ誰が幸恵社長に…?気になりますね。
西園寺幸恵もう少し探ってみる必要があるな。
はい。
(電話)はい大岩。
野口管理官。
どうした?
(秋代)お台場の事件ですがやっと目撃者が出ました。
黒木が殺害された午後10時過ぎに遺体が発見された現場付近で中年の女性が車の中から荷物のようなものを降ろしているのが目撃されていました。
中年の女性?特徴は?目撃者がその車種を覚えていて持ち主を洗ったところその中に高近義英という名前があったんです。
高近?ではその中年の女性は高近専務の奥さんか?その可能性が高いと思われます。
(中根)事件当日午後10時頃あなたはお台場の朝焼け橋付近にいらっしゃいましたね?はい。
車から何か大きな荷物を降ろしているのが目撃されています。
申し訳ありません。
黒木を殺したのは私です。
(中根)「どうして殺したんですか?」「あの晩黒木から…」8年前の事で話があるとお台場に呼び出されて行ったらまた主人が西園寺社長を殺害したに違いないという記事を書いたと言うんです。
それでその記事を週刊誌に載せてほしくなければ原稿を買い取ってほしいとお金を…。
それで…。
やぁっ!
(携帯電話)大岩だ。
大福か。
どうした?今すぐ?
(パトカーのサイレン)大福何かわかったのか?はい。
わかりました。
何がわかったんだ?犯人のトリックです。
トリック?犯人はまず白石佳澄さんをこの多摩ニュータウンの廃工場に呼び出し…。
誰か…?誰かいないの?うっ…。
高近専務のネクタイを使って白石佳澄さんを殺害した。
まず灯油をまきそれから佳澄さんの遺体の上に氷をかけた。
氷だと!?はい。
多分犯人は死亡推定時刻をごまかそうとしたんじゃないんですかね?実際に殺害したのは午後8時だが氷で遺体を保存して午後10時に死んだと見せかけようとした。
はい。
そしてそのあとに放火。
ところが思いがけず消火活動が早く行われてしまったために白石佳澄さんの遺体は焼かれずにきれいなまま残ってしまった。
という事はつまり火が出た時犯人は現場にいたという事になるな。
でもそうじゃないんです。
どうぞこちらに。
この電線この電源盤から出てて…。
先が裸になってますよね。
これに電源を入れると…。
火花が飛んで下にまいた灯油に引火して火が出ます。
今ちょっとそこのコンビニでこれ…。
氷買ってきたんですけど。
これをこの鉄板の上にこう置いてですね…。
この一方をここにこうして巻き…。
もう一方を氷の上に置く。
時間が経って氷が解け火花が飛び…。
例えば化学繊維のような可燃性のものをそこに置いておけば…。
(小山田)あっという間に火の海だ。
はい。
そして犯人はもう一つ仕掛けをした。
高近専務に罪をかぶせようと午後10時にこの現場に呼び出していた。
その時間犯人はここから遠く離れた竹芝桟橋に行き大島行きのフェリーに乗りそしてわざと防犯カメラに映るように顔を向けた。
西園寺幸恵。
そして午後10時。
同じ時間に幸恵社長は黒木に樹里さんからブローチを奪えと依頼した。
だが意外にも樹里さんの抵抗を受け…。
(落下音)でかしたぞ大福。
ありがとうございます。
だがまだ逮捕状は取れない
肝心の殺害動機が不明だ
幸恵社長はなぜ白石佳澄を殺害したのか?
大福。
あのブローチ手作りだったな?そうです。
誰が作ったものか調べろ。
わかりました。
(秋代)失礼します。
これなんですが…。
この作り方は…父の生徒さんかもしれません。
生徒さん?はい。
父はオリジナルのアクセサリーを作っていて教室を開いていたんです。
その生徒さんのどなたかが作られたのかもしれません。
お父さんは?随分前に亡くなりました。
その生徒さんの名簿ってまだありますか?はい。
ん?これは…。
このブローチですが誰が作ったものかわかりました。
西園寺和則。
あなたのお父さんです。
だったらどうなんですか?このブローチはあなたにとってとても大事なものだった。
だから先日ブローチを入れたバッグを置き忘れそれが見つかった時中に入れておいたブローチがなくなっていた事であなたは慌てた。
そしてあなたがクビにした白石佳澄が盗んだのではないかと思い…。
知りません私…。
ブローチどうしたの!?知らないわそんなもの。
お金はいくらでも払う。
だから返して!そんなに大切なものなんだ。
じゃあ返さない。
あなた…。
私がどうしてこんな事するかわかってる?どんなひどい事言ったかわかってる?
(秋代)あなたは佳澄さんがどこまで事情を知っているのか不安になった。
それで私が彼女を殺してブローチを取り返したとでも言いたいんですか?いいえ。
ブローチは佳澄さんの手から高近樹里さんに渡っていました。
だったら殺す必要なんてないじゃない。
あなたジャーナリストの黒木政也と知り合いですね?黒木の部屋にブローチをつけた樹里さんの写真が何枚もありました。
あなた黒木に樹里さんがつけているブローチを奪えと依頼したんじゃありませんか?その一方でブローチの秘密を握る白石佳澄さんを…。
白石佳澄が殺された時私は伊豆大島行きのフェリーに乗ってたの。
完璧なアリバイがあるわ。
(落下音)
(電話)はい大岩。
ヤマさんどうした?幸恵社長が…?一課長!
