くらし☆解説「どうなる健康食品の表示」 2014.07.02

生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうは、どうなる健康食品の表示です。
見直しが進められている健康食品の表示についての議論が大詰めを迎えています。
合瀬宏毅解説委員です。
健康食品は、コラーゲンや、サプリメント、私も時々飲むんですけれどその表示の見直しというのはどういうことでしょうか?合瀬⇒これまで禁止されていた健康食品の表示を解禁するということなんです。
最近は本当にサプリメントや青汁など健康食品をとる方が多くなっていますが国では日々の食生活で足りない栄養素を補う、補助食品という位置づけなんです。
そうした健康食品なんですが消費者委員会が2012年に行った調査によりますと利用している人は国民の60%に及びそのうち半分にあたる人は毎日飲んでいるとしています。
健康食品全体の市場規模は、今や1兆8000億円。
国内の野菜市場が2兆円ですからそれに匹敵するぐらい大きくなっています。
野菜と並ぶ規模なんですね。
その一方で表示が分かりにくいという声が多いんです。
どういうことですか?サプリメントのパッケージを見てみますと健康のために、とかみずみずしい若さを保ちたいサラサラとかつやつやとかよく書いてあります。
ところが肝心の、体のどこにどう効くのかそこが書かれていないんです。
確かに分かりにくいですね。
これは、国が健康食品に対しそうした表示を禁止しているためなんです。
そうした中で去年国の規制改革会議が健康食品の表示を、もっと分かりやすいものにすることを提言しました。
消費者が健康食品を適切に選択できることで、医療費削減につながる。
また健康食品の輸出など、市場拡大が期待されるとしています。
そういうねらいがあるんですね。
その議論が、来月の取りまとめを目指して本格化しているんです。
そもそも、なぜそうした表示を禁止しているんですか?健康食品が、医薬品ではなく食品だからなんです。
医薬品については薬事法によって成分まできちんと決められ有効性や安全性は、国が個別に審査します。
国が管理しますから目薬のように目の渇きによく効くや胃の痛みやもたれに、など体のどの部分にどう効くのか表示ができるんです。
国が審査しているから効果が言えるんですね。
その一方で、健康食品は形は薬に似ていても、あくまでも補助食品食品ですから国が効果を審査しているわけではありません。
もちろん中には、特定保健用食品トクホなど国が有効性を審査した健康食品もあります。
しかし、圧倒的に多いのはトクホなどではないいわゆる健康食品です。
国が審査しないので肩や関節といった体の部分を使った表示ができません。
このためメーカーは個人の体験談などを使って効果を消費者ににおわせるしかなく、これが分かりにくさにつながっています。
ですから今回はこの健康食品の表示を見直そうというものなんです。
どう見直すんですか?国の関与をなくし、企業責任で表示できるようにするというものです。
企業に任せるわけですか?参考にしているのは、アメリカで1994年に成立したダイエタリー・サプリメント法です。
それは健康効果が科学的にあると判断すれば企業はみずからの責任で効果などを表示できるとした制度です。
国は審査をしないんですね。
その代わり、この表示は国によって評価されたものではありません、というただし書きを書かなければなりません。
つまり打ち消しの表示を行うことで、医薬品に近い表示ができるんです。
表示を解禁するということですね。
健康食品の効果をうたいたい企業としては大チャンスですね。
アメリカでは、この制度もあって法律の制定後15年で発売される製品数は20倍にまで増えたということです。
日本の検討会でも、企業責任で表示を行うようにしようというところまでは合意ができています。
議論になっているのは表示の範囲をどの程度まで認めるかそして表示の根拠を、どこまで求めるかということです。
表示の範囲というのは?先ほども紹介しましたようにひじとか目とか体の部分を使った効果の表示を国では、医薬品でしか認めてきませんでした。
ですから、これを変えるということは政策の大転換です。
ただ、事業者としては分かりやすい表示のためには体の部分を使った表示は必要だという立場でこれを強く求めているんです。
それを認めるのであれば重要なのは根拠なんですね。
根拠が消費者としては心配なところですね。
そうした表示をするために明確な根拠がなくてはなりません。
ただ、消費者庁としては企業みずからが実験で実証しなくても、適切な研究データが外部などにあれば表示できるとする案を示しています。
外部のデータだけで大丈夫でしょうか。
安倍総理も成長戦略に入れています。
役所としては、なかなか抵抗しづらいです。
実は健康食品の有効性のデータはあいまいなものが多いんですね。
健康食品の成分に関する資料国立健康・栄養研究所のデータベースで集められていますがそれを見てみますと例えば店頭でよく目にするグルコサミン。
関節炎に、恐らく有効と思われると書いてある一方で情報は不十分で、さらなる検証が必要とされています。
またコラーゲン、岩渕さんも飲んでいますね。
時々飲んでいます。
コラーゲンは俗に美容に効くなどといわれているが人の有効性については信頼できるデータが見当たらないとされています。
そうなんですか。
つまり効果がはっきりと分かっている成分は、かなり少ないんです。
そうしたものに有効性の表示をして大丈夫なんでしょうか?企業には表示の元になったデータの評価と消費者への公開が義務づけられようとしています。
評価が適正かどうかを、国が判断して認可することはないんです。
極端に言うと自分に都合のいいデータを集めて表示をしてくる企業も出かねないということです。
高いお金を出して健康食品を買う消費者にとっては我慢ならないことです。
根拠の薄い効果だけを強調されても消費者は混乱しますね。
日本が参考とするアメリカでも同じような状況になっています。
アメリカ政府が2012年にダイエットなどの商品、127の表示の妥当性を調べたところ企業から提出されたデータのうち有効性の実証で考慮すべき要件が満たされていたものは1つもなかったんです。
ゼロですか。
また有効性については肯定的なもの、否定的なものを幅広く集めて検討しなければいけないんですが、否定的なデータは僅か4%しかありませんでした。
しかも有効性を示すデータとして30年前の大学生のリポートを提出してきた事業者もいました。
めちゃくちゃですね。
こうしたことから科学的な根拠が不十分な製品が流通している可能性があると指摘しています。
ひどい状況ですね。
消費者庁ではアメリカのような状況にならないように日本では表示の妥当性を監視する仕組みを作るとしています。
その仕組みをどう作るかその議論は、これからなんです。
今後議論は、どうなっていくんでしょうか。
検討会では8月にも報告書をまとめ、今年度中には制度をスタートさせたいとしています。
ただ、解禁するんであれば科学的な根拠のない健康食品が出回らないような制度にしないと消費者は困ります。
その仕組みをどう作るのか慎重に議論を進めてほしいと思います。
合瀬宏毅解説委員でした。
2014/07/02(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「どうなる健康食品の表示」[字]

NHK解説委員…合瀬宏毅,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…合瀬宏毅,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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