和歌山電鉄でスーパー駅長を務めるニタマ。
神職の姿で登場しました。
今月行われるオールスターゲーム。
ファン投票で地方球団広島から8人が選ばれる異例の結果となりました。
後押ししたのは。
今、女性ファンがプロ野球を動かし始めています。
野球場。
それは、かつて男たちが手に汗を握り声をからす場所でした。
バース!バース!
それが今や。
ケンシー!
目立つのはチームファッションに身を包んだいわゆる野球女子です。
お気に入りのチームのプレーに一喜一憂。
野球に、みずからの生き方を重ね合わせています。
野球女子の勢いに球団側も変革を迫られています。
女性目線の企画や商品開発で女心をつかもうとしています。
女性たちは今なぜ球場に集うのか。
野球女子たちの思いに迫ります。
こんばんは。
「クローズアップ現代」です。
球場にプロ野球を観戦しに行く女性たちがこの数年どれだけ増えたのかはっきりとしたデータはありませんけれどもこちら、ご覧ください。
これはプロ野球12球団のファンクラブに占める女性の割合です。
この5年で女性の割合が増えた球団が10チーム。
そして、ご覧のように女性ファンが4割を超えているところが4球団あります。
地上波におけるテレビ中継の放送回数が減る観客動員数が伸び悩みさらにはスポンサー離れもささやかれる中で球団にとりまして女性ファンの増加は観客のすそ野を広げる大きなチャンスと期待しています。
これまで球場といえばビールを片手に男性が観戦するというイメージが強かったんですけれども今では女性たちが友達と連れ添って野球を観戦するというのがごく当たり前。
球団も女性たちへのファンサービスを重視し始めています。
女性によって球場の雰囲気そして球団の経営戦略が変わる。
さらにはオールスターファン投票においても大きな影響をもたらすようになった女性たち。
プロ野球に変化をもたらそうとしています。
楽しみ方は人それぞれですけれども取材した野球女子に共通しているのは試合の勝ち負けや選手の成績だけにとらわれないまなざしです。
♪〜
仲間と連れ立って球場に押し寄せる野球女子。
歌を歌って盛り上がりたい。
♪「フレフレフレフレ」
球団グッズを身にまとっておしゃれに応援したい。
楽しみ方は、人それぞれです。
日本ハムを応援する長谷川絵美さん、28歳。
大観衆の中、ひときわ大きな声で応援しています。
そんな長谷川さんですが以前は人前で自分を出すことが苦手でした。
7年前から正社員の仕事を探してきましたが見つからず派遣の仕事とアルバイトを掛け持ちしています。
職場を転々とする中深い人間関係を築けない自分に自信が持てなくなっていきました。
長谷川さんを変えたのが母と一緒に行った野球の応援でした。
特注のユニホームをはじめ全身コーディネートした衣装に身を包むと新しい自分に生まれ変わることができたといいます。
声を出して感情を表現するうちに気持ちの面でも積極的になっていった長谷川さん。
今では自分の声が届くようにあえて球場が静まる瞬間を狙って声援を送ります。
ケンシー!
人生の転機を前に野球から大切なメッセージをもらったという女性もいます。
川崎市に住む大学生鎌田美穂さん、20歳です。
首都圏でのカープの試合を心待ちにするカープ女子です。
来年には就職活動を控えている鎌田さん。
スポーツの魅力を伝える仕事に就きたいと考えていますが目標を諦めずに最後まで頑張れるか不安も感じています。
3歳からバレエを続け中学卒業後ロシアへ留学も考えていた鎌田さん。
しかし自信が持てず諦めました。
そのことが鎌田さんの心にずっと引っ掛かってきました。
そんな鎌田さんが勇気をもらった選手がいます。
ことし巨人から移籍してきた一岡竜司投手、23歳です。
巨人時代の2年間、1軍で投げるチャンスは、ほとんどなく1勝も挙げられませんでした。
主要な戦力とみなされずチームを離れたのです。
巨人で味わった挫折。
しかし、一岡投手はその悔しさをバネにカープで生まれ変わります。
中継ぎとして23試合登板し僅か3失点。
カープの開幕ダッシュを支えチーム躍進の原動力となりました。
4月には古巣巨人を抑え悲願のプロ初勝利を果たしました。
鎌田さんは同世代の一岡投手の活躍を見て自分も諦めない気持ちを大切に就職活動に取り組みたいと考えています。
資金力が豊富でないカープはそのほかの若手選手にも積極的にチャンスを与え選手を育てる方針を大切にしてきました。
ヨシヒロ、ヨシヒロいいぞいいぞ、ヨシヒロ!
