相棒 season9 2014.07.02

(恵理)五月さんは雇わないんじゃないですかね。
どこのクラブってそんな老人クラブじゃないですよやだもうほんと所長。
五月さ〜んつめしぼ。
アハハハ!
(五月)ありがとう!
(ノック)
(仁木田栞)どうぞ。
(米沢守)失礼します。
監察官の仁木田栞です。
どうぞおかけください。
あの…監察官からの呼び出しという事はあの…まさか…。
何か心当たりでも?いえいえめっそうもありません。
自分はですね常日頃から与えられた職務を忠実に精一杯遂行する事をモットーとしておりましてそんなあのやましい事など何ひとつ…。
誤解のないように最初に言っておきます。
今回の特別監査はあなたに対するものではありません。
といいますと…。
本件の監察対象は特命係の杉下右京警部です。
なぜ杉下警部が監察対象に?杉下警部に対する告発状が監察室に届きました。
告発状って一体誰が…?差出人の名前は書かれていませんでしたが告発状が届いた以上監察を行わないわけにはいきませんので皆さんに聴取をお願いしている次第です。
で私は何をお話しすれば…。
ここ数日杉下警部はある殺人事件の捜査に関与していると聞いていますが?関与といいますか事件の一報が届いた時偶然…。
いや〜DVDで「円朝まつり」が見れるとは思ってもいませんでした。
貴重なものをありがとうございました。
(杉下右京)たまたま見つけたものですから。
(神戸尊)落語ですか?よかったら君もどうですか?いやいや僕は遠慮しておきます。
(携帯電話)そうですか。
あっちょっと失礼。
(携帯電話)はいもしもし米沢ですが。
…え?場所は?わかりました。
すぐに臨場します。
どうかしましたか?西新宿のマンションで不審死体が発見されたんですがそれがあの…金谷陽充らしいとの事で。
金谷ってアルタイル証券の社長の?ええ。
これから現場に向かいますので失礼します。
いってらっしゃい。
はい。
(栞の声)それが事実だとするなら鑑識課への臨場要請の情報をあなたが杉下警部に漏らした事になりかねません。
いやしかしそう言われましてもあの…今回の事件はたまたま杉下警部のお眼鏡にかなったというかあの引っかかったとでも言えばいいのかあの…。
事件に興味を持ったという意味でしょうか?何しろ死体で発見されたのが金谷陽充でして…。
(米沢)携帯電話を使った株取引でネット証券界の寵児となったものの最近一部の週刊誌が脱税疑惑を報じている…。
要するに被害者が渦中の人物だったという事でしょうか。
はい。
なおかつ…。
(パトカーのサイレン)被害者は会社も自宅も六本木のはずですよね。
ええ。
にもかかわらずこのような離れた場所に部屋を借りていた。
いささか気になりますねえ。
(芹沢慶二)死因わかりました?
(米沢)典型的な中毒死です。
あの容器とカップのコーヒーから青酸化合物が検出されました。
それからパソコンにあのような文書が保存されています。
(芹沢)「自らの死をもって償うしかないと判断しました」どう見ても遺書ですね。
(三浦信輔)見たところ争った痕跡もないしな。
(伊丹憲一)自殺の可能性が高いか。
何か?
(刑事)じゃあこちらへ。
(三浦)あっ。
第一発見者の佐橋専務ですね?発見された時の状況をお願いします。
(佐橋敏雄)奥様から社長が朝になっても戻られず連絡も取れないと会社に電話がありまして…。
ひょっとしてこちらかと思い来てみたらこんな事に…。
その時鍵はかかってたんですよね?どうやって中に?社長から合鍵をお預かりしてたものですから。
つまり金谷さんの奥様はこの部屋の存在をご存じなかった。
そう解釈してよろしいでしょうか。
はい。
この部屋の存在は社内でも一部の人間しか知らない隠れ家のようなそんな場所ですから。
隠れ家って事はひょっとして…。
浮気のために使ってたとか?マスコミにはご内密にお願いします。
社長だけでなく我が社のイメージにかかわる問題ですので。
(栞の声)そこまで明らかに捜査に加わっているとは思ってもいませんでした。
お話のとおりなら杉下警部の行動は職務執行法違反の可能性があります。
(米沢)いやしかしあの…!これだけは言わせてください。
杉下警部がささいな引っかかりに気づいたからこそ自殺ではなく他殺の可能性も浮上してきたわけでありましてあの…。
何かご不審な点でも?指紋の採取はもう済んでいますね?
