きょうの健康 糖尿病 合併症を食い止める!「網膜症 視力を保つには」 2014.07.03

(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週は…これまでは神経障害や腎症についてお伝えしましたが今日4日目のテーマはこちらです。
網膜症は目に起こる合併症でしたよね。
正式には糖尿病網膜症というんですけれども糖尿病患者の大体3割から4割に起こると…。
かなりの率ですね。
失明などの重い視力障害に至る事もあるんです。
でも早く見つけてきちんと治療をしますと多くの場合視力低下を食い止める事ができるんです。
なんとか食い止めたいですよね。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすくお話を聞かせて頂きましょう。
ご紹介致します。
眼科特に網膜症の診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
糖尿病網膜症で失明に至る事があるというのは大変ショックなんですが何でそういう事になるんでしょうか?糖尿病が起こってからかなりの期間10年とか15年自覚症状が非常に乏しい時期があります。
気付かないんですね?はい気付かない。
視力1.0あっても相当に進んでいて光凝固後で出てきますが治療が必要になる場合もあります。
ですから視力が低下した時にはすごく進んでいる場合があります。
要するに治療を受けるタイミングが非常に難しいという事になってそういう意味で難しい病気という事になっています。
それではお話を進めるにあたって目の中の網膜がどういう状態なのかを見ましょう。
久田さん。
ではこちらの図で見ていきましょう。
これは私たちの目眼球を横から見た断面図です。
網膜は眼球の一番奥この黄色い所ですねここにありましてものを見るための神経が全体に広がっています。
そしてこちらは網膜の様子を撮影したものです。
眼底写真といいます。
細い血管が無数に伸びているのが分かります。
糖尿病網膜症はこれらの血管が障害される病気で通常両方の目に起こります。
糖尿病網膜症で網膜の血管が障害される。
これはどういう事態なんですか?糖尿病になりますとまず網膜の細い血管が障害を受けてそこの壁がもろくなったりします。
それによって出血が出てくると。
そういう時期はこの時期という事になります。
非常にきれいに見えるんですが後で出てきますがこの辺にちょっと小さい出血がもう出始めていてそれが更に進みますとこの状況で非常に出血が増えて…。
もう明らかに我々でも異常が分かりますね。
赤いのが出血なんですがこういう白い斑点状のものが出てくる。
点々と白いものも斑点がありますね。
更に進みますといわゆる新生血管が出てきて非常に重篤な状況で視力障害が出てくるというこういう進み方をするのが糖尿病網膜症になります。
まず先ほどの一番最初に出てきた患者さんですがかなり初期ではあるんですがやはりきちんと調べますとこの時期にでもこういう小さい出血点がもう出始めている。
点とありますねここを大きくしますと確かに。
これ出血点。
これは糖尿病網膜症の病態が始まっているという事になります。
更に進んで進行度が2という状態では…。
この中間の状態になってきますとまず赤い斑点がポツポツとあってこれは全部出血という事になります。
要するに出血が非常にたくさんある状態でさっきより進んでいるのが分かります。
白い部分のご指摘がありましたね。
こういう白い所がたくさんありますがこれはやっぱり網膜の血管が閉塞し始めていると。
それによって網膜が壊れ始めている。
または状況によっては網膜の血管からしみ出したものが沈着したものも出てくる。
いずれにしても病態が相当進んでいる状況になります。
更に進みます。
これはかなり進んだ状況でありますが本来は網膜にはないような病的な血管新生血管「新しく生まれる」って書きますが生まれた時には持っていないような血管が病的な血管として出てくる。
ここの組織に見えるこの赤い筋は全部実は新生血管。
要するに病的な血管で更にその血管の周りに結合組織を伴った増殖膜が出てきて網膜を非常な勢いで引っ張り上げている。
いわゆるけん引性網膜剥離が起こって非常に重篤な視力障害を起こす。
これが最高度に進んだ状態という事になります。
