中津城に連れ帰るという活躍を見せました。
母里太兵衛はまさに黒田家を代表する武将でした。
台北の故宮のコレクション。
紀元前の古いものから歴史に名だたる傑作まで70万点が収められています。
これは4,000年以上前に作られました。
古代の神事や祭事に使われたもので表面に神の使いとされる鳥鷹が刻まれています。
こちらはおよそ3,000年前の青銅器。
殷の時代の儀式に用いられた酒の器で漢字の原形とされる記号が記されています。
時がたち漢字が芸術の域まで高められた唐の時代の書です。
変化に富んだ筆遣いは今も草書体の理想とされています。
中国伝統の磁器も時代ごとで最高のものが集められました。
およそ1,000年前のこの青い器。
現存するものが70点余りしかない幻の青磁です。
皇帝のおもちゃ箱とも呼ばれる珍しい収蔵品もあります。
数cmサイズのミニチュアの置物が30個近く収められています。
こうした膨大なコレクションは歴代の皇帝たちによって集められてきました。
それはいつ誰によって始められたのでしょうか。
今からおよそ1,000年前。
コレクションの収集は北宋の都開封から始まりました。
最も栄えていた頃の開封を描いた絹の絵巻です。
当時開封は人口およそ100万。
夜間でも城門が閉められる事のない自由で活気ある街でした。
そんなにぎやかな街へ夜な夜な宮殿を抜け出し放蕩三昧を繰り返していたという皇帝がいました。
北宋の…彼こそが故宮の原点となるコレクションを始めた皇帝です。
風流天子とも呼ばれていた徽宗は一流の芸術家でもありました。
徽宗自身が描いた作品です。
北宋時代の最高傑作の一つとされ当時の画家たちの手本となりました。
書にも秀でていた徽宗は痩金体という独特の書体も編み出しています。
徽宗は文人の理想とされた詩書画の全てを究めた文人皇帝でした。
文化と経済が栄えた北宋でしたが周囲を武力に勝る異民族の強国に囲まれていました。
都開封から北へ600km離れた北宋時代の国境線です。
かつてここから先は遊牧騎馬民族の支配地でした。
北宋は毎年大量の絹や銀を北方の強国に送り平和を維持していく事になります。
そんな外圧の中で王朝の求心力をどのように保てばいいのか。
徽宗はそれを優れた芸術品に求めていきました。
徽宗は天下に号令を発し国中に宝を探し求めます。
それが膨大な故宮のコレクションの最初の一歩となりました。
徽宗が特に熱心に集めたのが紀元前の古い青銅器でした。
古代中国において青銅器は権力の正統性を示すもの。
古代王朝の青銅器を集める事で北宋が権力の正統な継承者である事を内外に印象づけるねらいがあったと考えられています。
中国に花開いた最高峰の芸術品も集めました。
4世紀の伝説の書家王羲之の「快雪時晴帖」。
散逸していた王羲之の書243点を集めています。
山水画の先駆者ともいわれる趙幹の作品。
現存するものは徽宗が集めたこの一枚しかありません。
初雪の舞う長江のたたずまいが克明に描かれています。
徽宗が集めた名宝は実に6,000点を超えました。
更に同時代の新しい芸術作品も積極的に集めました。
代表的なものが北宋の時代に生まれその後こつ然と姿を消したこの青磁です。
幻の青と称される独特の青い色。
今もこの色を出す方法は分かっていません。
徽宗はこうして集めた名宝の数々を積極的に公開しました。
宋王朝は単に持っているだけではなくてそれを臣下や外国使節に公開したというか見せた。
これによって統治にも使っていたというふうに考える事ができると思います。
それぞれの時代を代表するものを持っているという事によって時代を掌握している歴史を掌握しているという事を外にもまた内にも知らしめるというそういった意味合いがあったのではないかと…。
中国の歴史そのものとも言える収蔵品を並べ王朝の権威を示す。
皇帝のコレクションはこうして始まったのです。
それではなぜこのコレクションはその後の王朝にも引き継がれていったのでしょうか。
徽宗はその継承の現場にも居合わせる事となりました。
徽宗の治世25年目北方で異変が起きました。
勇猛な北方の民族が興した国金が勢力を強め南下を始めたのです。
しかし繁栄を謳歌していた都開封に危機感はなかったといいます。
正月を祝う行事を1か月も延長させていたほどです。
宮殿では身分に関係なく酒が振る舞われたと伝えられています。
攻めてきた金の圧倒的な武力の前に北宋はあっという間に滅亡します。
そして徽宗のコレクションは征服者によってはるか北方へと持ち去られる事になりました。
金の捕虜となった徽宗は失意のまま8年後に死去。
しかし徽宗のコレクションは皇帝亡きあとも生き長らえる事になるのです。
徽宗が集めたあの趙幹の山水画です。
金の皇帝によって所有者が自分である事を示す皇帝印が押されています。
金は徽宗の名宝をそのまま継承し活用する道を選びました。
その後この名画には中国を支配した元明清の皇帝印が押されていきます。
この名宝を持つ事が王朝の権威の証しとなる。
極めて特徴的なこのシステムは1,000年にわたって引き継がれる事になったのです。
中華民族が残した遺産を掌握する。
その象徴としての文物というふうに捉える事ができると。
その民族が生み出した最高のものそれは文化の結晶でもある訳ですけれどもそういったものを持っているという事が王朝にとって最も重要な要件の一つであったと。
時が下っても皇帝たちはそれぞれの時代の名宝をコレクションに加えていきました。
明の時代に加わった白地に青が鮮やかな磁器。
当時中国だけが作りえたものでした。
これも明の時代の山水画。
日常の風景を生き生きとした筆遣いで描いています。
こちらは清の時代の作品。
1本の象牙が極限まで精巧に加工されています。
そして翡翠の色合いを生かした彫刻。
皇帝の絶対的な力によって収蔵品の数は飛躍的に増えていきました。
2014/07/19(土) 03:53〜04:08
NHK総合1・神戸
故宮の至宝▽皇帝たちの名宝コレクション[字]
詳細情報
番組内容
中国歴代の皇帝たちによって集められた台北・故宮博物院の名宝。王朝の権威の象徴ともいえる膨大なコレクションはいかにして始まったのか。宝物の収集を始めたのは北宋の八代皇帝。異民族の脅威にさらされた皇帝は国中から名宝を集め、王朝の正統性を示そうとした。北宋は滅亡するが宝物は元、明、清の皇帝たちに引き継がれていった。故宮の宝物の起源をひもときながら名宝の数々を紹介する。
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