(小山田)遺書か…。
自殺とは予想だにしなかった
父の遺したサイオンデザインを守り抜くと思われた幸恵社長が…
みんな聞け!写真は渡ったな?
(一同)はい。
その写真をどこで撮ったか撮影した場所を突き止めろ。
(一同のどよめき)しかし一課長この写真1枚ではなんといいますか…。
砂浜で一粒の特別な砂を捜すようなもので…。
手がかりはある。
富士山だ。
富士山?母と娘の背後に富士山が見えている。
本当だ。
東京中の富士山が見える場所を当たれば必ずその写真を撮った場所が特定出来る。
写真を解析した結果東京都の北東部北区から墨田区付近で撮られた写真と思われます。
いいか!お前たちは東京を預かる刑事だ。
事件はまだ終わっていない。
もう一度被害者の無念の思いを胸に刻め!そしてホシを挙げるんだ!どうだ?
(貝瀬)違うな…。
(井上)富士山も見えませんし。
(中根)おい富士山あるぞ。
本当だ。
(中根)どうだ?いや違いますね。
どうですか?
(小山田)いやここじゃ富士山は見えないな。
もっと上だな。
ここ…。
あのビルがなければこの写真の富士山と一緒…。
あったわ!ここよ!
(電話)はい大岩。
見つかったか!よくやったぞ野口!はい!
(小山田)野口管理官!あっここよ!ここここ!こっちこっち!ほら右のビルがなければ富士山と…。
ここの景色と…写真と一緒です!
(中根)本当だ!その少女の胸にはブローチがついています。
西園寺社長の手作りのブローチだ。
その写真と同じ富士山が写る場所を特定しその周辺で聞き込みをした結果その母と娘が誰なのか判明しました。
少女はあなただ。
そして隣の女性はあなたの母親。
西園寺社長と親しい女性。
つまりあなたは西園寺社長の娘幸恵さんとは母親違いの妹です。
きっとあなたは今でもこのブローチを持ってるはずだ。
なぜなら大好きなお父さんにプレゼントしてもらったものだからだ。
そのとおりです。
肌身離さず持ってるわ。
父は時々しか家に来てくれなかったけど私は父が大好きでした。
(西園寺和則)飛んだね〜!これね…。
(瑞季の声)愛人の子だったけど父は私をとっても愛してくれた。
(西園寺)瑞季似合ってるよ。
ありがとう!このブローチは私への父の愛なんです。
しかし8年前突然西園寺さんは失踪してしまった。
姉が殺したんです。
幸恵が父親を。
どうしてそう思うんですか?父は姉ではなく私にこのサイオンデザインを継がせると明言したからです。
瑞季。
(瑞季)はい。
私が引退したらお前が社長になれ。
私!?でも幸恵姉さんが…。
(西園寺)あいつはここの社長には向いてない。
ちょっと何言ってるのお父さん!私に継がせるって言ったじゃない!もう決めた事だ。
次期社長はお前じゃなくて瑞季だ。
そんな…!幸恵社長の誕生日が刻印されたブローチを初めて見た時あなたは幸恵社長がお父さんを殺害した事を確信した。
なぜならお父さんの失踪当日幸恵社長はお父さんには会っていないと証言していた。
にもかかわらずその誕生日のプレゼントであるブローチを持っていたから。
もしお誕生日前にもらったのなら隠す必要はないし堂々とお父さんからもらった最後のプレゼントだと言ってもおかしくないはず。
ひどい姉なんです。
社長の才能がないから父からダメだと言われただけなのに…。
それなのに父を恨んで殺すなんて…。
筋違いもいいところだわ!当時あなたが住んでいた近所の人に話を聞いたところ西園寺社長はあなたを溺愛しあなたも社長のそばを離れなかったそうですね。
その愛する父親を殺害されあなたは幸恵社長に殺意を持った。
これはその幸恵さんのデスクの引き出しにあったものです。
「父を殺したのは私です」…。
幸恵さんが書いた本当の遺書です。
(幸恵の声)「私は父を愛し父の右腕となってこのサイオンデザインで働く事を望んでいました」「でもサイオンデザインは私でなく妹に継がせると言われ父の殺害を決意しました」
(幸恵の声)「伊豆大島の工場建設予定地に呼び出し殺害しました」
(幸恵)ああっ!
(西園寺)うっ!