(米沢)ええ。
文書が保存されたのは今朝方3時52分。
死亡推定時刻は3時半から4時半の間です。
遺書を書いた時刻と一致しますねえ。
僕には中途半端な時刻に思えてなりません。
ニューヨーク市場ですね。
ええ。
これから死のうという人間が株価のチェックなどしたりするでしょうか?なるほど…。
それからもう一つ。
このコーヒーメーカーは1杯から淹れる事が出来ますがポットにはまだ5杯分は残っています。
毒を飲むためなら1杯分だけ淹れればいい。
市場が閉まるのは日本時間では朝6時。
仮にこのコーヒーが金谷社長が最後まで取引を見るために起きていようと淹れたものだとしたら…。
被害者には死ぬつもりはなかった。
ええ。
僕ならまず残された遺書を疑ってかかります。
米沢さんキーボードの指紋を詳しく分析して頂けますか?
(栞の声)そしてあなたはその言葉に従った…。
はい。
キーボードを精査した結果遺書に使われた文字のキーの中で被害者の指紋がかすれていたり指紋自体が検出されなかったキーがいくつも見つかりました。
(栞)捜査上それはどういう意味を持つのでしょう?つまり亡くなった金谷さん以外の第三者が手袋をした手でキーを打った可能性が高いという事でしょうか。
なるほど。
自殺だと思われた金谷氏の死に他殺の疑いが出てきたわけですね。
それも杉下警部が現場にいたからこそすみやかに初動捜査を行う事が出来たわけです。
確かに犯罪の可能性が見逃されなかった点は評価出来ますが警察組織の捜査は結果論ではなく全てのプロセスが法にのっとって行われなくてはなりません。
(栞)今回の捜査でも関係者の聴取に杉下警部が介入してきたそうですがそのあたりの事をお聞かせください。
他殺の疑いが出たのでまずは被害者が代表取締役を務めるアルタイル証券に向かいました。
また先回りしてるし。
じゃあ特にそういうお話は…。
(三浦の咳払い)
(三浦)あっ警視庁の者です。
はい。
佐橋専務いらっしゃいますよね。
少々お待ちくださいませ。
特命係はお引き取りくださ〜い。
そろそろお見えになる頃だろうと思ってました。
(栞の声)それでも杉下警部はその場を去ろうとしなかった?ええ。
いつもの事ですけど。
捜査権のない人間が捜査員の退去勧告に従わなかったとすれば十分な職務執行法違反にあたります。
だったらなんとかしてください。
その後どうなったかを続けて頂けますか。
(秘書)お待たせしました。
こちらへどうぞ。
では失礼。
どうも。
(栞の声)つまり杉下警部と神戸警部補はあなた方と同じ捜査一課の捜査員を装いオフィス内に侵入したという事ですね?装ったかどうかは知りませんが勝手についてきただけです。
厳密に言えば不法侵入を問われかねません。
佐橋専務からはどのような聴取を?…という事は社内には金谷社長の事を恨んでいるような人間はいないっていう事ですか?私が知る限りそのような事は…。
おや。
金谷社長はクレー射撃がご趣味なんですねえ。
こっちは大会のトロフィーみたいですよ。
準優勝ですか。
かなりの腕前のようですねえ。
申し訳ありませんがお手を触れないように…。
ああこれは失敬。
話の腰を折らないで頂けますか警部殿!一つだけ。
一部の報道ではこちらの会社と金谷社長ご自身にも脱税の疑惑とありましたがそれは事実なのでしょうか。
私からはお答え出来かねます。
そもそも社長が亡くなった件と一連の報道とは無関係だと思いますが。
(栞の声)それは事情聴取を妨害したという事でしょうか?それは多少はやりにくかったですけどこっちだってプロですから。
聞くべき事はちゃんと聞き出しましたし。
