(ブツリン)熊谷君熊谷君。
あっブツリン。
(ブツリン)その箱をスタジオに運んでくれる?うん分かった。
いいよ。
あ〜何だこの大きさだったら軽いじゃん。
よしじゃあ引っ張ろうかな。
何?う〜…う〜ん。
ハ〜イブツリンだよ。
始めビクともしなかった箱が動きだすと滑らかだったね。
その時箱にどんな力が働いたのかなぁ?熊谷君荷物運んでくれてありがとう。
いや〜重くて大変だったよ。
これね先生からのプレゼントなんだって。
えっそうなの?何が入ってるんだろう。
ねえ。
うわ〜。
ダンベルこんなに入ってたのか。
だから重かったんだね。
ご苦労さま。
熊谷君そっちの大きいうちわであおいでみて。
う〜ん!あ〜すごい力いるよこれ。
そう!まさにそれなの。
この箱を引っ張って運んだりする力とこのうちわを使ってあおいだりする力が今日のテーマと関係があるの。
うん?何かピンと来ないな。
そんな熊谷君のために3つのポイントを紹介します。
具体的には摩擦力と空気抵抗の事だね。
摩擦力と空気抵抗はそれぞれ運動を妨げる力なんだよね。
うん。
そこを詳しく見ていきましょう。
今日解説して下さるのは田原輝夫先生です。
先生よろしくお願いします
(田原)よろしくお願いします。
今日のテーマは運動を妨げる力という事なんですけども妨げるというと何か邪魔な力という印象を受けるかもしれませんけれども摩擦力も空気抵抗も非常に大事な力なんですね。
ところで先ほど熊谷君が運んでくれた箱ですけれどもこの箱にどんな力が働いているのか見ていきましょう。
今水平に引っ張ってもらってますね。
物体は一定の速度で動いています。
まず引く力すなわち張力が働いています。
そしてそのほかに重力や垂直抗力も働いていますね。
もう一つ張力とつり合う力が反対向きにこのように物体と地面の間に働いています。
この力が今回のテーマの一つ摩擦力なんですね。
摩擦力は動かそうとする力と反対向きに働くから運動を妨げる力なんですね。
はいそういう事なんですね。
そしてこのように動いている物体に働いている摩擦力の事を動摩擦力というんですね。
それでは動摩擦力のはかり方について説明しましょうね。
これを使います。
ばねはかりですね。
はい。
じゃあこの箱を引っ張ってみますね。
はい。
すいませんこれお願いします。
このように水平方向に引っ張っていきます。
一定の速度になるようにこう引いていきますね。
ばねはかりの目盛りというのは張力をはかっている訳ですけれども実はこの…この目盛りはそのまま動摩擦力の大きさも表している事になるんですね。
ところで熊谷君…何か今日自信ありげだね。
それでは実験で確かめてみましょう。
物体にはビー玉を入れたプラスチックの箱を使います。
3つの箱は同じ重さです。
ばねはかりと同じ板の上に小型カメラを置きます。
このカメラでばねはかりの目盛りを読みます。
おもりの箱を1つにして板を一定の速さで引きます。
動きが安定しました。
ばねはかりの張力はおよそ…これが動摩擦力の大きさです。
次に箱をもう一つ増やして重さを2倍にして引きます。
動きが安定しました。
張力はおよそ…動摩擦力が2倍になりました。
更に箱を3つにします。
重さが3倍になります。
動きが安定しました。
張力はおよそ…動摩擦力が3倍になりました。
箱が重くなるにつれて動摩擦力も大きくなったのです。
では今の実験についてちょっとまとめてみましょうね。
こちらは箱が1つの時の重力垂直抗力張力動摩擦力ですね。
3段重ねにするとこのように重力も垂直抗力も動摩擦力も全て3倍の大きさになりますね。
一見重力に比例して動摩擦力も3倍になったというふうに見えますけれども実は動摩擦力というのは上に載っている物体と下の台の間の面の所で働く力ですよね。
ですから面と面が押し合う力すなわち……と考えた方が自然なんですね。
なるほど。
熊谷君今度は速さに注目して見てみましょう。
1つの箱を一定の速さで引きます。
張力はおよそ…速さを速くします。
張力はあまり変わりません。
もう一度見てみましょう。
このように引く速さを速くしても動摩擦力の大きさはほとんど変わりません。
今の実験から物体の滑る速さが変わっても引く力というのはほとんど変わりませんでしたよね。
という事は…それではここで動摩擦力の性質についてまとめておきましょう。
まず…この2番目の性質というのは式で表す事ができます。
動摩擦力というのは垂直抗力Nに比例するとそういう式ですね。
そして比例定数ミューダッシュと読みますけれどもこのの事を動摩擦係数といいます。
これはギリシャ文字で…ギリシャ文字は物理ではよく使われるんですよ。
でこのμどういう意味だと思いますか?私の足元に注目。
今毛糸の靴下をはいています。
これでプラスチックのシートの上を滑ります。
それではいきます。
それでは次はスリッパを履いて同じように滑ってみたいと思います。
あっ…。
スリッパは靴下より滑りにくかったですよね。
これは…つまり…μが分かったところでもう一度動摩擦力の式を見て。
動摩擦力=物体の滑りにくさ×垂直抗力Nつまり物体の重力という事になる。
今度は物体が止まっている時の摩擦力と垂直抗力の関係を考えてみましょう。
もう一度あの場面を見て下さい。
熊谷君が引っ張るところをスローモーションで見るよ。
力を入れるが動かない。
(ブツリン)やっと動きだした。
実は熊谷君が箱を引いた時箱には動きだす前から摩擦力が働いてたんです。
えっどういう事?つまり…説明するね。
熊谷君が箱を引っ張ります。
でも箱は止まったままです。
この時箱が動かないのは張力の反対の向きに摩擦力が働いているからなんです。
