(テーマ音楽)皆さんの健康に役立つ確かな健康情報をお届けする「きょうの健康」です。
今週はこちら…今日は4日目です。
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あまり聞き慣れない言葉ですよね。
でもこの手根管症候群は手のしびれを起こす代表的な病気なんです。
少ししびれているだけだと思って放置していますと日常生活に支障が出る事もありますので注意が必要なんです。
そんなケースをご紹介しましょう。
こちらです。
50代の女性Aさんです。
Aさんは5年ほど前から右手の人さし指と中指がしびれ始めましたが大した事はないと思って放置していました。
更に時々夜中にしびれや痛みで目が覚めるようになりました。
しかし手を振ると楽になるのでやはり特別な対処はしないままでした。
するとある日大好きな編み物をしようとした時親指が思うように動かなくなっている事に気付き病院へ行ったところ手根管症候群と診断されたんです。
よく調べてみますとしびれる場所は薬指にまで広がり気付かないうちに親指の付け根が痩せ細っていたんです。
この方は異変を感じてから5年たって診断されたという事ですが気付かないうちにジワジワと症状が進んでしまうのが特徴なのかもしれませんね。
では専門家の方に詳しくお聞きしましょう。
横浜労災病院副院長で運動器センター長の三上容司さんです。
整形外科特に手や末しょう神経の病気やけがの診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さあ三上さん今のAさんは若干の手のしびれや痛みを放置していたら指が思うように動かなくなって5年たって手根管症候群と診断された訳ですがこの病気の特徴をまず教えて頂けますか?親指から薬指にかけてしびれや痛みを感じるようになるのが特徴です。
Aさんのように初期には人さし指中指にしびれや痛みを感じる事が多いのですが中指と薬指からしびれや痛みが始まる方もいます。
最終的には親指から薬指半分までつまり3本半の指がしびれてしまいます。
また突然夜間に強い痛みやしびれで目を覚ましてしまう事もあります。
そのままにしておくと親指の付け根にある筋肉が衰えて細かいものがつまめなくなってしまう事もあります。
この図にもありますように薬指は片側だけ症状が出るという事なんですよね。
これは自分で分かるものですか?病状が進んできますとご自分でこのように親指側の薬指と小指側を触ってみますと触った感じが違う。
場合によると親指側が鈍いというような事で分かります。
ただ薬指のこの辺をあえて触るってあんまりないと思うんですけど…。
皆さんは薬指全体がしびれるとおっしゃいますので部分的にしびれるとおっしゃる方はまずいらっしゃいません。
そして手根管症候群の特徴としては小指は感じないという事なんですよね。
この病気が進んでいきますとしびれや痛みっていうのは更に強くなっていくんですか?注意が必要なのは症状が進行するとしびれや痛みの感覚がかえって弱まってしまってそういう錯覚をしてしまう事があるという事なんです。
そのままにしていますと日常生活に支障が出ますので注意が必要です。
しびれや痛みが強くなるどころかまひしてしまうと。
それも心配ですよね。
この手根管症候群ですがそもそもなぜそういった症状が起きてしまうんでしょうか?こちらをご覧下さい。
手根管症候群の症状が出る親指から薬指半分までの感覚は正中神経という神経がつかさどっています。
この神経ですね。
薬指の半分と小指に関しては尺骨神経こちら側の神経がつかさどっています。
薬指の半分と小指は違う神経がつかさどっているというのが分かるんですね。
これが手首の部分での横断像です。
じん帯と骨で囲まれたこの部分。
これが手根管です。
これがトンネル状になっててここに正中神経がこのように通っております。
ここで正中神経が圧迫されると親指から薬指にかけて痛みやしびれを感じるようになるのです。
なぜ正中神経が圧迫されてしまうんでしょうか?手根管の中にはけんが何本も通っていてその周りにある膜が腫れる事によって正中神経を圧迫してしまうために親指から薬指にかけて痛みやしびれが起きてしまう訳です。
けんの周りの膜というのはなぜ腫れてしまうんですか?どうして起きるかというのは今のところハッキリしてませんが一応特発性と呼んでいますが患者さんの多くは妊娠出産期や更年期や閉経を迎えた女性です。
これらは女性ホルモンの乱れによるむくみが関係していると考えられています。
そのほか手首の骨折などのけが。
仕事やスポーツ家事での手の使い過ぎ。
透析をしたり関節リウマチの方などにも手根管症候群は起きやすいです。
ただ一時的に手のしびれや痛みを感じてもこれは手根管症候群だって気付ける方はほとんどいないと思うんですが何か見極める目安はあるんでしょうか?しびれや痛みがあるのを自覚している方は整形外科を受診して頂くのが一番なんですが手根管症候群かどうか見分けるためにファーレンテストというものがありますのでこれをご自宅で1分程度簡単に行って頂ければいいと思います。
ではファーレンテストを早速教えて頂けますか?ではこのまま座りながら行いますのでご一緒にお願いします。
まず両肘をテーブルの上に乗せて下さい。
肘を曲げて下さい。
手首を思いきり曲げていって下さい。
この状態でしばらくおいて下さい。
症状がある方は10秒から20秒ぐらいで痛みやしびれが指先に出てきてこれが強くなります。
もしそのようになったらその時点でやめて下さって結構です。
なぜこの体勢になると手根管症候群の方はしびれが出るんでしょうか?手首を曲げる事によって手根管の内圧が上がり更に正中神経がじん帯に押しつけられて圧迫されるためにしびれが強くなる訳です。
久田さんお化けみたいな格好をしてますが大丈夫ですか?今のところしびれは出ないですね。
私も大丈夫です。
これでしびれを感じた場合はやはりすぐ受診した方がいいんですか?そうですね。
ただしファーレンテストでも発見できないケースもありますのであくまで目安にして下さい。