(栞)聞くべき事とは?顧客の中に損失を返せってしつこく言ってくるクレーマーが何人かいて中には脅迫めいた電話をかける奴もいたそうです。
(米沢)被害者の金谷陽充の携帯電話の通話記録です。
う〜ん会社関係者と自宅ばっかだな。
(三浦)見ろ。
事件の夜の午前3時35分に着信があるぞ。
(芹沢)森井孝次郎?会社の人間にいましたっけ?既に確認済みです。
帝都新聞の記者でした。
(三浦)ブン屋かよ!?なんだってこんな時間に。
とにかくあたってみよう。
はい。
あ…。
お前この通話記録特命係に渡したりしてねえだろうな?まさか。
渡したりはしていません。
…が。
が?杉下警部の事ですから一目見ただけで内容を全て覚えてしまってる可能性はあるかと。
やっぱ見せてんじゃねえかよ。
(栞の声)仮に見て記憶しただけだとしても…捜査資料を無断で持ち出したのと同じ事になります。
森井さんですね?やっぱ来てるし…。
警視庁特命係の杉下と申します。
同じく神戸です。
(森井孝次郎)警察の方が何か?実は今朝方アルタイル証券の金谷社長が亡くなりました。
(森井)えっ!?金谷さんの携帯電話に昨夜あなたの携帯電話からの着信記録があった事も確認済みです。
その時の会話の内容をお教え願えませんか?はい。
実は金谷社長にはずっと前から独占取材をお願いしていまして。
その件でした。
なるほど。
しかし3時35分というのは電話をかけるには遅すぎやしませんか?はい。
ニューヨーク市場をチェックして起きているから遅い方が助かると社長にはそう言われてましたから。
邪魔ですよ〜。
すいません。
森井さんですね?
(森井)はい。
捜査一課です。
昨夜の3時半から4時半どちらにいらっしゃいました?
(森井)自宅にいましたけど。
(三浦)どなたかとご一緒では?いえ。
離婚してずっと1人ですから。
最後にもう一つだけ。
金谷さんが亡くなった西新宿のマンションの部屋の事はご存じでしたか?あっいえ…。
そんな部屋の事は聞いてませんでした。
(栞の声)やはり捜査を妨害したのは明らかなようですね。
あの…もう終わりにしてよろしいでしょうか。
こんな事してる時間があったら早く捜査に戻りたいんで。
監察官聴取は警察官にとって重要な責務です。
現場の人間にとって大事なのは犯人を挙げる事で警察官同士チクりあう事じゃありません。
失礼。
少し意外ですね。
意外?捜査一課にとって杉下警部は対立する存在であり決して擁護するべき相手だとは思っていませんでした。
誤解しないでください。
杉下警部の考える事もやる事もほとんど自分には理解出来ません。
ですが事件解決のためなら利用出来るものはなんだって利用する。
ただそれだけですから。
貴重なお時間ありがとうございました。
失礼します。
(角田六郎)なんで俺…いや…私に杉下右京の事を?報告によれば角田課長は組対5課に隣接する特命係を暇潰しを装い常に監視しているとありますが。
あれ?そそんな事言いましたっけ?組対5課の捜査中に杉下警部と遭遇した事象に関して説明をお願いします。
はい。
あっええ…。
あれはなんといいますか…。
(角田の声)密輸拳銃絡みのタレコミ情報をもとにある不動産会社を張り込んでいた時の事です。
見たとこカタギのビルだけどガセネタじゃねえのか?
(大木長十郎)いえ。
フォーイースト不動産なんてハイカラな名前つけてますが実態は貴龍組の傘下です。
(角田)あれ?特命の2人じゃねえのか?
(栞の声)当然杉下警部たちがどうしてそのような行動に出たか確認はされたのですね?ええもちろん。
出てくるとこ待って…。
おや。
今日は一体なんでしょう?
