8きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「夏のイタリアン アクアパッツァ」 2014.07.17

五感を刺激し食欲を駆り立てる極上の料理。
それは料理人たちの情熱と卓越した技の証し。
一度食べたら忘れられない味。
その神髄に迫ります。
夏到来!今回の主役は今が旬のこの魚。
(安田)いるいるいるいる!あっあ…たもだ。
釣れました。
ご存じ鰺です。
シンプルに塩焼きですか。
いや〜いいですね。
(谷原)お〜うまそう!待ったをかけたのは日本のイタリア料理界をリードする日良実シェフ。
シェフの手にかかればあじが極上のイタリアンに大変身!はじける水の中で魚が躍る躍る躍る躍る躍る!その名も「アクアパッツァ」。
グラグラに沸き立つ水で魚を丸ごと煮る豪快な男の料理に挑みます。
「ザ・男の食彩」今日の料理は「アクアパッツァ」という事で漁港に来ております。
シェフの日さんにここで集合という事で呼び出されました。
でもまだ来ないんですよね日さん。
谷原さ〜ん。
はい!どうもはじめまして。
本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
またまた何か本格的な格好してらっしゃいますけどなぜ漁港に集合になったんですか?アクアパッツァって南イタリアの漁師さんの賄い料理。
魚一匹丸ごと煮るんですよお水で。
だったらそれをもとからいこうかと。
釣るところからいくという事ですか?そうです。
釣り船に乗り込みいざ出航です。
港を出て15分。
ここ横須賀沖は絶好のあじ釣りポイントでなんと30cmを超える大きなあじも釣れるんだそうです。
船長の合図であじ釣りのスタート!釣れないと料理が作れませんよ。
いけますかね?今日は。
いけます!いきましょう!ハハハ!いってもらわなきゃ困っちゃう。
開始から30分。
(谷原)来た!お〜。
最初に手応えを感じたのは…谷原さん。
(谷原)いるか?いるか?いるのか?
(安田)いるいるいるいる!あっあ…たもだ。
(谷原)ちっちゃいけど釣れた。
お〜。
釣れました。
ハハハ!ちょっとかわいいですけど。
アクアパッツァ用に。
続いてヒットしたのは…。
(安田)当たった。
分かりました?
(谷原)はい来ましたね。
また谷原さん。
(谷原)うわ〜!来ましたね。
とれました!あ〜かわいい。
周りがどんどん釣り上げる中ヒットが出ないのが…日さん。
焦りが募ります。
おまけに釣り糸も絡まって…。
絡んでますよね。
あ〜ついてないなと思いきや…。
ついてる?あっ一応ついてた。
何とか何とかこれ。
ちっちゃいのが。
いや〜よかった!
(谷原)日さん釣れましたね。
でもちょっと寂しいですね。
ちょっとちっちゃいですよね。
ちょっと寂しい。
でも大丈夫ですよ。
今日ね朝今日のために釣っておいた根つきの大きいあじいるので。
(谷原)すみません。
全然違う!ほんとだ。
(安田)よければ今日これ持って帰って下さい。
いや〜こんなに大きなあじなら食べ応えのある料理が作れそうですね。
今回挑戦する料理は「アクアパッツァ」。
「アクア」とはイタリア語で水の事。
ブイヨンもワインも使わずに水だけで作るシンプル料理の極みです。
アクアパッツァが生まれたのは海の幸の宝庫南イタリア。
もともとは地中海の漁師たちの賄いでとれたての魚を地元産のトマトと一緒に丸ごと鍋で煮る豪快な郷土料理です。
日さんのアクアパッツァも主な材料は魚トマトあさりの3つだけ。
しかしシンプルだからこそ大切なのが食材の持ち味を最大限に引き出す事。
出来上がりの味を左右します。
いよいよ調理という事で日さん今日は外で調理するんですか?アクアパッツァってこうやって屋外で料理してもいいかなと思いますし。
もともと漁師料理ですもんね。
その方が新鮮な魚をその場で焼いて食べられるという醍醐味がありますよね。
家族でやったらこれ盛り上がりそうですね。
早速ですが立派なあじですね。
これで塩こしょうをするんですけどもちょっとね包丁の切り込みを少しだけこう入れておくと味がしみこみやすいのと火が入りやすいですね。