失明にもつながりかねない深刻な事態というところをもう少しご説明して頂きます。
こちらですね。
先ほどの増殖膜がここに書いてありますが網膜と硝子体っていわれるこの中の組織の境目に出てくる新生血管を含んだ組織でこの新生血管って非常にもろく出来ていますのでちょっとした事例えば息んだりとかぶつかったりとかそういう普通では何ともないような所にも硝子体出血目の中に出血が出てきます。
そうすると自覚症状としてはこういうのがブツブツと虫が飛んだみたいに見える飛蚊症が非常に重篤な…。
ひどい状態の飛蚊症?はい。
普通我々でも持っている飛蚊症とは違って本当にあちらが見えなくなるようなそういうブツブツがいっぱい見える。
または本当にこの出血に隠されて見えなくなる。
これが硝子体出血です。
更に網膜自体が剥がれる事があるそうで。
これですね。
先ほどの増殖膜といわれるものがここにありますがここがなかなか網膜ときっちりと癒着しているものですから硝子体が引っ張り上げるまた増殖膜自体が縮むというけん引力が働いて網膜を引っ張り上げるけん引力がかかると。
いわゆる網膜剥離としても非常に重篤な状況で網膜がここの後ろの組織から外れると栄養をもらえませんので重篤な視力障害が起こります。
失明にもつながりかねないという事ですよね。
この糖尿病網膜症では自覚症状がかなり進行するまで現れないという事でしたよね。
例えば最初の軽症な状況…視力は実はこの真ん中の所が非常に大事な所でここに病変が及んでいない場合にはあまり自覚症状がありません。
ですからこの状況が実は非常に長く続きます。
糖尿病になってから10年とか15年ぐらいはこの状況で進んでしまう。
更に進みますと出血が出てきます。
この状況でもまだこの中心部に及んでいない。
ここは黄斑ですがその場合には自覚症状が出ない人がいます。
要するに自覚症状と網膜の病態の重症度とは並行しない事になります。
ここが問題という事になります。
実際に増殖網膜症といわれる新生血管が出てくると非常に著しい視力低下が出てきますからまず気付くんですが自覚症状のない状態でも病態が進んでいる状態が結構あるのが問題です。
しかし早く気付きたいですがどうすれば糖尿病網膜症を早く見つける事ができますか?それは眼底の検査をする。
いわゆる眼科での眼底検査をする事になります。
糖尿病と診断されたら是非年に1回以上は眼底の検査を受けて頂きたいと思います。
先ほどのポツンというような小さい出血でもちゃんと調べると分かりますので早期発見ができます。
既に網膜症と診断された場合は検査の頻度は多くなるんですか?病態に応じて治療をしなきゃいけませんので病態に応じてだんだん進むに従って間隔を短くしていきます。
これは眼科の先生とよく相談しながら進行度に応じて例えば2か月に1遍とか1か月に1遍とかっていうふうにどんどん縮めていって適切な時期に治療ができるようなタイミングを見逃さないという事でそのために眼底検査が必要です。
それでは続いて糖尿病網膜症の治療についてのお話をして頂きますが…。
主な治療法を見てきましょう。
どの段階でも血糖値を下げる事が基本です。
更に進行に応じてレーザー治療そして硝子体手術を行って視力低下や失明を食い止めます。
1つずつ説明して頂きます。
血糖値を下げるのはどの段階でも大変重要な事なんですね。
どれぐらいの目標値ですか?これは日本糖尿病学会で推奨している合併症をかなりの率で予防できるという意味でHbA1c値が7%未満を目指しましょうという事です。
これで100%予防できる訳ではありませんが糖尿病網膜症の病態の進行をかなり抑える事ができます。
リスクを下げる事ができるんですね。
レーザー治療はどういう治療ですか?先ほどの出血が増えた状態は網膜の血管が非常に詰まった状態閉塞した状態です。
正常ではこういうような網膜の血管が閉塞した状態はもちろんない訳ですがそういうような所に対して光凝固をやると治療後ですが治療した所がポツポツと見えると思いますが光凝固をする事によって黄斑部の機能を保つと。
こういう部分ですね。
この辺もそうですし実はここの周りも全部。
それによってこの血管が閉塞した領域を凝固する事によって非常に大きな障害になる新生血管の発生を抑える。
または出てきたものの短縮を目指す治療になります。