(角田)おい。
お前ら何やってんだよ。
フォーイースト不動産の仙道信義社長を訪ねてきたところです。
(小松真琴)えっ!?仙道に会ったんですか?お見受けしたところ内偵捜査のようですねえ。
いいから。
ちょっとこっち来い。
実は拳銃密輸の疑いがあるってタレコミがありまして。
お前ら建物の中入ったんだろ?なんか不審なものとか見なかったか?いや別に。
第一僕たち警視庁を名乗りましたけどすぐに入れてもらえましたし。
あくまで僕が会った印象ですが仙道社長は拳銃などをシノギとするタイプの人間には見えませんでした。
なんだよ。
やっぱりガセネタじゃねえか!いやしかし仙道の部下に千葉って奴がいてやばい事も平気でやる猛者だって聞いてますし…。
内偵中という事は仙道信義とあの会社に関する情報をお持ちですよねえ。
教えて頂けませんか?教えるも何も典型的な経済ヤクザだよ。
得意分野は企業恐喝。
…だよな?
(栞の声)ちょっと待ってください。
組対5課と特命係は命令系統も業務も当然異なるはずです。
安易な情報のやり取りは機密保持の観点から見て問題ありと言わざるを得ません。
固い事言うなよ。
何か?あっいや。
特命係には摘発の人手が足りない時なんかにたまに手貸してもらったりしてるもんですから。
正式な応援要請の記録は残っていませんけど。
ええですからそれはなんというか…ねえ?お隣さんですから持ちつ持たれつみたいなところはねえ?捜査協力と馴れ合いは別問題です。
…誰が送ってきたかわからないんですか?杉下警部が横紙破りなのは何も今に始まった事じゃないでしょう。
それをいきなり匿名の告発状を送りつけるなんて妙に…キナ臭く思えて。
状況が変わったんです。
杉下右京警部や特命係の存在を疎ましく思う人間は庁内にかなりの数いると私は思います。
それってまさか…。
(栞)神戸尊警部補特命係在籍1年11か月現在は杉下警部の唯一の部下。
あなたなら杉下右京の違法行為に関してより正確な事実を話す事が出来ると思います。
さあ…ご期待に沿えるかどうか。
…といいますと?自分は杉下警部の部下ではありますが警部は警察の常識では計れない行動をとる人です。
目を離すとすぐにどこかへ行ってしまって置いてきぼりを食らった事も一度や二度じゃありません。
なるほど。
では今回の事件でお二人が臨場した時の事からお伺いします。
はい。
杉下警部が事件はただの自殺ではないと気づいたのはやはりニューヨーク市場の画面とポットのコーヒーからという事ですね?いや…たぶんもう少し前だと思いますけど。
この部屋は社内でも限られた人間しか知らない隠れ家のような場所ですから。
隠れ家って事はひょっとして…。
浮気のために使ってたとか?
(佐橋)マスコミにはご内密にお願いします。
僕だったらあの部屋に女性は呼びませんね。
装飾品も一切なしベッドはシングルだしバスルームにはアメニティーグッズもなかった。
浮気用に使ってたって話あれ嘘ですよね。
ええ。
問題は佐橋専務がなぜ金谷社長があの部屋を浮気に使っていたかのように供述したのかです。
(栞の声)だとすると杉下警部は最初から佐橋専務が何か隠し事をしているとにらんでいた。
ならどうして佐橋専務に会った時本人に問いたださなかったのでしょうか?うーん多分その理由にも見当がついたからだと思いますよ。
東日本クレー射撃大会。
仙道信義ありました。
貴龍組系城宗会の元若頭で現在は不動産会社を経営しています。
そもそもアルタイル証券に脱税の疑惑が上がったのは業績が右肩上がりなのに対して経常利益があまりにも少なかったためです。
仮に金谷社長が利益の一部を暴力団傘下の企業に流していたとしたら…。
クリーンなイメージでネット証券界の寵児に昇りつめた金谷には致命的なスキャンダルになりかねない。
腹心の佐橋専務ならばあの部屋が仙道信義との密会に使われていた事も知っていたのでしょう。
だからこそあの部屋を浮気相手との密会場所だとごまかすしかなかった。
(栞の声)だから仙道という男の会社を訪ねたわけですか…。
