(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
今日のテーマは…この先天性心臓病は生まれつき心臓に異常がある事なんですがそういった事があっても最近は医療の進歩などで多くの方が成人を迎えられるようになりました。
ただ大人になりますと子どもの時とは違った注意や問題が出てきます。
そこで今日はどのような事に気を付けて生活をしていけばよいのかご紹介していきます。
今日も専門家をお迎えしています。
分かりやすく伺ってまいります。
ご紹介致します。
循環器内科特に先天性心臓病の診断治療がご専門です。
今日はどうぞよろしくお願い致します。
先天性心臓病を持つ方はどれぐらいの数いらっしゃるんでしょうか?大体生まれてくる子どもの1%ぐらいでございますので日本ですと大体年間1万人生まれてくると。
以前は先天性心疾患は長く生きられないという感覚がございましたが今90%ぐらいの人が大人になっています。
これは成人となった先天性心疾患の患者さんの数の統計でございますが約40年ぐらい前の1967年には大体5万人ぐらい成人の方がいました。
2007年では大体40万人ぐらいに増えていまして現在は45万人います。
ですから約10倍ぐらいに増えているという数になっています。
多くの方が元気に成人を迎えているという実態ですよね。
大人になってからの注意すべき点はどういう事なんでしょうか?特に子どもと違う点は心臓の働きが悪くなる心不全ですとか脈が乱れる不整脈が多くなってまいります。
また妊娠出産という問題もございますしそしてこういった患者さんが大人になってまいりますと小児科ではなく誰がどこで診ていけばいいかという診療体制の問題もございます。
そういう事も課題な訳ですね。
それではお話を前に進めるために先天性心臓病の具体的な例をまずは見ましょう。
久田さん。
ではこちらで代表的な先天性心臓病ファロー四徴症の女性Aさんの例を見ていきましょう。
Aさんは2歳の時にファロー四徴症の手術を行いました。
その後経過は順調でしたが20歳の頃から動悸や息切れなどに悩まされるようになり22歳の時に再手術をしました。
そして25歳の時に無事出産。
その後30歳ごろから体重が増えて肥満になってしまいました。
このAさんのケースを基に…この3つのポイントで成人後のケアを考えていきます。
ではこのお話を進めていきますがまずAさんのファロー四徴症という病気ですね。
心臓にどういう事が起こる病気でしょうか?まず左側は健康な方の心臓です。
これは全身から戻ってきた静脈の血液が心臓は4つの部屋に分かれている訳ですがまず右心房という所に戻ってまいります。
これが次は右心室に流れていってそれから肺動脈という所を通って肺に流れます。
そして肺は酸素を取り込む所ですのできれいな動脈血になって左心房左心室そして大動脈に流れてくるという流れ方をする訳です。
一方ファロー四徴症はどうかと言いますと全身から戻ってきた血液が右心房に戻ってきますがこれが右心室に入ります。
ファロー四徴症は肺動脈という血管が非常に小さく細い。
それから肺動脈の弁がこれもやはり非常に小さいと。
それと同時にこれが小さいものですから大動脈が少し前方に出てきます。
また同時に心室という所の間に普通は壁で隔てている訳ですがこの間に大きい孔が開いてしまいます。
そうしますと右心室と左心室の血圧も同じになりますので右心室がこのように肥大してくる。
これ心筋ですね。
肥大している。
こういう肥大した心臓。
それから大動脈が太くなっている。
それから肺動脈が小さい。
そしてこういうふうに孔が開いている。
こういう4つの徴候を持つものをファロー四徴症と呼ぶ訳です。
心臓がこのような状態ですとどんな症状が出てくるんですか?静脈血がこの右心房に来ましてこれが右心室に行くんですが普通の方ですと全てこれが肺動脈に流れていく。
ところが肺動脈が非常に小さいのでここの孔を通って大動脈にかなり多くの部分が流れます。
そうすると酸素の少ない静脈血や色が黒っぽいような血液が全身に流れますのでですから唇ですとか爪が黒っぽい色になったり赤ちゃんが泣きますと真っ黒になったり場合によっては意識をなくしてしまう症状が出てまいります。
