くらし☆解説「手出しはダメ!脱法ハーブ」 2014.07.03

生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうのテーマは手出しはダメ脱法ハーブです。
脱法ハーブの危険性について担当は寒川由美子解説委員です。
寒川さんは、警視庁の担当などとして脱法ハーブの取材を続けてこられたわけですけれど先週の池袋での事件のように最近、脱法ハーブを吸ったあとに運転をして事件・事故を起こすというケースよく耳にしますね。
寒川⇒池袋で8人が死傷した事件では、逮捕された男は、運転の直前に車の中で脱法ハーブを吸っていたと見られているんです。
同じように、脱法ハーブを吸って車を運転し、事件や事故を起こすケース、去年は38件上っているんです。
1年間で38件に上っているんですね。
ことしに入っても、香川県で小学生がはねられて死亡したほか福岡市では15人がけがをする事件がありました。
こうしたものが相次いでいるんです。
正常な運転ができなくなるほどの脱法ハーブというのはどういうものなんですか?脱法ハーブといわれているものなんですけれど料理に使うようなものとは全く違う薬物なんです。
ハーブといっても違うんですね。
脱法と言われていますけれど、覚醒剤や大麻などと同じような症状があって、使い始めるとやめられなくなる依存性もあるんです。
依存性が強いんですね。
脱法ハーブというのは植物、乾燥させた植物の葉っぱなどに覚醒剤や大麻などに似た人工的に作られた薬物をまぶして作られているんです。
たばこなどのように、火をつけて煙を吸ったりして使われています。
これが1回分ずつパックになって数千円くらいで売られているんです。
こんなカラフルなパッケージなんですね。
一見して分からないですよね。
これがどこで売られているかといいますと繁華街の人通りの多い場所などに専門の店がありまして誰でも買うことができるんです。
ハーブですとか、お香などと表示されていて違法ではないと称して売られているんです。
危険なものと分かりにくいですね。
インターネットでも買うことができます。
覚醒剤などと比べて価格が安くて危険性を知らずに、軽い気持ちで手を出す人も多くてここ数年、若者を中心に急激に広がっているんです。
ただ覚醒剤や大麻などに似た成分が含まれていますので幻覚や妄想、意識障害といったものを引き起こす大変危険なものなんです。
池袋の事件の容疑者も脱法ハーブの影響で意識がもうろうとした状態だったと見られているんです。
具体的にはどういう症状が出るんでしょうか。
こちらをご覧ください。
こちらはマウスを使った実験なんですが、左の正常なマウスは元気に動き回っていますけれど右側の脱法ハーブの成分を投与されたマウスは10分ほどで動かなくなってしまいました。
もうろうとした状態になる異常行動なんです。
こんなに影響が出るんですね。
マウスの脳神経細胞です。
左は正常なもの右は脱法ハーブの成分を加えたものなんですが正常なものに比べて、こちらは脳の神経がずたずたに切断されて細胞が死滅しているのが分かります。
実験を行った研究所によりますと人間でも同じような影響が出るおそれがあるとしているんです。
脳に影響が出るんですね。
こんな状況で運転なんてとんでもないですよね。
そうですよね、さらに呼吸困難などを起こして病院に運ばれる人も多くいて、中には死亡する人もいるんです。
それだけ危険なもの、そもそも規制されていないんですか?国も、この脱法ハーブの乱用に歯止めをかけようと規制してはいるんです。
脱法ハーブを規制の対象となる指定薬物に指定しまして取り締まるということなんです。
以前は指定薬物は製造したり販売したりすることだけが禁じられていたんですがこの4月から購入したり、持ったり使ったりすることも禁止されました。
購入しただけでだめなんですね。
違反すると3年以下の懲役、300万円以下の罰金が科せられます。
指定薬物の指定の方法も変えました。
例えば脱法ハーブに含まれるこうした化学構造の薬物を指定薬物として規制をします。
以前は、ほんの少し違う構造があると規制ができませんでした。
それを去年からまとめて包括規制という制度を導入しまして、まとめて似たような構造のものを規制できるようになったんです。
イギリスなどでも行われている制度にならったわけなんですけれど、これによって2年前まで68種類だった指定薬物が、一気に1300種類に増えたんです。
20倍近く増えたんですね。
これだけ規制が強化されているのにまだ出回っているというのはなぜなんでしょうか。
残念ながら、ある薬物を規制していても、すぐに違う構造の薬物が出てくる、登場するという。
言ってしまえば規制をすり抜けるいたちごっこが続いているんです。
池袋の事件の容疑者が吸っていた脱法ハーブも規制されていないものだったんです。
規制しても規制しても追いつかないという状況なんですね。
そうなんです。
これが恐ろしいんですけれど新たに登場する脱法ハーブ最近はより危険なものになっているというんです。
どういうことですか?実は何種類もの薬物を混ぜ合わせて脱法ハーブを作っているんです。
例えば興奮作用がある薬物Aともうろうとした状態になる薬物Bさらに別の薬物Cを混ぜ合わせて作られた得体の知れない脱法ハーブが出回っているんです。
これは、使う側がより強い刺激を求めるようになってきているからこうしたことが起きているんですけれどこうやってできた脱法ハーブどんな症状が出るのか体にどんな影響があるのか全く分からない。
使う人は自分の体で、人体実験をしているようなものなんです。
恐ろしいですね。
専門家は、こうした最近の脱法ハーブは覚醒剤などより毒性が強くて、非常に危険だと指摘しています。
やはり、こうした乱用に歯止めをかけるには規制というか取り締まりを強化するしかないですよね。
そうですよね。
警察も購入した人や使っている人から、販売店へと摘発を進めて、さらに作っている現場製造元ですね、大本を取り締まりたいということで捜査をしているんですが実は脱法ハーブというのは原料となる薬物ですね中国などの海外の化学工場などで製造されていると見られているんです。
海外で作られているんですね。
それを国際郵便や小包で国内に持ち込んでマンションや民家の一室で植物と混ぜて脱法ハーブが作られているんです。
こうした国内の製造現場については捜査で摘発されてきているんですけれど原料が入ってくるルートについては、まだほとんど捜査のメスが入っていないんです。
脱法ハーブは世界的に出回っていまして、各国で大きな問題になっているんですが、比較的高い値段で取り引きされている日本が狙い撃ちになっているというような状況らしいんです。
狙い撃ちなんですか?日本は薬物を規制するとそれを免れるような薬物が次々に作られましてそれが日本に入ってきているということなんです。
それで、いたちごっこになっているんですね。
海外の工場を直接、取り締まることはできませんから例えば税関などと協力をして水際で食い止めるといった対策を進める。
あるいは製造現場の摘発を強化してやはり元を絶つようなそういった取り締まりをしてほしいと思います。
規制や摘発の難しさというのも分かるんですが脱法ハーブがなくならないとなると自分は手出しをしなくても事故に巻き込まれる可能性があって、これは恐ろしいことですよね。
そうですね。
ですから規制されている、されていないにかかわらずまず脱法ハーブというのは大変危険なものだということそういう認識を持つことが大事です。
まあ自分も危険ですし、人に危害を加えるおそれもあるわけです自分が絶対に手を出さないということもそうですしお子さんなど周りの人に手を出させないということとにかくそれを認識してほしいと思います。
寒川由美子解説委員でした。
次回は水野倫之解説委員と共にお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。

(テーマ音楽)2014/07/03(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「手出しはダメ!脱法ハーブ」[字]

NHK解説委員…寒川由美子,【司会】岩渕梢

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出演者
【出演】NHK解説委員…寒川由美子,【司会】岩渕梢

ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

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