(仙道信義)社長の仙道と申します。
今日はどういったご用件で?金谷さんが今朝方死体で発見されました。
…カナヤ?それはどちらの?アルタイル証券の金谷社長ご存じですよね?あああの金谷さんね。
テレビや雑誌でお顔を拝見した事は何度か…。
おや東日本クレー射撃大会の事は覚えてらっしゃらないのですか?そうでしたか。
あの大会にも金谷さんがね…。
あの大会だけでなく去年1年間に行われた大会のほとんどにお二人揃って出場していますよね。
何度も優勝を争ってらっしゃるじゃありませんか。
少々冷たくありませんかねえ。
いやそう言われましてもね。
あくまでも趣味が同じだというだけでそれ以上のお付き合いをしていたわけじゃありませんから。
(神戸の声)仙道社長と被害者には特別な繋がりがある。
杉下警部はそう確信したようでした。
ありました。
仙道信義が企業恐喝を仕掛けた会社のリストです。
こっちは金谷陽充が大口の顧客向けに出していたメールマガジンを送ってもらいました。
金谷社長自らが毎月推奨株つまり特定の銘柄の株を選んで売買を勧めていたようですねえ。
オルカ製薬に城信銀行長石建設。
見事なまでに一致しますねえ。
まず最初に仙道信義がいくつかの上場企業を狙って企業恐喝を仕掛ける。
その恐喝の過程で知り得た情報例えばTOBつまり株式公開買付や企業合併などの極秘情報をひそかに金谷社長に流す。
株価が上がると見込めば当然買いを推奨すると。
確実に当たる推奨株のからくりですねえ。
でもこれってインサイダー情報に基づく取引ですよね。
金商法違反の疑いもありますよ。
恐らく捜査二課も着手寸前だったと思いますよ。
(栞の声)それが事実だとしてどうして金谷氏は殺されなくてはならなかったのでしょう?その鍵を握っているのが森井孝次郎という記者です。
森井というと帝都新聞の?杉下警部は最初にその記者を訪ねた時既にかなり重要なヒントをもらっていたんです。
えっと…ここが森井さんのデスクですね。
勝手に見たらまずいですよ。
すべて金融商品取引法関連の本ばかりですね。
なおかつインサイダー取引に関するページに付箋も付いています。
(栞の声)当人の許可なく盗み見をしたわけですか?いや…念のため僕はやってませんから。
その件は後ほど当人の聴取で確認します。
肝心なのは杉下さんがその時点で既に森井という記者が今回の事件になんらかの関与をしていると見抜いていた点です。
どうしてそう言い切れるんでしょう?森井が金融商品取引法の事を調べていたのは明白です。
社会部の記者でも経済絡みの事件を追う事は普通にあると思いますけど。
ですからそれを調べるために杉下さんは…。
これあんまり言いたくないんですけど…。
神戸君。
はい。
見張っててください。
え?ちょっと…!ありました。
え?あっ…。
(神戸の声)金谷陽充の隠れ部屋の住所と殺された日時でした。
やべっ…杉下さん。
何してるんです?いやその…。
アハハ…。
神戸君。
え?ありました。
あっ…。
あっありがとうございます。
思い出の品なんです。
見つかって助かりました。
あなたたち一体…。
おかげで森井さんはかなり怪しくなりました。
何しろ…。
金谷さんが亡くなった西新宿のマンションの部屋の事はご存じでしたか?あっいえ…。
そんな部屋の事は聞いてませんでした。
知っているはずの隠れ家を知らないふりしたんですから。
つまり杉下警部は森井という記者の事を最初から容疑者だと考えていたという事ですか?おそらく。
当然その情報は捜査一課にも報告されたのですか?まあ報告しようにも向こうは聞く耳を持ちませんから。
何しろ株で大損した顧客の方を調べるのに忙しいみたいだし。
特命係だけが情報を専有しているというわけですか。
意外ですね。
杉下警部は手柄を独り占めするタイプだとは思っていませんでした。
いやいやあの人は手柄になんて興味ないですよ。
だからこそ焦らずじっくり動機の方を探ろうとしてるんです。
という事は証拠は既に見つかったと?いやこれもあんまり言いたくないんですけど…。