鎌田さんたちカープ女子はそうした選手たちが成長していくストーリーに共感し熱い声援を送っているのです。
(歓声)
ことしのオールスターゲームのファン投票。
一岡投手は、けがをして2軍で調整中にもかかわらず異例の選出でした。
熱心な野球女子の思いがプロ野球を動かし始めています。
野球女子の勢いに球団側は変革を迫られています。
DeNAでは去年から女性向けの特典がついた特別チケットを販売。
スイーツの食べ放題などあの手この手で女心をつかもうとしています。
観客動員数の低迷から脱却するには野球女子の獲得は球団にとってもはや避けては通れない課題となっているのです。
こうしたアイデアを出し合うのはさまざまな部署から集まった女性社員たち。
これまでの野球ビジネスを女性目線で変えていこうとしています。
野球を通して掛けがえのないつながりが生まれたという女性もいます。
都内の出版社で編集の仕事をしている中村亜紀子さん、37歳。
大のオリックスファンです。
休日出勤も多く頻繁には球場に通えないためパソコンに録画して試合を楽しんでいます。
情報はネットですぐに友人たちと共有します。
中村さんが野球の魅力に気付いたのは30代前半のことでした。
当時、編集者として厳しい競争の中弱音や愚痴も口にできないまま無我夢中で働いていました。
体調を崩して初めて自分を見つめ直したといいます。
そんなとき友人に誘われて訪れた野球観戦。
プレーのたびに、喜びや悔しさを素直に出し合えるその空間が心地よかったといいます。
球場に足を運ぶうちに友人も増え、今では定期的に女子会を開く仲です。
オリックスに、かんぱーい!
お通しのスナック菓子に付いていた野球選手のカード。
これをネタに話が弾みます。
はい、女子会。
野球がつなぐ仲間の輪。
仕事や恋の悩みなども打ち明けられるなくてはならない存在です。
おーっ、すごいよ。
抑えた、抑えた。
中村さんは野球があるからこそ仕事も私生活も充実した日々が送れるようになったと感じています。
きょうはプロ野球ファンのお一人で、精神科医の香山リカさん、ファイターズファン。
そしてスポーツジャーナリストの生島淳さんと共にお伝えしてまいります。
生島さん、この様変わりした球場の雰囲気といった感がするんですけども、男性ファンのお一人として、この女性の広がりというのは、どう見てらっしゃいますか?
ちょっと、ジャーナリストではなく、一般のファンとして行くときに、少しやじを気を遣うようになりましたね。
やっぱり相手チームのエラーとかに対して、ちょっと喜ぶというような態度は戒めなければいけないかなという気は、最近はしてますね。
女性の応援に圧倒される感は、ありますか?
大体7回終わった時点で、ひいきのチームが大差で負けていたら、男は帰るんですよ。
ところが、最近の女性のファンは、最後までずっと試合展開がどうであろうと、応援し続けることにちょっと驚いてますね。
なんかこう、楽しみ方が違うなっていう感じが。
本当ですよね。
なんかこう、参加してる感じとか、応援自体が一つのイベントのようになっていますよね。
またこう、つながりっていうんですかね、その球団と、選手とのつながりも感じられるし、応援団どうしの仲間とのつながりも感じられるというような感じで、昔のようにただこう、見せてもらってるっていう距離感があんまりない、もうのめり込めるっていうのが今のプロ野球の応援のスタイルじゃないですかね。
でも負けても最後まで応援し続けるっていう、これは、その応援のしかたがやっぱり楽しいっていう?
あと応援がすごく今、スタイルがいろいろ決まっていて、それぞれの選手の主題歌のようなテーマソングがあったり、あるいはチャンスのときにはこの歌とか、この手拍子っていうふうにものすごくいろいろ、スタイルが決まっているのでね、それを一から最後までやり遂げるっていう、そこにもまた、きょう、自分が応援をやりきったっていう、満足感や達成感も1試合通して感じられますよね。
だから途中で帰っちゃうなんてもったいないですね。
とってもね。
自分と選手との間が非常に近くなっていて、自己投影化というか、もうなんていうかな、本当に一体となって応援している感じがあって、旧来のファンは主観と客観の間を結構移動するんですね。
調子がいいときは本当にいいね、いいねっていう感じで応援するんですけれども、まずいプレーすると、急に批評家になるんですよね。
だからそういった感じではなくて、常に一体化して応援してる感じがあると思います。
VTRにも出てきましたけども、強いから好きとか、こういう球が投げれるから好きというよりは、例えば自分たちで育ててるっていうね、広島カープのように、自分たちが支えてる、育ててるっていう感じも強いですし、あと挫折した選手が立ち直っていく、そのストーリーに共感するとかというような、従来のように、単に勝ち負けとかね、そういうのとは全く違う観点から応援してますね。
まあ、例えば香山さんと一緒に行ったとしたら、配球がうんぬんとか、うんちくを語りたがるのは、旧来のファンです。
ノーサンキューだと思うんです。
女性は?