このレーザー治療光凝固の治療の結果の効果はいかがでしょう?適切な時期にきちんと行うと95%以上失明を食い止められる。
非常に効果が高いと。
ポイントは適切な時期に行うという事になります。
さて次に手術もありましたが硝子体手術ですね。
これはどういうものでしょうか?先ほど視力障害の原因にあった硝子体出血出血によって濁ってしまう。
それからけん引性網膜剥離こういうような病態を治すためにはこのままではなかなか薬物治療もできませんのでこの中のひきつれている硝子体増殖膜を全部手術的に取ってしまう。
それによって網膜を復位させる治療。
またはこの濁りを取る事によって視力を回復させる治療になります。
器具が入っていますねこの中に。
これはどういう事をやるかといいますと黒目と白目の境目のちょっと行った所にこういう0.5mm径ぐらいの細い器具を3か所刺して中のひきつれたものを全部吸い出す治療法が非常にこのごろ発達してきました。
では手術でこの増殖膜を切除する映像をご覧下さい。
これはこれから入っていくぞというところでありましてレンズ越しに見ています。
目の中がこういうふうに見える訳ですが赤い所が出血です。
その出血それからそれに引っ張られて画面の下の方に見える白い所ですねあれが増殖膜です。
ああいう所を丁寧に剥がしてそしてちょっと浮き上がってきた所を器具でもってかじり取っていると。
網膜は傷つけない。
増殖膜だけ取ると。
そういう治療が非常にできるようになってきました。
取れてきましたね。
取れてますね。
この手術はどれぐらいの効果があるんでしょう?術者の技量にももちろんよる訳ですがそれから適切な時期に行う必要がありますが現在では0.5以上の視力を回復できる人が山形大学の病院では大体6割ぐらい。
それから0.1以上の視力を回復できる人が8割以上という事にはなってきています。
10割ではないんですが。
非常に最近はこの手術が普及してきた。
ここ10年ほどという事ですか?はい。
リスクはどうですか?非常に手術は技術的に難しいという事もありますが術後に特殊な緑内障が起こる人もいたりしますのでやっぱり主治医とよく相談しながら手術を受ける事が必要になってくると思います。
今日は糖尿病の網膜症についてお話を伺いましたが眼科としてお話をして頂きましたがこの網膜症の場合は何科を受診するという事なんですか?大事なのはとにかく糖尿病の治療が基本で血糖っていう事もありましたが内科と眼科を両方受けて頂く。
内科と眼科の連携の下に治療して頂くと。
眼科的な治療も必要ですがそれは内科と協力しながらという事になります。
そのためにやはりお互いの情報共有内科と眼科で情報を共有するという意味で例えば日本糖尿病眼学会が作っている眼手帳っていうのがあるんです。
こういう手帳があるんですね。
患者のために渡されるものですね。
これ情報を記録していくという事ですがこうした受診の経過とか結果とかを書いていく訳ですね。
そういう事になります。
情報共有できます。
この共有が大事だという事ですよね。
そして眼科の検診が非常に大事だというお話を頂きましたね。
是非忘れないようにしたいです。
どうもありがとうございました。
2014/07/03(木) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 糖尿病 合併症を食い止める!「網膜症 視力を保つには」[解][字]

糖尿病の合併症の1つ、網膜症は、失明に至る病気。糖尿病の診断時から眼底検査を欠かさず早期発見したい。進行を食い止めるにはレーザーを照射して焼き固める治療を行う。

詳細情報
番組内容
糖尿病の合併症の1つ、網膜症は、ものを見るための神経が広がっている網膜が高血糖で障害され、失明にも至る病気。糖尿病の診断時から眼底検査を欠かさず早期発見したい。視力低下を自覚した段階では相当悪化している。予防と治療には血糖値を十分下げることが基本。進行を食い止めるには、網膜の病変部分にレーザーを照射して焼き固める治療をまず行う。さらに進行した場合、網膜の病変でできた異常な膜などを切除する。
出演者
【講師】山形大学教授…山下英俊,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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