(神戸の声)森井孝次郎の指紋も手に入ってますし。
ありがとうございます。
やっぱり違法でしたよね?当然です。
証拠能力はありません。
でも捜査を進める上では確実な手がかりになります。
鑑識に頼んで現場周辺の防犯カメラの映像も取り寄せましたし真相はすぐに明らかになると思いますよ。
(携帯電話の振動音)失礼。
はい。
今神戸警部補の聴取中です。
本日中には。
ええ。
戻られてから首席には報告させて頂きます。
失礼します。
あれ大河内さんですか?ええ。
本来なら首席監察官が聴取すべき案件だったのですが急な出張が入ってしまいまして。
珍しいですよね大河内さんが出張なんて。
そういえば首席監察官とは個人的に親しいそうですね。
首席が聴取した方がよかったでしょうか?いやいやかえってお互いやりにくいと思いますよ。
聴取は以上です。
あの…これだけ色々喋ったんですから少しは教えてもらえませんか?なんの事でしょう?杉下警部がいくつもの事件を非公式ながらも解決している事は紛れもない事実です。
なのに突然の特別監査。
これってあまりに作為的すぎませんか?作為的とはどのような…。
何者かが匿名の告発状を送り杉下右京を監察対象にしてあわよくば懲戒処分にしようと狙っている。
監察官ならその理由を知っているんじゃありませんか?あえて一つだけ理由を挙げるとしたら…後ろ盾がなくなったから。
そう言えるかもしれません。
後ろ盾って…小野田官房長の事ですか?上層部の中には去年の警視庁人質籠城事件で特命係のした事を快く思っていない方々も多く残っています。
まさか副総監一派が杉下さんや特命係を本気で潰そうとしてるとでも?誤解のないように。
私は監察官としての職務を全うするだけです。
ただ今回の特別監査の結果次第ではあなたが言うような結果を招く可能性も否定出来ません。
その場合は警察庁に戻られる事をお勧めします。
え?神戸警部補のキャリアから見れば特命係はあくまでも通過点に過ぎない。
私はそう思っています。
わかりました。
では後ほど。
あの仁木田って監察官かなり手ごわいですよ。
おや…そうですか。
僕の過去まで調べてからめ手で攻めて来ました。
間違いなく杉下さんを懲戒処分にするつもりです。
それどころか本気で特命係を潰そうとしてるのかも…。
ならば僕も心してかからなければなりませんねえ。
(ノック)お入りください。
杉下警部ですね。
どうぞ。
これまでの聴取の結果特命係杉下警部に対するいくつかの刑法違反ならびに職務執行法違反の疑いは濃厚であると申し上げねばなりません。
捜査対象に対する業務妨害証拠の不正な入手命令違反それらすべてを認めるという事ですね?はい。
皆さん余すところなく伝えてくださったようですね。
その場合処分が決定するまでの自宅謹慎同時に24時間監察の監視下に置かれる事になりますが。
致し方ありません。
釈明する気はないという事ですか?釈明ではありませんが事件の続きをお話ししてもよろしいでしょうか?今回の事件には何人かの鍵を握る人物がいました。
その中で僕が最も気になったのが帝都新聞の森井という記者の方です。
そのようですね。
実はつい先日も森井さんをお訪ねしたのですが…。
事件の夜あなたは本当は犯行時刻に金谷社長と会う予定だったのではありませんか?いきなりなんなんですか?金谷さんのマンション近くの商店街の防犯カメラです。
金谷さんが部屋を借りていた事は知らないそう言ってましたよね?しかもこれ犯行時刻なんですけど。
すすいませんでした。
あの時はとっさに…。
でも私はほんとに部屋には行ってないんです。
おやどういう事でしょう?確かにあの日の夜は午前4時に部屋を訪ねる約束でした。
ですが近くまで行って3時半に電話をしたら取材はもう1日待ってほしいそう言われて仕方なく引き返しました。
金谷社長はどうしてあなたにだけ独占取材を許可されたのでしょう?さあそれは私には…。
ひょっとして何かあなたにしかわからない情報があったからではありませんか?