それでは治療ですがこのファロー四徴症は乳幼児期にはどのような治療をするのですか?乳幼児期には一般的に言いますと軽症の疾患ですと経過観察という事もありますがファロー四徴症のように中等症から重度の疾患ですとカテーテルで心臓を治すような治療法それから手術的に心臓を治す方法がございます。
カテーテルの治療は足の太い血管子どもですから小さいですがそこから細い管を入れて狭い弁を広げる治療法を行います。
それから心臓の手術はもちろん胸を開けて心臓の形を直す事で治していく事になります。
孔を塞いだりという事もなさる訳ですね。
先ほどのAさんのケースですが2歳の時に最初の手術を行っていますよね。
その後22歳の時に再手術という事になった訳ですがこれはよくある事なんですか?そうですね。
まず2歳の時のこの手術っていうのはファロー四徴症の場合には先ほどの狭い肺動脈という所を人工的なものを使って広げたりそれから弁の狭い所を切開して広げる事をやります。
それから孔を塞ぐ訳です。
チアノーゼがとれて非常に元気になる訳ですが根治手術という事ではなくて年齢が上がってまいりますと今度は肺動脈弁の逆流ですとか人工材料の劣化という事が起こってまいりますのでだんだん心臓が大きくなってきて場合によっては心不全を起こしたり不整脈を起こしてくる訳です。
これが動悸息切れという事に結び付いてそういう方の場合に今薬剤治療ですとかあるいは再手術という治療が必要になってきて弁を替えたりする必要が出てまいります。
治療の流れですが…。
このような動悸息切れそれから疲れやすいのは心臓の働きが悪い心臓から十分に血液を送り出せないような事を心不全といいますがこういう事が起こりますと同時に不整脈が起こったりしてこのような症状が出てきます。
その場合には基本的には薬物療法をまず行う訳ですがこれが十分に効果がない場合には再手術を行う訳です。
これはファロー四徴症ですとどうしても弁の逆流という事が多く起こってまいりますのでこれはよく見られる事なんです特にAさんという事ではなくて。
小さい頃の手術でそれで全て終わりという事ではない訳ですね。
更なるケアも必要になってくるというそういう病気なんですよね。
ほかにはどんな時に手術が検討されますか?基本的には不整脈や心不全がある時に行う訳ですが子どもの頃に人工血管を使って治す事もございます。
こういう場合ですとサイズが小さいものを入れますので大人になるとやはりそれを入れ替えないといけないと。
人工血管そのものは大きくなりませんもんね。
それから肺動脈先ほどのファロー四徴症なんかですと弁を切開しますのでそこから逆流が起こってくると。
こういったものが子どものうちは大丈夫なんですが大人になってだんだんその負担が増えてまいりますとこういったものは再手術が必要になってまいります。
再手術ではこういった弁の形成手術をしたり人工弁に替えたりあるいはこういった人工血管が劣化してきた場合にこういったものを交換するような手術が行われる訳です。
ではAさんの例をもう一回見ていきましょう。
この再手術のあとですね25歳の時に無事妊娠出産という事になる訳ですがこういった妊娠出産に関しては可能かどうかという事が不安な方もいらっしゃいますよね。
先天性心疾患に関しては約半数が女性な訳です。
それで子どもの頃からずっと…。
大人になってまいりますので必ず妊娠出産という事に直面する訳です。
そして大体今そうは言いましても以前は心臓病の子は妊娠出産ができないと考えられた事もありますが現在は大体90%の方で出産が可能になっています。
これはいい事なんですがやはり普通の方と違いまして心臓が悪いという事で妊娠出産の時に心不全不整脈それから血液が固まる合併症が起こってくる事がございます。
起こりやすい訳ですよね?起こりやすい訳です。
ですので妊娠出産する前に専門の医者にそういった事を相談して病気によってその特徴も違いますので相談を受ける必要があると思います。
こういう事が注意が必要ですがほかに妊娠出産に際して患者の方によく質問を受けられる事はございますか?よくある事はもともとの生まれつきの病気ですので自分の子どもにもそのような病気が出てきてしまう可能性があるかどうかという事です。
