(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら…今日はまずこちらのグラフをご覧下さい。
これは腎臓の透析治療に関するグラフです。
最近の30年間で新たに透析を始めた人が何の病気が原因だったかを表しているんです。
かつては腎臓自体の病気である慢性糸球体腎炎が最も多かったんです。
ところがこの赤い線ですね。
どんどん増えて代わって第1位になっているのがこちら。
糖尿病腎症つまり糖尿病の合併症である腎症なんですね。
これですね。
つまり近年では毎年1万7,000人もの方が新たに糖尿病腎症が原因で透析に至っているんですね。
これをなんとか食い止めたいという事で今日のテーマはこちらです。
今日も専門家をお迎えしています。
分かりやすく話して頂きましょう。
ご紹介致します。
糖尿病内科特に合併症の診断や治療がご専門です。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
さて今日は糖尿病の三大合併症の一つ腎症ですがこれは腎臓がどうなっていく状態なんでしょうか?腎臓が障害されて尿にたんぱくが漏れてきます。
その後腎臓の働きが低下していく病気です。
進行すると腎不全になってしまい非常に悪化した場合には透析治療が必要になる事もあります。
一方で腎臓の働きが低下する前に治療を開始すれば回復する事も期待できます。
早期治療で回復も期待できる。
このお話後ほど詳しく伺ってまいりますがそれではお話を進めるにあたって腎臓はそもそもどういう臓器なのかそこを見ておきましょう。
久田さん。
腎臓というのは体の腰の上辺りの背中に近い所に左右2つあるものです。
その腎臓の働きですが血圧の調節そして赤血球や骨の合成などに欠かせない役割を果たしています。
そして腎臓の最も重要な働きは尿を作る事なんです。
腎臓には全身の血液が大量に流れ込みます。
その血液から老廃物や余分な塩分を取り除いて尿にして体の外に出しているんです。
尿の量を調節する事で体内の水分も調節しています。
腎臓の機能を基本的に学習を致しました。
糖尿病腎症になりますとこの腎臓の働きが低下するという事ですがどういう事態になるんでしょうか?腎臓には糸球体というこのような小さな組織が非常にたくさんあります。
このように細い毛細血管が糸玉のように丸まっています。
この糸球体が血液から老廃物などをこし出している訳です。
ただ正常ではたんぱく質は漏れてきません。
しかし糖尿病で血液中のブドウ糖が異常に増えるとこの糸球体が徐々に壊れていきます。
この糸球体小さな部品が壊れるイメージですがそうするとどうなってくるんでしょうか?まず体にとって必要なたんぱくが尿に漏れ出てきます。
進行すると老廃物が十分に取り除かれず体の中にたまります。
また同時に塩分水分も十分に排せつできず体の中にたまってむくみが出てきます。
糖尿病の方はこの腎症を合併する方は非常に多いですか?糖尿病全体の4割といわれています。
大変な率ですね。
これは発症した場合何か体で感じる自覚症状は出てまいりますか?先ほど申し上げた糸球体は無数にありましてしかも徐々に壊れていくので自覚症状は長期間ほとんどありません。
相当進行して初めて手や足あるいはまぶたのむくみなどの症状が出てきます。
だいぶ進まないと症状が出てこないという事ですね。
それでは腎臓の異常を見つけたい訳ですがどんな検査が行われるのかを見ていきましょう。
久田さん。
腎臓の異常を調べるためには2つの検査がよく行われます。
一つは尿検査。
たんぱくが尿の中に出た場合腎臓に障害があるサインです。
そしてもう一つは血液検査で血中のクレアチニンという物質を調べます。
これは体内の老廃物の一つで腎臓の働きが低下するにつれて血液中に増えていきます。
この2つの検査は企業や自治体が行う健康診断でもしばしば行われています。
今の久田さんの説明にもありましたがたんぱく尿血清クレアチニンこれは私ども健康診断の項目で見た事があるなというものですけれどもこういった検査で糖尿病腎症の方の場合もよいという事なんでしょうか?この2つは必要な検査です。
しかしこれだけでは不十分です。
腎症をもっと早く発見できる検査があります。
それが微量アルブミン尿の検査です。
腎症のごく初期にはたんぱくの代表であるアルブミンが尿の中にごく少量漏れてきます。
それを微量アルブミン尿というのです。
通常のたんぱく尿の検査では分からないので精密な方法で検出します。
では糖尿病腎症の場合はこの検査も受けた方がいいんですね?そのとおりです。
糖尿病と診断されている人では少なくとも年1回できれば半年に1回微量アルブミン尿の検査を行って頂く必要があります。
でも実際には30%程度の方しか受けていないのも現状です。
つまり尿たんぱく検査血清クレアチニン検査これを定期的に受けて頂くとともにそれに加えて微量アルブミン尿検査も是非受けて頂きたいと思います。
この3つの検査が必要だと押さえておきたいですよね。
こうした検査で腎臓の異常を早期発見して早期に治療するとやっぱり効果は大きいんですか?腎臓の糸球体は壊れると元に戻らないといわれています。
従って本来治療は進行を遅らせる事が目的でした。
ところがこの微量アルブミン尿の段階で発見してすぐに治療を開始すれば微量アルブミン尿が消失する事があります。
つまり腎症がよくなる可能性が出てきた訳です。