日常生活で手にしびれなどを感じたら気になる症状があったりしたら医療機関を受診して下さい。
何かほかに注意点はありますか?別な病気という事が考えられる場合もあるんですか?手根管症候群のしびれは手のひら側の指だけに出ます。
もしも手の甲側がしびれる場合は別の病気が考えられますので整形外科または神経内科などの受診も行って下さい。
例えばどんな病気ですか?手の甲側がしびれる場合には例えば首での神経の圧迫が原因で起こるけい椎症性神経根症といった病気の可能性があります。
ではこのファーレンテストなどで手根管症候群だと分かったら治療はどのように進めていくんですか?軽い場合にはまず保存療法です。
手首を装具などで固定して安静にして経過を見ます。
装具を今日お持ち頂いたんですね。
ちょっと試してみましょう。
中に通していくんですね。
手首をこれで…。
ベルトのようなもので今固定していますね。
ベルトを巻きます。
このような形になります。
どうですか?手指は不自由なく使えるんですがまさに手根管手首の所が曲げられないように固定されるという事ですよね。
これは一日中つけていなきゃいけないんですか?できるだけつけて頂くようにご指導はしますがそうできない場合はできる範囲でつけて頂く。
あるいは日中につけるのが難しい方は夜間だけでもつけていただくという指導をしています。
寝る時は外していいんですか?外しても結構なんですができればつけておいて頂いた方がよろしいかと思います。
寝てる時って別に動かさないから…。
人間寝てる間も結構自然に手は動いておりますのでそれを防ぐ意味もあります。
こうした装具なんですが種類はあるんでしょうか?ごく簡単なサポータータイプからかなりしっかりした装具タイプまでいろいろあります。
そのほかには治療はどんな事をしていますか?症状に応じて消炎鎮痛薬の飲み薬貼り薬ビタミンBといったお薬を使います。
ビタミンBはどういう効き目があるんですか?ビタミンBには神経を保護して再生させる働きがあるといわれています。
ほかにもいろいろあるんですね。
注射ですか?そうですね。
しびれや痛みの症状が強い場合ですねこういう場合にはステロイドを手根管内に注射します。
こうした治療で症状が改善する方も多くいます。
こちらですね。
このような治療を行ってそれでも症状がとれない場合はどうしていくんでしょうか?その場合は手術をします。
しびれや痛みに耐えられない方や筋肉が痩せてきたり症状が進行して指の感覚がなくなってきた方は手術を検討します。
手術はどのような事を行うんですか?手術はじん帯を切って神経を圧迫から解放するのを目的に行っています。
具体的には手の付け根を3〜4cmほど切ります。
そしてじん帯をここでこういうふうに切ります。
手術の時間は大体20分から30分程度で済みます。
また内視鏡を用いるやり方もあります。
またまた感じてしまうんですがじん帯をこのように切ってしまっても大丈夫なんですか?ほとんど日常生活には問題ありません。
じん帯は切ったままですので握力が戻るのに少し時間がかかって半年程度かかる事もあります。
それでも戻ってくるんですね。
この手術のリスクとして考えられる事は何かありますか?比較的安全な手術なんですが起こりうる合併症としては指神経けん動脈などの損傷の可能性はありますがこれはごくまれです。
手術後の注意点はありますか?特別なリハビリは必要ありませんが手を切開しますので1か月ぐらいは手を使い過ぎないように注意をするよう指導しています。
こうした手術を行えばもう再発しないと考えていいんでしょうか?Aさんのような特発性の場合は再発する可能性はほとんどありませんが透析関節リウマチを合併している方は数年で再発する場合がありますのでじん帯は一度切っても似たような組織が出来てくる事がありましてその際は再手術が検討されます。
この手指の手術方法は進歩してきているようですね。
そうですね。
以前に比べて皮膚を切開する長さも短くなっておりますし内視鏡であれば更に小さな傷でできますから相当進歩してると思います。
今週は手や指の痛みやしびれに関してお伝えしてきたんですが三上さん最後に皆さんにメッセージをお願いします。
手や指先は体の中でも日常生活でよく使う場所です。
だからこそ負担をかけないように長くいたわって使い続ける事が大事です。
異変を感じましたら自己判断に頼らずすぐに整形外科を受診して早期に対応するようにしましょう。
一口に手と指のしびれ痛みと言っても本当にいろんな原因があるんだなというのがよく分かりましたね。
女性もなりやすいという事ですので是非手をいたわって気を付けて過ごしたいですね。
異変を感じたらすぐに受診する事が大切だという事ですね。
三上さんどうもありがとうございました。
2014/07/17(木) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 手と指の痛み・しびれ「手根管症候群」[解][字]
手の親指から薬指にかけてしびれや痛みを感じる「手根管症候群」。ほうっておくと細かいものがつまめなくなるなど生活に支障も。固定や手術など具体的な治療について。
詳細情報
番組内容
手の親指から薬指にかけてしびれや痛みを感じる「手根管症候群」。親指から薬指半分までの3本半の指にしびれが起こり、進行すると細かいものがつまめなくなるなど、日常生活に支障が出る場合もある。患者の多くは妊娠・出産後や、更年期、閉経を迎えた女性。手首の骨折や手の使い過ぎなども原因になるが、原因不明の場合も多い。自分で手根管症候群を早期発見するためのチェックや、固定・手術・薬などの具体的な治療法を伝える。
出演者
【講師】横浜労災病院運動器センター長…三上容司,【キャスター】寺澤敏行,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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