(栞の声)率直に言ってお話の限りでは森井という記者は態度や供述に不審な点は多々あるようですが容疑者とするにはまだ不十分だと思います。
ええ。
僕も森井さんが犯人だとは思っていません。
え?金谷社長は森井さんにとって大事な取材相手です。
殺す動機がありません。
取材の最中に何かしらのいさかいが起きた可能性も考えられなくはありませんがあらかじめ致死性の毒を用意した計画的な犯行とは矛盾します。
それがわかっているのならどうして森井記者を何度も執拗に聴取したのです?事件の背景に隠された動機を知るためです。
隠された動機?今回の事件の背景には新進気鋭のネット証券と暴力団傘下の企業の黒い癒着がありました。
おそらく金谷陽充と仙道信義は互いの趣味であるクレー射撃を通じて知り合い不正なインサイダー情報の取引を思いついた。
ところが…そんな癒着の構造に変化が訪れました。
急成長したネット証券界の寵児を妬む筋からの脱税のうわさです。
それが週刊誌の記事となった。
ええ。
そんな矢先…。
(金谷陽充)独占取材?冗談じゃない。
そっちで断ってくれ。
ですが向こうは仙道の名前を知っているようでして…。
何!?はい金谷ですが…。
帝都新聞の森井といいます。
フォーイースト不動産の仙道社長とのビジネスの事で独占取材お願い出来ませんか?森井さんのデスクを見た時にすぐにピンときました。
(杉下の声)森井さんが熱心に調べていたのは脱税ではなくインサイダー取引に関してです。
すなわち他のマスコミがまだ突き止めていなかった金谷陽充と仙道信義の関係に気づいていたんです。
だとしても金谷氏はどうして森井という記者から独占取材を受ける気になったのでしょう?あくまで僕の推測ですが金谷社長は森井さんにすべてを告白し自首するつもりだったのではないでしょうか。
どうして自首なんか…。
捜査二課はこのインサイダー取引での強制捜査に着手寸前でした。
その情報を森井さんが金谷社長に教え金谷社長は事件が公になる前に先手を打とうと考えた。
先手?マスコミを操作して自らを守ろうとしたんです。
はい。
つまり金谷さんはあくまでも被害者だったと?ああもちろんだ。
悪いのはすべて私を脅した仙道社長なんだ。
その件をちゃんと記事にするなら独占取材でもなんだって受ける。
(杉下の声)経済ヤクザで一枚も二枚も上手な仙道は金谷社長の裏切りにいち早く気づくや次の手を打った。
自殺ならなんでもいい。
方法は任せる。
(金谷)ちょっと待っててもらえますか?
(金谷)どうしたんですか?こんな遅くに。
ああ…ちょっとTOPIX入ってるんで待っててもらえますか?
(杉下の声)仙道にはそんな仕事にも最適な部下がいました。
千葉文宏。
今捜査一課が逮捕に向かっています。
捜査一課には情報はあげていなかったのでは?おや神戸君がそんな事を言いましたか。
彼は時々肝心な事を勘違いするようで。
フフフ…困ったものです。
あ今度の事件はごくごく簡単な構図でした。
ですがもう一つの謎の方はいささか厄介でした。
もう一つの謎…?なぜ今になって急に僕に対する監察官聴取が行われたのか。
この聴取は適法でありなんら問題はないと思いますが。
少し調べさせて頂きました。
記者の森井孝次郎さんとは同じ高校学年もクラスも一緒でしたね。
ただの偶然です。
監察官聴取には関係ありません。
卒業後連絡を取られたりは?いいえ。
新聞社にいる事すら知りませんでした。
それ…嘘ですね?森井が金融商品取引法の事を調べていたのは明白です。
社会部の記者でも経済絡みの事件を追う事は普通にあると思いますけど。
聴取を受けた米沢さんや伊丹刑事にも聞きました。
誰もが森井さんが帝都新聞の記者である事は説明しましたが所属が社会部であるとは一言も口にしていません。
なおかつ先ほどあなたはこう仰った。
それがわかっているのならどうして森井記者を何度も執拗に聴取したのです?「執拗に聴取した」それは紛れもなく聴取を受けた側の人間の感想です。
それこそあなたと森井さんがつい最近まで連絡を取り合っていた証拠じゃありませんか。
ずっと気になっていたんです。
捜査二課が極秘で内偵捜査をしていた金谷社長と仙道信義の黒い癒着をどうして一介の記者である森井さんが突き止められたのか。
情報を流したのはあなたですね?
