小さな旅「イルカと暮らす宝島〜東京 御蔵島〜」 2014.07.19

(テーマ音楽)小魚たちが泳ぐ豊かな海。
(イルカの鳴き声)鳴き声と共に姿を現したのはミナミハンドウイルカです。
今回はイルカたちが暮らす小さな島の物語です。
都心からおよそ7時間半の船旅。
見えてきたのは伊豆諸島の一つ御蔵島です。
島は「神様の宝物をしまう蔵」。
そんな言い伝えからこの名が付いたとされています。
島の周囲は断崖絶壁。
海が荒れると1週間以上船が着かない事もあります。
かつて観光客が来る事はほとんどありませんでしたが20年ほど前からイルカを見に来る人が増えてきました。
一日1便の船を利用し年間およそ1万人が訪れます。
イルカが多いしかわいいし毎年やっぱり来ちゃいます。
イルカに呼ばれてる感じですかね。
来なくちゃっていう。
御蔵島ではイルカとすぐ近くで一緒に泳ぐ事ができます。
イルカウオッチングの船を操る栗本道雄さんです。
この島で生まれ育ちました。
内地から来てくれるお客さんにこういう海は珍しいって教わった。
僕ら島の者にとってはごく普通の光景ですけどね。
もう一回やるかな。
ああもう一回やった。
イルカを探す手がかりは呼吸する時に水面に出てくる背びれ。
背びれが見えると群れの動きを読んで先回りします。
あ〜っ来た!近く!お〜っ来た来た。
来た!いる!島の人たちはイルカを特に気に留める事なく暮らしてきました。
今120頭ほどが住み着いています。
はいじゃあ両方入りますよ。
近い方から入って船の前へ行って下さいどうぞ。
お〜っすごいすごい!栗本さんが気を付けているのはイルカにストレスを与えない事。
触ったり無理に近づいたりしないよう注意してからお客さんを送り出します。
悠然と泳ぐ野生のミナミハンドウイルカです。
体長およそ2m。
奥に小さなイルカがいます。
生まれたばかりの赤ちゃんイルカ。
今はちょうど出産の時期です。
好奇心旺盛なイルカ。
人の動きに合わせて踊っているようです。
もうすっごい大感動!目が合いました。
アイコンタクトしましたもん。
ちょ〜最高でした!真横にいるイルカ気が付かないでしょう?よく右左見た方がいい。
イルカは島の宝物。
訪れる人たちに気付かされた栗本さんです。
連れてくお客さんがやっぱりイルカを見て喜んでくれたりうれしそうにしてくれたりっていうそっちの姿の方が何か新鮮というか面白いというか。
やっぱりイルカはすごいんだなぁと。
こういう不便な昔に比べたら便利になったけど不便な島に生活しててよかったのかなぁと思いますね。
島の人口はおよそ300人。
港近くただ一つの集落で寄り添うように暮らしています。
畑で野菜を作り海で魚を取る。
古くから自給自足に近い生活を続けてきました。
今では多くの観光客が訪れるようになり民宿やホテルも8軒出来ました。
船長の栗本さんの自宅です。
子供たちが帰ってきました。
夕食のおかずにさばいているのは友人から分けてもらったかつお。
先ほど港の近くで取れた魚。
いや〜おいしいと思いますよ。
中学卒業後島を離れた栗本さん。
都会の暮らしになじめませんでした。
24歳で島に帰り小さな船で漁に出たり冬場は工事現場のアルバイトをしたりして過ごしました。
30歳の頃イルカを見たいと訪ねてきた人を案内し喜ぶ姿に心動かされて今の仕事を始めました。
あっ来た!やった!お刺身到着。
(和恵)お刺身待ってました〜!おしょうゆある?栗本さんは4人家族。
妻の和恵さんは小学校の教師です。
御蔵島に赴任し道雄さんと結婚2人の子供を授かりました。
父ちゃん土曜日釣り連れてって。
土曜日はお客さんが忙しいから釣りに行けないの。
海が大好きな小潮ちゃん。
小学5年生です。
イルカと一緒に泳ぐようになったのは6歳の時。
それからずっとイルカは小潮ちゃんの友達です。
イルカの群れの方から近づいてきたんだよ。
何してんだっていう感じで。
近づいてくるんだ?うん時々ね。
おかしい事すれば近づいてくる。
失敗!イルカの海を守る取り組みが行われています。
お願いします。
お疲れさまです。
はいお願いします。
1時半3時半。
5の2。
イルカウオッチングの船長たちからお客さんの数や海に出る時間の届け出を受けます。
はいお疲れさまです。
お疲れさまです。
小木万布さんです。
大学院でイルカの研究をしていましたが調査で訪れた島を気に入り15年前に移住しました。
許可を出した船には目印の旗を付けてもらいます。
緑は1回目黄色は2回目赤は3回目。
一日に出航できるのは延べ30隻と決めています。
毎年夏になると小木さんは大学生たちと海に出ます。
イルカ一頭一頭を識別する調査を行うのです。
水中のイルカを撮影しひれの形や体についた傷などの特徴を把握します。
この調査によってイルカの数や生態を知る貴重なデータが得られます。