これは父親男の方が先天性心臓病の方ですと大体2%ぐらいで母親が先天性心疾患ですと5%ぐらい。
一般的に1%ですのでやや高い数値になります。
ただそういった方々も大人になってきますと子どもを産んだりできますし普通に生活できますのでそれほど心配する事はないだろうと思います。
さてAさんのところに戻りますが30歳のところに体重が増えて肥満状態になったとありますがこれは心臓病とどのような関係にあるのでしょうか?生まれつきやや重い病気の方ですとどうしても体重の増えが悪くて痩せている子が多いんです。
ですのでご両親特にお母さんがミルクをいっぱい飲ませて食事をいっぱい食べさせてなるべく太るようにしようとする訳です。
そういう事が一つ子どもの頃からあって続いていると。
それから心臓病の子ですと運動が普通の子よりもやや得意ではない事が多くて見学をしたりする事もございますので体を動かす習慣があまりないという事があります。
そういった事がありますしそれから心臓病によってはややメタボリックシンドロームになりやすい。
あるいはファロー四徴症もそうですが大動脈がちょっと太い方ですと血管が硬くなっている事もございます。
こういう事がありますと将来的な大人での心臓病である心筋梗塞のリスクファクターという事になります。
冒頭ちょっとおっしゃいましたがこうした先天性の心臓病は小さい頃は小児幼児の専門家がご覧になる訳でしょうが成人になってからの問題はまさか小児科のままという訳にもいかずどういう課題があるんでしょうか?それも非常に大きな問題で現在子ども病院で診る事が多いので小児科医が診ている訳ですが小児科医はやはり成人になってからの病気があまり得意ではないです。
それから循環器内科医は大人の心臓病を診る医者ですが循環器内科医ですとやはりこういった複雑な心臓病にあまり慣れていないという事もあって単独で診るのが非常に難しい。
それから妊娠出産という問題がございますので今は循環器小児科医あるいは内科医そして外科医それから産科というチームで診ていく事が非常に重要だろうと考えられています。
それでそういった全体的なチームで診る施設が現在だいぶ増えてまいりましてこれは循環器内科を中心としたネットワークがだいぶ出来ています。
そうした成人の先天性心臓病の治療を行う施設ですが全国に70か所あるという事でこちらのホームページから調べる事ができます。
是非ご覧頂きたいですね。
こうした受診窓口がある事を患者側が知っておく事が大事ですね。
先天性心疾患の方ではこういった経過観察が非常に大事な訳ですが小さい頃随分元気になったのでもう医者に行く必要はないだろうという事で全然行ってない方も増えてまいりました。
ただそういう方に関してもやはり専門の医者に一度はかかってそれからいろんな注意事項がございますしそれから将来的な合併症の予防治療という事を的確な時期にやるという意味でこういったところを参考にして専門医を受診する事が必要だろうと思います。
どうもありがとうございました。
2014/07/16(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「先天性心臓病 成人後のケア」[解][字]
心室中隔欠損症などの先天性心臓病は治療の進歩で多くが成人を迎えるように。心不全・不整脈への対処や妊娠・出産をどうするかなど、成人後の治療やケアについてご紹介。
詳細情報
番組内容
およそ100人に1人の割合で生まれる先天性心臓病。治療の進歩で、乳幼児期に適切な治療が行われ、多くが成人を迎えるようになった。心臓の壁に孔(あな)があく心室中隔欠損症やファロー四徴症がその代表だ。成人を迎える人が増える一方で、心不全・不整脈への対処や妊娠・出産問題など、新たな課題も出はじめている。再手術を検討する条件や見逃したくない症状や再治療のタイミングなど、成人後の先天性心臓病のケアをご紹介。
出演者
【講師】聖路加国際病院心血管センター長…丹羽公一郎,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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