(森井の声)例の板橋の保険金殺人なんだけど容疑者の逮捕が近いってうわさあれほんとのとこどうなんだ?どうって…知ってても言えるわけないのわかるでしょう?異動が迫ってるんだ。
ここらで大きなネタをものにしないとまずいんだよ。
そんな事言われても…。
頼む。
俺に記者続けさせてくれ。
なっ?監察官の立場を利用しあなたは求められた情報を手に入れ彼に教えた。
もしもし私。
例の件近々動きがありそうよ。
捜査二課がインサイダー取引の容疑で金谷社長と仙道信義の周辺を内偵している事を知った森井さんはその情報をもとに金谷社長から独占取材の確約を取った。
しかし取材寸前で金谷社長が殺害されてしまった。
そしてあろう事か森井さんが容疑者に名を連ねる事になってしまった。
お…俺だ俺。
また杉下とかいう刑事たちが来てあれこれ聞かれた。
え?言うわけないだろ!情報源の秘匿は記者の権利だ。
根拠のない推論です。
聞くに耐えません。
(携帯電話の振動音)おやこちらの携帯ではないようですね。
あっ…もう一台ポケットに持ってらっしゃる?
(携帯電話の振動音)出なくて結構ですよ。
かけてるのは僕ですから。
どうして…。
もう一つ言い忘れていました。
無断で拝見したのは森井さんの手帳だけではありませんでした。

(杉下の声)警視庁内のまさにインサイダー情報を伝えるのに本人名義の携帯電話は危険すぎます。
当然個人が特定出来ない携帯を使っていた事は容易に推測出来ました。
許可なく個人情報を盗み見る事は違法です。
証拠能力はありません。
ですが捜査を進める上では確実な手がかりになりました。
僕に対する告発状を書いたのも仁木田監察官あなたですね?森井さんとご自分の秘密を守るために僕を監察下に置き捜査から遠ざけようとした。
監察官聴取は以上です。
首席監察官…。
出張というのは実は嘘だったんです。
(大河内春樹)君の普段の言動には不審なものが感じられた。
そのため密かに監視を続けたところ君が外部の人間に情報を漏らしている可能性が浮上した。
だが証拠も確証もない。
そんな矢先匿名で僕への告発状が届いたそうです。
告発状?こんなものまさか大河内さん真に受けたりしませんよね?この件で監察官聴取を開始する事にした。
えっ?監察官はこれを利用されるおつもりなんですね?協力して頂けますか?
(ラムネを噛み砕く音)この監察官聴取自体最初から私のためだったんですね。
上層部が特命係を潰そうとしているなんてすごいブラフですよね。
思わず信じちゃいそうになりましたよ。
森井さんにもいずれあなたが犯した国家公務員法違反に関与した容疑で聴取が開始されるでしょう。
彼のした事は記者の取材行為の範囲内です。
なおかつ私が漏らしたという確証はありません。
肝心な事をお忘れです。
あなたが流した情報で森井さんが金谷社長を脅さなければ金谷社長が殺される事はありませんでした。
あなた方の愚かな行為が人ひとりの命を奪ったんです。
あなたがまずすべきは自らや森井さんを弁護する事ではなくその事をいち警察官として心から恥じ入る事ですよ。
ただ今から警務部人事課仁木田栞警視に対する監察官聴取を始めます。
ありがとうございました。
監察官聴取ご苦労さまでした。
正直あまり気分のいいものではありませんねえ。
だったらこれに懲りて今後は少し慎んだ方がいいんじゃないですか?まあ今さらですけど。
今さらですよ。
2014/07/02(水) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 season9[再][解][字]

「監察対象杉下右京」

詳細情報
◇出演者
水谷豊、及川光博 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語
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