塩は高いとこから全体的均等に。
これ上からやるんですか?上からですね。
指の隙間からこうやってふる。
雪を降らすように。
塩は先にしておくと身がしまって臭みが抜けてくるんですね。
だから焼く10分ぐらい前に塩味をしておくといい。
そして他の焼き魚もそうですけど少し早めに塩をする。
それ重要なポイントですか?お魚料理する時の。
はい。
覚えておきましょう。
焼く10分前に塩をしましょう。
更にこしょうを腹の中までしっかりと。
香りと辛みが魚の雑みを抑えあじ本来のうまみを際立たせます。
アクアパッツァでもう一つ大切な食材があるんですよ。
トマトですね。
ドライトマトといいますとちょっと乾かしてあるやつですよね。
そうですね普通のミニトマト。
いただきます。
すっごい濃厚ですね。
これがもとなんですけども生で食べるよりも味が凝縮してくる。
干したトマトはグルタミン酸うまみ成分がより増しますね。
日本の昆布だしと同じようにそれでだしがとれるんですよ。
魚のだしだけじゃなくてトマトのだしも利用すると。
そうですね。
だからよりおいしくなる。
こうやって切ってそのまま天日で置いておけばいいんですか?これを軽くまた塩をします。
ちょっと…こういう感じですね。
薄く塩をして。
こういう日が当たる時は天日で干して日が当たらなかったら100℃ぐらいのオーブン。
100〜120℃。
低温でじっくりとですか?そうですね。
それで2時間乾かすようにしたらもういいぐらいです。
もう一つの食材があさり。
主役のあじを引き立てる名脇役です。
今回使うあさりは鮮度抜群。
とれたての地物です。
シンプルなアクアパッツァは素材が命ですからね。
(谷原)あさりがとれるんですねここら辺。
これブランドなんですよすごく。
(谷原)そうなんですか。
あじと同じ横須賀・走水のあさり。
同じ海で育った食材は相性もいいんですって。
あさりを用意してくれたのは釣り船の船長のお母さん。
2人のために取って置きのものを用意してくれていました。
(廣川)お釜に御飯が入ってます。
(谷原)うわ〜おいしそう!わ〜すごいな。
海のほんとの自然のだしをとったやつでやりました。
うわっ熱い熱い!見て下さいこのあさり。
いただきます!
(廣川)どうぞどうぞ。
(廣川)おいしい?すごい磯の香り。
おいしい!うまい!最高!これあさりのだしだけですか?そうですはい。
実はイタリアのアクアパッツァにあさりは入っていません。
試行錯誤の末に生まれた日さんオリジナルのレシピです。
もともと漁師さんが釣った魚を船で焼いて海水入れて煮込んでたという。
海水だけだったんですか?そうそう。
けれどもうまみはあるでしょ。
それで煮込んでてあとオリーブオイルとトマトとかだったらしいんですけど。
日本でなかなかね海水使うわけいかないので。
これあさり以外の貝を入れたらどうなんですか?ムール貝はまぐりいろいろ試したけどあさりが一番自然ですね。
邪魔しないんですかお魚の味を。
邪魔しない。
主張しない。
ちゃんとでもお魚の味を引き出しつつ海の味を出してるという。
煙立ってますよお鍋から。
ここまで炭をおこすって事はないと思うんですけども強火のアクアパッツァの醍醐味を。
やっぱアクアパッツァは強火じゃなきゃ駄目なんですか?そうですね水を入れてからですけども。
最初焼きますよね。
イタリアの方ってあまり皮面のうまみ気にしないといいますか…。
イタリアではこうやって焼かないんですか?サッサッと焼いたらもうひっくり返しますね。
日本人の魚の感覚っていうのは皮と身の間の脂一番おいしいところあるでしょ。
だから少し香ばしく焼いてあと水を入れて煮ていくとその香ばしさがソースの中に移っていくんです。
イタリアよりもしっかり焼き目を付けてあげるのが日さん流の…。
そうですね。
魚から脂が出てきましたね。
お〜うまそう!お〜うまそう!もう食べたいこれ。
うわ〜。
これで皮面のうまみをゆっくり出していくと。
裏面も同じくいい色に焼けてますので。
ここでお水です。
もうお水入れちゃうんですか?本来だと海水を入れてたという事なんですけども。