(幸恵の声)「ですがそれが大変な間違いである事にすぐ気づいたのです」そのカードは西園寺さんが幸恵さんにブローチとともに渡そうとしていたものです。
(西園寺の声)「幸恵誕生日おめでとう」「先日はサイオンデザイン社長の件で申し訳ない事を言った」「でも父さんはお前が子供の頃からの夢だった宝飾ブランドを立ち上げてほしいと思っている」「資金面については全て父さんが後押しするつもりだ」「その方が幸恵にとっても幸せな事ではないかと父さんが考え抜いて出した結論だ」
(西園寺の声)「会社は妹に継がせるが姉妹で仲良く支え合って生きていってほしい」「それが父さんの唯一の願いだ」「誕生日おめでとう」「このブローチは父さんからの精一杯の贈り物なんだ」パパごめんなさい!私…。
私…。
パパ…。
幸恵さんはブローチに刻印された日付を誰かに見られると西園寺社長が失踪した日に自分が社長に会っていた事を知られてしまう。
そこでブローチを盗んだ白石佳澄さんを殺害し偽装メールを使って高近専務を呼び出し罪をかぶせ大島で殺害しようとした。
一方樹里さんに渡ってしまったブローチを黒木に依頼し取り戻そうとした。
その幸恵さんが自殺をし遺書が発見された。
ところが遺書は2つあった。
1つが本物だとすれば1つは偽物だ。
だとするとその偽物を書いたのは誰か?事情を知り幸恵さんに殺意を持つあなたしかいない!そうですね?父の事でカッとなってしまったんです。
姉さんがお父さんを殺したのね?社長になりたかったからって殺す事なんてないじゃないのよ!私は社長を辞退するつもりだった。
お父さんのそばで仕事が出来ればそれだけで十分だった。
それ以上の望みなんてなかったし姉さんには社長になってもらうべきだと思ってた。
なのに…それなのに…なんてバカな事したのよ!そうね…。
バカな事した。
やっぱり姉さんがお父さんを…。
そうよ。
みんなこの会社のためにやったの。
勝手な事言わないで!
(幸恵)ああ〜っ!姉さん…。
あっ!もうやめて…。
ちょっと…。
西園寺社長は2人の娘を分け隔てなく愛していた。
父親を奪い合いいがみ合う必要はなかったんです。
今思えば…姉はたった一人の肉親でした。
心から愛した2人の娘がともに協力して立派に育ってくれる事それがお父さんの夢だった。
そのお父さんの夢をあなた方姉妹が壊してしまったんですよ。
お父さん…。
(瑞季の泣き声)
(瑞季)ごめんなさい…。
一つの事件が終わった
だが全ての事件が解決したわけではない
捜査一課長の仕事に終わりはないのだ
(瑤子)ずっと幸せな家族に憧れていました。
私幼い頃に母親を亡くしてるんです。
母親の愛情を知らずに育って…。
樹里さんという娘が出来たのにどう愛情を注いでいいのかわからなかったんです。
何をやっても樹里さんに受け入れてもらえず頑張れば頑張るほど空回りして。
樹里さんには不愉快な思いをさせてしまいました。
そんなあなただから樹里さんを守るためならなんでもしようと思ったんですね母親として。
はい。
あの晩主人から樹里さんが襲われたらしいと聞いてすぐにその場所に向かったんです。
あ…樹里さん…!?
(樹里)嫌…!あぁ…!やぁっ!でもかえって樹里さんを困らせる事になってしまって…。
中に入っては…。
もういいよ。
樹里さん…。
刑事さんあの男を殺したのは私です。
(樹里の声)襲われて倒された時…。
(樹里の声)私があの男を殺したんです!この人は…私を助けてくれたんです。
(樹里の声)あの男の遺体を車に乗せ遺体を橋の上から落としたんです。
私が警察に捕まらないように。
違います!私です!私があの男を殺したんです!もういいの!樹里…。
ごめんなさい。
気持ちはずっとわかってたのにどうしても素直になれなかった。
ごめんなさい…。
樹里さん…。
娘のためになら鬼にも蛇にもなれる。
しかし瑤子さんあなたは娘さんを守る手段を間違えた。
樹里さんを守るためには2人で警察に出頭するべきだった。
申し訳ございません。
かえって樹里さんを苦しめるような事をして…。
やっぱり母親になれない女なんですね。
(泣き声)なってるよもう。
え…?自慢の母親に。
ありがとう…。
お母さん。
お母さん…?
(小春)おかえりなさい。
ただいま。
小春お土産だ。
まあ!ありがとうございます。
まあ!きれいな色のスカーフ!大島に行った時みんなの目を盗んでこっそり買っておいた。
それはそれはありがとうございます。
(携帯電話)大岩だ。
強盗殺人?わかった。
臨場する。
お気をつけて。
うん。
(天笠)お疲れさまです。
2014/07/19(土) 12:00〜13:55
ABCテレビ1
警視庁捜査一課長〜ヒラから成り上がった最強の刑事![再][字]
殺意の誕生日…手編みブローチが死を招く!?火事でも燃えない女!!
詳細情報
◇番組内容
内藤剛志が“ヒラ刑事”から成り上がった、叩き上げの捜査一課長を熱演するシリーズ第2弾!
火災現場から焼けた跡のない女の遺体が発見された!?謎の連続殺人に一課長が挑む!
◇出演者
内藤剛志、斉藤由貴、床嶋佳子、金田明夫、本田博太郎、高橋ひとみ、秋本奈緒美、中島ひろ子、小野真弓、梨本謙次郎 ほか
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