今のファンは、それよりも同じように打席に立った気持ちになって、最後まで応援するというのが、新たなスタイルなんだなというのがちょっと変化としては感じられます。
だから女性は、本当に女性どうしで行っているケースとかも多くて、昔はどちらかというと、男性が野球を見に連れて行くっていうケースが多かったんじゃないですか?
野球選手をアイドルのように捉えて、女子高生の人たちがグループで行ってたりするようなケースはあったとは思うんですけれども、今はちょっと変わってきてますよね。
あと男性に連れて行かれる、自分はお金払わないっていうパターンから、主体的にお金を払って、楽しむという形に明らかに変わってますよね。
皆さんね、きょう出てきた方も、24時間、野球ばっかり見ているわけじゃなくて、それぞれお仕事があったり、夢があったり、自分の人生があって、そこではいろいろ、うまくいったり挫折したり、いろんな経験してると思うんですけれども、またそれとは1つちょっと別の世界で、野球っていう世界があり、そこでの仲間がいたり、自分がのめり込めるものがあるっていうそのよさもあるんじゃないですかね。
だから仕事の場では、いろいろ怒られたりとかね、うまくいかなかったりしてっていうようなそのものさしと、なんかちょっと違うものさしの世界が、自分の中にあるんだと思えるだけで、日中でも元気になることができたりとか、そういうよさも。
多くの方々が自分は野球と出会って変われたとか、あるいは勇気をもらったとか、そういうリアクションが非常に多いと。
それは翻ってみると、女性たちはどういう状況に置かれてるのかなって考えさせられるんですけど。
やっぱりね、今の時代、女性が社会進出とはいえね、女性がまだまだ職場でも言いたいことが言えないとか、非正規雇用の立場にずっと置かれているとか、仕事がうまくいったらいったで、これで私、本当によかったんだろうか、やっぱり専業主婦のほうがよかったんじゃないかとか、迷っている人もたくさんいると思うんですよね。
そういう中で野球の世界って、わりとまあ、とはいえシンプルで、やっぱり優勝がいいんじゃないかとか、勝ったほうがいいとかっていうような中で、思いっ切り応援するとかね、思いっきり声を出して、時にはさっき出てきたように、選手の名前を絶叫することでね、日中言えなかったことなんかも、もしかすると、そこに託して言えるとかっていうような、そういうよさもあると思いますよね。
女性たちって、自分たちが何を目指したらいいのかって、見えにくくなっているところって、社会では女性活用っていわれたり、アベノミクスで女性が経済動かすとか、いろんな期待はされてますけども、期待と本当に自分が置かれた現実とのギャップというのは大きいんじゃないかなと。
男の人だと社長になるのが一番いいとか、なんかそういうピラミッドみたいな、まだまだ出世街道のようなあると思うんですけど、女性はそんなにシンプルなコースじゃないですよね。
その中で、自分が何目指していいのかなっていうふうに、迷いながら生きている女性もたくさんいて、そういう人たちが応援に行って、もう変身して、ああいうふうにいろんな球団もいろいろ用意してますからね、グッズを身につけるとか。
でも球団としてもやっぱりこの流れ、この女性が球団に、球場に来るという流れは、しっかりとつかみたいですよね。
もちろん、観客動員数を1試合で比べてみますと、90年代は3万人いたんですけれども、今は2万人ぐらいまで落ち込んでますから。
テレビの中継もないですもんね、あんまりね。
減ってますからね。
ホームラン賞ですとか、そういった賞品の単価も下がっている面があって、経営的に先行き不透明な部分はあるんですよね。
それは女性が支えてくれるかもしれないというのが、一つあると思いますけれども。
あと、僕が期待したいのは、アメリカにメジャーリーグの取材に行きますと、GM補佐ですとか、そういった球団の根幹部分、あるいは、広報の立場の方で女性の方がすごく多くて、選手のパーソナル支出っていうのは、個人的な歴史だとか、そういった男性ではなかなか気付かないようなところで、ヒントをジャーナリストにくれたりするんですよね。
そういった形で日本でも女性の視点というものがより広がっていくと、球団の中に広がっていくと僕はいいなと思ってます。
2014/07/02(水) 19:30〜19:56
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代「“野球女子”私が球場に行く理由」[字]
今、プロ野球の応援に夢中になる20代から30代の女性たち、いわゆる“野球女子”が急増している。なぜ、今、女たちは野球に萌えるのか、現代女性の姿を描く。
詳細情報
番組内容
【ゲスト】精神科医…香山リカ,スポーツジャーナリスト…生島淳,【キャスター】国谷裕子
出演者
【ゲスト】精神科医…香山リカ,スポーツジャーナリスト…生島淳,【キャスター】国谷裕子
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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