イルカは特に毎年毎年子供を産んだり成長していくものなので社会関係も変わっていきます。
そういう基礎データを集める事がやっぱり一番すごく大事な事。
ただ続けるのはすごく難しい事だと思ってます。
小木さんたちは識別したイルカに名前を付けています。
サメにかじられた痕がほっぺのような雌のほっぺちゃん。
ひび割れたような傷が枝に見える雄のイルカ小枝枝雄。
6年前からは毎月イルカの情報を分かりやすくまとめ島の人たちに届けてきました。
イルカの魅力をもっと知ってもらいたいという思いからです。
ちょっと視点を変えるだけでこんなに面白い動物はいないと思うんですけどね。
イルカってすごいんですよって外から来た我々が伝えるのはとってもおこがましい。
ここの人が気にしようがしまいがずっとここでイルカも生活してこれたっていう事がすごい事なんだよっていうのは思いますけど。
御蔵島はそのほとんどがシイやツゲなどの原生林に覆われています。
幹回り3mを超す巨樹が600本以上生い茂る深い森。
豊かな森の養分は湧き水となって海へ流れ込みます。
小魚たちを育みイルカの楽園を作ります。
森の中に一軒の工房がありました。
(木を削る音)広瀬節良さんです。
15年前小学校の教師を辞めふるさとに戻りました。
御蔵島特産のツゲの木で作っているのはイルカ。
(木を削る音)携帯ストラップや置物などの土産品です。
江戸時代からくしやはんこの材料となるツゲは島の暮らしを支えてきました。
しかしより安いプラスチック製品などに押され今ではほとんど出荷されていません。
みんな相当苦労してこの木を育ててきたわけですよね。
ですのでそこにその思いを込めて彫る。
その彫ったものが喜ばれればそれがちょっと報われるかなと。
広瀬さんは50年ほど前に父が植えたツゲの山の手入れを続けています。
ツゲは成長が遅く切り出すまでおよそ100年。
まだやっと半分が過ぎたところです。
広瀬さんは43歳の時父親が亡くなった事を機に仕事を辞め母が1人で暮らす島に帰ってきました。
花の栽培や森林のガイドをしながらこの山を守っています。
代々守ってきたものをつなげていく事や大切にする事そういうのがだんだん分かってくる。
だからそんなところを自分一代になるか分かんないですけどもつなげていきたいと守っていきたいと。
せめてね。
そんな気持ちがありますね。
船長の栗本道雄さんと娘の小潮ちゃんです。
もう〜早く行きたい〜。
学校が休みの日にはお父さんの船でイルカに会いに行きます。
誰よりも早くイルカを見つけようとする小潮ちゃん。
あれ?消えたよ。
もうちょっと待とう。
いた!見っけたね。
あっ!いた!3頭!4頭!5頭!父ちゃん5頭だよ!2頭じゃないよ!あ〜っ!6頭!7頭!ぐらいかな。
多分7頭ぐらいの群れ!かわいい!おお〜っ!
(栗本)でかいのばっかりだ。
海での泳ぎはお手のもの。
イルカと小潮ちゃんの追いかけっこです。
何頭見た?1頭2頭3頭4頭5頭ぐらい。
何してた?遊んでた。
かみ合ったりしてた。
かみ合ったり追っかけっこしたりしてた。
そこまで見えるけど…何か言葉で言いにくい。
イルカと育つ小潮ちゃんです。
(栗本)僕の子供や孫来てくれるお客さんの子供や孫の代でもやはり同じように御蔵島に行ったら「ああイルカまたいたね」っていうふうな…していかなきゃいけないと思ってます。
人間の私たちの勝手な気持ちだけど御蔵の自然の中に私たちも生かされてる人間ですし。
イルカもそれの一部だから。
自然の一部なんで。
イルカは島の宝物。
共に生きる御蔵島の海です。

(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2014/07/19(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「イルカと暮らす宝島〜東京 御蔵島〜」[字]

東京・御蔵島。野生のミナミハンドウイルカが120頭ほど生息している。イルカの海を案内する船長。イルカの研究者。イルカと泳ぐ少女。島の宝を慈しむ人たちを訪ねる旅。

詳細情報
番組内容
都心から南へ200キロ。「神様の宝物をしまう蔵」から名付けられた、東京・御蔵島。島の周りには、野生のミナミハンドウイルカが120頭ほど生息しています。観光客を乗せ、イルカの海を案内する船長。イルカ一頭一頭に名前をつけ調査を行う、島に移住した研究者。島に広がる原生林では、亡き父の志を継ぎ森を守る元教師。イルカと泳ぐ、小学5年生の少女もいます。御蔵の宝を守り継いでいこうとする島の人たちを訪ねる旅。
出演者
【語り】山田敦子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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