そのためには本当に早い段階で見つける事が大事ですね。
この検査重要ですよね。
それでは腎症を予防したり治療したりしていくにあたって大切なポイントはどういう事でしょうか?大切な事は血糖値および血圧値この両方を十分にコントロールする事です。
目標値は決まっておりまして血糖値はHbA1c7.0%未満。
血圧値に関しては上が130未満下が80未満。
これを目標にしています。
これはここにありますように糖尿病ですねと言われたらすぐにこういった管理は取りかかる必要がある訳ですね。
その両方を糖尿病と診断された直後からきちんと行っていくと将来にわたって合併症予防に大きな差が出る事が最近の研究で分かってきました。
この腎症の治療で血圧も厳しく下げるのはどうしてなんですか?全身の血圧が上がっていくつまり高血圧の場合に血液が糸球体に入ってくる時の圧力が高まって糸球体が更に痛めつけられます。
それが血圧をコントロールする理由ですがもう一つ高血圧が腎臓を悪くするだけではなくて腎臓が悪くなって塩分や水分の排せつが低下するとそれを補おうと腎臓自体が血圧を高めるようにします。
ここに悪循環が生じてくるのでこの悪循環を断ち切るためにも血圧の治療は極めて大切になります。
グルグル回っちゃう訳ですね。
断ち切らなきゃいけませんね。
こうした血糖値それから血圧は薬で治療していく事になるんですか?やはり生活習慣の改善が第一だと思います。
しかしそれで目標に達しない場合は薬を使ってでも目標を維持する事が必要だと思います。
特に血圧のお薬の中にはACE阻害薬やARBという腎臓を保護する効果のあるお薬もあってそれはよく使われています。
お薬よりも前に生活習慣の改善が一番大事だと言われましたがその中にやはり食事の管理が非常に重要になってくると思いますがどういう事が大切ですか?まず減塩です。
食塩の摂取を減らして頂く。
ただ腎症がまだ初期で高血圧にもなっていない場合にここまで減らさなくてもいいと思います。
しかし日本人の食塩摂取量は平均で一日10gを超えていますから多くの人はこのままではいけないと思います。
更に摂取エネルギー量も適正にして頂く事が大切です。
糖尿病も腎症も肥満によって悪化するのがその理由です。
腎症が進行すると食事の内容も少し変わってきます。
今お話が出ましたように腎症が進行していくと食事の管理それから治療が少し変化していく訳ですがその辺り久田さんからです。
まず血糖値や血圧をしっかり下げる事は重要です。
食事療法が少し変わり食塩の制限が更に厳しくなります。
たんぱく質カリウムも制限します。
なお腎臓の働きが大きく失われた状態を腎不全といいます。
腎不全が更に進行しますと透析治療が必要になります。
この内容を更に詳しく教えて頂きましょう。
減塩はもちろんの事たんぱく質カリウムを制限するんだという事が新たに出ました。
この理由は何でしょうか?たんぱく質は老廃物のもとになっています。
従ってとり過ぎると糸球体に負荷がかかると考えられます。
カリウムは腎臓の働きが低下すると血中にたまってそれが致命的な不整脈になりかねません。
ただこの2つは腎症の初期には制限しません。
特にカリウムはかなり進行した場合に制限します。
従って自己判断をせず医師や管理栄養士と相談した上で行って頂きたいと思います。
食事の制限については医師や管理栄養士など専門家にちゃんと相談をしてからするという事ですね。
さて腎不全になりますと症状としてはどんなものが出ますか?腎不全の症状はここにありますように…これは老廃物の排せつが十分できないために体にたまるためです。
症状があればそれぞれ薬で抑えます。
腎症が進行した場合特に注意する事はありますか?糖尿病は動脈硬化を進行させる事になっていますが腎臓が悪いと動脈硬化はますます進行します。
心筋梗塞や脳梗塞の発症が増加する事がありますのでそのための検査もしっかり受けて頂きたいと思います。
今日特に強調されたい事はどういう事でしょう?やはり糖尿病性腎症を早く見つける事が大切で早く見つけ早く治療するためには微量アルブミン尿の検査を是非受けて頂きたいと思います。
どうもお話ありがとうございました。
2014/07/02(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 糖尿病 合併症を食い止める!「腎症 早期発見の検査あり」[解][字]
糖尿病の合併症の1つ、腎症は、透析治療に至る原因として最も多い。しかし自覚症状に乏しい。早期発見には微量アルブミン尿の検査が必須。糖尿病の人は年1、2回受ける。
詳細情報
番組内容
糖尿病の合併症の1つ、腎症は、腎臓の働きが徐々に低下していく病気で、透析治療に至る原因として最も多い。しかし自覚症状に乏しく、だるさやむくみが現れたときには相当悪化している。早期発見には微量アルブミン尿の検査が必須。糖尿病と診断されたら年1、2回受けること。腎症の予防と治療には血糖値だけでなく血圧も十分下げる。食塩とエネルギーのとり過ぎにも注意する。進行した場合は医師の指示でたんぱく質なども制限。
出演者
【講師】旭川医科大学教授…羽田勝計,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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