熱くしたとこに水を入れます。
うわ〜!かなりの強火な状態なんですね。
こういうふうなね水がウワーッと沸くでしょ。
これが…どういう意味なんですか?「風変わりな水」っていいますか「Pazza」って結構イタリアで親しみを込めて「あほな」とか「あほなやっちゃな〜」みたいな感じの時に。
この水こそアクアパッツァの真骨頂。
強火で一気に煮汁のうまみを凝縮し魚をふっくら仕上げます。
これちょっとかけながら焼いていきます。
ちょっと汁の中の変化を味見して。
まず今お水だけです。
少しだけ取ってみて下さい。
うん。
おいしいですけどまぁお魚だけですねまだ。
じゃあそこからいろいろ足していきますね。
いよいよあさりの登場。
あさりの塩分も加わってきますので少し味を見ながら水を余計に足したりとかしていったらいいですね。
トマトを加えます。
グルタミン酸のうまみですね。
トマトが入るだけですごい華やかになりますね。
イタリアでしょ?もうイタリアになっちゃいましたよね。
ちょっと味見て下さい。
いいですか?まずスープの色がだいぶ変わりましたよね。
白濁してなおかつちょっとこうトマトの赤みといいますか移って。
うまい!もう一気に複雑なうまみになりますね。
まだ仕上がりじゃないですから。
まだ仕上がってないんですか?ここから最後に入るエキストラバージンオリーブオイル。
これでまたうまみが増します。
更にまた二重三重にもなるんですね。
エキストラバージンをこういう感じで。
結構入れるんですね。
ちょっとゆすりながら少し乳化させていくんです。
今は沸騰してますからこれで乳化していきます。
あとはやっぱりハーブを加える事によって味にまとまりが出てきましたね香りをつけると。
まずパセリのみじん切りを。
緑が入るといいですね。
更においしそうですね。
香りもいいし。
更にイタリアに…。
貝の白トマトの赤パセリの緑。
イタリアですね。
これでもう出来上がり。
いただきます。
うまい!うまいでしょ。
むちゃくちゃうまいです!すごい変化でしょ。
オリーブオイルが入るだけでこんなに変わるのとあとこのパセリが入った事ですごくハーブの香草の匂い…いいバランスをとってるんですね。
ほんと上品な感じに仕上がりますよね。
これにあとバジルをイタリアっぽく。
もう大胆にちぎって上から。
うわ〜うまそう!はいこれで出来上がりですね。
この緑の色。
あとあさりとトマトですね。
そこにバジルと。
究極のワンスプーンですね。
じゃ早速頂きます。
むちゃくちゃおいしいです。
よかった。
むちゃくちゃおいしい!おいしいでしょ。
こんなの外でやっちゃったらお父さんの株上がっちゃいますね。
シンプルさの中にプロの技が光る日さんのアクアパッツァ。
実はこの料理には日さんのある特別な思いが込められています。
もともとはフレンチを志していた日さん。
経験を積む中で華やかで繊細なフレンチがどこか自分には合わないのではと感じるようになります。
思い切ってイタリアンへの転向を決意し単身イタリアに渡ったのは28歳の時。
本当に作りたい料理を求めて修業の旅を始めました。
行くさきざきで出会ったのはイタリア各地の郷土料理。
地元の食材を使った素朴な味に日さんは魅了されていきます。
北から南いろいろ回っていったんですけどもそしたらその行く土地土地に…やっぱり気候風土文化それに根づいたほんとにそういう料理がイタリア料理だと実感したんですね。
それはすごく面白くて。
次に行く所の期待感があって。
旅の終盤ナポリの地で日さんは料理人人生を決定づける一皿に出会います。
それがアクアパッツァ。
余計な手間をかけず素材の味をストレートに生かした力強い料理でした。
これは修業時代の日さんのレシピノート。
アクアパッツァと初めて出会った時の印象が記されています。
「単純でイタリア料理らしい」。
鍋の中にイタリアが凝縮してるような。
ほんとに出来上がって最後はすごい艶やかだったんですよ。
すごいきれいで色っぽくて。
これはもう自分のテーマにしたいなというふうに感じた瞬間でしたね。
日さんはイタリアで出会ったアクアパッツァに進むべき道を見いだしました。