この摩擦力を…静止摩擦力?そう。
ばねはかりをゆっくりと引き張力を大きくしていきます。
張力はおよそ…箱は動きません。
張力と静止摩擦力がつり合っています。
更に引きます。
張力はおよそ…箱はまだ止まったままです。
更に強く引くと…。
箱が動きました。
動く直前まで逆回転して戻ります。
動きだす直前ぎりぎりの張力はおよそ…これが…動きだしたあとはどうでしょうか?張力の大きさが小さくなりました。
動摩擦力の大きさは最大摩擦力より小さい事が分かります。
このように…この点が動摩擦力と大きく違う点です。
変化するといってもやはり限界がありますね。
この…そしてこの……という事が先ほどのビデオから分かりました。
つまり摩擦力は動きだす直前が一番大きくて動きだすと小さくなるという事ですね。
はいそのとおりですね。
そしてその最大摩擦力も動摩擦力と同じようにやはり垂直抗力に比例するという性質があります。
このように…このμというのは静止摩擦係数といいますがこれも面と面の材質や面の状態によって決まるその滑りにくさを表す係数なんですね。
空気抵抗はうちわをあおいでいた時に感じた力だよね。
でも終端速度って何?その質問に答える前にまずは空気抵抗について説明するね。
大きなうちわの方が大きな空気抵抗を受けるよね。
そうだよね。
大きなうちわはかなり大変だよこれは。
で動かす速さが速ければ速いほど大きな空気抵抗を大きく受けるよね。
ところで熊谷君これ覚えてる?もちろん。
これは落下運動の実験の時に使ったよね。
そうだね。
じゃあこの紙風船と丸めた紙風船を同時に落としてみます。
いきます。
膨らんでる紙風船の方がゆっくり落ちたね。
そうだね。
それでこの紙風船が…でこっちが…そういう事。
さて次は速さとの関係を実験で見てみましょう。
実験に使うのはお弁当におかずを分けて入れる紙の容器です。
まず容器を1枚落とします。
スローモーションで見てみましょう。
一定の時間ごとに容器の位置を記します。
落ち始めは加速しますがすぐに一定の速さになっています。
次に容器を重ねます。
重ねると枚数分重くなりますが形が変わらないので空気抵抗を受ける表面積は同じです。
3枚重ねた容器を落とします。
スローモーションで見ると…。
重くなった分速く落ちますがある所で速さが一定になります。
2つの違いを見ます。
重さが重くなると速く落下しますが共にある速度になると落下する速度が一定になる事が分かります。
このように…空気がないとどんどん速く落ちていくけど空気があるとそうじゃないんだね。
そう。
だから空気中で高い所から落ちるものは全て最後は終端速度で落下してるんだよね。
そうなんですね。
では終端速度について図を使って説明しましょう。
このように落ち始めは速度が0ですから重力加速度Gでまず落下をし始めますね。
速度が速くなってくると空気抵抗が働き始めます。
ただ加速度の方は小さくなっていきます。
更に加速されてこのように空気抵抗がまた大きくなります。
このあとも加速されてある速度まで達すると今度は空気抵抗と重力がつり合うようになりますね。
そうしますとこのあとは等速直線運動となりもうこれ以上速度が速くなりません。
この時の速度が終端速度という訳なんですね。
ここで確認しておこう。
実験では重さを変えたよね。
重さが重くなってもやがて終端速度になる。
しかも…要するに空気中を落下する物体は全て…おっと付け加える事があった。
終端速度は空気中だけの事じゃないんだ。
水の中でも同じ現象が見られるんだよ。
この時重力とつり合うのは浮力だけどね。
今日は運動を妨げる力について学習しました。
熊谷君どうだった?摩擦とか空気抵抗っていつも身近に感じているけど今日はしっかり理解する事ができたよ。
実は摩擦力というのは空気抵抗もそうなんですけども非常に大切な力なんですね。
摩擦がなければ滑ってしまって歩く事さえできません。
それどころかどんどんどんどん低い方へ低い方へ滑っていってしまって最後はみんな海に落ちてしまいますね。
泳ごうと思っても水の抵抗がなければ泳ぐ事もできないという事になります。
抵抗力ありがとうだね。
うん。
じゃあ熊谷君この箱片づけといて。
えっ?それでは皆さんさようなら。
さよなら。
あ〜大きな摩擦を感じるな。
うん…あ〜。
止まっている物体に働く摩擦力が静止摩擦力です。
動きだす直前の静止摩擦力を…2014/07/16(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「運動を妨げる力〜摩擦力と空気抵抗〜」[字]
運動を妨げる力にはどんな力がはたらいているだろう。動いている物体や止まっている物体にはたらく摩擦力や物体が落下運動をする時の空気抵抗などについて学習する。
詳細情報
番組内容
動いている物体や止まっている物体には、摩擦力がはたらく。動いている物体にはたらく摩擦力を動摩擦力、止まっている物体にはたらく摩擦力を静止摩擦力という。その大きさは垂直抗力の大きさに比例する。空気抵抗は、物体の落下を妨げる向きにはたらき、落下する速度はやがて一定になる。その速度のことを「終端速度」という。【講師】田原輝夫(東京都立城東高校教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【講師】東京都立城東高等学校教諭…田原輝夫,【司会】黒田有彩,熊谷知博
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0×0808)
EventID:14160(0×3750)