あの感動を超えるアクアパッツァを日本でも作りたい。
頼りにしたのは日本の気候風土が育てた豊かな食材と日本人ならではの感性でした。
地の魚を使い焼き魚の香ばしさを楽しむ日本人に合わせて皮目を焼き付けたり和食のだしをヒントにあさりのだしを加えたり。
日本でしか食べられないアクアパッツァを日さんは作り上げてきました。
やはり日本の食材をもっと理解してやっぱり旬を感じるものをシンプルに。
かつイタリア料理として出していくというのが自分のテーマなんですね。
うちのアクアパッツァが世界で一番おいしいアクアパッツァだとお客さんに思ってもらいたいしそういうアクアパッツァを作っていかなきゃいけないでしょうね。
では今度僕作りますから。
日さんを感動させるような…。
やってみましょう。
アクアパッツァお願いします!わ〜いいですねこれ。
じゃ熱い状態火の強いとこに持ってきて…。
水をガッと。
少しずついきましょう。
暴れますね。
かけながらかけながらおいしくなれおいしくなれってやるんですね。
おいしくな〜れおいしくな〜れですよね。
でも不思議でねその気持ちが大事ね。
ここで違う事考えてるとやっぱおいしいもの出来ないですね。
あじに対しておいしそうな素材に対して敬意を払いながらおいしくな〜れおいしくな〜れって言うとほんとに人間のパワーが入るんですよ料理は。
やっぱ気持ちなんですね。
そうですね。
じゃああさりいきます。
あっそうだ!これも足しましょうか?これさっき僕釣ったやつですか?そう。
これはもう香ばしさが出てるからじかにこのまま入れちゃいましょう。
何か確かに自分が釣った魚を料理するっていいですね。
楽しいっていうかやっぱり愛着あるでしょ。
そうですね。
オリーブオイル回しかけて下さい。
そうそうオリーブのジュースをたっぷり。
真ん中辺りも。
はいそんな感じで。
オリーブオイルたまっているとこをちょっと…。
沸騰してるこういうとこにかけていきます。
これもポイントですね。
そうするとそこから乳化してくるでしょ。
あ〜いい香り!そんな感じですね。
パセリを加えたらもう一度お汁を回しかける。
全体にパセリの味をなじませてお魚とかあさりとかにも移してやるって事なんですか?そうです。
一皿の中にハーブの味が付くとこれで出来上がり。
(2人)おいしい!いいですよ。
おいしいですこれは。
最高!上げましょう上げましょう。
漁師さながら自分で釣ったあじとトマトあさりのうまみが混然一体となった極上の一皿です。
さあ日さん船長さんアクアパッツァ完成いたしました。
是非食べて下さい。
ありがとうございます。
ちょっと取り分けますね。
楽しみですね。
(安田)あじもいろんな料理あるけどこういう料理っていうの珍しいから。
(谷原)このお料理としては初めてですか?そうなんです。
(2人)いただきます。
お召し上がり下さい。
う〜ん!お汁も出来上がりもおいしい。
(谷原)いかがですか?おいしい!
(谷原)ありがとうございます。
おいしいです。
(谷原)やっぱいいお魚釣って頂きましたから。
素材も良くて料理人がいいと更においしくなりますね。
またもうお上手ですね。
(安田)ほんとにほんとに。
(谷原)ちょっと僕は早速こっちを頂いていいですかね。
(安田)一番おいしそうですねそれ。
ハハハ!うん!ちっちゃくてもおいしいですよ。
濃厚です。
今日は神奈川県走水のあじとあさりとこれを使って作ったアクアパッツァはやっぱ格別ですね。
そういうものの中でやはり日本のいろんな土地のものを使ってイタリア料理をこれからも提供できたらいいなと思ってます。
アクアパッツァをわざと少し残して頂きたいのが締めのパスタ!
(テーマ音楽)2014/07/17(木) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「夏のイタリアン アクアパッツァ」[字]

俳優の谷原章介が、一流シェフのこだわりの味の魅力に迫るシリーズ。今回は今人気のイタリア料理「アクアパッツァ」。魚にトマトとあさりを加え、水で煮込む豪快な料理。

詳細情報
番組内容
イタリア料理のシェフ、日